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蒼星石短編33 - (2007/09/29 (土) 14:56:58) の1つ前との変更点

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<p>2学期の始まりの日、一番乗りしたボクは、まだ寝ているかのように静まった教室に『おはよう』と声をかけた。<br> 他の生徒が登校するにはまだずいぶんと早い。<br> <br> 久し振りの自分の机。<br> 落書き一つ無い無個性なそれは、主との再会を喜ぶでも無くただ佇むようにそこにあった。<br> 席に座って鞄を開ける。<br> 取り出される夏休みの課題と思い出の数々。<br> 机に仕舞われる課題とは違い、反芻するように取り出されては心に留まる小さな記憶のかけらたち。<br> この夏が特別だったと思い出したかのように鼓動が駆け足になった。<br> <br> ちらりと盗み見るように隣の机に視線をうつす。<br> 七月に隣り合った彼とボク。<br> 瞬く間に過ぎ去る時間の中で芽生えた恋。<br> <br> 最期の日に交換したメールアドレス。<br> 彼の前だと言葉に詰まるボクに与えられた大切な交信手段。<br> <br> メールボックスに保存されたたくさんの想いのカタチ。<br> 顔から火の出るような文面を見返して慌てて携帯を閉じる。<br> けれど恥ずかしさとともに喜びもあふれてくるようで、ボクは幸せな微笑みを浮かべる。<br> <br> 最期に出した筆ばこから鉛筆を一本取り出す。<br> 明日か明後日には離れてしまうであろうボクと彼の机。<br> それでも二人の心が離れないように。<br> 机に三角の傘と二つのローマ字を書いた。<br> <br> JとS<br> ジュンと蒼星石。<br> 二人が恋人となって過ごす学校生活が、<br> とても大切なものになるように、と祈りをこめて。</p> <p> </p> <hr> <p>ジ「台風の名前って味気無いよな」<br> 蒼「うーん。まあ名前というか番号だしね」<br> ジ「17号だの18号だのって……人造人間かっつーの」<br> 蒼「……それは禁句じゃないかな(^-^;」<br> ジ「その点アメリカのハリケーンはまだマシだ」<br> 蒼「えっと……人名みたいなだっけ?」<br> ジ「カトリーナとかな。まあ被害の大きさ考えたら名前が可愛くたって親しみなんざ持てないが」<br> 蒼「確かにねw もしジュン君が名前付けるとしたら、どんなのにする?」<br> ジ「そうだな、えっと……そ、……そ……」<br> 蒼「そ、そ……?(///)」<br> ジ「ソロモンの悪夢」<br> 蒼「(´・ω・`)」<br> <br> 254:<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。</strong></font>: :2007/09/06(木) 08:31:14.25 ID:+Oa2qA5cO<br> &gt;&gt;252<br> 『蒼星石が日本上陸!勢力を拡大しつつ北上を続けています!!』<br> <br> …これなんて軍団?<br> <br> 255:<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。</strong></font>: :2007/09/06(木) 08:43:47.21 ID:ZU8j19lTO <br> &gt;&gt;254<br> 『ローゼンメイデンがハリケーン(台風)だったら』<br> <br> ……面白そうだけどもはやスレチw</p> <hr> <br> ある日の学校帰り。<br> <br> ザァァァァ……<br> 翠「大雨ですねぇ」<br> ジ「ああ。そういや台風とか雷がくると急にテンション上がるヤツっていたよな」<br> 翠「いましたねぇ。欝陶しいもんですぅ」<br> ジ「ま、気持ちは分からないでも……ん?」<br> ドドドドドドドド<br> 蒼「うぅっひゃあぁぁー!!」<br> グルグルグルグル<br> 蒼「こっ、この圧力!流石は台風だ!でも負けるもんかー!!」<br> ドドドドドドドド……<br> <br> ジ「……」<br> 翠「……」<br> ジ「……こんな身近にいたとはねぇ」<br> 翠「まったくですぅ(///)」 <p> </p> <hr> <p> </p> <p>蒼「~♪」カタカタ<br> ジ「ん?なにやってんだ蒼星石」<br> 蒼「ああ、ジュン君。これはね、小説を書いてるんだ。今日は調子が良くて3時間くらい書き続けてるんだよ」<br> ジ「へぇ」<br> 蒼「あ、ひとくぎりついたからお茶でも入れるね」<br> ジ「いや、そんなに構わなくてもいいぞ」<br> 蒼「まあまあ」<br> タッタッタ…ビン!(コードに足が引っかかった)<br> 蒼「うわっ!」<br> ブツン。<br> ジ「あ、電源切れた」<br> 蒼「うわぁああああああ!?」<br> ジ「え、途中保存してないのか?」<br> 蒼「・・・」<br> ジ「…ごめん、こんな時どんな顔していいのかわからくて…」<br> 蒼「笑えばいいと思うよ…フフフフフ…」</p>
