こんがり玄米茶房内検索 / 「ネタバレ参加者名簿」で検索した結果
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ネタバレ参加者名簿
AngelBeats! 5/6 ○音無結弦/○立華奏/○日向秀樹/○仲村ゆり/●直井文人/○ユイ Fate/stay night 5/5 ○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○間桐慎二/○葛木宗一郎/○藤村大河 Fate/Zero 5/5 ○衛宮切嗣/○アイリスフィール・フォン・アインツベルン/○雨生龍之介/○遠坂時臣/○久宇舞弥 FORTUNE ARTERIAL 6/6 ○支倉孝平/○千堂瑛里華/○紅瀬桐葉/○東儀白/○千堂伊織/○東儀征一郎 G線上の魔王 3/6 ○浅井京介/○宇佐美ハル/●美輪椿姫/○浅井花音/●白鳥水羽/●相沢栄一 To Heart2 XRATED 6/7 ○河野貴明/○柚原このみ/○向坂環/○十波由真/○小牧愛佳/○小牧郁乃/●向坂雄二 あっちこっち 5/5 ...
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パロロワ
...種設定 参加者名簿 ネタバレ参加者名簿 死亡者リスト 地図 ルール
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参加者名簿
AngelBeats! ○音無結弦/○立華奏/○日向秀樹/○仲村ゆり/○直井文人/○ユイ Fate/stay night ○衛宮士郎/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○間桐慎二/○葛木宗一郎/○藤村大河 Fate/Zero ○衛宮切嗣/○アイリスフィール・フォン・アインツベルン/○雨生龍之介/○遠坂時臣/○久宇舞弥 FORTUNE ARTERIAL ○支倉孝平/○千堂瑛里華/○紅瀬桐葉/○東儀白/○千堂伊織/○東儀征一郎 G線上の魔王 ○浅井京介/○宇佐美ハル/○美輪椿姫/○浅井花音/○白鳥水羽/○相沢栄一 To Heart2 XRATED ○河野貴明/○柚原このみ/○向坂環/○十波由真/○小牧愛佳/○小牧郁乃/○向坂雄二 あっちこっち ○音無伊御/○御庭つみき/○春野姫/○片瀬真宵/○戌井榊 ...
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oath sign
oath sign 最悪の気分だ。苦虫を噛み潰したような表情で、青年は溜息を零した。 ピタリと首に装着されている首輪からは、無機質特有の冷たさしか感じられない。辟易して取り外そうにも、ルールブックに書いてある言葉を信じるなら、この首輪は一定の衝撃で作動する。 もし作動してしまえば、解除方法は無し。ポン、と。あの会場で犠牲となった少女と同じく、彼の首は間抜けな音を立てて飛ぶに違いない。 それは、如何なる身であろうとも敵わない現実。 「……どうしたものかねぇ」 溜息と共に率直な感想を吐きだす。 そんじょそこらの出来事にうろたえるほど、彼の精神は柔ではない。が、これは流石に別次元だ。 自分ひとりだけならば、まだどうにかなった。どうにでもなった。 だが、手にした参加者名簿が持ち前のポジティブな思考を押しとどめる。 「我が愛しき妹に、相棒。白ちゃんに期待の新...
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ルール
基本ルール 生き残りをかけて、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。 最後の一人が優勝者となり優勝商品として、なんでもひとつ願い事を叶えてもらえる。 ゲーム開始時、参加者はスタート地点からワープさせられマップ上にランダムに配置される。 四日目終了時までに決着がつかなかった場合はゲームオーバーとなり、参加者全員の首輪が爆破される。 支給品について バック 地図 コンパス 筆記用具 食料、水(おおよそ四日分) 参加者名簿(名前のみ) ランタン 時計 ランダムアイテム(中にランダムでアイテムが1~3個入っている) 意志持ち支給品について 自らの意志を持った支給品。サーヴァントや動物など。 サーヴァントの場合、その能力・宝具には大幅な制限がかけられ、霊体化も不可。 令呪を使用しても、大きな効果は望めない。 作中での時間表記 深夜:0~2 黎明...
