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雪華綺晶的な思考 外伝 - (2010/01/10 (日) 19:44:13) の1つ前との変更点

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<p>「ピチカート、私とラヴラヴ温泉旅行、かっこポロリもあるよかっことじ、に一緒に行きましょう」<br /><br /> 「だかお断わりします。私はベリーベルとラヴラヴしなくてはいけない義務があるので」<br /><br /> 「つれないなぁ、身体はもう疼いて我慢できないはずなのに」<br /><br /> 「私は貴方のなんなんですかッ! 奴隷ッ!? そういった類の奴隷なんですかッ!!」<br /><br /> ああ、なんてツッコミ……、ピチカートと付き合い始めてから、いや変な意味じゃなくて知り合いになってからもうどのくらいになるのか分からないが彼女の成長ぶりは凄まじい。<br /> 主に悪影響なんて受けまくって全身私色に染まっちゃいそうで怖いくらいだ。<br /><br /> さて、私、雪華綺晶がこの電話相手、ピチカートをこうやって桃色温泉旅行に誘おうとしているのには訳がある。もちろん、世の中訳もなく旅に誘う人物なんていないと思うが。<br /> ちなみにピチカートって誰? みたいな人の為に補足をすると、彼女は金糸雀、じゃなくてみっちゃん宅に大学に通うために居候している北欧系の大学生である。<br /> 因みに胸はEカップ。背丈も高くモデル体型の彼女を真紅、紅薔薇のお姉様が見たら血の涙を流しつつ半狂乱しそうだ。<br /><br /> 「で、そもそもそんな破廉恥な旅行か何か分からないものに私を誘おうと思った<br /> んですか? 」<br /><br /> 「いや、ピチカートの身体を見ていたらもうドキがムネムネしちゃって」<br /><br /> 「何、真面目に古いギャグをかましているんですかキラキショウさん。そんなことの為に電話してきたんじゃないでしょうね」<br /><br /> ははは、またまたご冗談を、と電話線を人差し指でくるくる弄びながら額に汗浮かべたり。<br /> まぁ、嘘なのだけど。<br /><br /> 「もちろん旅行は本気、もう水銀燈のお姉様も、雛苺も了解してるし。あと、貴方のベリーベル」<br /><br /> 「……またまた~」<br /><br /> 声が動揺している。こちらからは受話器しか見えないが目も泳いでることだろう。いや、間近で見たかった。<br /><br /> 「本当に決まってるじゃない。ベリーベルと雛苺が即答だったし」<br /><br /> もう一つおまけが付いているのだかそれは今は言わないで置こう。別に嘘を吐いている訳でもないし。<br /><br /> 「い、行きます! 行かせてください!! このピチカート、キラキショウさんに死ぬまでついていきます」<br /><br /> 「まぁ、プロポーズなんて…なんて男らしいの」<br /><br /> 「私は女ですッ! 正真正銘のガールですから」<br /><br /> 「そんな事はさて置き、出発は明後日だから準備しておいてね。あ、あと出来たらスキー用具も」<br /><br /> スキーですか? とピチカートが疑問に満ちた声で尋ねてきた。冬といえばスキー、そして温泉タラバガニと相場は決まっているもんだ。<br /><br /> 「そう、スキー。大スキーよ、大スキー」<br /><br /> 「二回言わなくていいです。しかしスキーですか、いいですね~。昔はよく滑りに行ったものです」<br /><br /> 「さすが北欧出身は違うか。経験者歓迎歓迎。どうもスキー経験者があまりいなくて。これでピチカートもベリーベルに手取り足取り教えてあげれるわね」<br /><br /> 「ええ、今から鼻血が出そうです」<br /><br /> 「はっはっは、兄弟。今からそんなんじゃ本番はどうなることやら」<br /><br /> だからペドふ、じゃなくてロリコンは困る、なんて心にもないことを思うという高度なことをしでかしながら私もソファーで丸くなる薔薇水晶を見る。<br /><br /> ああ、可愛い。