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四番目 その参 - (2007/06/04 (月) 03:08:57) の1つ前との変更点

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<p> 陽が沈み、空は刹那の黄昏色に染まる。 <br />  ナイト・ゴードンと対峙する鬼。 <br />  ナイト・ゴードンはその翼を広げ空に浮かぶ。 <br />  そんなナイト・ゴードンを見て笑う鬼。 <br />  鬼の身体揺らめく。鬼としての形ではなく&hellip;&hellip;黒い黒く紅い炎といえばいいのだろうか? <br />  鬼の身体は、我々が想像するような角があり巨大で凶悪な姿ではなく&hellip;&hellip; <br />  上手く言葉で表せない『ゆがんだ』何かになっていた。 <br /> <br />  本来、鬼とは我々の想像するような姿ではない。 <br />  鬼とは&hellip;&hellip;元々特定の器を持っておらず&hellip;&hellip;故に&hellip;&hellip; <br />  ナイト・ゴードンが空と言う場を持って戦うというのならば <br />  鬼も同じ空と言う場で戦う事は容易な事なのである。 <br />  ふわりと浮かぶ『ゆがんだ』なにかは、形を成していく。 <br />  歪みが取れれば、現れたのは&hellip;&hellip;大よそ空を場として戦うには似つかわしい姿。 <br />  戦国武将が着込んだ鎧とその背に存在する不可思議な&hellip;&hellip;翼とは居えない翼を真似した何か。 <br />  そして、右手には赤黒く揺らめく刀を摸した何かを握っている。 <br /> <br />  糸の切られた操り人形の様に、ダランと頭をたれるソレは不意に頭を上げナイト・ゴードンを見据える。 <br />  兜を被った顔は、肉など一切無い骨。良くあるゲームに出てくるスケルトンと言う骨だけのモンスターに <br />  戦国武将の鎧を着せただけと思っていただきたい。&nbsp;<br /> <br /> 『夢乃島の住人。不機嫌は承知だが&hellip;&hellip;』 <br /> <br />  鎧武者は、刀を模した何かを構えナイト・ゴートンにそう告げると&hellip;&hellip; <br />  何も無いハズの空で、力強い踏み込みの後その武器をナイト・ゴードン目掛けて振るう。 <br /> <br /> 『還れ』 <br /> <br />  ナイト・ゴードンのトライデントによってソレは防がれてしまうが&hellip;&hellip;鎧武者は、直ぐにトライデントを跳ね上げ <br />  ナイト・ゴードンの腹部に鋭い蹴りを食らわせ吹き飛ばす。 <br />  そんな空の戦いを、薔薇水晶はその綺麗な顔を上げてみていた。 <br />  そして、薔薇水晶は気づかない内に自分の服をギュッと握り悔しそうな表情を小さく浮かべているのだった。 <br />  自分の無知。自分の容易さ。自分が何も出ない今&hellip;&hellip; <br />  悔しいと薔薇水晶は、思うのだった。 <br /> <br /> 「あらぁ&hellip;&hellip;センセーったら&hellip;&hellip;変化できるのねぇ?」 <br /> <br />  と、横からの声に薔薇水晶はハッとして声の主が方を振り向く。 <br />  其処に居たのは、同じ八乙女である水銀燈。 <br />  ベンチに腰をかけ足なぞ組みながら鎧武者とナイト・ゴードンの戦いを眺めている。 <br />  薔薇水晶は、慌てたように両手をワタワタと忙しなく動かす。 <br />  水銀燈が言うセンセーこと桜田潤の事をほかの八乙女には、知って欲しくなかったと考えた為である。&nbsp;<br /> <br /> 「私は、知ってるから慌てなくていいわよぉ? 薔薇水晶」 <br /> <br />  薔薇水晶の様子を見て水銀燈は苦笑する。 <br />  まぁ座りなさい。と、自分の隣をポンッと叩く水銀燈。 <br />  そんな水銀燈を見て、薔薇水晶はオズオズと水銀燈の隣に座る。 <br />  二人は、空で繰り広げられる激戦を眺める。 <br /> <br /> 「まったく&hellip;&hellip;人払いかけたから人的被害は無いけどぉ&hellip;&hellip;」 <br /> <br />  と、水銀燈はチラッと壊された校舎を見る。 <br />  まぁ&hellip;&hellip;どうにかするでしょ多分。と、楽観的に結論付ける水銀燈。 <br /> <br /> 「銀ちゃん&hellip;&hellip;」 <br /> <br />  ふと、薔薇水晶に声をかけらるが&hellip;&hellip;水銀燈は相変わらず空の戦いを見ていた。 <br />  それでも構わず薔薇水晶は、言葉紡ぐ。 <br /> <br /> 「先生を&hellip;&hellip;祓うの?」 <br /> <br />  薔薇水晶としては、八乙女ではあるが潤を祓う事をしたくはなかった。 <br />  たしかに潤の正体を目の当たりにし恐怖したが&hellip;&hellip; <br />  あの時、頭を撫でてくれた巨大な手は、暖かかった&hellip;&hellip; <br />  それに&hellip;&hellip;薔薇水晶は、潤の事が好きだった。 <br />  だから、オカルト研究会の顧問になってくれる様頼むのを建前に、行動していたのだ。 <br />  たとえ&hellip;&hellip;潤の正体が、八乙女にとって祓う化物だったとしても&hellip;&hellip;やっぱり好きなのである。&nbsp;<br /> <br /> 「今の八乙女じゃぁ無理ねぇ&hellip;&hellip;喩え、私達が全員でかかってもアレは祓えない」 <br /> <br />  真紅が聞いたら激怒しそうだけど&hellip;&hellip;それが真実よねぇ&hellip;&hellip;と、水銀燈は口の端に苦笑を浮かべる。 <br />  それよりも、もうそろそろ決着つきそうよぉ? と、水銀燈は空を見ながら薔薇水晶に告げた。 <br /> <br /> <br /> <br /> <br />  鎧武者とナイト・ゴードンが、静かに闇色に染まり月明かりが照らす空に佇む。 <br />  鎧武者は、武器を丁度刀を鞘に収める様に構え&hellip;&hellip;ナイト・ゴードンは、トライデントを下段に構えた。 <br />  痛いぐらいの静寂が周囲を支配する。 <br />  最初に動いたのは、ナイト・ゴードン。 <br />  トライデントを下段に構えたまま、鎧武者目掛けて突撃してくる。 <br /> <br /> 『カァァァァッ!!!』 <br /> <br />  鎧武者は、地響きが起きそうな程低い声を哮げ武器を振りぬいた。 <br />  結果的に言えば、ナイト・ゴードンのトライデントは、鎧武者の頭部を吹き飛ばしたが&hellip;&hellip; <br />  鎧武者の振りぬいた武器により、ナイト・ゴードンの身体は横真っ二つに斬れ&hellip;&hellip;そして闇に霧散した。 <br />  鎧武者は、少しの間空を漂っていたが、直ぐに地に降りるとその姿が陽炎の様に揺らめき&hellip;&hellip; <br />  其処に立っていたのは&hellip;&hellip; <br />  やっぱり全裸の桜田潤だった。&nbsp;<br /> <br />  一度見た事のある水銀燈は、あー&hellip;&hellip;と顔を赤らめながらソッポを向いたが&hellip;&hellip; <br />  今回はじめてみた&hellip;&hellip;と、言うか見てしまった薔薇水晶は&hellip;&hellip; <br />  顔を紅くすると同時に、術が暴走してしまう。 <br />  いち早く気づいた水銀燈は、銀乙女お得意の黒翼の術で空に逃れたが&hellip;&hellip; <br /> <br /> 「におぷあおえっぽあッ!?!?!?」 <br /> <br />  良くわからない言葉と共に潤は、ソレに巻き込まれてしまった。 <br />  しかも&hellip;&hellip;やっぱり人体の急所というか男性にとって一番痛い場所にソレが直撃してしまう。 <br />  薔薇水晶の術の暴走が、収まったとき其処にあったのは、一面に咲いた紫水晶と&hellip;&hellip; <br />  紫水晶に挟まれボロボロになった潤だけだった。 <br /> <br />  ちなみに、何故ナイト・ゴードンに頭部を破壊されても無事だったのかと言えば&hellip;&hellip; <br />  そもそも鬼とは原型を持たないゆがんた塊であるが故だった。 <br />  つまり、トライデントが頭部に当たる瞬間に顔だけをゆがませ兜だけが吹き飛んでしまった訳である。 <br />  まぁ&hellip;&hellip;頭部を破壊されたぐらいで鬼たる潤は死にはしないのだが&hellip;&hellip; <br />  なにはともあれ、コレにて薔薇水晶が引き起こした事件は潤と校舎がボロボロになると言う結果を残したおわったのである。&nbsp;</p> <hr /> <p><br /> 【NGシーン】 <br />  ふわりと浮かび『ゆがんだ』なにかは、形をなしていく。 <br />  歪みが取れれば、現れたのは&hellip;&hellip;頭部に弐本の角を持ち機械的な身体。 <br />  そして右手にはビームサーベルとその背には、バックパック&hellip;&hellip; <br />  そうガンダムと呼ばれる存在が其処に居た!!! <br /> <br /> 『ガンダムが、ただの白兵戦用で無い事を見せてやる!』 <br /> <br /> 「いや、ダメでしょぉ&hellip;&hellip;それは」 <br /> 「&hellip;&hellip;どうせならブルーディスティニーが&hellip;&hellip;もしくはアッガイ」</p>

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