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双子、JUMsinineta系(タイトル仮) - (2006/07/06 (木) 21:11:39) の編集履歴(バックアップ)





雲一つない晴れ天気。季節は夏。うだるような暑さとせみの声が鬱陶しい。隣に座っている彼女も文句たらたらだった。
だけど、空がとても蒼い。とても、とても・・・・。
大学2年の夏。今年も僕らは思い出の残るこの町に帰ってきた。都市開発事業とかで僕らの思い出に残っている建物は
この2年間で結構姿を消している。
僕は懐かしさに浸れながら、墓参りをするため車を走らせる。

人通りの少ない山道を走っていくとは小さな墓地に辿り着いた。
僕らは車から降りて墓地の入り口に足を進めた。
「相変わらずここは草が伸び放題ですねぇ。」
「こんな町外れな所に有るからな。しょうがないだろう。足元気をつけろよ。」
「わかってるですぅ。」
僕らはぶつくさと文句を言いながら歩いていった。
「はあ。こんな草だらけの所に墓を構えさせるなんて、じじぃはとんだ大馬鹿野朗ですぅ!
 ちったぁ眠る人のことも考えろですぅ!。」
「文句ばかり言うなよ。それに草だらけの場所だからこうやって鎌まで持ってきてるんだろう?
 ちゃんと綺麗にしていくぞ。」
「当たり前ですぅ!。新品ピカピカまで墓石を磨いてやるですぅ!!
 ジュン!おめぇもきりきり働くですよ!」
「はいはい、わかってるよ。お前こそ頑張れよ。翠星石。」
そんな風に会話しながら歩いていくと目的の墓石の目の前に到着した。
「ふぅやっと着いたですぅ。・・・・・久々ですぅ。・・・蒼星石。今年もきたですよ。」
「や、蒼星石。」
僕らはお墓に挨拶をした。
ここには翠星石の双子の妹、蒼星石が眠っている。翠星石と蒼星石は端的に表現できないぐらい仲のよい双子だった。
僕は蒼星石に恋心を抱いていたが、翠星石の蒼星石への想いには到底敵わないものだろう。

そんな深い絆が死別してしまったにも関らず彼女はにこやかに今は亡き妹へ話しかける。
その心境は僕などには計り知れるものではない。
「ほらっ!ぼさっとしてないでちゃっちゃと雑草を刈るですぅ!」
ぼうっとしていると翠星石にど突かれてしまった。
「はいはい、わかったよ。じゃあ、はい。これ。」
「ありがとさんですぅ。」
僕は鎌を取り出して、ついでに翠星石に布巾を渡すと周囲の雑草を狩り出す事にした。
「元気にしていたですか?蒼星石。」
「翠星石は元気ですぅ。先週はレポートが重なって死に掛けましたけど・・。」
「ジュンも見てのとおり相変わらずですよ。お馬鹿な所も変わらずです」
「この前、ジュンが・・・・・」
翠星石は蒼星石にいたずら笑いの含んだ言葉で語りかけながら丹念に墓石を磨き始めた。
ここからでは彼女の表情は伺えないがきっと微笑んでいるに違いない。何やら聞き捨てならない事も言っているが
今日は突っ込むのはよす事にする。
僕は一息吐くと周りを見渡した。雑草は僕一人でやるには面倒なぐらい生え広がっていた。
深いため息が漏れたが僕は草刈を始めることにした。
ずっと以前の翠星石になら僕は鎌を彼女持たせて手伝わさせるが今の翠星石にはそれをさせられない、させたくない。
翠星石は刃物を持つ事ができないのだ。
2年前の事件によって刃物に対して大きい精神的トラウマを抱えてしまった。
あの事件は翠星石から多くのものを奪っていった。蒼星石もその犠牲の一人だ。
翠星石はあの事件の後必死に悲しみを乗り越えようとしていた。
けど、そんな翠星石に僕は助けるどころか残酷にも彼女を追い詰めることしかしなかった。
翠星石に対する理不尽な憎しみと、翠星石の出し続けていた気持ちを気づかない不明さで。
「それにしてもこの町は変わっちゃったですね。蒼星石と一緒に居た思い出でいっぱいですのに・・・」
「第3中も校舎建て直ししたみたいですし、不死屋も潰れちゃったですし・・・。」
「じじ達の家の菜園も荒野になっていたですぅ・・。まったく、じじもばばもなっちゃいないですぅ。
 昔は2人で庭を埋め尽くすぐらい薔薇達を咲かせた時ももあったですのに・・・」

