金「ここはカナが保守かしら!」
雛「あっ!ヒナもほしゅしたいの~」
金「だめかしら!カナが先だったもの。カナがやるべきかしら!」
雛「や~!ヒナもするの~!!」
金「カナかしら!」
雛「ヒナなの~!」
金「カナカナカナカナカナ!」
雛「ヒナヒナヒナヒナヒナ!」
金「カナカナカナカナカナ!」
雛「ヒナヒナヒナヒナヒナ!」
金「カナカナカナカn」
雛「いい加減にしろよヒグラシかお前は」
雛「…ほしゅなの~!!」
金「( ∵ )」
試しにマリオカートっぽいのを
金「ふっふっふー!この紅茶の裏にバナナの皮をしかければ、真紅なんてイチコロかしらー!」
そんなカナを横目に激しいデットヒートを繰り広げる赤い跳馬(イメージ)と銀色の矢(インスパイア)
紅「くっ!待ちなさい水銀燈!ここでポイントを逃すわけにはいかないのだわ!」
銀「やぁよのろまの真紅ぅ。待てっていわれて待つおばかはいないのよぉ?」
紅「言わせておけば…!あらあんな所に紅茶?」
金「きたわ!さぁ真紅!紅茶からの甘い誘惑に屈した所をカナが華麗にサイドバイサイドかしら!」
カーーーーン!!!(エンジン音ね)
カナのねらいどおり紅茶に近づく真紅!!!
ひょい。
タイヤに巻き込みそうな程の綺麗なブロンドて紅茶だけを巧く拾いあげる真紅。これぞスーパーライセンスがなせる業。
紅「甘いのだわ金糸雀!」
金「そ、そんなぁー!」
金「ジュン!早く起きなさいと遅刻かしらー!」
ジ「う~ん…ムニャムニャ…カナうるさいよ&℃¥$¢£◇◆◎¢∞♂♀…」
金「もうっ…ジュン!起きなさいッ!」
ジ「やだ…ウルサイ奴はこうだ!……チュ…」
金「な、な、なにするかしら~(////)」
ジ「…ほら…入って入って…ちょっとぐらい遅刻したって良いよぉ…」
金「キャ!ベットに引きずり込まないで欲しいかしら~(////)」
ジ「してから行こうよぉ~…」
金「カナ学級委員なのに~……し、仕方ないかしら(///)」
ジ「…う~ん…カナ大好きだよ…ムニャムニャ……」
金「誘っておいて又寝てるかしらー!」
ジ「zzz………」
金「もう!ジュンったら…カナも大好き…かしら(////)」
「お前も一緒に遊ばないのか」
いつもの通り、どうやって侵入しようかと試行錯誤をしている金糸雀に、呆れ果てた様子でJUMは声をかけた。
高い悲鳴をあげてダッシュ。
陸上選手もかくや、というスタートダッシュで一気に十メートル弱離れられる。
「な、なんなのかしら?! カナになにか御用でもあるの?!」
「用事あるのはお前だろ。真紅たちに会いに来たんじゃないのか?」
現在金糸雀は、諸事により姉妹達が大勢集まるこの桜田家を離れ、みっちゃん、と生活を共にしている。
「今日、来るって言ってないカシラ」
「そんなの、今更だろ。ほら、入れよ」
「あぁああ、真紅に、またお行儀が悪いって怒られるカシラ! そしたらどうしてくれるの!!」
「アイツだって、そんなしょっちゅう………怒ってるな」
「まったくカシラ。真紅はカルシウムが足りないのね」
うんうん、と頷きあう。
少しの沈黙の後、く、とJUMが失笑した。
小さな少女は見上げるだけで、なにかしら? と小首をひねる。
「いや、やっぱり姉妹なんだと思ってさ。よく知ってるよ、ホント」
「当然カシラ! カナは姉妹の中で一番記憶力が良いんだから!!」
「その割りに、同じようなことばっかりしてるけどな」
「む、むぅ!!」
「あはは、冗談だって。ほら、入るんだろ」
「じ、じゃあ、お邪魔するかしら」
「どーぞ」
先にベランダのガラス戸から上がったJUMが、あっさりと金糸雀に手を伸ばす。
え、と短い声。
一度手を見ると、JUMを仰いだ。
「上がりづらいなら、招待してやるよ。それなら、いいだろ?」
掴まれた手に、力がこもる。
赤くなった顔を見られたくなくて、金糸雀は思わず俯いてしまった。
春の、予感?