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Labyrinth
Labyrinth 誓ったんだ。 これからは、強く生きるって。 それでも。 皆を見捨てて、逃げだしたあの時のことを。 眼が覚めて、僕と鈴しか生き残れなかった現実を。 何よりも、それを受け入れてしまった僕自身を。 後悔しない日は、ない。 ■ 手にした金属バットは、驚くほど僕の手に馴染んでいて。 構え、踏みしめ、振るうまでの一連の動作は、一切滞る事が無かった。 嘆くわけではないけど、僕の体はお世辞にも恵まれているとは言い難い。 華奢で、小柄で。余計な肉が付いていないと言えば聞こえはいいが、女の子と間違えられるような肉質と言うのは、男児にとっては死活問題もいいところだ。 同部屋の幼馴染に合わせて鍛えた事もあったけど、生来から肉が付き難い体質なのか、筋肉質な体型になることはなかった。 つまりは...
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少女と筋肉と遊園地
少女と筋肉と遊園地 「……ええと、理樹と鈴と恭介と謙吾とクド公と……」 B-1、海上遊園地の一画。 備え付けのベンチに座りながら、筋骨隆々の大柄な少年が頭を悩ましていた。 身に着けているのは、赤いバンダナと特注製であろう学生服。 手に持っているのは、一枚の紙切れ。 「ああと……これも恭介のバカの……いや、んなわけねぇか」 ぶつぶつと独り言を呟きながら、少年は先ほどから何度も参加者名簿と空とを交互に見比べる。 当然、名簿に書いてある内容は変わらないし、見上げた空は夜空のままである。 生気のない眼を上下に動かすその姿は、不気味を通り越して、いっそシュールであった。 「……」 だが、どんな物事にも限界はある。 人が永遠に走り続けられないように。 自動車が永遠に走行できないように。 飛行機が永遠に飛べないように。...
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醒めない夢
醒めない夢 大音京子は、月を眺めていた。 場所は、D-1。その断崖絶壁に、彼女は腰かけていた。 きれいな月だ---と、彼女は思った。 素直に、心の底から。こんな状態であるというのに、見上げた夜空に輝く満月を見て、感嘆していた。 「きれいね・・・本当に・・・」 返ってくる言葉は無い。そもそもこの地区には、彼女以外はいない。 それでも彼女は言葉を紡ぐ。ひとり言のような、けど誰かの反応を期待しているような。 返ってくる言葉は無い。 ■ 大音灯花と、大音京子。 名字は同じだが、彼女らは血のつながった親子ではない。 しかし、それでも。京子は灯花を実の娘と思っているし、灯花も京子を実の母親と思っている。 そこには固い絆があって、壊れることは無いはずだった。 少なくとも、あの瞬間までは。 永遠に続くと思っていた幸せは、消え...
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ファーストエンカウント
ファーストエンカウント 「参ったな・・・」 音無結弦はため息をついた。彼の手には参加者名簿。基本支給品の一つだ。 その名簿には、彼の知り合いの名前が五人記載されている。 総参加者数は58人。一人、見せしめのために殺されてしまったから、現時点では57人。そのうち5人が顔見知りだ。 彼らはゲームに乗るだろうか? 「いや、ないな」 胸中に湧き出た疑問を、瞬時に口に出して否定する。 結弦の仲間たちは、主催者たちに反抗こそすれ、こんなゲームには乗らない。 その確証が結弦にはあった。 (さて、それじゃあどうするか) 望ましいのは、みんなとの合流。 だが、みんなはどこにいるのか。それが問題だ。 むやみやたらに捜しまわっても、出会える可能性は低い。 (・・・どこにするか、だな) 開いた地図では不十分。南に新都があるくらいし...
