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おさななじみなふたり 最終話 - (2006/03/21 (火) 02:02:10) の１つ前との変更点
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<p>「よ、お帰り。」<br>
「……桜田君。」<br>
家の前にいたのは桜田君だった<br>
「遅かったな。」<br>
「今日は、水銀燈と喫茶店行ってたから。」<br>
「そうなんだ。」<br>
彼はどうして家の前にいたんだろう<br>
何か用事だろうか？<br>
「どうかしたの？」<br>
「へ？何が？」<br>
「家の前にいたから。」<br>
「ああ、それか。」<br>
桜田君は頬を掻くと言った<br>
「柏葉に会いたかったからかな。」<br>
私に？<br>
「いや、変な意味じゃなくて少し話したい事があるんだ。」<br>
私も彼に聞きたい事があった<br>
…でも<br>
「実はさ。この間言ったけど今日、家に翠星石が来たんだ。」<br>
「…うん。」<br>
「それで翠星石がさ……。」<br>
言いよどむ桜田君。私は何も言えないでいる<br>
『少なくともあの娘は言うつもりよ。』<br>
水銀燈の言った事が頭に頭を過ぎる<br>
「好きだって言うんだ。僕の事。」<br>
…やっぱり<br>
予想はしてたけど、彼の口から出た言葉は想像より私の胸に響いた<br>
「ずっと傍に居たいって。言ってくれてんだ。」<br>
ずっと傍に<br>
それは私の……<br>
「凄く嬉しかった。でも……。」<br>
「僕は翠星石の気持ちには応えられなかった。」<br>
「……そうなんだ。」<br>
桜田君の言葉に内心安心する私<br>
…少し自分が恥ずかしい<br>
「なんかさ。違うなって思ったんだ。翠星石だと。」<br>
「何が？」<br>
「何となく想像してみたんだ。翠星石が自分の隣に居る所。そしたら凄く違和感があった。」<br>
「だから翠星石にはごめんって言った。」<br>
桜田君の隣<br>
そこは誰の場所？<br>
私は隣に居れるだろうか？<br>
「話はこれだけ。何となく柏葉に聞いて貰いたかったんだ。」<br>
「何で私に？」<br>
「わかんない。でも何となく……。」<br>
『そしてJUNに貴女の願いを言うべきね。少なくともあの娘は言うつもりよ。』<br>
……私の願いは<br>
「じゃあ、僕帰るわ。」<br>
「ちょっと待って。」<br>
何故だろう気が付いたら彼を引き止めていた<br>
『そしてJUNに貴女の願いを言うべきね。』<br>
……私は<br>
「どうかした？」<br>
「……私は。」<br>
……私の伝えたい事。それは…<br>
彼に近づく<br>
「私は桜田君の傍に居たい。」<br>
そう言って私は彼に抱きついた<br>
「ちょ、柏葉!?」<br>
「……ずっと傍に居たい。桜田君と一緒に居たい。」<br>
ずっと前から傍にいた<br>
之からも変わらず傍に居れると思ってた<br>
幼馴染だから<br>
……でも違う<br>
私はそうじゃ無くて<br>
幼馴染だから傍に居たいんじゃなくて<br>
私はこの人が<br>
私は桜田君が<br>
「桜田君が好きだから。」<br>
・<br>
・<br>
・<br>
・<br>
・<br>
「……今日は何か変な日だ。」<br>
「……。」<br>
「翠星石に告白されたり柏葉に告白されたり。」<br>
「……ごめんなさい。迷惑だった？」<br>
そう言いながらも私は彼から離れられないでいる<br>
「そんな事無い。好きだって言われて嫌な分けない。」<br>
「……。」<br>
「ずっと傍にってさっき言ったじゃん。」<br>
「うん。」<br>
それは私の願い。桜田君とずっと一緒に居たい<br>
「それ言われるのこれで三回目なんだ。」<br>
「……。」<br>
「今日二回言われた。柏葉と翠星石に一回ずつ。」<br>
「うん。」<br>
「それから一回目はずっと前、両親が海外に行くって聞いた時。」<br>
それはもう十年近く前。あの時、桜田君は……<br>
「あの時、柏葉言ってくれたよな。「寂しいなら私がずっと傍に居てあげる。」って。」<br>
そうだ。あの時、見た桜田君の寂しそうな顔<br>
その顔を見て私はこの人の傍に居ようって思ったんだ<br>
「あれからずっと傍に居てくれてるよな。ありがとう。」<br>
桜田君が私の背中に手をまわしてくれた<br>
「その言葉、さっき思い出したんだ。ごめんな、忘れてて。」<br>
私も忘れててた。私はあの時から桜田君の事が好きになってたんだ<br>
だからずっと傍に居たいと思ったんだ<br>
「私も忘れてた。」<br>
