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蒼星石短編39 - (2006/09/21 (木) 15:07:19) の最新版との変更点

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ひゅぅぅごごご<br> <br> 叩きつける強風に窓が軋みをあげる。<br> 各地で猛威を振るい続けている台風がついにこっちまでやってきたのだ。<br> 僕はカーテンを開けて外の様子を覗き見る。<br> 外は強風と大雨でとても出歩くことは出来そうに無い。<br> 僕ははぁとため息を吐く。<br> 蒼「わぁ、すごいね外」<br> 僕の後ろで窓の外を見ながら彼女は呟いた。<br> J「だから、早く帰れって言ったろ?」<br> 僕がため息混じりに言うと、彼女は軽く笑みを浮かべた。<br> 蒼「そうだね、でも今更仕方ないよ。今日は泊めてね」<br> …こいつ、狙ってたな。<br> 僕は三度ため息を吐くとカーテンを閉め、自分のベッドへと歩き腰掛けた。<br> 蒼星石はそんな僕に近づいて身体ごと寄りかかって来た。<br> 苦を感じない彼女の重さを受け止める僕。<br> 蒼「…今夜はずっと一緒だね」<br> J「そうだな」<br> <br> <br> また強い風が吹いて部屋の窓をガタガタ鳴らす。<br> <br> 僕は彼女の体温を感じながら、ただ何もせずじっとしていた。<br> 蒼「…ねぇ、ジュンくん」<br> J「ん…?」<br> 僕が視線を彼女に向けると、彼女の顔がすぐそばまで接近していた。<br> そして彼女唇が僕の唇を塞いだ。<br> <br> ちゅっ、ちゅっぴ、ちゅっ…<br> <br> 初めは啄ばむ様に、更には舌と舌を絡ませながらお互いを求め合う。<br> しばらく続けた後、唇を離すと二人の間を銀色の糸が引いた。<br> <br> 蒼星石は少し瞳を潤ませながら僕を見つめている。<br> 僕はそんな彼女を軽く抱き寄せて、ベッドに倒れこんだ。<br> 軽いなぁ…。<br> 少しの間、彼女の重さをその身に受けながらボーっとしていると、彼女を口を開いた。<br> 蒼「ジュンくんの心臓、すごくドキドキしてるね…」<br> J「…ああ」<br> 先ほどから高鳴っている自分の鼓動を確かめるまでも無く答える。<br> <br> <br> 蒼「僕の心臓もドキドキしてるんだ…」<br> J「…そうだな」<br> 彼女の胸から伝わってくる鼓動を感じながら僕は答えた。<br> 蒼「ジュンくんだからだよ…? ジュンくんだから僕はこんなにドキドキしてるんだよ…?」<br> J「わかってるよ」<br> 僕は軽く笑う。<br> 蒼「ジュンくんは…? ジュンくんも僕だからドキドキしてくれてるの…?」<br> 僕はその問いかけに軽く息を吐いてから答えた。<br> J「僕も同じだ、蒼星石だからドキドキしてる…いや、蒼星石以外の女の子にはもともとこんな事しない…」<br> 僕の答えを聞くと蒼星石はとても嬉しそうに笑った。<br> そんな彼女の笑顔を見ながら、僕は彼女の頭を軽く撫でてやる。<br> 蒼星石は更に嬉しそうな顔をしながら口を開いた。<br> 蒼「ジュンくん」<br> J「ん?」<br> 蒼「大好き…」<br> J「…僕もだ」<br> 二人して笑いあった後、僕たちはもう一度キスをした。<br> <br> …外の嵐が更に強くなっていた気がしたけど、僕たちはまったく気にはならなかった。<br> <br> <br> /終わり<br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> <dl> <dd>J「おはよ、蒼星石」<br> 蒼「おはよう、ジュン君」<br> JUMと蒼星石はいつもの待ち合わせ場所でいつものように挨拶を交わす。<br> J「じゃ、行こうか」<br> 蒼「うん。