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翠星石~3部 - (2006/03/08 (水) 08:42:53) の編集履歴(バックアップ)


あの後はどうにか静かに放課後まで迎える事が出来た

――性悪と口論に何度かなったが、先生に叱られなかったから大丈夫だろう

とりあえず学校は終ったんだやっと帰れる
「何をしているの? ジュン」
「学校終ったから帰れるんだよ」
「何を言っているの? 終ったのだから学校を案内なさい」
「何で俺が……」
「貴方は私の下僕なのだわ」
「下僕って……」
そんなこと――聞いてしまった貴方が悪いのだわ――は確かに言われたな
「分かったなら行くのだわ」
「……はいはい」
「゙はい゙一回なのだわ」
何で真紅から聞いてしまったんだろう
「ねぇ真紅、僕たちも一緒に行ってもいいかな?」
「雛も行きたいの」
「別に構わないのだわ」
「ありがとう」
本当に蒼星石はいい子だな
ローゼンの事も蒼星石に聞けばよかった
「なら、早速出発です」
「はいなの~」

とりあえずどこを回るか……
この学園は主に本館と分館に分かれている

 本館の一階は、この学園の莫大な、学生の靴を収納することができる、

下駄箱がある生徒玄関
正直、初めの頃は、自分の下駄箱を探すのに、悪戦苦闘したものだ
 二階には、生徒の数にも、負けず劣らないと思うほど居る、教師の溜り場、職員室
二年になった今でも、見たことがない先生の数の方が多い
ついでに、本館と分館を繋ぐ連絡通路があるのはここである
 三階には、会議室、生徒会室がある
全くもって俺には興味が無い場所だ
 四階は……噂では校長室があるらしい
噂だと今まで四階に言った者はいないとか……
学校に何故そんな所が有るのかが気にはなるが、あるのが校長室なら行く必要も無いな

 分館については、本館を正面に見たとき
向かって右にあるのが、北館
左側にあるのが、南館
本館に後ろに隠れてあるのが、西館
分館には図書室やら色々あるがこの広さだ把握できる訳がない

「どこを回る?」
「そうね、翠星石が今日言ってたように一年の教室にでも行くのだわ」
「流石真紅です、話が解るです」
「一年だな、ちゃんとついて来いよ」
「チビに言われなくても大丈夫です」
一年か……懐かしいな
北館は日が入らないから寒いイメージがまだあるな
「 ? どうしたの翠星石」
「ちょっとトイレに行ってくるです」
「じゃあ、ここで待ってるよ」
「すぐに追い付くから先に行ってていいです」
「分かったよ」


「あら、翠星石がいないのだわ」
「翠星石ならトイレに行くったよ」
「あの馬鹿、言ってくれたら待ってやったのに」
一年もここに通ってる俺でもたまに迷いそうになるのに、昨日今日来たばっかのあいつが解るわけ無いだろ――一年の教室が北館に在ることも言ってない俺も悪いな

「お前らここで待ってろ、すぐに戻ってくるから、いいな、絶対にそこを動くなよ」

「ジュン、行っちゃったの」
「ゴメンね、僕がちゃんと言っていたらよかったのに」
「気にしなくていいのだわ、翠星石は変なところで意地を張るからなのだわ」
「ふふっそうだね」

「蒼星石~どこです~」
やべーですこんなところで迷子になっちまったです
「誰でもいいから出てきやがれです」
返事が返ってこない

「真紅~雛苺~……へっ返事くらいしやがれです……ウグッヒグッ」

「……星石」
「!? 蒼星石ですか!?」
「ハァハァ……やっと見つけた」
「チッチビ人間どっどーしたです?」
「どうしたって迷子になってるお前を探しに来たんだよ」
「だっ誰が迷子なんて……」
「そんなセリフは涙を拭いてから言ったらどうだ?」
「あっ……」
ゴシゴシ
「泣いてなんかねーです、これは汗です」
「はいはい、行くぞ」
「…………」
「んっ? 俺の顔になんか付いてるか?」
「なっなんでもねーです」
「今度はちゃんと着いて来いよ」
「……はい……です」


(翠星石・三部前編完)