「何を？」<br>
「なんであの時、傍に居るって言ったか。」<br>
「うん。」<br>
「私はあの時から桜田君が好きになったの。」<br>
「そうか。」<br>
「…桜田君、好きです。ずっと一緒に居させてください。」<br>
もう一度自分の気持ちを彼に伝える<br>
少し桜田君にまわした手に力が入った<br>
「……さっきさ、言ったよな。翠星石に告白された時に翠星石が隣に居るの想像したら違和感があったって。」<br>
「……うん。」<br>
「それさ、柏葉でも考えてみたんだ。そしたらさ…」<br>
「……そしたら？」<br>
「すっごくしっくり来た。って言うか何時もの日常だった。」<br>
私の背中の桜田君の手に力が篭った<br>
「柏葉が隣に居るのが、あんまりにも違和感無くて他に誰かが居るのが想像できない位。」<br>
「多分、駄目なんだと思う。柏葉以外だと。」<br>
「だから、僕からもお願いします。ずっと傍に居てください。」<br>
桜田君が痛いぐらいに抱き締めてくれた<br>
だから私もぎゅっと力を込める。離れないように……<br>
・<br>
・<br>
・<br>
「朝だよ。起きて。」<br>
ベットで寝ている彼を揺り起こす<br>
「う～おはよ。柏葉。」<br>
「おはよ。桜田君。朝ご飯出来てるから一緒に食べよう。」<br>
「うん。」<br>
「はい、眼鏡。先に降りて待ってるから顔洗って来て。」<br>
「うい、了解。」<br>
台所でお味噌汁を用意する<br>
そろそろ来るかな？<br>
「お待たせ。今日の朝ご飯何?」<br>
「今日はお味噌汁と焼き魚。卵もあるけどいる？」<br>
「貰う。それより朝錬の時間大丈夫か？」<br>
「今日、休みだから大丈夫。」<br>
今日は普段より余裕がある<br>
「なら、一緒に出るか。」<br>
「そうだね。」</p>
<p>二人で洗い物を済ませ家を出る<br>
「鍵かけたか？」<br>
「大丈夫だよ。」<br>
「なら行こうか。」<br>
「うん。」<br>
二人で並んで学校まで歩く<br>
之が私達の朝<br>
之からも変わらない日常<br>
「遅いわよ。二人とも。」<br>
「JUN、巴おはようなのー。」<br>
「まったく朝っぱらから夫婦で並んで登校とはいいご身分ですねー。」<br>
「翠星石、朝から絡まなくても…。」<br>
「朝からうるさいなー。さっさと行くぞ。」<br>
きっと何時までも変わらない幸せな毎朝の風景</p>
<p><br>
おさななじみなふたり 完</p>
<p><a title="tomoe" name="tomoe"></a>「よ、お帰り。」<br>
「……桜田君。」<br>
家の前にいたのは桜田君だった<br>
「遅かったな。」<br>
「今日は、水銀燈と喫茶店行ってたから。」<br>
「そうなんだ。」<br>
彼はどうして家の前にいたんだろう<br>
何か用事だろうか？<br>
「どうかしたの？」<br>
「へ？何が？」<br>
「家の前にいたから。」<br>
「ああ、それか。」<br>
桜田君は頬を掻くと言った<br>
「柏葉に会いたかったからかな。」<br>
私に？<br>
「いや、変な意味じゃなくて少し話したい事があるんだ。」<br>
私も彼に聞きたい事があった<br>
…でも<br>
「実はさ。この間言ったけど今日、家に翠星石が来たんだ。」<br>
「…うん。」<br>
「それで翠星石がさ……。」<br>
言いよどむ桜田君。私は何も言えないでいる<br>
『少なくともあの娘は言うつもりよ。』<br>
水銀燈の言った事が頭に頭を過ぎる<br>
「好きだって言うんだ。僕の事。」<br>
…やっぱり<br>
予想はしてたけど、彼の口から出た言葉は想像より私の胸に響いた<br>
「ずっと傍に居たいって。言ってくれてんだ。」<br>
ずっと傍に<br>
それは私の……<br>
「凄く嬉しかった。でも……。」<br>
「僕は翠星石の気持ちには応えられなかった。」<br>
「……そうなんだ。」<br>
桜田君の言葉に内心安心する私<br>
…少し自分が恥ずかしい<br>
「なんかさ。違うなって思ったんだ。翠星石だと。」<br>
「何が？」<br>
「何となく想像してみたんだ。翠星石が自分の隣に居る所。そしたら凄く違和感があった。」<br>
「だから翠星石にはごめんって言った。」<br>
桜田君の隣<br>
そこは誰の場所？<br>
私は隣に居れるだろうか？<br>
「話はこれだけ。何となく柏葉に聞いて貰いたかったんだ。」<br>
「何で私に？」<br>
「わかんない。でも何となく……。」<br>
『そしてJUNに貴女の願いを言うべきね。少なくともあの娘は言うつもりよ。』<br>
……私の願いは<br>
「じゃあ、僕帰るわ。」<br>