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由真と動物奇想天外
由真と動物奇想天外 紅真九郎は困惑していた。 他の参加者たちとは、違う意味で困惑していた。 「……なんで俺の名前が無いんだ?」 彼の手には、一枚の紙がある。 名を、参加者名簿。 この悪趣味な催しに参加している者全員に、もれなく配られている基本支給品の一つである。 が、そこに問題点が一つ。 名前が無い。 紅真九郎の名前が、無い。 「……っ」 最初こそ不思議がっていた彼だが、思考が現実に追いついたところで、顔が強張る。 彼の脳内にて、二つの憶測が形となったからだった。 一つは、この催しには少なからず『悪宇商会』が関わっていること。 揉め事処理屋として、幾度となく衝突した。敵視されているであろうことは間違いない。 この機を利用して抹殺するためならば、参加させられた理由にも理解できる。どうやって、かは...
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いざ、行かん!
いざ、行かん! 「夢じゃない、か……」 諦観の意をありありと含んだ息を吐きながら、十波由真は言葉を零した。 彼女の両頬は、不自然なまでに真っ赤に腫れ上がっている。 目が覚めたから約十分。抓り続けた結果がコレである。 「何だってのよ、も~~~……!」 若干声を潤ませながら、どんどんと地面を叩く。 すぐ傍にはディパックが転がり、自身の首には首輪がぴったりとくっついている。 あの怪しさ全開の変態神父の変な説明など信じたくないが、この現状が夢ではない以上、あの神父の言葉は本当なのだろう。 つまりは…… 「~~~!!! ええい、止め! 止め!!」 大声を上げて良くない想像を打ち消すと、やや乱暴気にディパックをひっくり返す。 冷たい石畳みの上に音を立てて支給品が転がるが、それを気に止める余裕は今の由真になかった。 「え...
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ココロの声
ココロの声 直井文人にとって、この殺し合いの目的なんてどうでも良かった。 誰が死のうと関わりのない事だし、一々助けてやる義理も無い。 優勝者は願いを叶えてもらえるらしいが、そんなものに興味は無い。 面倒事に巻き込んでくれた主催者たちには、当然償いはさせるが、自分から積極的に動こうとは思わない。 つまりは、わざわざ労力を割いてまで如何こうしようとは考えていなかったのだ。 ――――名簿を見るまでは 「音無……さん?」 震える声で言葉を紡ぐ。 震える声で名前を呼ぶ。 文人が手に取った――本当に何の気なしに取った――名簿には、彼のよく知る名が記載されていた。 音無結弦 名簿のやたらと人数の多いア行、その最後にその名前は記載されていた。 「なん……で……」 音無結弦とは、文人を救った人物の名前である。 ...
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目的は凛然なりて
目的は凛然なりて 「何だよ・・・貴明に、このみ、アネキ、それにいいんちょまでいやがる」 支給品に入っている、参加者名簿。そこには、向坂雄二の知り合いの名前が羅列されていた。 「くそっ・・・そうだ、武器!」 参加者に呆然としていた意識を引き戻し、未だに確認をしていなかった自分の武器をようやく確認する。 「これは・・・ボウガンか」 雄二が取りだしたのは、扱いやすいようにと軽量化されたボウガンだった。 このゲームにおいて、いわゆるアタリの武器。 それは、まだ高校二年生になったばかりという彼の心に、いくらかの安心感を与えた。 「よし、これなら」 説明書を見て、試しに一発撃ってみる。 狙いは、数メートル先にある木の幹。 たかが数メートルとはいえ、よく狙いを定めて放つ。 その甲斐あり、矢は狙ったところにちゃんと当たった。 ...
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バカシアイ
バカシアイ 支給された物品は基本支給品と発煙筒三つ、それに手榴弾が五個。 目覚めた場所は地図の端っこ、A-8の灯台。 灯台の造りはいたってシンプル。地上の入り口から螺旋階段を上がるだけ。途中に部屋は無く、今自身がいる場所が唯一の部屋。 灯台としての機能は長い事使用されていないらしく、機器が動く可能性は低い。しかるべき処置をすれば動くかもしれないが、そんな知識も手腕も保有していないので考えるだけ無駄。 室内には救急セットと緊急時脱出用の縄があった。救急セットは使用可能年月日が記載されていなかったのが怖い。縄は老朽化している様子はなく、標準的な大人一人分の体重を支える程度なら問題はないだろう。他に目ぼしいものは無し。 以上が、目覚めてから大凡三十分で少年が纏めた全て。 彼がどこにでもいるであろう一介の高校生であることを考えれば、驚嘆に値する思考と行動である。 ...
