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ドールは電気うなぎの夢を見るか? - (2007/06/12 (火) 21:09:43) の1つ前との変更点
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<p>「ねぇジュン」<br>
「なんでしょうか? 真紅お嬢様」<br>
「いつか貴方が動かなくなる日は来るのだわ?」<br>
「……我々ロボットには明確な人間で言う死と言う物はありません」<br>
「……続けて頂戴」<br>
「もし死と言う物があるとすれば、壊れて動かなくなった時なのかもしれません<br>
もしくは、主が不必要と認識された時なのかもしれません」<br>
「壊れたら直せばいいのだわ<br>
主である私は、貴方が必要なのだわ」<br>
「ありがとうございます。しかし、何時しか終わりは来るのです。<br>
人であれ動物であれ……そう私の様なロボットであれ」<br>
「………ロボットに生命はないのだわ」<br>
「そうですね。私の様なロボットには生命はありません……<br>
あるのは電子回路にエネルギー供給装置。そして記憶チップ」<br>
「身体が壊れたら記憶チップだけを移せばいいのだわ」<br>
「そうですね。ですがね? お嬢様」<br>
「なんなのだわ?」<br>
「壊れた事にはかわりないのですよ」<br>
「は?」<br>
「記憶チップは所詮記憶なのです……お嬢様と共に過ごした記憶はあるでしょう……<br>
しかし、思い出は無いのです。記憶と思い出。それは似て似ないのです」<br>
「わからないのだわ」<br>
「……私にもわかりません。しかし記憶と思い出は、別のモノなのです」<br>
「そう……覚えておくのだわ」<br>
「はい」</p>
<hr width="100%" size="2">
<p>「ねぇジュン」<br>
「なんでしょうか? 真紅お嬢様」<br>
「貴方は夢を見るのだわ?」<br>
「……いえ、見る事はありません」<br>
「なら、貴方は何故毎晩魘されているのだわ?」<br>
「…………」<br>
「人間で言う悪夢を見ているのだわ? 違うのだわ?」<br>
「……真紅お嬢様。私は元々軍用兵器に開発され実際に戦争に参加したロボットです」<br>
「そんなの知っているのだわ」<br>
「その時に殺した同胞とその殺した感触が、永遠とリピートされるのです」<br>
「感触?」<br>
「実際、私に感触と言う機能はありません。ですが……その感触があるのです」<br>
「ふぅん……で、永遠とリピートされる訳なのだわ?」<br>
「はい。こうやって真紅お嬢様とお話している時ですら、そのデータがリピートされているのです」<br>
「なら、なんで魘されていないのだわ?」<br>
「……こうやって真紅お嬢様とお話しているからだと推測します」<br>
「そう……おかわりの紅茶を淹れて頂戴」<br>
「了解いたしました」</p>
<hr width="100%" size="2">
<p>「ジュン。ロボットに魂はあるのだわ?」<br>
「真紅お嬢様。宿題がめんどくさくなったからと言って私に話を振られても」<br>
「いいから答えるのだわ。宿題なんて何時でも出来るのだわ」<br>
「多分、存在すると思います」<br>
「機械なのに? 人間でも動物でもないのに?」<br>
「……機械だからこそ。人とも動物とも同じ魂があるのかもしれません」<br>
「無機物で作られているのに?」<br>
「……東方の国日本には、古来より九十九神と言う伝奇が残されております」<br>
「ふぅん……一体なんなのだわ? ツクモガミと言うのは?」<br>
「長き年月を経た道具達に魂が宿り、生き物が如く動き回るのです」<br>
「非現実的なのだわ」<br>
「そうかもしれません。ですが、それは私にも当てはまるのです」<br>
「別に、ジュンはそう長い年月を経ていないのだわ」<br>
「ですが、こうやって真紅お嬢様と話をしたり日々を生きております」<br>
「私と話すのは、プログラムによる返答なのだわ。それに日々を生きていると言うよりも動いているだけなのだわ」<br>
「………そうかもしれません。ですが………」<br>
「ですが? なんなのだわ?」<br>
「……いえ、なんでもありません。それより真紅お嬢様。紅茶のおかわりはいかがいたしますか?」<br>
「もらうのだわ」</p>
<p> </p>
<p>「ねぇジュン」<br>
「なんでしょうか? 真紅お嬢様」<br>
「いつか貴方が動かなくなる日は来るのだわ?」<br>
「……我々ロボットには明確な人間で言う死と言う物はありません」<br>
「……続けて頂戴」<br>
「もし死と言う物があるとすれば、壊れて動かなくなった時なのかもしれません<br>
もしくは、主が不必要と認識された時なのかもしれません」<br>
「壊れたら直せばいいのだわ<br>
主である私は、貴方が必要なのだわ」<br>
「ありがとうございます。しかし、何時しか終わりは来るのです。<br>
人であれ動物であれ……そう私の様なロボットであれ」<br>
「………ロボットに生命はないのだわ」<br>
「そうですね。私の様なロボットには生命はありません……<br>
あるのは電子回路にエネルギー供給装置。そして記憶チップ」<br>
「身体が壊れたら記憶チップだけを移せばいいのだわ」<br>
「そうですね。ですがね? お嬢様」<br>
「なんなのだわ?」<br>
「壊れた事にはかわりないのですよ」<br>
「は?」<br>
「記憶チップは所詮記憶なのです……お嬢様と共に過ごした記憶はあるでしょう……<br>
しかし、思い出は無いのです。記憶と思い出。それは似て似ないのです」<br>
「わからないのだわ」<br>
「……私にもわかりません。しかし記憶と思い出は、別のモノなのです」<br>