<p>2学期の始まりの日、一番乗りしたボクは、まだ寝ているかのように静まった教室に『おはよう』と声をかけた。<br> 他の生徒が登校するにはまだずいぶんと早い。<br> <br> 久し振りの自分の机。<br> 落書き一つ無い無個性なそれは、主との再会を喜ぶでも無くただ佇むようにそこにあった。<br> 席に座って鞄を開ける。<br> 取り出される夏休みの課題と思い出の数々。<br> 机に仕舞われる課題とは違い、反芻するように取り出されては心に留まる小さな記憶のかけらたち。<br> この夏が特別だったと思い出したかのように鼓動が駆け足になった。<br> <br> ちらりと盗み見るように隣の机に視線をうつす。<br> 七月に隣り合った彼とボク。<br> 瞬く間に過ぎ去る時間の中で芽生えた恋。<br> <br> 最期の日に交換したメールアドレス。<br> 彼の前だと言葉に詰まるボクに与えられた大切な交信手段。<br> <br> メールボックスに保存されたたくさんの想いのカタチ。<br> 顔から火の出るような文面を見返して慌てて携帯を閉じる。<br> けれど恥ずかしさとともに喜びもあふれてくるようで、ボクは幸せな微笑みを浮かべる。<br> <br> 最期に出した筆ばこから鉛筆を一本取り出す。<br> 明日か明後日には離れてしまうであろうボクと彼の机。<br> それでも二人の心が離れないように。<br> 机に三角の傘と二つのローマ字を書いた。<br> <br> JとS<br> ジュンと蒼星石。<br> 二人が恋人となって過ごす学校生活が、<br> とても大切なものになるように、と祈りをこめて。</p> <p> </p> <hr> <p>ジ「台風の名前って味気無いよな」<br> 蒼「うーん。まあ名前というか番号だしね」<br> ジ「17号だの18号だのって……人造人間かっつーの」<br> 蒼「……それは禁句じゃないかな(^-^;」<br> ジ「その点アメリカのハリケーンはまだマシだ」<br> 蒼「えっと……人名みたいなだっけ?」<br> ジ「カトリーナとかな。まあ被害の大きさ考えたら名前が可愛くたって親しみなんざ持てないが」<br> 蒼「確かにねw もしジュン君が名前付けるとしたら、どんなのにする?」<br> ジ「そうだな、えっと……そ、……そ……」<br> 蒼「そ、そ……?(///)」<br> ジ「ソロモンの悪夢」<br> 蒼「(´・ω・`)」<br> <br> 254:<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。</strong></font>: :2007/09/06(木) 08:31:14.25 ID:+Oa2qA5cO<br> &gt;&gt;252<br> 『蒼星石が日本上陸!勢力を拡大しつつ北上を続けています!!』<br> <br> …これなんて軍団?<br> <br> 255:<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。</strong></font>: :2007/09/06(木) 08:43:47.21 ID:ZU8j19lTO <br> &gt;&gt;254<br> 『ローゼンメイデンがハリケーン(台風)だったら』<br> <br> ……面白そうだけどもはやスレチw</p> <hr> <p><br> ある日の学校帰り。<br> <br> ザァァァァ……<br> 翠「大雨ですねぇ」<br> ジ「ああ。そういや台風とか雷がくると急にテンション上がるヤツっていたよな」<br> 翠「いましたねぇ。欝陶しいもんですぅ」<br> ジ「ま、気持ちは分からないでも……ん?」<br> ドドドドドドドド<br> 蒼「うぅっひゃあぁぁー!!」<br> グルグルグルグル<br> 蒼「こっ、この圧力!流石は台風だ!でも負けるもんかー!!」<br> ドドドドドドドド……<br> <br> ジ「……」<br> 翠「……」<br> ジ「……こんな身近にいたとはねぇ」<br> 翠「まったくですぅ(///)」</p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p>蒼「~♪」カタカタ<br> ジ「ん?なにやってんだ蒼星石」<br> 蒼「ああ、ジュン君。これはね、小説を書いてるんだ。今日は調子が良くて3時間くらい書き続けてるんだよ」<br> ジ「へぇ」<br> 蒼「あ、ひとくぎりついたからお茶でも入れるね」<br> ジ「いや、そんなに構わなくてもいいぞ」<br> 蒼「まあまあ」<br> タッタッタ…ビン!(コードに足が引っかかった)<br> 蒼「うわっ!」<br> ブツン。<br> ジ「あ、電源切れた」<br> 蒼「うわぁああああああ!?」<br> ジ「え、途中保存してないのか?」<br> 蒼「・・・」<br> ジ「…ごめん、こんな時どんな顔していいのかわからくて…」<br> 蒼「笑えばいいと思うよ…フフフフフ…」</p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p>散歩中、ジュンはあるものが道に落ちているのを見つけた。<br> <br> ジ「…ん?あれは蒼星石の帽子じゃないか。<br> 落としものか…じゃ、届けてやるか。」<br> ジュンはその帽子を拾おうと腰をかがめた。<br> その瞬間…<br> <br> 『ガサッ!』<br> <br> ジ「!?」<br> なんとその帽子の中からまるで蜘蛛のような足が無数に飛び出したきたのだ。<br> <br> 『ガサ…ガサガサガサガサガサ…!!』<br> <br> そして帽子はそのまま凄まじい速さでジュンの前から歩いて消えていった。<br> 残されたジュンは帽子が消えた先を見ながらただ呆然とするしかなかった…<br> <br> 【翌日】<br> 蒼「おはようジュン君。」<br> ジ「ひぃっ!お…おはよう…蒼星石。」<br> 蒼「ど…どうかしたの?そんな驚いた顔して……」<br> ジ「い…いや、お前の帽子………いや、何でもない。じゃあな。」ダッ!<br> 蒼「え?ぼ…帽子がどうしたの!?ねぇ、ジュン君!ジュン君ってばぁー!!」<br> <br> 世の中には知らないことのほうが幸せなこともある…ジュンは背後から蒼星石の声を浴びながら切実にそう思ったのであった…。</p>

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