「昔は2人で・・・・・・・・・。」
ふと、翠星石が語りかけていた言葉が震えた。
「・・・翠星石。」
僕が振り返って翠星石の元に行った。
「昔からずっと・・・・2人一緒だったですのに・・・・蒼星石・・。翠星石があの時余計なことをしなければ・・・
 ごめんなさいですぅ・・。ごめんなさ・・・」
翠星石は墓石を抱いて涙声で蒼星石に謝っていた・・・・。
取り乱した翠星石を無理やり僕に振り向かせてると抱きつかせた。
「翠星石!・・・。」
「!?・・、うっ・・グス・・・ジュ、ン・・・」
「翠星石は・・・翠星石は・・・。」
普段は元気すぎるぐらい明るい翠星石は悲痛な声で僕の胸の中で泣いている。
「あれは不慮の事故だったんだ。違うんだ。・・。
 もう十分だ。もう十分だから・・・なぁ・・・。」
「グス・・、・・・うううううう。ああああ・・グス・・。」
去年もここへ来た時翠星石は泣き出した。
時間を隔てても翠星石の心の傷は治らない。傷は深い。
しばらくの間翠星石の嗚咽は止まらなかった。

「ごめんですぅ・・。いきなり泣き出したりして・・・。」
そう切り出してきたのは翠星石が泣き止んだ後のことだ。彼女は泣き顔を隠しながら言った。
「ううん、・・・あまり自分を責めるなよな。もうお前、十分苦しんだから・・。」
「ジュン・・・。ありがとですぅ。」
翠星石は僕に礼を言った。翠星石を苦しめた原因に僕も入っているのだけど・・・。
「喉渇いただろ?お茶でも飲まないか?」
バックの中からペットボトルを取り出すと翠星石に差し出して僕も別のお茶を飲んだ。

「・・・・フフフフ。」
急に翠星石が笑い出した。
「何だよ?いきなり。」
「ジュンはやさしいですね。そういう所が翠星石は好きですよ。フフフ。」
悪戯の入った笑いを含みながら、翠星石はボトルを取った。
彼女を傷つけた僕がこんな事いわれる資格が本当に有るのだろうか?。いや、無い。僕はやさしくなんて無い。
「恥ずかしいからそう言うのやめろよな。」
「照れるなですぅ。まだまだガキですね。ジュンは。」
にやにやと翠星石は悪戯げに僕を笑っている。僕は笑っている彼女が好きだ。
僕はそんな幸福感を感じながら昔の自分の所為に後ろめたさを感じていた。


「2C3=2P3分の3!であるからにして・・・」
ふぁぁぁぁ・・。
退屈で堪らない授業に今日で何回目か分からない欠伸が出る。早く終わってほしい。
窓の外を見てみる。
雲一つない晴れ天気。疎らに蝉の鳴き声が聞こえる。夏がやって来るのも後僅かだ。もうすぐ僕の高校生活最後の夏がやってくる・・。
最後と思うとどこか虚しさを感じる、だけど空は恨めしいほどほど蒼い。とても、とても・・・。