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裏vs裏
裏vs裏 口元をマフラーで隠し。 物思いに耽るように目を閉じて。 ■ 会場には、約60名の参加者。 目立った名前は無し。一般人が大半。 ホールには何名か此方側の人間、若しくは近しい人間がいた。関係者か参加者かは現時点では不明。 多くは若者。高校生くらいが大半を占める。 首輪は爆発物。外そうとしたり、余計な刺激を与えると爆発する。 禁止エリアは放送ごとに告知。侵入すれば首輪が爆発。 「……」 そこまで考えて、斬島切彦は思考を放棄した。元より意味の無い思考であった。 ディバックを探ると、何の変哲もない包丁が出てきた。数は一本。他に特別なモノが見当たらないことから、おそらくこれが支給品なのだろう。 くるくると、危なげなく包丁を振るう。空気を切る音が響いた。 「……了解」 名簿に名前が無い...
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教諭として
教諭として 暗殺者とは、名が示す通り、暗に殺すことに長けた者のことを指す。 もちろん、手段は問わない。どのような手でも、殺すことが第一だからだ。 策を弄じ、罠に嵌め、必要とあらば無関係な人間も巻き込む。 暗に殺すというのは、決して秘密裏に殺すことではない。 余計な情報をを周囲に与えないようにして殺すことだ。 ゆえに、暗殺者自身の命ですらも、時としては勘定に入る。 葛木宗一郎も、そんな暗殺者の一人であった。 あった、というのは、彼がすでにその稼業から遠のいているからだ。 今の宗一郎の職は、教職。これは、暗殺者であった頃に与えられた、仮の職である。 彼は標的の暗殺後、自決するよう組織に命じられていた。 しかし、自身の成果に疑問を抱いた宗一郎は、自決することなく教職を続けることになる。 意外なことに、任務後五年経過した今も、追手を仕向けられたことは無い。 ...
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フィギュアスケーターと殺し屋と大男
フィギュアスケーターと殺し屋と大男 灯りが消え、皆が寝静まる住宅街。 人工の光で彩られる新都の街並み。 共通するのは、人の気配がしないということ。 人が暮らし、生きていた色合いを強く残しながら、しかし忽然と消えてしまったような感覚。 日常のひと時の瞬間を切り取り、この場に移したような。そんな存在。 「……」 言葉に出来ない感情を飲み込むと、浅井花音は部屋に鍵をかけた。彼女が今いるのは、適当に見定めた一軒家のリビングだ。玄関や窓は勿論、一室一室全てに鍵をかけてある。マスターキーなんてものが存在しない以上は、外側から誰かが来ても家に入ることは出来ない。過信は禁物だが、少しばかり緊張を緩めても問題は無かろう。 疲れ果てたように花音はソファーに腰を下ろした。ぼんやりとした視線が、傍のテーブルに置かれた湯呑を捉える。数は三つ。まだ中身が残っており、何故だ...
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Q.あなたは手を汚せますか?
Q.あなたは手を汚せますか? B-6。 地図に載っていない一軒家。 向坂環は椅子に座ったまま、身動ぎ一つせずに時計を眺めていた。 チクタクと秒針が規則的に動き続けている。連動するように、少しずつ長針も動いている。 その様相をただただ環は眺め続ける。 他には何もしない。 何も、しない。 「……向坂さん。少し、よろしいでしょうか?」 しばし無表情で時計を眺めていた環だったが、声をかけられたことで意識をそちらに向ける。 視線の先には、亜麻色の長髪の少女がいた。 「ええ、大丈夫よ。何かしら」 環は一転して、笑みを浮かべた。見る人を落ち着かせる、不安を与えない笑顔。 その笑みに触発されたのか、目の前の少女も淡く微笑む。 だがそれは、環とは異なり、様々な感情を押し殺した危うげな微笑みだった。 「……...
