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真紅短編37 - (2008/03/26 (水) 15:21:34) の編集履歴(バックアップ)


紅「ジュンは出掛けているのだわ」

紅「………」

紅「真紅ッ、僕はお前のことが」

紅「やめて!それ以上は…… 私たちは決して結ばれないわ」

紅「それでも僕は……僕は真紅、お前のことが好きなんだッ」

紅「ジュン…」

ジ「………」

紅「ッ!?」

ジ「何をやっているんだ?お前は」

紅「……///」

 



紅「ジュンは出掛けているのだわ」

紅「………」

紅「ジュンッ!私は貴方の事が」

紅「悪い。貧乳に興味はないんだ」

紅「え!?そ、そんな…!待ってジュン!」

紅「じゃあな」

紅「あ…ああ…いやぁああああああ!」

雛「翠星石ー、真紅がおかしくなったのー」

翠「はぁ?真紅がおかしいのは何時もの事ですよ」

紅「ああぁあぁああぁあ~…」

 




真「さて、と。ジュン、紅…って、ジュンは居ないのだったわね。仕方ないのだわ。私が沸れるとしましょう」
タタタ
真「えっと紅茶セットは…あら?もう準備されてるのだわ。…なに?あああの下僕はわわ私をここ紅茶の一つも沸れられないような女だとおお思ってるのかしら?別におおお怒ってるわけじゃないのだわ。淑女は何時もれれ冷静でいなくては」
カチッ、ボッ
真「あとは茶葉ね。確かここに…あら!?無い!無いのだわ!どうして無いの!?前は確かにここに…あら?何かしらこの紙は。『紅茶のリーフの場所は下から二番目の引き出しに変わったぞ。下僕より』…あ、あら、そう。ご苦労様ね」
ガラガラ
真「確かに。あらまた紙が…『ちなみに、これは初摘みなので時間は少し長めにした方がいいぞ。下僕より』…?あ…ああああの下僕ー!貴方に紅茶の沸れ方を教えたのは誰だと思っているのだわ!?ムキー!!後で殺ーす!!」

真「はっ、イケないのだわ。なんて下品な言葉を。バカバカ、真紅のバカ!」

 




わたくしの名は桜田ジュン17才
幼なじみにして主人の真紅様に殴られ続けて早17年、しかし最近超能力を身に付けたのです。
おそらくは度重なる頭部への衝撃(絆ックル)が影響していると考えております。
おや?お喋りしていたら真紅様がやって来たようですね。

紅「JUN」
JUN「畏まりました、既に準備しておりますダージリンで御座います。」
紅「JUN」
JUN「お茶受けにはキラキ堂の苺雛アラレをご用意致しました」
紅「JUN」
JUN「お褒め頂き光栄に存じます」
紅「JUN」
JUN「畏まりました寝室までお姫様抱っこで御座いますね」
紅「口に出して言わなくても良いのだわ」
JUN「申し訳御座いません、御起床は何時で御座いますか?」
紅「そうね」
JUN「6:30で御座いますね、それでは良い夢を」

ふー、やっと寝てくれた、御覧の通りテレパシーが身に付いたので御座います。
何故か真紅様以外では働かないのですが。

紅「JUN」

おっと今夜はベットの御奉仕も御所望のようだ、それではまた、次の機会に別の能力も御披露致しましょう。

 




わたくしの名は桜田ジュン17才
幼なじみにして主人の真紅様に殴られ続けて早17年、しかし最近超能力を身に付けたのです。
先日は私のテレパシーについて申し述べましたが、本日は他の能力について申し述べたいと存じます。
おや?お喋りしていたら真紅様がやって来たようですね。

紅「JUN!」
おやおや本日の真紅様はなにかお憤りのようですね。
JUN「この桜田JUNなにか真紅様の御気に触ることをしましたでしょうか?」
紅「JUN、水銀燈なんかにデレデレしてどういうつもりなの?」
JUN「水銀燈様に親切にしましたのは真紅様の大事な御友人と認識したからでございます」
紅「私と言う者がありながら、問答無用なのだわ」

JUN「これは素晴らしい絆ックルですね、私避けるので精一杯です」
JUN「絆コンボこれは御厳しい、もう少しで大ダメージです」
JUN「絆ラッシュで御座いますか、さすがにガードさせて戴きます」
紅「ハァハァもう良いのだわ、JUN」
JUN「汗をかかれたので入浴で御座いますね、準備出来ております」
紅「JUN」
JUN「畏まりました、お背中流させていただきます、では頃合いを見計らって参上致しますので先にお入り下さい」