「では、ここまで。期末テストが近いからみんなちゃんとやって来いよ。」
詰らない授業がやっと終わった。僕は机にへたり込む。
まだ2時間目だというのに腹が減って堪らない。
今日は急いでいて朝食を食べてこなかった。僕はかばんにある昼食に食べる菓子パンを取り出す。
・・・食べようか、食べまいか・・。
これを食べてしまったら昼食は何も食べれない・・。だけど今腹減ってるし・・食べたいし・・・。
うう~む・・。どうしようか・・・。
僕はパンを見つめながら悩んでいた。
「う~ん・・・・!っ」
すると突然パンが視界から消えた。
「えっ・?」
驚いて見上げるとそこにはにやにやと笑いながら僕を見ているロングヘアの人物が居た。
「ぷっww。何マヌケ面でパンを見つめてるですか?チビ人間。馬鹿みてぇですよ。いや、元から馬鹿でしたっけ?ww」
その人物は僕のパンを手で弄びながら癇に障る言葉を投げかけてくる。


この意地悪そうな女の名は翠星石。小1から腐れ縁でいわば幼馴染みみたいな奴だ。
昔からずっとこうやっていつも僕に突っかかってくる。
「くっ、この性悪女っ!また僕のパンを!。返せ!!」
「甘いですぅ!」
パンを取ろうとする僕から翠星石はすいっと避けると身を引いた。
「帰して欲しけりゃ、3回ってワンと吼えろですぅ!」
「誰がやるかっ!それは僕のパンだっ!」
「ジュンの物は翠星石の物、翠星石の物は翠星石の物ですぅ♪」
「ふざけるな!返せー!」
「やなこったですぅ!」
「あっ、待て!」
僕が席を立つと翠星石は逃げ出した。
「待てと言われて待つお馬鹿がいるですか。チビチビチビ~♪」
「僕はもうチビじゃない!この性根ド腐れ女ぁ~!」
お腹の満腹をかけて僕は翠星石を追いかけた。
追いかけてるうちに翠星石を教室の角に追い詰めた。
「追い詰めたぞ。性悪女ッ!おとなしくそのパンを返せっ!」
「翠星石とした事がチビ人間に追い詰められちまったですぅ・・・、こうなったら・・・。」
翠星石はパンのビニールを破り、パンを口元に近づけた。
「!?、何する気だ?、お前・・・やめろっ!!」

『ぱくっ』

そんな擬音が似合いそうな感じでパンを頬張った。
「うああああああああぁぁぁっ!おまぁぁぁえぇぇぇ!!」
「はぁ、味気の無いの味ですねぇ。お前ちゃんとまともなもん食えですぅ」
くぅぅぅ!この女、食べやがった。人様のパンを!そのパンが今日の僕の生命を繋ぐ最後の糧だったのにぃぃっ!。


「このぉ!性悪女ぁ!!そのパンはぁっ!」
「なんですぅ?まだ未練あるですか?。ひーひっひっひ・・」
「当たり前だ。ただでさえ今日はまだ何も食べて無いから腹減っているというのにっ!」
じりじりと迫る僕に翠星石は歯形のついたパンを僕の前に見せる。
「ん?」
「乙女が口にしたものを奪おうたぁ・・・もしかしてジュンは翠星石と間接キスしたいですかぁ。」
「はぁ!?」
「あーやだやだですぅ。男って奴はみんな飢えた狼ですねぇ。」
ええっ!?か、間接キスぅ?僕が?
「でもジュンがそこまで言うならしょうがねぇですねぇ。」
「幼じみのよしみでジュンだけならくれてやってもいいですよ?」
何かぺらぺらと翠星石は口を動かしている。
「誰がっ!!お前なんかの!!!」
狼狽してた僕はこう否定するだけで精一杯だった。

『キーン、コーン、カーン、コーン・・・・』

僕が言葉を言い終わった時、授業開始のチャイムが鳴った。
「・・・・じゃあパンごときでわざわざ怒鳴るなですぅ。チビ人間。」
「ふん、そんなにパン欲しけりゃお前にくれてやるよ。性悪女。」
僕と翠星石は相手に最後の言葉を吐くとお互いの席に戻った。

