蒼「いやーみんな凄いの作ってたよ雪像」
銀「自分のお店のPRも兼ねてるからねぇ。
かっこうの宣伝ってわけよ」
蒼「でもやっぱり歓楽街だね。いかがわしい雪像ばっか………。
まぁ、かぶき町らしいっちゃらしいけどね。
で、僕ら薔薇乙女は何をつく……」
銀「まぁ、こんなとこねぇ。
あとはぁ、真ん中に棒を立てて……」
蒼「特別編飛ぶぅぅぅ!!」
ドパッ
銀「ちょっと何してんのよおばかさん。
私がその左の玉つくるのにどんだけ苦労したかわかってんのコラ」
蒼「君こそ何を考えてるんだよ!
周りのHなやつに何も合わせなくても……」
雛「水銀燈ー、棒できたのー」
蒼「ぎゃぁぁぁ!!何持ってんの雛苺ォ!」
銀「蒼星石ぃ?貴方何?何を勘違いしてるか知らないけどォ、これ、アレよ。
ネオアリスドゥエルヴァルツァバーズピーチピットアリス砲よ」
蒼「アリスって2回言ったよ!
あるわけないよこんな卑猥な大砲!!」
銀「特別編特別編って過敏になりすぎてんのよ貴方は。意識しすぎ。
まったくボクっ娘はエロい事ばっか考えてるから
棒と玉があればスグそっちに話もってくのよぉ」
雛「マジキモいのー。しばらくヒナに話し掛けないで」
蒼「いや……だって明らかにおかしいよ。
アレじゃないとしてさ、じゃあ一体何よそれ」
「小さい頃、学校帰りなんかに自分に小さなルールを科した事って無い?
それはたとえば、小さな石を家まで蹴って帰ろう、とか
あの電柱まで車に抜かれないように歩こう、とかさ。」
「おぉ、あるある。失敗するとやたら悔しい癖に、達成してもあんまり嬉しくない。
子供特有のよく分からないヘン行動のひとつだな。」
「横断歩道の白い部分だけを踏んでいこう、とか、今でもやるバカも少なくないですぅ。」
「もう成長してるんだし、そろそろやめればいいのにな。」
「この前、ジュン君が商店街で黒いタイルだけを渡ってるのを見たよ。
あそこのタイルは小さいから、すごく大変そうだったね。」
「…成長しきれてない証拠ですね。」
「あーあー聞こえないー。」
「成長しきれてないどころか、止まってるんじゃねーですか?」
「姉さんも昨日、歩道の端の白いブロックの上をずっと渡って…」
「わーわー!蒼星石ー!」
「…人の事言えないじゃないか。」
「うー…あー…」
「ふふっ、君たちもまだ発育途上ってことだよ。」
「うぉっ、あの車危ないなぁ。」
「あっ…」
「ん?どうしたですか?」
「影、踏んじゃった…って!そ、そうじゃなくてその…」
「ほうほう、今日の蒼星石ルールは「影を踏まないで帰る」か。
だから時々変な動きをしてたんですなぁ。」
「しかしあの動きは素人じゃできない技です。よほどの手練れと見たですよ。
これはぜひ丁重ににお話を伺うべきだと思うですぅ。」
「あの…だ、だからその…ね?」
「そこの喫茶店とかどうですか?」
「よし、1個吐かせるごとにケーキ1個奢りだ。」
「任せろです!さぁさぁ蒼星石、いきますよー!」
「ちょ、まっ、いやぁぁぁ……」
オハリ
真紅が優雅に紅茶を飲んでいるようです。
J「おい真紅」
真「なぁにジュン?」
J「お前、テレビ見なくていいのか?今日はくんくんの日だろ?」
そう、今日は真紅の大好きなくんくんが放送される日なのです。
でも、真紅はテレビを見ようとしません。一体どうしたんでしょう?
真「あら、知らないの。今日はくんくんはお休みなのだわ。
翠星石にさっき電話で教えてもらったの」
J「翠星石が?でも、もう始まってるぞ」
真「え!?」
急いでテレビの前に向かう真紅。でも……
く「来週もよろしーーくんくん!!」
哀れ真紅。もうくんくんは終わってしまいました。
J「騙されたみたいだな……」
真「…………」
後日、一機のファルケンが翠星石宅を爆撃したそうです。
真<<任務完了。これより帰還するのだわ>>
翠「す、翠星石のおうちが……」
みんなもウソを吐くのはやめよう!!じゃないとこうなるぞ!!
《スイーツてなんだw》
の「は~い、今日のおやつは苺大福よ~。」
J「JUM、紅茶を淹れなさい。」
雛「えへへ、今日も『うにゅ~』なの~。」
翠「またですか、ちょっと甘やかしすぎですぅ。」
の「そうかしら?」
雛「おいしいからいいのー。」
J「まあ、何日も続いてるわけじゃないし。いやなら何か他のものでも…」
翠「別に嫌いって訳でもねーですけど・・・真紅はどうですか?」
真「私は構わないわね。和のスイーツも優しい甘さでいいものなのだわ。」
J「・・・なんか違和感あるな、その言葉。普通に『和菓子』でいいだろ?」
翠「そもそも『デザート』だったのがなんでこんなことになったです?」
真「『デザート』は食後にでてくるもののことだから、ある意味正しいのだわ。」
J「ふーん、そんなもんか。」
雛「ヒナは『おやつ』のほうがかわいくていいの。」
《緑茶大福》
J「なんだこれ?お皿の上に緑色の丸いものが・・・。」
翠「表面に緑の細かいのがはっついてる感じですぅ。」
真「カビたみかん・・・ではないわね。それに何かいい香りがするのだわ。」
皿の上の奇妙な物体を遠巻きにして眺めていると雛苺がお皿を手に取った。
雛「ヒナのたべちゃダメー!」
J「雛苺のか。それなんなんだ?」
翠「『食べるな』って別にこっちは食べもんとも思ってなかったですぅ。」
雛「これはおまんじゅうなの。」
真「これが饅頭?どういうことなの?」
雛「のりがくれたの。お客さんの余りで1個しかないから内緒なの。」
翠「ちびの癖にちゃっかりおこぼれ与ってるとは・・・。」
真「本当に饅頭か調べてみる必要があるのだわ。こっちに渡しなさい。」
雛「いやーん、JUM~。」
J「僕も気になるな。なあ雛苺、あとでのりに『うにゅ~』買ってこさせるからさ。」
翠「こんな得体の知れないモンより『うにゅ~』のほうがいいに決まってるです。」
うにゅ~で懐柔されて皿を差し出す雛苺。JUMが包丁で4等分に切り分けてみた。
J「手ごたえは普通の餅菓子だったぞ。」
真「中はアンコね。そしてこの緑の粉・・・これは緑茶なのだわ。」
翠「なんか拍子抜けしたですぅ。」
J「正体が分かったところで味見を・・・。緑茶の香りがすごいな。」
翠「草餅みてぇですけど風味が緑茶でおもしれぇですぅ。」
真「緑茶の葉を刻んで塗してあるのね。JUM、紅茶を用意なさい。」
J「いいけど御茶請けに合わんぞ?」
真「結構よ。それにしてもいいアイデアなのだわ。」
次の日、薄茶色の奇妙なかたまりがテーブルの上にあったとかなかったとか。