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メイドと英霊
メイドと英霊 サーヴァント――召使の意。フランス語のセルヴァンに相当。 サーヴァント――冬木の聖杯戦争にて召喚される、特殊な使い魔。 ■ 「――――問おう」 闇夜に響く、凛然とした声。 「汝が我を招きしマスターか」 視界を覆うような光の後に、目の前に顕現した白銀の鎧に身を包んだ少女。 H-8一帯に点在する遺跡。その中心部。 支給されたディパックから突然人が顕れるという非常事態にも、マリアは慌てず対応していた。 「初めまして。三千院家に仕えております、マリアと申します」 自己紹介の後、45度の角度に腰を曲げる。 最敬礼。一部の過ちも無く、三秒の後に顔を上げる。 ――――目の前には、少し困惑したような表情の少女。 「……サーヴァント、セイバー。召喚に応じ、現界しました」 ...
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オープニング
「どこだ、ここ・・・」 浅井京介が目を覚ますと、そこは一面薄暗い大部屋だった。 広さは体育館程度だろうか。ざわめきから察するに、けっこうな人数がいるようだ。 (どういうことだ・・・) 自分は確かに眠りについた。自分の家で。 だがここは、そんな記憶とはまったく関連のない場所。 疑問に思うことは多々あるが、とりあえずは壁際に移動し、周りを観察をする。 まずは現状把握。薄暗いが、頭上の非常用ライトで大概は見える。 「・・・ん?」 ふと、一人。同年代くらいの少女の首に視線が行く。 その首には、銀色に鈍く光る何かがとりつけてあった。 「あれは・・・首輪?」 よく見れば目の前の少女だけではない。その周りにいる人も、首に同じようにつけている。 (もしかして・・・) 嫌な予感がし首元に手をやると、冷たくかたい感触に触れた。 ...
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difference
difference 「――呪ってやる――」 その姿を――識っていた。 その声を――識っていた。 慈愛と憧れに満ちていた瞳も。 肩を掴む優しかった細い五本の指も。 その全てが――その全てを、確かに識っていた。 「■■■■……オマエを呪う……苦しめ……死ぬまで悔やめ……絶対に、許さない……」 怨嗟の声が耳を犯す。 憎悪に染まった瞳が身を貫く。 慈愛にあふれていたその姿は、底抜けの呪詛に染まっていた。 何かが、頬をつたう 「ああ、いいとも」 肩に食い込む五指を。 捉えて離さない瞳を。 止む事の無い言葉を。 その全てを、一身にその身に受けながら。 事もなく、男は了承の意を唱えた。 「それでいい。言ったはずだ」 身体を犯す呪いを感じながら。 流れ込む憎しみを受けながら...
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ぼくの/わたしのいやなこと
ぼくの/わたしのいやなこと 世の中が公平だなんて一度も思った事は無い。 そんなものは此処に連れてこられる前から承知していた。 だから胡散臭いにやけ顔で殺し合いを推奨されても、小牧郁乃には何の感慨も無かった。 「馬鹿みたい。こんな病人連れてきて何を期待しているのか……」 故に、最初に思ったのはこのゲームとやらの主催者に対するダメ出しである。 どうせ殺し合わせるなら、もっと健康体の人間を連れて来いと。 放っておいても死ぬような病人なんて何の面白みも無いと。 自棄になったわけでもなく、本気でそう思った。 もっとも、五体不満足の少女が嬲られるのを嬉々として観察するという特殊性癖があるならば話は違うが。 「致せり尽くせりだけど、明らかに間違えているでしょ。はぁ……」 きぃきぃと鳴る車いす。 ディパックの中には二日分のインスリンの...