「ちょっと待って。」<br>
何故だろう気が付いたら彼を引き止めていた<br>
『そしてJUNに貴女の願いを言うべきね。』<br>
……私は<br>
「どうかした？」<br>
「……私は。」<br>
……私の伝えたい事。それは…<br>
彼に近づく<br>
「私は桜田君の傍に居たい。」<br>
そう言って私は彼に抱きついた<br>
「ちょ、柏葉!?」<br>
「……ずっと傍に居たい。桜田君と一緒に居たい。」<br>
ずっと前から傍にいた<br>
之からも変わらず傍に居れると思ってた<br>
幼馴染だから<br>
……でも違う<br>
私はそうじゃ無くて<br>
幼馴染だから傍に居たいんじゃなくて<br>
私はこの人が<br>
私は桜田君が<br>
「桜田君が好きだから。」<br>
・<br>
・<br>
・<br>
・<br>
・<br>
「……今日は何か変な日だ。」<br>
「……。」<br>
「翠星石に告白されたり柏葉に告白されたり。」<br>
「……ごめんなさい。迷惑だった？」<br>
そう言いながらも私は彼から離れられないでいる<br>
「そんな事無い。好きだって言われて嫌な分けない。」<br>
「……。」<br>
「ずっと傍にってさっき言ったじゃん。」<br>
「うん。」<br>
それは私の願い。桜田君とずっと一緒に居たい<br>
「それ言われるのこれで三回目なんだ。」<br>
「……。」<br>
「今日二回言われた。柏葉と翠星石に一回ずつ。」<br>
「うん。」<br>
「それから一回目はずっと前、両親が海外に行くって聞いた時。」<br>
それはもう十年近く前。あの時、桜田君は……<br>
「あの時、柏葉言ってくれたよな。「寂しいなら私がずっと傍に居てあげる。」って。」<br>
そうだ。あの時、見た桜田君の寂しそうな顔<br>
その顔を見て私はこの人の傍に居ようって思ったんだ<br>
「あれからずっと傍に居てくれてるよな。ありがとう。」<br>
桜田君が私の背中に手をまわしてくれた<br>
「その言葉、さっき思い出したんだ。ごめんな、忘れてて。」<br>
私も忘れててた。私はあの時から桜田君の事が好きになってたんだ<br>
だからずっと傍に居たいと思ったんだ<br>
「私も忘れてた。」<br>
「何を？」<br>
「なんであの時、傍に居るって言ったか。」<br>
「うん。」<br>
「私はあの時から桜田君が好きになったの。」<br>
「そうか。」<br>
「…桜田君、好きです。ずっと一緒に居させてください。」<br>
もう一度自分の気持ちを彼に伝える<br>
少し桜田君にまわした手に力が入った<br>
「……さっきさ、言ったよな。翠星石に告白された時に翠星石が隣に居るの想像したら違和感があったって。」<br>
「……うん。」<br>
「それさ、柏葉でも考えてみたんだ。そしたらさ…」<br>
「……そしたら？」<br>
「すっごくしっくり来た。って言うか何時もの日常だった。」<br>
私の背中の桜田君の手に力が篭った<br>
「柏葉が隣に居るのが、あんまりにも違和感無くて他に誰かが居るのが想像できない位。」<br>
「多分、駄目なんだと思う。柏葉以外だと。」<br>
「だから、僕からもお願いします。ずっと傍に居てください。」<br>
桜田君が痛いぐらいに抱き締めてくれた<br>
だから私もぎゅっと力を込める。離れないように……<br>
・<br>
・<br>
・<br>
「朝だよ。起きて。」<br>
ベットで寝ている彼を揺り起こす<br>
「う～おはよ。柏葉。」<br>
「おはよ。桜田君。朝ご飯出来てるから一緒に食べよう。」<br>
「うん。」<br>
「はい、眼鏡。先に降りて待ってるから顔洗って来て。」<br>
「うい、了解。」<br>
台所でお味噌汁を用意する<br>
そろそろ来るかな？<br>
「お待たせ。今日の朝ご飯何?」<br>
「今日はお味噌汁と焼き魚。卵もあるけどいる？」<br>
「貰う。それより朝錬の時間大丈夫か？」<br>
「今日、休みだから大丈夫。」<br>
今日は普段より余裕がある<br>
「なら、一緒に出るか。」<br>
「そうだね。」</p>
<p>二人で洗い物を済ませ家を出る<br>
「鍵かけたか？」<br>
「大丈夫だよ。」<br>
「なら行こうか。」<br>
「うん。」<br>
二人で並んで学校まで歩く<br>
之が私達の朝<br>
之からも変わらない日常<br>
「遅いわよ。二人とも。」<br>
「JUN、巴おはようなのー。」<br>
「まったく朝っぱらから夫婦で並んで登校とはいいご身分ですねー。」<br>
「翠星石、朝から絡まなくても…。」<br>
「朝からうるさいなー。さっさと行くぞ。」<br>
きっと何時までも変わらない幸せな毎朝の風景</p>
<p><br>
おさななじみなふたり 完</p>
