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蒼星石短編33 - (2006/07/17 (月) 10:02:13) の1つ前との変更点

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「ただいま!」<br> 「お、おじゃまします!」<br>  夕立に驚いて家まで走った。僕も蒼星石もすっかり濡れてしまっている。<br> 「シャワー、先に使えよ」<br> 「うん、そうさせてもらうね」<br>  風呂場から出てきた彼女が着ていたのは男物のワイシャツ一枚。<br>  ズボンはウエストが緩すぎたらしい。<br>  ドギマギしたがそれを押さえつけ、服が乾くまでしばしティータイム。<br>  間を持たせるためにつけたラジオによると雨は明日の朝まで続くらしい。<br> 「織姫や彦星は災難だな」<br> 「どうして?」<br> 「だって、一年に一度しかあえないのに雨で台無しにされちゃったじゃないか」<br>  僕はそうは思わないな、と蒼星石が言うので理由を尋ねてみた。<br> 「雲の上は雨は降ってないよ。それに」<br>  地上の人に見られるよりも二人っきりで会いたいじゃない。<br> 「今の僕とジュン君みたいに、ね」<br>  あまり上手ではないウィンクをした彼女を抱きしめてしまった挙句、その先まで行ってしまったのは若気の至りということでここは一つ。<br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> 蒼星石「ねえガタックゼクター、君には好きな人っているの?」<br> ガタック「な、ななな何を……私にはそんなっ」<br> 蒼星石「隠さなくたっていいじゃない。いるんでしょ?」<br> ガタック「う……うむ。蒼星石にだけ教えるが、誰にも言わないでくれ」<br> 蒼星石「言わないよ。で、誰なの?」<br> ガタック「あ、ああ……実はな、私はジュンの事が好きなんだ……。初めは、<br>      こんな軟弱ここに極まりないヒキニートなど、と思っていたが、彼の<br>      優しさと強さを目にするうちに、いつの間にか……」<br> 蒼星石「……ごめんガタックゼクター、君とはコンビ解散の方向で」<br> ガタック「な!?」<br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> ジュンを巡ってコンビ解散寸前の蒼い子とガタックゼクター。<br> 果たして二人の恋の行方は?<br> <br> ガタック「今時僕っ子など流行らん! これからの時代は私の様な素直クールだ!」<br> 蒼星石「そ、そんな事! そっちこそ、虫なんかにジュン君が靡く訳ないよ!」<br> ガタック「ふん、それがどうした。既に私はジュンの所有物なんだ。最もジュンの<br>      身近にいられる存在だろう。物陰からストーカーの様に見ているお前では、<br>      ジュンの心を掴む事は出来まい」<br> 蒼星石「む~……ッ、じゃあハッキリさせようじゃないか! ジュン君は、僕と君の<br>     どっちが好きなのか!」<br> ガタック「望むところだ。勝敗など既に決して……」<br> <br> <br> サソード「ジュンー! 聞いてー、聞いてってばー!」<br> ジュン「サソードたんハァハァ」<br> <br> <br> 蒼星石・ガタック「……………………」<br> <br> 《RIDER KICK》<br> 《RIDER CUTTING》<br> <br> アーッ!<br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> 夕焼けが眩しい教室で一組の男女が向かい合っている。<br> 蒼「話って何かな?」<br> ジ「単刀直入に言う。僕は蒼星石が好き」<br> 蒼「?!・・・・」<br> <br> 蒼星石の瞳に大粒の涙が溜まる。<br> <br> 蒼「(姉さんもジュン君が好き…)」<br> <br> 沈黙が続く。<br> <br> 蒼「(僕も姉さんと同じようにジュン君が好き)」<br> <br> まだ続く沈黙。状況を打開しようとジュンが話そうとする。<br> しかし言葉が浮かばない。<br> <br> 蒼「姉さんもジュン君が好きなんだよ?」<br> 蒼「僕達が付き合うと仮定しよう」<br> 蒼「ジュン君は僕らの関係を隠し通す自信はある?」<br> ジ「…わからない。でも僕は蒼星石が好き」<br> <br> ジュンは真っすぐ蒼星石の目を見てハッキリ答えた。<br> 蒼星石の頬を涙が伝う。<br> <br> 蒼「ジュ・・ン・君…僕も大・す・・・き・・」<br> <br> 蒼星石の涙がまた頬を伝う<br> <br> ジ「蒼星石!!」<br> <br> 蒼星石を抱きしめるジュン。<br> 彼の瞳には涙が溜まっている。<br> <br> ジ「蒼星石!僕は君を愛してる!!」<br> 蒼「僕‥も・僕もだよジュン君!」<br> <br> チュッ<br> <br> ジ「…ありがとう蒼星石。愛してる」<br> 蒼「そんなグシャグシャな顔で言わないでよ」<br> ジ「・・お互い様だろ?」<br> <br> チュッ<br> <br> 突然ジュンが教室の窓を開け叫んだ。<br> <br> ジ「僕、桜田ジュンは、蒼星石を愛しています!」<br> <br> 声を枯らせて叫んだ。<br> ジュンは笑顔で言う<br> <br> ジ「一緒に帰ろうか」<br> 蒼「そうだね。手を繋いで帰ろう?」<br> ジ「恥ずかしくないのか?」