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守るべきもの
守るべきもの 殺し合いという言葉を聞いて、連想できる意味は多くは無い。 法律で殺人が罪となり、倫理観から罪と悪は同義になり、信頼関係から悪は忌避すべきものとなった。 ならば、殺し合いとはイコール悪である。忌避すべきものと考えるのが通常である。 少なくとも、現代では。 法が施行され、倫理観が共有され、信頼関係が必須の現代では。 故に、向坂環は考える。 法が施行されているのは、彼女が生きていた世界での話だ。 殺し合いを推奨しているこの状況では、法について考えるのは意味が無い。 とすれば倫理観を共有できるかは怪しく、信頼関係の構築も難しいものとなるだろう。 当たり前のように受け取り、当たり前のように信じ、当たり前のように生きていた世界は、この状況とイコール関係を結ぶことが出来るとは限らないのだ。 故に、考える。 自身の身の振り方を...
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純粋
純粋 いやー、困った。 ものすごく困った。 何が困ったってさ、俺、こんなところでちんたらしている余裕はないんだよね。 仮眠を終えたら、さっそく造りかけのオブジェの制作に取り掛かるつもりだったんだ。 それがさ、目を覚ましたらいきなり『殺し合いをしろ』だって? いやー、困った。 大いに困った。 やべーな、俺が寝ている間になにがあった? もしかして他のマスターとやらによる急襲か? でもそれなら旦那が知らせてくれるだろうしなぁ…… てか何より、俺がいたのは地下水道だぜ。そんな簡単に居場所が気づかれるわけがないって。 てかさ……そうだ、旦那はどうしたんだろ? 俺がこんなところに飛ばされたのは、明らかに伴天連だか魔術だかの類だろう? 旦那が見逃すはずがないと思うんだよなー。 そー言ったのの専門らしいしさ。 うーん...
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Lost
Lost 「……すげぇな、おい」 ゲーム開始から、大凡三時間が経過。 D-4の森の中。間桐慎二は感嘆の声を上げた。 「力任せに撲殺か、これ。……随分と血の気の多いヤツがいるもんだ」 頭が割れ、顔が潰され、原形を留めていない死体が目の前にある。 余程の恨みがあったのか、執拗なまでに頭部付近が殴打されているのが見てとれた。 殺されてそれなりに時間は経っているらしく、僅かな異臭が鼻をつく。 「ディパックは……あるわけないか」 周囲を見渡しても死体以外は何も無い。 流石にディパックを回収しないほど取り乱していたわけではなく、今頃は立派なマーダーとして徘徊しているに違いない。 もしかしたらポケットの中にまだ入っているかもしれないが、欠損激しい死体を探る気は起きなかった。 「まぁ別にいいけどね。な、バーサーカー」 ...
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ジャンとアルミンのお話
こんな未来があっても―――― ――――別に、良いよね ■ 人類は巨人に支配されていたとか。 世界はとても残酷だとか。 昔の資料を紐解くと、いつだってそんな言葉が躍り出る。 実に陳腐な決まり文句だ。昼下がりの図書館、その窓際。分厚い資料集と格闘しながら、静かに少年は息を吐いた。憂いを含んだ吐息だった。 「あー、終わんねぇ……」 読み進めていた資料集を閉じると、力尽きたように少年は突っ伏した。限界だった。 開館と同時に彼是四時間は缶詰しているのだが、手元のレポートには一切進んだ痕跡が見られない。期日は休み明けの最初の授業……つまりは明日なのだが、この分では最初の1ページすら埋められずに提出する事になるだろう。担任の禿げ頭が怒りに真っ赤に染まるであろうことが、今からでもありありと想像できた。 「……いっ...
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あんなに一緒だったから
あんなに一緒だったから 目の前には二つの道があった。 その二つには明確な違いがあって。 どちらを選んでも苦しい道程であって。 選んだ末の結果も喜ばしいものでなくて。 ――――でも 迷う時間は無くて。 どちらかしか選択肢はないわけで。 今こうしている間にも刻々と過ぎてゆくわけで。 目の前を歩く少年に、視線を向ける。 兄の友人で、自身の友人。 自身の得意とするフィギュアスケートで話を咲かせ。 いつもの場所でいつものように馬鹿騒ぎし。 くだらない会話を交わせる。 握った銃が、鳴いたような気がした。 早く決めろと。 早く行動しろと。 ソレは魔女の誘いのように。 ソレは悪魔の囁きのように。 今、自分はどんな顔をしているのだろうか。 今、自分はどんな表情をしているのだろうか。 前...
