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水銀燈短編12 - (2006/07/08 (土) 22:59:12) の編集履歴(バックアップ)


銀「~♪~~~♪」
ジ「なあ………」
銀「~~♪~~~~♪」
ジ「おい………」
銀「~~~♪~~~~♪」
ジ「おいコラ人の話を聞けぇ!!」
銀「………んっ、なあに?」
ジ「いつになったらこの買い物は終わるんだ?マジで疲れてきたんだけど。」
銀「ん~、アタシの気が済むまでかしらぁ?」
ジ「なっ!!ヤクルト50パック買った上に服の荷物3袋!!まだ買う気かっ!!??」
銀「だって、アタシだって女の子よぉ?たまには………こうやってジュンと一緒に買い物したいじゃない?」
ジ「そうやって甘えた声出してもダメ。」
銀「んもぅイジワルぅ。」
ジ「はいはい私はイジワルで結構でございますよ。」
銀「ふふっ♪でもそう言ってもアタシの買い物持ってくれるジュンの事好きよぉ♪」
ジ「はいはい………っつかね、公衆の面前でくっつかない。」
銀「見せつけてるのっ♪」
ジ「…………勝手にしてくれ。」








ジュン「水銀燈・・・。」
水銀燈「ジュン・・・それじゃあ。」
ここは新幹線のホーム。
そこで最後の別れをする。
他のメンバーはすでに下にいってしまって二人っきり。
ジュン「東京にいってもがんばってくれよ。」
水銀燈「あなたこそ夢を諦めないでねぇ。」
彼女には叶えたい夢がある。
僕にも諦められないものがある。
そうして二人の道は分かれる。
ただそれだけのことだ。
たったそれだけなのに・・・。
なんでこんなに苦しいんだ。
水銀燈「そんな顔しないでよぉ。全然あえなくなるわけじゃないのにぃ。」
ジュン「そうだな・・・。」
二人にはわかっていた。
ここで離れ離れになればもう二度と道は重ならないことを。

プルルルルルルルルル

発射の音が鳴る。
水銀燈「じゃあねぇ。」
ジュン「ああ・・・。」
水銀燈は振り返り電車に乗り込む。
たった一言。
たった一言言えば彼女は戻ってきてくれるだろう。
でも、僕にはその一言が言えなかった。

やがて水銀燈の姿は電車の中に入ってしまい見えなくなる。
そして
扉が閉まった。

電車はゆっくりと動き出し少しずつスピードを上げ、そして遠い彼方へといってしまった。
ジュン「・・・・・・・うわあああああああ!!」
僕は泣き崩れた。
今までの思い出がよみがえる。
一緒に話したこと。
遊びにいったこと。
二人で過ごした夜のこと。
どれもこれも浮かび上がってくる。
忘れるわけがない。
こんなに苦しいなら止めればよかった。
ジュン「す・・いぎん・・・と・・う。」
彼女の名前を呼んだ。
もう返答なんて返ってこないとわかっているのに。
それでも呼ばずにはいられなかった。

水銀燈「なぁに?」
ジュン「え!?」
いるはずのない彼女がそこに立っていた。
ジュン「なんで・・・?」
わからない。
どういうことなんだ?
水銀燈「わからないわぁ。」
彼女も同じみたいだ。
水銀燈「でもぉ・・ジュンの顔を思い出していたら気づいたら外にいたの。」
そういう彼女を思わず抱きしめていた。
水銀燈「ちょっと・・はずかしいわぁ。」
ジュン「もう二度と離さない。」
水銀燈「・・・私もよぉ。」
かたくそう誓った。

二人で階段を下りて下にいるメンバーに会うとやはりみんな驚いて、そして喜んだ。
真紅「ねぇ・・・水銀燈。」
水銀燈「なぁに?」
真紅「ジュンの夢はデザイナーだけどあなたの夢はなんだったの?」
真紅がきく。
その言葉にみんなも同じような反応を示した。
翠星石「そういえばきいてなかったです。」
蒼星石「夢を叶えるまで教えないっていってたしね。」
雛苺「ヒナも知りたいのー。」
その意見に彼女は言った。
僕は大分前にきかされている。
水銀燈「そうねぇ・・・わかったわぁ。」

ジュン「言うのはちょっとやめておけば?」
僕は止めるが
水銀燈「いいじゃない。どのみちここにいる時点で夢よりあなたをとったってことなんだから。」
そういって彼女は夢を語った。

水銀燈「わたしの夢はねぇ・・・ヤクルトの社長になることよ。」

全員「・・・・は?」
水銀燈「だってそうなれば毎日ヤクルト飲み放題でしょぉ。」
全員「・・・・・・・。」
水銀燈「あれ?なんで皆黙っちゃったのぉ?」

真紅「心配して損したわ。」
金糸雀「さすがにひどいかしらー。」
雛苺「前のお別れ会のプレゼント返してなのー。」
翠星石「そんなのとジュンを天秤にかけるなんて最悪ですぅ。」
蒼星石「ちょっとやりすぎじゃない?」
雪華綺晶「賛同しかねます。」
薔薇水晶「銀ちゃん・・・。」
真紅「さあみんな帰りましょう。」
全員「さんせー。」
ゾロゾロ皆帰って行く
水銀燈「え・・ちょ、ちょっとみんなぁ。」
ジュン「・・・・・。」
水銀燈「ジュンはそう思わないわよねぇ・・・。」
ジュン「・・・正直今も納得いってない。」
水銀燈「そんなぁ~~~~~~」

おしまい









ベジ


 薔薇学園。七月七日。七夕。晴れ。屋上。
水「・・・」
ベ「あれ? 銀嬢じゃないか、どうした」
水「ベジータ・・・」
ベ「お、笹の葉・・・そうか、今日は七夕だもんな」
水「あら、今日は真面目ね」
ベ「いつもおふざけの"仮面"なんて被ってられんよ。流石に心労が溜まるぜ」
水「クスッ・・・やっぱり演技だったのね」
ベ「当然だろ。こんな馬鹿が居るかっつうの」
水「確かにね」
ベ「生徒なら自由に吊るして良いのか・・・よし、俺も書くとしようかな」
水「なんて?」
ベ「銀嬢とこうやって話せる関係でいつまでもいられるように、だな」
水「あらぁ? 貴方の事だから私と付き合いたいとでも書くと思ったのに」
ベ「そりゃそうだけどさ、流石に俺じゃ吊り合わない」

水「そうね・・・貴方は良い人過ぎるから」
ベ「へ? 違う違う。銀嬢が上玉過ぎるんだよ」
水「んー。私は、別に良い女じゃないわよ。はっきり言えば、私の心は汚い」
ベ「俺は、そう思わないぜ?」
水「それはどうして?」
ベ「心が汚い奴は、こんな純粋な事しないからさ」
水「・・・・・そう?」
ベ「そうだな。ま、綺麗か汚いかは関係無しに銀嬢は銀嬢らしくいれば良いんじゃないか?」
水「・・・・・」
ベ「じゃ、短冊も吊るした事だし、俺は帰るよ」
水「うん。また、明日」
ベ「今のうちに俺の姿を拝んどけよ。明日には、また馬鹿なベジータが戻ってくるんだからな」
水「そうね。じゃあ、今のうちに」
ちゅっ。
水「これぐらいしとこうかしら」
ベ「ははっ。これはこれは・・・ごちそうさま! あばよー!」
水「うん。ばいばぁい」



水「ベジータ・・・貴方は良い人ね。
  あのJUMが大切な友達と呼ぶだけあって眩しすぎる。
  ああ、私らしくないわぁ、恋煩いなんて・・・」