御覧戴けたでしょうか?
私は真紅様の全ての攻撃を事前に察知して先の先で避ける事が出来るのです。
つまり予知能力が身に付いたのです。
残念なことに一瞬先の事しか察知できません。
ですから実生活には全く役に立たないので御座います

それでは真紅様のお背中を流して参ります、それではまた、次の機会に別の能力も御披露致しましょう。

 




わたくしの名は桜田ジュン17才
幼なじみにして主人の真紅様に殴られ続けて早17年、しかし最近超能力を身に付けたのです。
皆様はわたくしの能力について懐疑的な目で見ていらっしゃる事でしょう。
よろしい、ではあなた方が本気で羨ましがるスペッシャルでディエンジャラスな能力をVTRでご披露致しましょう。

【とある日の朝】
JUN「おはようございます、真紅様お迎えに上がりました」
紅「おはようJUN」
JUN「・・・真紅様、本日は体育が御座います、くんくん柄の下着はお辞めになったほうがよろしいかと存じます」
紅「!!!」
JUN「差し出がましいとは思いますが、御胸のほうも頑張りすぎない方がよろしいかと」
紅「き、着替えてくるのだわ」
JUN「まだお時間には余裕が御座います、ごゆっくりどうぞ」
真紅様が着替えて戻ってきたようです。
うん清楚な真紅様に似合った下着テラモエスで御座いますな。

紅「なにぼーっとしてるの」ピシッ
おっと巻き毛ウィップを戴いてしまいました、イイ、真紅様有り難うございます。
【VTR終了】

ご覧戴けたでしょうか?私の透視能力を!
しかしこれは諸刃の剣でございまして、そんなにありがたがる物でも御座いません。
まずどんなに素晴らしい物でも慣れてしまうとそうは興奮致しません。
やはり見えそうで見えなそうでやっぱり見えない、これくらいが一番で御座いましょう。
さらには、水銀燈様の隣に剛田ジャイ子様がいらっしゃり、再起不能になりそうになったり、
翠星石様蒼星石様の自宅に遊びに行ってオジジのふんどしを直視したり、
最近では梅岡先生とベジータがペアルックの青い女性用下着を履いているのを直視してしまい、いろんな意味で吹き出してしまいました。
この能力の危険さもご理解戴けると思います。
それではまた、次の機会に別の能力も御披露致しましょう。




コポコポコポ…

「ほら。淹れたぞ」
「ありがとう。…美味しいわ」

「ねえジュン。私は今…とても幸せだわ」
「なっ、何だよ急に…」
「平行世界という物は知ってる?」
「ん…あれだろ?同じだけど何か違うって言うか…」
「そう。例えば私とジュンが出会わない世界。例えば私が貴方の目の前で死んでしまう世界。数限りなく無限の可能性の世界があるという考え方ね」
「…物騒な例えだな」
「フフ…そんな無限の世界の中で無限に存在する私の中の一人が貴方に出会って恋をして、こうして隣で貴方の淹れた紅茶を飲んでいる…一つの奇跡だとは思わない?」
「うーん…まあ、そうかもな」
「だから。私は今、とても幸せなの」


「愛してるわ、ジュン」
「…僕もだよ、真紅」

 



紅「ジュン?何を読んでいるの?」
ジ「真紅、ちょっとこの台詞言ってくれないか?」
紅「私の質問は無視?・・・まぁ良いのだわ。この台詞?」
ジ「そうそう、それ」

紅「『散れ!千本桜!』・・・舐めてるの?」

ジ「いや、何か真紅のアレに似てるなと思って」
紅「・・・・・・舐めてるのね・・・ ホーリエ!!」
ジ「ほらやっぱり似て・・・ぎゃああああああああああああああああああああああああ」




貴方は見送りに来なかった

いつでも会えるから来なくて良いわ、と言ったから

姉とは貴方が見送りに来るか来ないか賭けをしていた

来ないと賭けた私の勝ち

なのに何故だか涙が止まらない

来て欲しいって言えば良かったのよ、お馬鹿さん

姉は私を抱きしめていった

私を乗せた電車は住み慣れた街を後にして、まだ見ぬ街へと走り出す


この小さなアパートの一室、ここが私の新しい家

入ろうとした私に速達の小包が届いた

中にはメッセージを携えたぬいぐるみ

好きな時に帰って来いよ、僕はいつでも待っているから

馬鹿、そういう事は直に言うものだわ

貴方と私を結ぶ証を抱きしめて、私は新しい世界へと踏み出した