妹っていいなぁ。<br /><br /> 手を握りたくなる、抱き締めたくなる、頬擦りしたくなる、キスしたくなる、ふくよかな胸に手を伸ばしたくなる。<br /><br /> これくらいに自重することにして、それほど私の妹薔薇水晶は可愛いのだ。<br /><br /> 「しかし、キラキショウさん。再び聞きますけどなぜまた旅行なんか」<br /><br /> 「いや、たまにはみんなで裸の付き合いというのも大切かなぁ、と思って」<br /><br /> 「……なるほど。温泉があるんですよね。日本の文化ですから大切にいたしましょう……ハァハァ」<br /><br /> まぁ、嘘なんだけど。<br /><br /> 実際の話をするとなるとそれは今から4日前に遡る。ちょうど私達が住んでいる地域の商店街が年末福引き大会を行っていて、たまたまその日は両手に花ではなく、ビニール袋を持つはめになるほど、大量に生活雑貨や夜のお菓子と買い込んでいた。<br /> もちろん、福引券も大量、とまでは行かないが数回あのガラガラマシーンを回せるほどゲットしており、年末最後の運試しと言わんばかりに私たちは福引きに調整したと言うわけ。<br /><br /> それで、ばらしーちゃんが些細な奇跡をお使いになり、一等ペア温泉旅行を当ててしまった。<br /><br /> そこで私は考えた。<br /><br /> もちろん、二人でアダルティーな旅行も良かったのだが、それでは何か物足りない気がして。<br /><br /> だから、私はあくまで「みんなで行く(有料)温泉旅行」として、ピチカート以下省略を誘っているわけだ。<br /><br /> これは最後の最後まで黙っておく。<br /> はじめに言ったりなんかした日には人が集まる訳がない。<br /><br /> みんなと楽しい旅行+私たちは宿泊費無料。<br /><br /> ああ、なんていう+オプション。<br /><br /> 「で、ちなみに出発は? 」<br /><br /> 「えっ、明日」<br /><br /> 「……明日? 」<br /><br /> 時計は12時をたった今過ぎ、日付が変わる。<br /><br /> 「うん、あし……あっ、今日出発になった」<br /><br /> 「……キラキショウさんらしい。まったく、泣けますよ」<br /><br /><br /> ~雪華綺晶的な思考 外伝 トキメキ!? ラヴラヴ(ペドロリシスコンツンデレ)<br /> 温泉旅行!~<br /><br /> はじまるよ~!!<br /><br /> 続く(`・ω・´)</p>
<p>「ピチカート、私とラヴラヴ温泉旅行、かっこポロリもあるよかっことじ、に一緒に行きましょう」<br /><br /> 「だかお断わりします。私はベリーベルとラヴラヴしなくてはいけない義務があるので」<br /><br /> 「つれないなぁ、身体はもう疼いて我慢できないはずなのに」<br /><br /> 「私は貴方のなんなんですかッ! 奴隷ッ!? そういった類の奴隷なんですかッ!!」<br /><br /> ああ、なんてツッコミ……、ピチカートと付き合い始めてから、いや変な意味じゃなくて知り合いになってからもうどのくらいになるのか分からないが彼女の成長ぶりは凄まじい。<br /> 主に悪影響なんて受けまくって全身私色に染まっちゃいそうで怖いくらいだ。<br /><br /> さて、私、雪華綺晶がこの電話相手、ピチカートをこうやって桃色温泉旅行に誘おうとしているのには訳がある。もちろん、世の中訳もなく旅に誘う人物なんていないと思うが。<br /> ちなみにピチカートって誰? みたいな人の為に補足をすると、彼女は金糸雀、じゃなくてみっちゃん宅に大学に通うために居候している北欧系の大学生である。<br /> 因みに胸はEカップ。背丈も高くモデル体型の彼女を真紅、紅薔薇のお姉様が見たら血の涙を流しつつ半狂乱しそうだ。<br /><br /> 「で、そもそもそんな破廉恥な旅行か何か分からないものに私を誘おうと思った<br /> んですか? 」<br /><br /> 「いや、ピチカートの身体を見ていたらもうドキがムネムネしちゃって」<br /><br /> 「何、真面目に古いギャグをかましているんですかキラキショウさん。