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言峰士郎の聖杯戦争――2
『冬木の聖杯戦争』 アインツベルン、マキリ、トオサカの三家が『根源』に至る為に共同で考案、実施した極東の地の争い。 権利を得た七人の魔術師それぞれが英霊を召喚し、競わせて、勝者一人のみが『聖杯』を獲得可能。 周期はおおよそ六十年。第一回から数えて、現在四回目までが実施されている。が、一度として『聖杯』が願望器として扱われたことは無い。 (中略) 尚、この聖杯戦争に於いて顕現する『聖杯』は、『神の御子の聖遺物』ではない。あくまでも理想郷における万能の釜のコピーであり、我々教会とは縁もゆかりも無い代物である。 が、どのような形であれ『聖杯』の名を冠している以上は見過ごすわけにはいかず、また魔術師共の内輪争いに無辜の民が極力巻きこまれぬよう、我々教会からも『監督役』という名目で複数人を派遣している。 聖堂教会ブラックリスト、『冬木の聖杯戦争...
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幸運E
幸運E 訳が分からない。 召喚されてランサーが思ったのは、上記の一文に集約されていた。 『何よ、アンタ。……変態?』 まず出会い頭にこの一言である。 召喚されて間もなく、あらゆる事情を飲み込む前にこの仕打ちである。 歴戦の勇士であるランサーが、驚きのあまり一切の言葉を告げることが出来なかったのは、後にも先にもこの一回のみであろう。 驚きに固まるあまり、マスターが無視して先に行ってしまおうとした事もランサーらしくない失態と言える。 『……日本語、上手なのね』 慌てて後を追いかけ召喚の詞を告げる。 ランサーの脳内では、この後は召喚された経緯や目的等を訊き、マスターの為に尽力を果たすつもりであったのだが…… 『……だから、なに?』 蔑むような冷たい視線と言葉。 二の句をを告げる事の出来ないまま、またも少女は先に...
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light step
light step 桜吹雪の校門。 幼馴染たちと歩む道。 眼を瞑れば鮮明に思い出せる、昨日までの平穏な日常。 ――――ダムッ、ダムッ 隣に住む妹のような存在。 今年から高校生となり、自分たちと同じ学校に通うことになった。 どことなく抜けている感のある、天然気味な幼馴染。 ――――ダムッ、ダムッ 少し離れたところに住んでいる友人。 何をするにも一緒な、友人というよりも腐れ縁的な仲。 姉に頭の上がらない、お調子者の幼馴染。 ――――ダムッ、ダムッ 友人の姉。 遠方の名門学園に通っていたらしいが、最近になって帰ってきた。 友人共々頭の上がらない、姐御な幼馴染。 ――――ダムッ、ダムッ、シュッ ――――パサッ…… ■ 高らかと放物線を描き、...
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言峰士郎の聖杯戦争――1
あの日の事は、よく覚えている。 赤く濁った空と、真っ黒な太陽。原初の記憶と言ってもいい。何よりも鮮明に思い出すことのできる、地獄の光景。 瓦礫の下に埋まっていたのは誰だったのか。燃えさかる炎に焼かれていたのは誰だったのか。怨嗟の声をあげていたのは誰だったのか。今でも偶に、あの日の光景が夢に顕れる。 見捨てたことを悔いたことは無い。 振り払ったことを悔いたことは無い。 逃げだしたことを悔いたことは無い。 眼を背けたことを悔いたことは無い。 諦めたことを悔いたことは無い。 拒絶したことを悔いたことは無い。 ――――だって、どうしようもなかったのだから。 彼の夢を見た日は、決まって少年は体調を崩した。数日にわたる高熱で意識は混濁し、生死の境を何度も彷徨った。 そしてそんな中で見た夢は、あの日の地獄の焼き回しだった。 あの日と同じように...
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