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蒼星石短編4 - (2006/03/26 (日) 17:12:04) の編集履歴(バックアップ)



茨の針の檻の中
外を望めばチクリと痛む

切り離せない影法師
もがけもがけど見に寄りかかる

心に置くは蒼の天秤
それに掛けるは宿命(さだめ)と絆

『僕』は『あなた』で『あなた』は『僕』で

『好き』は『嫌い』で『嫌い』は『好き』で





蒼「ジュン君、何見てるの?」
ジ「これ? 不動産屋のチラシ」
蒼「えっ!? それってもしかして僕たちの……(///)」
ジ「これとかどう思う?」
蒼「なかなか良さそうだね」
ジ「でも、ここをよく見てみろよ」
蒼「 ? え~と築……5分!? 駅から5年!?」
ジ「………」
蒼「………」


~おわり




 7月7日
その日は人々の夢と願い
そして儚い想いが叶う日
「ジュン君、七夕に行こ」
蒼星石の一言から僕は七夕に行くことになった
言われるまで今日が七夕というかとに気が付かなかった
七夕に願った想いが叶うなんて信じてなんていない
受験の時だって、合格を願ったのは今日ではなく1月1日だ
別に学校が休みになる訳ではない
それでもあの頃は願いが叶うと信じて祈っていた
あの頃も今までも……

「七夕でも人がいるんだな」
「これくらいはいるよ」
「そうなのか? 七夕なんて小学生以来だからな」
「そうなんだ、僕は毎年、翠星石と来てるからね」
「そうなんだ」
「ほらジュン君、七夕に願い事を書こうよ」
「ああ」
「ジュン君は何て書くの?」
そうなんだ何て……
「……何で七夕の日に願い事をするんだろう」


 七夕に願い事をするのは普通の事だと思ってた
「どうして? 織姫と彦星の願いが叶って今日この日だけ会えるんだよ」
「でも俺ならずっと一緒にいたいと願うよ、一年に一日しか会えないなんて寂しすぎるよ」
一年に一日だけ……か
「……そうだね、僕も……出来ることならジュン君と一緒にいたい、ずっとずっと一緒に……」
「……俺もだよ」
もし君が彦星なら
僕の夢は☆
織姫でなくていい
一等星でなくていい
ずっと君のそばにいられる
「……何を書いてるんだ?」
「ふふっ秘密」
ジュンに見られない様に隠しながら紙をそっと木に掛けた
「帰ろっか」
「ああ」

彦星様と織姫様、僕たちは先に幸せになります

「幸せになろうねジュン君」
「 ? あっああ」
夢は願ってるだけじゃ叶わない
叶うのは想いをした時だけ
だから、僕はこれからも想い続けて想いをするよ


~おわり