そんなことの為に電話してきたんじゃないでしょうね」<br /><br /> ははは、またまたご冗談を、と電話線を人差し指でくるくる弄びながら額に汗浮かべたり。<br /> まぁ、嘘なのだけど。<br /><br /> 「もちろん旅行は本気、もう水銀燈のお姉様も、雛苺も了解してるし。あと、貴方のベリーベル」<br /><br /> 「……またまた~」<br /><br /> 声が動揺している。こちらからは受話器しか見えないが目も泳いでることだろう。いや、間近で見たかった。<br /><br /> 「本当に決まってるじゃない。ベリーベルと雛苺が即答だったし」<br /><br /> もう一つおまけが付いているのだかそれは今は言わないで置こう。別に嘘を吐いている訳でもないし。<br /><br /> 「い、行きます! 行かせてください!! このピチカート、キラキショウさんに死ぬまでついていきます」<br /><br /> 「まぁ、プロポーズなんて…なんて男らしいの」<br /><br /> 「私は女ですッ! 正真正銘のガールですから」<br /><br /> 「そんな事はさて置き、出発は明後日だから準備しておいてね。あ、あと出来たらスキー用具も」<br /><br /> スキーですか? とピチカートが疑問に満ちた声で尋ねてきた。冬といえばスキー、そして温泉タラバガニと相場は決まっているもんだ。<br /><br /> 「そう、スキー。大スキーよ、大スキー」<br /><br /> 「二回言わなくていいです。しかしスキーですか、いいですね~。昔はよく滑りに行ったものです」<br /><br /> 「さすが北欧出身は違うか。経験者歓迎歓迎。どうもスキー経験者があまりいなくて。これでピチカートもベリーベルに手取り足取り教えてあげれるわね」<br /><br /> 「ええ、今から鼻血が出そうです」<br /><br /> 「はっはっは、兄弟。今からそんなんじゃ本番はどうなることやら」<br /><br /> だからペドふ、じゃなくてロリコンは困る、なんて心にもないことを思うという高度なことをしでかしながら私もソファーで丸くなる薔薇水晶を見る。<br /><br /> ああ、可愛い。妹っていいなぁ。<br /><br /> 手を握りたくなる、抱き締めたくなる、頬擦りしたくなる、キスしたくなる、ふくよかな胸に手を伸ばしたくなる。<br /><br /> これくらいに自重することにして、それほど私の妹薔薇水晶は可愛いのだ。<br /><br /> 「しかし、キラキショウさん。再び聞きますけどなぜまた旅行なんか」<br /><br /> 「いや、たまにはみんなで裸の付き合いというのも大切かなぁ、と思って」<br /><br /> 「……なるほど。温泉があるんですよね。日本の文化ですから大切にいたしましょう……ハァハァ」<br /><br /> まぁ、嘘なんだけど。<br /><br /> 実際の話をするとなるとそれは今から4日前に遡る。ちょうど私達が住んでいる地域の商店街が年末福引き大会を行っていて、たまたまその日は両手に花ではなく、ビニール袋を持つはめになるほど、大量に生活雑貨や夜のお菓子と買い込んでいた。<br /> もちろん、福引券も大量、とまでは行かないが数回あのガラガラマシーンを回せるほどゲットしており、年末最後の運試しと言わんばかりに私たちは福引きに調整したと言うわけ。<br /><br /> それで、ばらしーちゃんが些細な奇跡をお使いになり、一等ペア温泉旅行を当ててしまった。<br /><br /> そこで私は考えた。<br /><br /> もちろん、二人でアダルティーな旅行も良かったのだが、それでは何か物足りない気がして。<br /><br /> だから、私はあくまで「みんなで行く(有料)温泉旅行」として、ピチカート以下省略を誘っているわけだ。<br /><br /> これは最後の最後まで黙っておく。<br /> はじめに言ったりなんかした日には人が集まる訳がない。<br /><br /> みんなと楽しい旅行+私たちは宿泊費無料。<br /><br /> ああ、なんていう+オプション。<br /><br /> 「で、ちなみに出発は? 