腹の中の空腹感が恨めしい。


『キーン、コーン、カーン、コーン・・・・』
4時間目が終わるチャイムが鳴った。これからお昼時間だ。しかし非情な盗賊の強奪を受けた僕には食べるべき物が無い。
べジータと笹塚から分けてもらおうか。
「相変わらずマヌケ面ですねぇ。もっとぴしっと出来ないですか?お前。」
立ち上がろうとしたとき聞こえるこの声が聞こえた。声の主は誰か分かってる。
「誰のせいだよ。誰の」
「さぁ?知らねですぅ。」
僕が目線を翠星石に移すと翠星石は済ました顔で居た。
ただでさえ腹が減って機嫌が良くないってのに・・・・この性悪女は・・。
「何のようだよ?ご覧のとおりもう僕から食べ物盗もうたって何も無いからな。」
「勘違いするなですぅ。ちょっと、部室まで来いですぅ」
部室。僕らが所属する園芸部の狭い部室のことだ。部員は僕ら含めて3人しかいない。もちろん僕は無理やり翠星石に入らされた。
「はぁ?また何かあるのかよ。」
また何か、こき使われるのだろうか?肥料袋運んで来いだとか・・。
「黙って着いて来いですぅ。」
「ちょっと!・・。翠星石。」
翠星石は僕の腕を強引につかむと僕を教室の外まで連れ出した。
「くっ離せ!分かったから。」
僕は手をつかんでいる翠星石の手を払った。
「・・・じゃあ、さっさと来るですぅ。」
翠星石と僕は校内の隅っこにある部屋に向かった。


ガラガラ・・・・。
あまり綺麗ではないドアを開く。
広くない部屋の中にお茶の用意をしている蒼星石が居た。
「やっ蒼星石。」
「やぁジュン君。」
僕らは軽く挨拶を交わす。
蒼星石。彼女は翠星石の双子の妹だ。顔立ちは似ているけど蒼星石は翠星石と違ってショートヘアである。
そして性格の方も180度違ってて、やや控えめな性格だ。気遣いの出来ない翠星石とは本当大違いだ。
「・・・・で、僕は何でここに連れてこられたんだ?翠星石。」
「これですぅ!」
翠星石は僕に大きめの弁当箱をとりだした。
「ん?弁当?」
「け、今朝ちょっと作りすぎて余ったですぅ。腐らすのも勿体無いから食わしてやるですぅ。有難く食えですぅ。」
そう言うと翠星石は半ば強引に僕に弁当を渡した。
「むっ、まぁありがとう。」
パンを奪われた奴から余り物を貰うなんて気に食わなかったけど空腹で堪らない僕は有難く翠星石からもらうことにした。
「何ですかその心の篭ってない言い方は。お前が腹空かした顔していたからしょうがなく翠星石はジュンにやるですよ。言い直せですぅ」
「僕が腹空かしているのはどこぞの性格ひん曲がっている奴が僕のパンを食ったからだろ!この性悪女!」
「そーですか。じゃあもういいです。折角翠星石がお情けをかけてやろうと思っていたですのに、返してもらうですよ。」
「ああ、返すよ。」
僕は翠星石に弁当を差し出した。
翠星石は苦々しい顔でこちらを見ている。

「もう、二人とも喧嘩しないで。」
そんな陰険な空気を晴らすかのように蒼星石が僕らの和の中に入ってきた。
「翠星石、折角余った弁当食べてもらえるんならそんな言い方しないで・・・・。」
「分かってるですぅ。」
「ジュン君もムキにならないで・・・、お腹空いているんでしょ?。」
「うう~ん、まぁそうだけど・・・。」
僕と翠星石は蒼星石に宥められる。
いつも蒼星石は僕らがこう陰険なムードになると止めに入ってきてくれる。僕が翠星石とこうして腐れ縁が続いているのは蒼星石おかげでも
あったりする。

