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水銀燈短編7 - (2006/05/05 (金) 22:43:12) の1つ前との変更点
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銀「はあ~・・・飲んでないとやってられないわぁ~<br>
・・・グスッ・・・なんで真紅なんかに・・・」<br>
薔「元気だして・・・銀ちゃん・・・」<br>
銀「もう、いいのよぉ・・・もうJUMなんて・・・<br>
一人の方が気楽でいいわよぉ・・・」<br>
<br>
銀「まあ、私なんかに恋人がいたって事だけでも<br>
有難かったのかしらねぇ~・・・」<br>
薔「そんな・・・そんなこ事言っちゃダメだよ!銀ちゃん!!<br>
・・・顔が人間じゃないんだから!!」<br>
<br>
<br>
<br>
薔「あっ・・・違う・・・違うの・・・<br>
今のは『人間は顔じゃない』って言おうとしただけでその・・・」<br>
銀「・・・それはわかってるけど、この状況で『人間は顔じゃない』って言うのも<br>
それはそれでまた失礼よねぇ~・・・」<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<hr>
<br>
<br>
<br>
<br>
<p>「ちょっとぉ、ちゃんと聞いてるのぉ?」<br>
<br>
「え?ああ、ちゃんと聞いてるよ」<br>
<br>
どんなにスムーズに話している時でも彼が何か考えながら時々見せる表情、それが私を不安にさせる。<br>
<br>
きっと昔のことを思い出しているのだろう。あの子と私を重ねて見ているのかもしれない。<br>
無意識なのがかえって怖い。<br>
<br>
あの子のことが彼に罪悪感を抱かせるのだろうか。<br>
<br>
「ほんとに馬鹿ねぇ・・・」<br>
<br>
「いきなりなんだよ・・・ったく」<br>
<br>
そんなヘタな正義感、今更誰が喜ぶというの?<br>
<br>
彼との関係が変わってから私は思っていることが口に出せなくなった。<br>
彼の真っ直ぐでそつのない、そんな優しさにゆっくりと首をしめられていく感じにただ耐えてきた。<br>
<br>
何の理由で私を選んだのか。<br>
付き合いはじめるまであった根拠の無い自信はあっという間に崩れさった。<br>
<br></p>
<dl>
<dd><br>
<br></dd>
</dl>
<p>
追憶にしろ忘却にしろ、寂しい時にだけ利用されてるのだとしたらたまったもんじゃない。<br>
<br>
もう恋愛感情はないとあなたは言う。<br>
そんなこと言って本当はノスタルジックにおもわれる彼女のほうがいいんじゃないの?<br>
そう考えてしまう自分が憎たらしい。<br>
<br>
彼の本当の気持ちを知りたい気持ち、そんなこと考えたくもないという気持ち。<br>
ふたつに板挟みにされてイライラしてくる。<br>
<br>
あの子のことなんて全部忘れてほしい。ただ私のことだけを考えて強く抱きしめてほしいだけ。<br>
そう願うことは贅沢なことなの?<br>
イミテーションのような優しさで包まれるのはもうたくさん。<br>
<br>
「なあ」<br>
<br>
「・・・なによぉ」<br>
<br>
「・・・手」<br>
<br>
それだけ言うと彼は私の手を握った。少し冷たい。<br>
<br></p>
<p><br>
<br>
(・・・本当に馬鹿なのは私ねぇ。今時中学生でもこのぐらいで満足しないわよぉ?)<br>
<br>
そんなことをされただけで不安な気持ちがやわらいでいく。<br>
<br>
顔が熱い。赤くなっていくのが自分でもわかる。<br>
<br>
(情けないわねぇ・・・JUM以外にはとても見せられたもんじゃないわぁ)<br>
<br>
<br>
あれこれ考えてみてもそんなことどうでもいいくらい、<br>
彼に惚れているゆるぎない事実。<br>
それが私の弱みなのだ。<br>
<br>
<br>
<br>
「ねえJUM」<br>
<br>
「ん?」<br>
<br>
「・・・あなたが好きよぉ」<br>
<br>
fin<br>
<br>
<br>
<br></p>
<hr>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
ああ、いやだな。<br>
薬は効かない。<br>
<br>
「ねえ・・・私いつになったら死ねるのかな」<br>
「めぐ・・・お願いだからそんなこと言わないで」<br>
<br>
沈黙、<br>
私は笑顔を崩さない。<br>
<br>
「いいのよ、別に生きていたいわけじゃないし」<br>
「・・・」<br>
<br>
彼女は俯く。<br>
いつも私は言葉を選ぶ。<br>
相手がなにも言えなくなるように言葉を選ぶ。<br>
<br>
「馬鹿ね、誰だっていつかは死ぬわ。はやいか遅いかの違いだけ。小さな違いだわ」<br>
<br>
私は期待しない。なにに対しても。<br>
治らなかった時に傷つくのはいやだから。<br>
いなくなった時に傷つくのはいやだから。<br>
<br>
銀「はあ~・・・飲んでないとやってられないわぁ~<br>
・・・グスッ・・・なんで真紅なんかに・・・」<br>
薔「元気だして・・・銀ちゃん・・・」<br>
銀「もう、いいのよぉ・・・もうJUMなんて・・・<br>
一人の方が気楽でいいわよぉ・・・」<br>
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銀「まあ、私なんかに恋人がいたって事だけでも<br>