…あれっ、ジュン君ネクタイ曲がってるよ?」<br> J「ん、そうか?」<br> JUMは視線を自分の首下に向けるがうまく見えない。<br> J「ま、いいか、少しくらい」<br> 蒼「ダメだよ。ちょっと貸して」<br> 見かねた蒼星石が代わりにJUMのネクタイを直してやる。<br> 蒼「ほら、できたよ」<br> J「ありがとな、蒼星石」<br> 蒼「どういたしまして」<br> 笑顔をかわす二人。<br> 蒼「でも、身だしなみはちゃんとしてないとダメだよ?」<br> J「大丈夫だよ、僕には身だしなみを正してくれるしっかりした彼女がいるからさ」<br> 蒼「…もう」<br> あきらめたように軽く息を吐く蒼星石。<br> 蒼「…まったく、ジュン君は僕がいないとダメなんだね」<br> 軽く笑いながら言う蒼星石。<br> J「はは、そうだな」<br> 軽く笑いながら蒼星石と視線を絡めるJUM。<br> J「…だからさ、これからも僕のそばにいてくれよな?」<br> 蒼「…うん」<br> そして二人は少しの間その場で見つめ合うと学校へと向かって歩き出した。<br> <br> <br> /終わり<br> <br> <br> /おまけ<br> <br> J「…だからさ、これからも僕のそばにいてくれよな?」<br> 蒼「…うん」<br> <br> 鳩(クッソー!! なんだそのラブラブ甘々な会話は!!)<br> 手近に皆様の声を代弁するようなツッコミがいなかったのでハト(ドバト・3歳)にツッコンでもらいました。<br> <br></dd> </dl>
<p>銀「私のクイズに答えられなかったら、ヤクルト奢ってねぇ」<br /> 翠「これは負けられんですぅ!」<br /> 蒼「仕方ない。僕もやるよ」<br /> 銀「さて 今までやってれば分かる問題よ。突然蒼星石は鏡の前に立って……」<br /><br /> ①『お化粧』したくなりました<br /> ②『夢の世界』へ行きたくなりました<br /><br /> 蒼「ハハハ、こんなの楽勝だね。蒼星石」<br /> 翠「……」<br /> 蒼「え?」<br /> 翠「……どっち、でしたっけ?」<br /> 蒼「本気で聞くな」</p> <hr /><p>biero<br /><br /> 「いやだって持ち主が判明したんだし」 注意:毛<br /><br /> ここはけっこうな豪邸ローゼンさんのお宅<br /> 今日も仲良し双子の三女四女翠星石と蒼星石は一緒にお風呂に入っていました。<br /> 二人でお風呂に入れるようになってから、高校生になる今までほぼ毎日二人は一緒にお風呂に入っています。<br /> そんなわけで当然のように二人は二人の体に詳しく、お互いに「双子だから目と髪の長さしか変わらないね」等と言い合っていたものですが。<br /><br /> 翠星石が先に10人は楽に着替えられる脱衣所から出て行った後、蒼星石は姿見に一糸まとわぬ自分の体を写してみます。<br /> 知らず知らず、蒼星石の視線は自らが気にしている一点に注がれます。<br /> 「ふぅ」<br /> 思わず、ためいき。<br /> 蒼星石が気にしている事を知っている双子の姉は<br /> 「別にあるからって何が変わるってもんでもないですよ」<br /> と言ってはくれるのですが。<br /> ふぅ、蒼星石はもう一度アンニュイなため息をつきます。<br /> 何もかもがそっくりで鏡写しな二人なのにどうしてここだけぜんぜん違うのか。<br /> 翠星石はまさに植物を慈しむ彼女らしく、濃すぎず薄すぎず優美な曲線を描く茂みがあります。<br /> たいして蒼星石は生まれた時と特に変わんない感じです。<br /> 『貧相』という言葉が蒼星石の頭をよぎります。<br /> しょっちゅう『貧乳』という言葉でからかわれている一つ下の妹に対して実は共感を抱いたりしている蒼星石だったりします。