『ぐぎゅるるるるるる・・・・』

突然重低音が狭い部屋に鳴り響く。空腹で僕のお腹がなっていた。
「・・・・、ふぅ。ジュン。ほらっ。」
「あっ、サンキュ。」
いきなり翠星石に弁当を渡されて僕はついつい素直に貰った。
「二人とも、座って食べようよ。」
蒼星石は机の上に3人分の湯飲みに緑茶を用意して手招きしている。
僕らはようやく席に座って食事をとった。



ガパッ。

翠星石が作りすぎて余ったという弁当の蓋を開ける。



本当にあまり物か?。色とりどりのおかずが丁寧に配置されていて、見た目だけで美味しそうだ。
「じゃあ、頂くからな。」
「一口一口噛み締めて食えですぅ」
とりあえず一番目立っている卵焼きから食べる。この焼き加減、美味しそうだ・・・。『パクッ』

「どうですか?味は?口に合うですか?。」
翠星石は卵焼きを食べている僕を見ている。

くそっ、なんで卵焼きがこんなに美味しいんだよ!。悔しいけど本当に美味しい。

「・・・美味しいよ。とってもな。」
そういった瞬間翠星石の顔がとても明るくなる。
「あったり前ですぅ!翠星石が作ったものですから!。」
にやにやと翠星石は僕を見ている。調子を付けさせてしまった。・・・はぁ・・・。
認めたくないけど美味しい。翠星石は料理が上手だ。
「あ、次はその肉じゃがを食えですぅ。翠星石の自信作ですよ♪。」
言われるまま肉じゃがを食べる、言うまでも無く美味い。味の調子も僕好みだ。
「美味しい。」
「へへ~んですぅ♪」
小2の頃位だったか、うちに来た翠星石はホットケーキを作った。
それは砂糖と塩を入れ間違えたのか、すごくしょっぱくて、卵の殻の破片も所々入っているという最悪な仕上がりだった。
あれ以来翠星石が作った物は口にしないと決心したけど高校に入ってからその認識を改めさせらることになる。
高校に入って僕の家族は両親は海外。姉は遠い大学と家には誰一人居ない。



それをいいことにごくたまに翠星石が無理矢理押しかけては料理を作っていったりするけどそれがとても美味しかった。
「ジュン、そういえばお前大学どこいく気ですか?」
弁当を食べている僕に藪から棒に翠星石がこんなこと聞いてきた。
「まぁ絶対にこことは言わないけど・・・。薔薇大学に行こうと思ってる。」
薔薇大。結構上位の大学で僕の成績では入るのはぎりぎりと言った所だ。
「へぇ、難しい所を狙っているんだね。」
「うん。そうだな。まぁ蒼星石なら余裕じゃないか?」
蒼星石はテストの学年平均常に10番以内に入るいわば出来杉君だ。
「そんな、ジュン君。僕はそこまで頭良くないよ。」
頭を振りながら否定する蒼星石。僕は蒼星石は自分の事をもっと威張ってもいいのになと思う。誰かさんとは違って・・。
「薔薇大なんて・・・。お前じゃ無理ですぅ。止めてもっと下の大学いけですぅ。」
「何だよ、やってみなきゃわからないだろう。」



「無理無理ですぅ。翠星石だって薔薇大なんて無理なんですから・・。だから違うところを考えろですぅ。」
確かに僕の成績では薔薇大は行けないかも知れない。だけど、それでも行きたいんだ。僕は。
「いや、行くって言ったら行くんだ。」
「ジュンは分からず屋です。わざわざ落ちに行くようなもんですよ。やめとけですぅ。」
「行くったら行くんだ。」
「そうですか・・・勝手にしやがれですぅ。」
フンと言いながら翠星石はそっぽを向いた。・・・そんなこと余計なお世話だって言うのに・・。
「お前はどこ行く気なんだよ。翠星石。」
「翠星石は・・・。お前に教える気は無いですよ・・・・」
「何だよそれ・・。」
今の一連の話で弁当の事で調子に乗ってた翠星石が急に元気を無くした気がした。
・・・・やっぱり翠星石は緑茶じゃなくて紅茶あたりが良かったんじゃないか・・。そう思った。