有難かったのかしらねぇ~・・・」<br>
薔「そんな・・・そんなこ事言っちゃダメだよ!銀ちゃん!!<br>
・・・顔が人間じゃないんだから!!」<br>
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薔「あっ・・・違う・・・違うの・・・<br>
今のは『人間は顔じゃない』って言おうとしただけでその・・・」<br>
銀「・・・それはわかってるけど、この状況で『人間は顔じゃない』って言うのも<br>
それはそれでまた失礼よねぇ~・・・」<br>
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<p>「ちょっとぉ、ちゃんと聞いてるのぉ?」<br>
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「え?ああ、ちゃんと聞いてるよ」<br>
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どんなにスムーズに話している時でも彼が何か考えながら時々見せる表情、それが私を不安にさせる。<br>
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きっと昔のことを思い出しているのだろう。あの子と私を重ねて見ているのかもしれない。<br>
無意識なのがかえって怖い。<br>
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あの子のことが彼に罪悪感を抱かせるのだろうか。<br>
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「ほんとに馬鹿ねぇ・・・」<br>
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「いきなりなんだよ・・・ったく」<br>
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そんなヘタな正義感、今更誰が喜ぶというの?<br>
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彼との関係が変わってから私は思っていることが口に出せなくなった。<br>
彼の真っ直ぐでそつのない、そんな優しさにゆっくりと首をしめられていく感じにただ耐えてきた。<br>
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何の理由で私を選んだのか。<br>
付き合いはじめるまであった根拠の無い自信はあっという間に崩れさった。<br>
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追憶にしろ忘却にしろ、寂しい時にだけ利用されてるのだとしたらたまったもんじゃない。<br>
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もう恋愛感情はないとあなたは言う。<br>
そんなこと言って本当はノスタルジックにおもわれる彼女のほうがいいんじゃないの?<br>
そう考えてしまう自分が憎たらしい。<br>
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彼の本当の気持ちを知りたい気持ち、そんなこと考えたくもないという気持ち。<br>
ふたつに板挟みにされてイライラしてくる。<br>
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あの子のことなんて全部忘れてほしい。ただ私のことだけを考えて強く抱きしめてほしいだけ。<br>
そう願うことは贅沢なことなの?<br>
イミテーションのような優しさで包まれるのはもうたくさん。<br>
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「なあ」<br>
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「・・・なによぉ」<br>
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「・・・手」<br>
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それだけ言うと彼は私の手を握った。少し冷たい。<br>
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(・・・本当に馬鹿なのは私ねぇ。今時中学生でもこのぐらいで満足しないわよぉ?)<br>
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そんなことをされただけで不安な気持ちがやわらいでいく。<br>
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顔が熱い。赤くなっていくのが自分でもわかる。<br>
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(情けないわねぇ・・・JUM以外にはとても見せられたもんじゃないわぁ)<br>
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あれこれ考えてみてもそんなことどうでもいいくらい、<br>