<br> 蒼「恥ずかしいけど、手繋ぎたいんだ。ダメかな?」<br> ジ「いいよ。周りの奴らに見せ付けてやろうか」<br> 蒼「そうだね。さあ帰ろっか!」<br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br>  もうすっかり夏色に染まった空気の中を、やっぱり夏色の香りを纏っていた風が一陣、僕の身体を通りすぎていった。<br>  手のなかには、夜祭りの出店で買ってもらった髪飾りがひとつ。<br> <br> <br> 『蒼星石は髪が綺麗だからな。これ、きっと似合うよ』<br> <br>  髪飾りと一緒に貰った、彼の言葉。それを胸の中で何度も反芻している。<br>  彼はきっと、誰にでもやさしい。だからクラスの女の子だって、彼に少なからず好意を抱いていることを僕は知っている。僕にこれをくれたのだって、……特に深く考えることもしていなかったのかもしれない。<br> <br>  だけどね、ジュン君。僕だってやっぱり、女の子だから。こういうのって、少しは期待しちゃうものなんだよ。それは知ってた?<br> <br>  夏休みが、始まって。僕は、特に用事も無いと言っていた彼を、夜祭りのあった神社に呼び出して……今、彼のことを待っている。 辺りが、少しだけ暗くなってきて。空の西側に遠く燃えている陽が、きれい。とてもとても、きれいだった。<br> <br>  もしも、僕が何か勘違いをしていて……それなりに今までの僕達の関係は友達として居心地が良かったし。それがもし崩れてしまったら、きっと哀しいだろう。でも、それでも。<br> <br> <br> <br>  後ろ髪を纏めて、アップにしてみる。君は、誉めてくれるかな。似合ってるかどうかは、自分ではちょっとわからないから。<br> <br>  ねえ、ジュン君。僕は……<br> <br>  そのあとの一言を伝えるために、僕は待ってる。多分あと五分も経たずにやってくるであろう君の姿を―――<br> <br>  ほんの少しの、勇気を……そんなことを僕は今、願った訳じゃないんだよ。その思いは、きっと。自分の中から、溢れてくるものだから。<br> <br> 「……」<br> <br>  微かに、石段を登ってくる足跡が聴こえる。僕は眼を瞑って……待つんだ。<br>  瞼の向こう側と同じ様に。眼を瞑っていても、やっぱり見えている色は紅くて。<br> <br> ……<br> 「蒼星石、どうしたんだ? こんなところに呼び出して」<br> <br> 「……あのね、ジュン君。君に伝えたいことがあるんだ……聞いてくれるかい? ……」<br> <br> ―――<br>  幕間の、おわり。しかし彼等がこれから繋ぐ物語は……世界の何処かに、きっとあるでしょう。<br>  私は、その幕間を伝える道化の兎。……お逢いしたことがあったかもしれないし、なかったかもしれません。世界は、そういう風に出来上がっているのです。 では、幕を一度閉じるとしましょうか。御縁があったなら、またお逢いしましょう……<br> <br> おわり<br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> 朝日が眩しい教室。<br> 六人の少女が談笑している中で事件は起こった。<br> <br> 一人のクラスメートが彼女等に向かって歩いて行った。<br> <br> ?「蒼星石、君が好きだ。僕と付き合ってほしい」<br> クラスに響く声。<br> 時間が止まった。<br> <br> 薔「スタープラチナ・ザ・ワールド」<br> 蒼「・・ホント?」<br> ?「・・済まない。さっきの言葉には偽りがあった。」<br> ?「君を愛している。君を想うと夜も眠れない。」<br> 蒼「そんな…///」<br> ?「返事は明日のこの時間にまた聞きに来る。」<br> <br> 彼がきびすを返そうとした時…<br> <br> 蒼「・・待って・・・・そんな必要はないよ。」<br> 蒼「僕も君が好きだから…ねぇジュン君‥」<br> ジ「ありがとう。蒼星石の口からその言葉を聞きたかった。」<br> <br> 水銀燈は窓の外を見る。<br> 笑顔で。<br> 金糸雀と雛苺は泣いている。<br> 翠星石は泣いているが笑っていた。<br> 真紅はおめでとうと呟く<br> 雪華綺昌と薔薇水晶は不満そうな顔をしていたが…<br> <br> <br> <br> いつの間にかジュンと蒼星石を取り囲むようにクラスメートが集まっている。<br> 歓声で教室の窓が震える。<br> <br> ジュンは泣いている。<br> 蒼星石も泣いている。<br> ジュンが蒼星石を抱き締める。<br> すでにクラスはお祭り状態だ。<br> 歓声を聞きつけ隣のクラスから覗きに来る者もいた。<br> <br> 歓声が止む<br> <br> ジュンと蒼星石はお互いを見つめ合い…<br> <br> そして…<br> <br> チュッ<br> <br> 二人はカップルとしてのファーストキスをした。<br> 涙の味がした。<br> <br> ~一週間後~<br> 蒼「ホントにあの時はビックリしたよジュン君。」<br> ジュンの膝の上で独り言のように呟く。<br> ジ「実は、蒼以外のクラスの皆は、あの時に告白する事を知ってたんだよ。」<br> 蒼「?・・どういう事?」<br> ジ「そのまま。」<br> ジ「いつまでも愛してるよ蒼。」<br> ジュンは囁くように言うと彼女にキスをした。<br>

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