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一話「双子」 - (2006/03/08 (水) 19:53:18) の1つ前との変更点
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<p>短編「図書館」シリーズ一話「双子」</p>
<p>突然だが、私、真紅は図書委員だ。<br>
元々本が好きで、中一のときに初めて図書委員になり…<br>
気が付けば図書室、そして図書委員の常連となり早3年。<br>
その間に図書室仲間ともいうべく、同じく本の好きな友達連も出来て、<br>
図書館をよく利用する人の顔もかなり覚えた。<br>
これは、そんな私の図書室でのある日の話。</p>
<p>蒼「あ、真紅。これ貸し出しお願い」<br>
翠「私はこれです~」</p>
<p>
昼休み、カウンターに本を差し出したのは私と同じ中等部3年の、翠星石、蒼星石の双子の姉妹。<br>
この二人は園芸部と言うこともあるのか、植物や園芸関連の書籍を良く借りる。<br>
そして、翠星石のほうはそれと混じってたまに甘い恋愛小説を、妹に隠れて借りていく。<br>
蒼星石のほうは、それ以外の本はほとんど借りないのだが…前に一度だけ、<br>
普段のボーイッシュな彼女にはあまり似つかわしくないような…<br>
吉屋信子の「花物語」を借りていったことがあった。<br>
意外に思った私は、どうしてこんな古典作品を…と問うてみたものの、<br>
ただ困ったような苦笑を返されただけ。<br>
たまにはそんな気分もある、という事なのかもしれない。</p>
<p>
いつも通りに貸し出しカードを受け取る。二人はそのまま図書室の出入り口の扉へと向かっていった。</p>
<p>次回「雛苺・金糸雀」</p>