彼に惚れているゆるぎない事実。<br>
それが私の弱みなのだ。<br>
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「ねえJUM」<br>
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「ん?」<br>
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「・・・あなたが好きよぉ」<br>
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fin<br>
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ああ、いやだな。<br>
薬は効かない。<br>
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「ねえ・・・私いつになったら死ねるのかな」<br>
「めぐ・・・お願いだからそんなこと言わないで」<br>
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沈黙、<br>
私は笑顔を崩さない。<br>
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「いいのよ、別に生きていたいわけじゃないし」<br>
「・・・」<br>
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彼女は俯く。<br>
いつも私は言葉を選ぶ。<br>
相手がなにも言えなくなるように言葉を選ぶ。<br>
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「馬鹿ね、誰だっていつかは死ぬわ。はやいか遅いかの違いだけ。小さな違いだわ」<br>
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私は期待しない。なにに対しても。<br>
治らなかった時に傷つくのはいやだから。<br>
いなくなった時に傷つくのはいやだから。<br>
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<br>
避け損なった散弾がコクピットを破り私の腹部に突き刺さった。<br>
出血が止まらない。もう私は長くないだろう。<br>
「真紅ぅ、ジュ・・・ンはあなたに・・・・・譲ってやるわぁ」<br>
故郷で私が帰るまで恋の決着を先延ばしにしてくれてる良き友、良き好敵手だった彼女に<br>
声を吐くと私の意識は混濁していきやがて消えていった。<br>
<br>
<br>
「御飯、また食べてないのかよ真紅。」<br>
「食欲がなかったのだわ。」<br>
「食う物食わないと何時までもベッドの上だぞ。」<br>
「そうだわね。ジュン。」<br>
「・・・ったく、紅茶入れるよ。」<br>
「いらないのだわ。」<br>
「紅茶ぐらいは飲めよ・・。」<br>
「・・・・・」<br>
「ジュン、寒いのだわ。手を握って頂戴」<br>
僕は真紅の手を握った。その手は真夏だというのに氷のように冷たかった。<br>
水銀燈が戦場で戦死登録が届いて1年。その日から真紅は変わってしまった。<br>
気強い感じが色あせてげっそりと痩せた。僕にあれこれと世話させる事が少なくなった。<br>
そんな彼女を見て僕はただ痛かった。<br>
「今日はいい天気ね。ジュン。空が蒼いのだわ。」<br>
真紅は窓の外に首を傾けながら言った。<br>
「ああ、こっちがすっきりするぐらい天気だな。洗濯日和だ。」<br>
「本当に蒼いのだわ・・・見てるだけで心地が良いのだわ<br>
あの蒼い空の向こう側に・・・・水銀燈は行ってしまったのね・・・。」<br>
<br>
<br>
「・・・・・・やめろよ。真紅。そんな話・・・。」<br>
「・・・悪かったのだわ。でも、水銀燈が・・。」<br>
「真紅。あいつ水銀燈だぜ?そんな簡単に死ぬ奴じゃないよ。」<br>
僕は信じている。水銀燈が生きている事を。撃墜された水銀燈の機体には<br>
水銀燈の死体はなかったそうだ。つまり、誰も水銀燈が死んでいるのを確認<br>
していないという事。僕はまだ希望を捨てきれない。<br>
「あいつの事だからさ。しぶとく脱出して生き延びているに違いないって、<br>
今にヤクルトを持ってお前の見舞いに来るさ」<br>
「そんな事あるわけないのだわ。冗談もいい加減にして頂戴!あの娘は・・・<br>
水銀燈は死んだのだわ!!」<br>
真紅は大声で僕に怒鳴りついた。酷い泣きっ面だった。<br>
僕は真紅を落ち着かせながらハンカチで真紅の顔を拭いた。<br>
「ウウ、ヒッグ・・・。ごめんなさいのだわ。ジュン。いきなり怒鳴りつけたりして・・・・ヒック・・・」<br>
「そんな、泣くなよ。こんな所見られたら水銀燈に馬鹿にされるよ?」<br>
「・・・・そうだわね。こんな情けない姿見せられないのだわ・・・。」<br>
『もう見てるわよお馬鹿さぁん♪』<br>
背後から声が聞こえて僕らは振り返った。<br>
『全く、人を勝手に殺さないで欲しいわぁ。」<br>
そこには間違いなく彼女が[居た]。幽霊だとかじゃなくて実際に・・・。<br>
「「水銀燈!!!」」<br>
fin<br>
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