」<br /><br /> 「えっ、明日」<br /><br /> 「……明日? 」<br /><br /> 時計は12時をたった今過ぎ、日付が変わる。<br /><br /> 「うん、あし……あっ、今日出発になった」<br /><br /> 「……キラキショウさんらしい。まったく、泣けますよ」<br /><br /><br /> ~雪華綺晶的な思考 外伝 トキメキ!? ラヴラヴ(ペドロリシスコンツンデレ)<br /> 温泉旅行!~<br /><br /> はじまるよ~!!<br /><br /> 続く(`・ω・´)<br /><br /></p> <hr /><br /><br /> と、いうことで今から7時間後くらい。<br /> 私たちの自宅前には一台のシャトルバスが停まっていた。<br /><br /> 「ねぇ、本当に私が運転するわけぇ~? 」<br /><br /> 「本当にお姉様が運転するんですよ~」<br /><br /> 私は小さな旅行バックを持ちながら暗い顔、というかかなり心配なのであろう水銀燈のお姉様に張り付けられた笑顔を向けた。<br /><br /> 「そもそもなんで運転手をあみだくじなんかで決めたのよぉ」<br /><br /> 「いや、そういったことは平等にいかなくてはと」<br /><br /> 私、選んでないんだけど、と不平をいうお姉様の意見はごもっともで、作ったの私、選んだの私では平等も何もない。<br /> しかしですよ、お姉様。このメンバーで安心できる運転が可能なのはお姉様ただ一人なのですよ。<br /><br /> と、私は集まったメンバーを見回してみる。<br /><br /> 「まったく……決まったことを愚痴愚痴と」<br /><br /> と、真っ赤なバックを持っているのは真紅のお姉様。はじめは渋っていたが水銀燈のお姉様が参加すると知った途端、参加を決めた。全くもってツンの鏡である。<br /><br /> その横には雛苺が真紅、真紅と構ってもらいたそうな目をしていた。<br /> しかし、真紅に構ってもらえないと分かると瞬く間にターゲットを替え、ベリーベルと遊び始めた。<br /> さて、このベリーベルという少女。<br /> そう、ピチカートがベタ惚れの女の子である。<br /> 大事な事なので強調しておくが『女の子』である。<br /><br /> 彼女もピチカートと同じく海外の生まれ……なはずであり、今は柏葉巴宅に雛苺と共に居候の身である。<br /><br /> 柏葉家も桜田家も居候ばかりでなかなかグレイトリッチな御家でなりよりだ。<br /> ああ、羨ましい妬ましい。<br /> お話を戻すと、その可憐な少女ベリーベルの横にはわざとらし~くピチカートが緊張と欲求の狭間に押しつぶされそうな笑顔を浮かべている。<br /> なぜ、緊張しているか? それにはもちろん理由があって。<br /><br /> 「…………」<br /><br /> 「と、トモエさん……な、何か? 」<br /><br /> 「気にしないで、監視だから」<br /><br /> 「か、監視!? べ、別に私なベルになにもしませんってあはははは」<br /><br /> そう、雛苺とベリーベルのいわば養い人、柏葉巴もこの旅行に参加しているのだ。<br /> 聞けばピチカートと柏葉巴は同じ大学に行っているらしいが、関係はこの有様。<br /> ピチカート曰く、学校では仲がよろしいとかそう思いたいだけだとか。<br /><br /> それに私こと雪華綺晶と、ばらしーちゃんこと薔薇水晶が含まって合計八人の団体さんである。<br /><br /> 今回不参加の金糸雀は何やら本業のバイオリンの大会があるとかないとかでパス。本人かなり悔しがっていたが。<br /><br /> そして翠星石、蒼星石の双子は音信不通。<br /> いやはや、誘拐か愛の逃避行か。<br /><br /> なので仕方なくこの八人になってしまったのだ。フルメンバーではなくて誠に残念である。<br /><br /> 「さて、全員集まったことだしそろそろ出発いたしましょう、水銀燈のお姉様」<br /><br /> 「え、ええそうね。