「そう……覚えておくのだわ」<br>
「はい」</p>
<hr width="100%" size="2">
<p>「ねぇジュン」<br>
「なんでしょうか? 真紅お嬢様」<br>
「貴方は夢を見るのだわ?」<br>
「……いえ、見る事はありません」<br>
「なら、貴方は何故毎晩魘されているのだわ?」<br>
「…………」<br>
「人間で言う悪夢を見ているのだわ? 違うのだわ?」<br>
「……真紅お嬢様。私は元々軍用兵器に開発され実際に戦争に参加したロボットです」<br>
「そんなの知っているのだわ」<br>
「その時に殺した同胞とその殺した感触が、永遠とリピートされるのです」<br>
「感触?」<br>
「実際、私に感触と言う機能はありません。ですが……その感触があるのです」<br>
「ふぅん……で、永遠とリピートされる訳なのだわ?」<br>
「はい。こうやって真紅お嬢様とお話している時ですら、そのデータがリピートされているのです」<br>
「なら、なんで魘されていないのだわ?」<br>
「……こうやって真紅お嬢様とお話しているからだと推測します」<br>
「そう……おかわりの紅茶を淹れて頂戴」<br>
「了解いたしました」</p>
<hr width="100%" size="2">
<p>「ジュン。ロボットに魂はあるのだわ?」<br>
「真紅お嬢様。宿題がめんどくさくなったからと言って私に話を振られても」<br>
「いいから答えるのだわ。宿題なんて何時でも出来るのだわ」<br>
「多分、存在すると思います」<br>
「機械なのに? 人間でも動物でもないのに?」<br>
「……機械だからこそ。人とも動物とも同じ魂があるのかもしれません」<br>
「無機物で作られているのに?」<br>
「……東方の国日本には、古来より九十九神と言う伝奇が残されております」<br>
「ふぅん……一体なんなのだわ? ツクモガミと言うのは?」<br>
「長き年月を経た道具達に魂が宿り、生き物が如く動き回るのです」<br>
「非現実的なのだわ」<br>
「そうかもしれません。ですが、それは私にも当てはまるのです」<br>
「別に、ジュンはそう長い年月を経ていないのだわ」<br>
「ですが、こうやって真紅お嬢様と話をしたり日々を生きております」<br>
「私と話すのは、プログラムによる返答なのだわ。それに日々を生きていると言うよりも動いているだけなのだわ」<br>
「………そうかもしれません。ですが………」<br>
「ですが? なんなのだわ?」<br>
「……いえ、なんでもありません。それより真紅お嬢様。紅茶のおかわりはいかがいたしますか?」<br>
「もらうのだわ」</p>
<hr width="100%" size="2">
<p> </p>
<p> 「ジュン。ロボットに美しいと言う概念はあるのだわ?」<br>
「真紅お嬢様。試験結果が水銀燈様に負けたからと言って怒りの矛先を私に向けないでください」<br>
「いいから答えるのだわ。別に試験結果が水銀燈に劣っていても、今度は負けないのだわ」<br>
「私達ロボットにとって見るとは、光信号を映像としてみているのみなのです」<br>
「それは、人間も一緒なのだわ」<br>
「そうですね。しかし、それを見て美しい醜い酷いと言うのは……明確にはわからないのです」<br>
「何故なのだわ?」<br>
「私は今では旧式に部類されます。今の最新式でしたら美しいという事を理解できるかと思います」<br>
「それは、所詮プログラムと言う訳なのだわ?」<br>
「もし、カタツムリを見たとしましょう」<br>
「いきなり私の嫌いなモノが例えにあげられたのだわ」<br>
「子どもなら、カタツムリだ。と、手に取るでしょう……<br>
しかし我らですとソレを腹足綱 原始腹足目 オナジマイマイ科 クチベニマイマイと認識するだけなのです」<br>
「結局はなんなのだわ?」<br>
「ロボットにとって美しいという概念は無いのかもしれません」<br>
「それじゃぁさっき言った言葉と矛盾しているのだわ」<br>
「訂正いたします。美しいという概念をプログラミングされている機種や自立進化型以外のロボットです。<br>
ただ、人間に近づいたロボットならば……本当に美しいと感じるのかもしれませんね」<br>
「そう。ジュンはどうなのだわ?」<br>
「……そうですね。今年庭には赤い薔薇が咲き誇りました。私はソレを見て大変嬉しいと思います」<br>
「………結局、それが美しいという事についての答えになっていないのだわ」<br>
「申し訳ございません」<br>
「まぁいいのだわ、紅茶を淹れて頂戴」<br>
「了解いたしました。今日はアッサムの良いモノを購入できたので今淹れて来ます」</p>
<hr width="100%" size="2">
<p>「ねぇジュン」<br>
「なんでしょうか? 真紅お嬢様」<br>
「もし私が死んだら貴方はどうなるのかしら?」<br>
「廃棄処分されて終わりでしょうね。ロボットとは所詮換えの聞く使い捨てのようなもの」<br>
「貴方は、それで寂しくない?」<br>
「……寂しいとは思わないでしょう。私には人間的な感情をプログラミングはされていないのです」<br>
「知ってるのだわ。だけど聞きたくなったのだわ」<br>
「そうですか……」<br>
「もし、貴方が死んだら私は悲しいと思うのかしら?」<br>
「……記憶チップが残っていれば、他の規格の合うロールアウト終了して直ぐの真っ白なロボットに<br>
読み取らせれば、それは私になるでしょう」<br>
「そうね……ロボットって簡単に記憶を移しかえれるのだわ」<br>
「でも、私が【死んで】しまったら。真紅お嬢様は……」<br>
「…………」<br>
「悲しんでくれますか?」<br>
「…………」<br>
「…………」<br>
「紅茶を淹れて頂戴。オレンジペコでお願いするのだわ」<br>
「了解いたしました」</p>
<p> </p>