みっちゃん短編14
<p>み「あら?カナ…何書いてるの?」<br> 金「進路調査票かしら。明日提出だから色々と迷ってるのかしら…」<br> み「自分の夢を正直に書けばいいじゃない。ほら、バイオリニストとか…」<br> 金「う~ん、でもそんなこと書いたら再提出くらっちゃうかもしれないかしら。」<br> み「あら駄目よ?自分の夢には正直にならなきゃ。」<br> 金「みっちゃん…ねぇ、みっちゃん?」<br> み「ん?」<br> 金「みっちゃんは小さい頃からパタンナーさんになりたかったのかしら?」<br> み「ま…まぁ昔からドール好きだったしね。<br> でも…実は最初の夢は違ったりしたんだよねぇ。」<br> 金「何だったのかしら?」<br> み「えと…絶対に…笑わない?」<br> 金「うん、約束するかしら。で、何だったのかしら?」<br> み「え、えっとね…その……お、お姫…様…///」<br> 金「みっちゃん…」<br> み「あぁっ!引いたでしょ!?今絶対に引いたでしょ~!?」<br> 金「そ…そんなことないかしら!素敵な夢かしら!」<br> み「嘘!絶対嘘だっ!!あ~ん、恥ずかしいよぉおおおおお///」<br> 金「ち、違うかしら!ほら、みっちゃんは立派なお姫様かしら!」<br> み「ほ…ほえ?」<br> 金「腐女子だけどお姫様…そう!腐(ぷ)リンセス!腐リンセスかしら!!あは…あはははは…はは…」<br> <br> み「……死にたくなってきた。」<br> 金「…ごめんなさい。」</p> <p> </p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p> </p> <p>みっちゃんにも幸せを<br> というわけで投下<br> <br> <br> 「みっちゃーん!」<br> <br> 黄色のコートに身を包んだ少女が、笑顔で手を振りながら走ってくる。<br> 私の目の前まで来ると、少し乱れた息を整え、あるものを私に見せてくれた。<br> それは、綺麗な銀杏の葉だった。<br> <br> 「綺麗ね、拾ったの?」<br> 「あのね!カナが上を見てたら、丁度ヒラヒラ~って落ちてきたの!そこをキャッチしたかしら!」<br> <br> 興奮気味に、可愛らしい笑顔で私に聞かせてくれる。<br> 私は「すごいねー、カナ」と、笑顔で言った。<br> <br> それから突然、周りの風景が歪み、私は夢の世界から現実へと帰された。 <br> <br> <br> まだ意識がはっきりしないまま、辺りを見回す。<br> 周りは私の部屋で、机にうつ伏せになった状態だった。<br> きっと疲れて眠ったのだろう。<br> <br> ふと、肩から背中にかけて少しの重さを覚え、それを手に取る。<br> それは、夢で見た少女が着ていたコートと、その少女が拾った銀杏の葉を連想させるような黄色の毛布だった。<br> 視線が机に行った時、偶然机に手紙が置いてあるのに気付き、それを手に取る。<br> その手紙には、可愛らしい丸文字で「風邪ひかないようにね。おやすみなさいかしら、みっちゃん♪」と、書かれていた。<br> 大切な妹の気遣いの言葉と、夢で見た少女の笑顔を胸に抱き、パジャマに着替えてベッドに潜る。<br> 電気を消して、ボソッと呟く。<br> <br> 「おやすみ、カナ」</p> <p> </p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p> </p> <p>み「うぅ…うううぅ~…しくしくしく…」<br> ジ「みっちゃんさん…」<br> み「だって…だってぇ…こんな心が痛まないSSなんていつ以来か…<br> 私、嬉しくて嬉しくて……びぇええええええええええええん!!」<br> <br> <br> ジ「そこまで思い詰めてたなんて…。」<br> 金「あれ?目から塩水が…。」</p>