ナビゲーターは貴方に任せるから助手席よぉ~」<br /><br /> 「そして我慢出来ずに左手が私の胸や股に……周りにばれないよう、羞恥心に頬染めながらお姉様の指使いに快楽の」<br /><br /> 「もういい、もういいから黙ってなさい~。雛苺やベリーベルにはまだ早い世界だわぁ」<br /><br /> それはそうだ、と雛苺とベリーベルを見つめたが本人達は全くの別次元、というか二人の大人には分からない世界へと浸っていたので問題はなかった。<br /><br /> 子供はいいなぁ~。<br /><br /> 無邪気で可愛くて残酷で。<br /><br /> 「そういうことだからばらしーちゃんは私以外の誰かに股探りされてくださいね」<br /><br /> 「お、おねーちゃん」<br /><br /> あ、少しほっとした顔つきだ。なんか悔しいびくんびくん。<br /><br /> 「さぁ、みんな乗り込んでぇ~。事故ったって保証しないからねぇ」<br /><br /> 「私と水銀燈のお姉様にはエアバッグがあるから問題ありませんよね」<br /><br /> 首傷めそうだけど。他の人たちは窓から飛び出たり曲がってはいけない方向に体が曲がったり大変な事になりそうだ。<br /><br /> 「席順はまぁ、適当にねぇ」<br /><br /> と、互いに牽制(一部は仲良く)しながら車へと乗り込む各人。<br /> さて、愛しのばらしーちゃんはいったいどこの席へと……。<br /><br /> 「薔薇水晶はヒナの横~」<br /><br /> 「じゃあベルもばらしーちゃんの横!」<br /><br /> おやまあ意外。後ろの三席は雛苺、薔薇水晶、ベリーベルの異色コンビ。<br /><br /> よかったね、ばらしーちゃん。ピチカートと柏葉巴の真ん中じゃなくて。お姉さん、ほっとしています。<br /><br /> 「全員乗ったわねぇ~、じゃあ出発ぅ」<br /><br /> なんかいつのまにかノリノリになっている水銀燈のお姉様がクルマのキーを回し、エンジンを掛けたと思ったら、すでにアクセル全開で近日の猫をミンチにしそうになりながらあっ、そこは一時停止ですからちゃんと交通ルールは守っ早くシートベルトを締めな前みてアババババ。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> と、言った感じで好調が続いたのであったが。<br /><br /> 「雪道はさすがに無理だわぁ」<br /><br /> 「ええ、メーターが20キロメートル毎時間を指していたっていいんじゃないでしょうか」<br /><br /> 「道分からないしぃ」<br /><br /> 「一寸先は雪ですからね~。これを世の中の人は遭難というんでしょうか」<br /><br /> 「んー、道あるままに進めば大丈夫よぉ」<br /><br /> 「道だと思っていたら雪だった、というのは勘弁してくださいね」<br /><br /> と、いうことで、吹雪に巻き込まれました。<br /><br /> 旅館まではあと少しのはずなのだが目の前30センチ見えるか見えないかではもう自分達がどちらへ進んでいるかも分からなくなりそうだ。<br /><br /> ちらりと後ろを見ると真紅のお姉様は耳に密着型イヤホン突っ込んで自分の世界。ピチカートと柏葉巴は啀み合ってるかと思えば何やら談笑しているし……ああ、お互い守ったり視姦する相手がいないから仲良く話しているわけだ。<br /> そしてその後ろでは雛苺とベリーベルに挟まれながらばらしーちゃんは……しりとりをしていた。<br /><br /> 平和な車内だ。<br /> 助手席と、車の周りを除いて。<br /><br /> 幸いか不幸か周りには車もいないことだからいつかは着くだろう。20キロメートル毎時間でガードレール振り破ることも無いだろうし。<br /> ガードレールがあればのお話だが。<br /><br /> そんな恐怖に身を震わせるような純粋な心が欲しい私ただ、吹雪の山で目を凝らすのであった。<br /><br /> 「あっ、擦ったわぁ」<br /><br /> 「お姉様、これレンタカーですよ!! 」

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