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スマイル一番イイ♀第八話 - (2007/02/16 (金) 19:00:57) の編集履歴(バックアップ)


今日は2月14日
一年に一度の恋する乙女の日



「寒……学校なんか行きたくないなー」


そんな独り言を洩らす僕


今日は薔薇水晶は一緒じゃない
久々に一人で登校するが、いつもと違う感じが新鮮さを感じさせる


ガラッ と教室の戸を開ける


ベジータがそわそわしてるが気にしない、相手にもしない
そのまま自分の席へ向かう



「お?水銀燈、おはよ…」

「あらJUM、おはよぉう……って眠そうね」

「あぁ、すごく眠い」

「バレンタインデーに男の子がそんな顔してちゃ駄目よぅ~男の子はそわそわしてなきゃ」

「僕はベジータじゃないんだから…」

「ある意味あれが真の漢よぅ」

「ははっ、そうかもね」


そんな会話をしてると水銀燈が可愛らしいリボンで包んだ小包みを渡してきた



「はぁいJUM、チョコよぉ」

「お、ありがと」

「薔薇水晶に見つかったらまた叩かれてるわね」

「かもね」

「お返しはキスでいいわよぅ~?」

「僕が殺されちゃうよ…」

「薔薇しぃ怒ると恐いからねぇ」


水銀燈との会話の途中、澄んだ声が僕を呼ぶ



「JUM、ありがたくこれを受け取りなさい」

「真紅ぅ、まずはおはようぐらい言わないと露骨すぎるわよぉ…」

「…っ!?お黙りなさい、水銀燈」

「ま、まぁとにかくありがとな、真紅」

「ありがたく頂きなさい」



真紅からチョコを受け取った直後に斜め後ろ辺りから声がする


「真紅のチョコなんて食べても平気ですかねぇ?」

「翠星石…それは言いすぎだよ」

「し、失礼なのだわ!翠星石」

「冗談ですぅ……ほら、JUM、くれてやるです、ありがたく貰うです」

「おはよう、JUM君…はい、これチョコレート」

「翠星石に蒼星石もありがとな」



翠星石と蒼星石のチョコも可愛くラッピングされていた
翠星石にしては以外だなと思ったが、声に出したら殴られそうなので声には出さない


心の中で苦笑いして前を向くと、見慣れた幼なじみの顔が……泣きぼくろが印象的なショートカットの黒髪な女の娘、その両隣に二人の小さい少女が立っていた


「桜田くん…はい、これ」

「JUMー!これあげるのー」

「JUM、これをあげるかしらー」

「柏葉に雛苺に金糸雀もありがと、で…おはよ」

「うん、おはよう」

「おはようなのー!」

「おはようかしらー」


挨拶を終えて、長い授業が始まった

昼休み、ベジータの愚痴を聞かされていると、ふと僕を呼ぶ一人の女の娘



「JUM様、お時間よろしいですか?」



正直この誇り無き哀れなハゲ王子の話は聞きたくなかったのでいい助け船が来たと思ったのが本心である



「うん、いいよ雪華綺晶・・・じゃ、悪いなベジータ」

背後で啜り泣くような声がしたが気にしない、気にしたら負けだ


「これを…チョコですわ」

「ありがと、甘いいい匂いだね」

「味見もたくさんしましたからきっと美味しいと思いますわ」

「……味見って、どれくらい?」

「覚えてませんわ」



一体どれほど味見をしたのか気になるな…



「ところで薔薇水晶は?」

「寝坊でさっき学校に来ましたわ」

「はは、薔薇水晶らしいな…」

「JUM様のせいでもありますのよ?」

「へ?なんで?」

「後でわかりますわ」


そんな疑問を抱きつつ雪華綺晶と話していたら昼休みが終わりの合図が鳴った



放課後、薔薇水晶を見つけた
どうやら帰りは二人だ
ちょっと……いや、だいぶ嬉しかった



「…JUM、これ…頑張って作った、食べて」

「ありがとう、嬉しいな」

「…徹夜で作って寝坊した」


ようやく雪華綺晶の言葉の意味を理解した


「そっか、本当にありがとな」

「…頑張って作った甲斐がある」

「薔薇水晶から貰ったチョコが一番嬉しいよ、本当に」

「…JUMの残りの気持ちはお返しに期待する」

「そうか…じゃあ張り切らないとな」

「…帰ろ」



彼女はキュッと僕の手を握る



「そうだな、寒いし…」



僕も手を握りかえす