口にしたら殺されそうなので胸に抱くだけですが。<br /><br /> 蒼星石は毎日のように行っている行動を今日も行っていただけです。<br /> ああ、ですが、なんという事でしょう、気鬱に陥りすぎた蒼星石は重要な事を失念していたのです。<br /> ローゼン家では女性がさきにお風呂に入るのが暗黙のしきたりになっているという事。<br /> そして、二人は今日女性としては最後にお風呂に入った事。<br /> 最後に今日は幼なじみの桜田ジュン君が止まりに来て居た事。<br /><br /> それは蒼星石が姿見を見ながら、これは本当に植物に対して鋏をたくさん使って来た報いではないかと悩んでいた時です。<br /> 脱衣所と廊下のドアが、開きました。<br /> 思わず、蒼星石は振り返ります。<br /> 「え」<br /> 「あ」<br /> ええ、一糸まとわぬ姿で。<br /><br /> その後彼女とそのコンプレックスを知った幼なじみの間に色々あるのですが、それはまた、別の話。<br /><br /><br /><br /><br /> ーーー今夜はただ、惨劇の幕が上がりましたとさ。</p> <hr /><p>「たんぽぽだ」<br /> 「原っぱが黄色なの! すごいのー」<br />  黄色いたんぽぽが咲いているのを見つけ、両手をブーンとさせて雛苺は走り出します。<br /> 「転んじゃダメだよ」<br />  何時ものことながら蒼星石はまるで保護者だな、と苦笑いを浮かべます。<br /> 「そーせーせきー、ちょっと来てなのー」<br />  雛苺が黄色い絨毯を敷き詰めたような原っぱにちょこんと座って手を振っています。どうしたのかな? と思いつつ蒼星石はゆっくり雛苺に近付いていきました。<br /><br /><br /> 「どうしたの? 何か見つけた?」<br /> 「えへへ。あのねーいつも蒼星石には遊んでもらってたりするからありがとーなの」<br />  と雛苺は自分の膝をぽんぽん叩きました。これは正しくあれでしょう。<br /> 「えぇと、雛苺?」<br /> 「膝枕なのー」<br />  素晴らしい笑顔で雛苺は宣言しました。<br /><br /><br /> 「雛苺、大丈夫? 重くない?」<br /> 「だいじょーぶなの。リラックスするのよ」<br />  結局言いくるめられて雛苺の膝の上に頭を乗せた蒼星石。考えてみれば、普段からしっかりものの蒼星石は誰かに甘えたりすることはあまりありませんでした。<br /> 時たま翠星石にぎゅうっとしてもらうだけで満足する子なのです。たまにはこんなのもいいかな? なんて蒼星石が思う頃、微かに寝息が聞こえて来ます。<br /> 「雛苺?」<br />  黄色い原っぱは暖かくてたんぽぽの太陽のような香りがふわふわです。蒼星石は雛苺を起こさないようにそぉっと起き上がり、雛苺を自分の膝の上に乗せました。いわゆる膝枕状態です。<br /> 「こっちのほうが僕らしいんだよね」<br />  雛苺は眠っています。蒼星石は雛苺の寝顔を見て優しく微笑みました。</p> <hr /><p>翠「あがれー! あがれですぅー!」<br /><br /> 蒼「ん? アレは翠星石、何をやってるんだろう」<br /><br /> 翠「あがりやがれですぅー!」<br /><br /> 蒼「……」<br /><br /> 翠「こんなにあがって……全くお前はあがりたがりやですねぇ。 ……わっ! 蒼星石ッ!」<br /><br /> 蒼「……」<br /><br /> 翠「いつから……見てたですか?」<br /><br /> 蒼「『あがれー』のくだりから」<br /><br /> 翠「……恥ずかしいですぅ」<br /><br /><br /><br /> と言うわけでage</p>

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