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甘い保守シリーズ12 - (2008/05/02 (金) 15:54:16) の編集履歴(バックアップ)


夢見る保守を致しますわ

「――と、言う訳で。斯様な夢を昨夜、見たのです」

「ま、まぁ………ちょっとだけ、不気味ねぇ。で、でーも、それだけよぉ」
「水銀燈、語尾が震えてるかしら。――何が意味があるのかも………?」
「あぁぁぁあ、あるわけねぇですぅ!夢なんて記憶の寄せ集めにしかすぎねぇですよ、チビカナ!」
「その手の話、苦手だもんねぇ、翠星石。ボクは―不謹慎だけど―小説のネタにできそうかなぁって」
「たしかにそうぞうりょくをかきたてられるかもしれないのだわ」
「うゅ、真紅、袖を引っ張られちゃうと伸びちゃうからメなのよ」
「雛苺、意外に冷静………。ばらしーは、ちょびっと苦手。あぁ、この妄想力が恨めしい………!」

「――なぁ、その夢だけどさ」
「はい、どうされましたか?」
「夢の舞台――寂れた洋館が不気味って訳じゃないんだよな?」
「それも一因かと思いますが、どちらかというと――
 出てくる人物の方にワタクシは不気味さを感じましたわ」
「ヒナはお友達になりたいなぁって思ったの」
「まぁ、雛姉様は………。――貴方様はどう思われましたか?」
「んー………『納得いかない』」
「………は?えと、それはどういう………?」
「出てきた人物って、女の子なんだよな?」
「ええ、二人――双子の様な………。微笑みの表情で立っているだけなのに、何所か空恐ろしい」
「………うん。で、なんだっけか。雰囲気的には」
「がらんどうの容れ物、その可憐さは何所か歪な――まさに、西洋人形が命を吹き込まれた様」
「やっぱり、その感想に納得いかない」
「何故!?」





夢見る保守を致すですぅ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→翠ルート)

「――おい、翠星石、翠星石ってば」
「あぅぅ………えぅぅ………やぁですぅ、やぁ………zzz」
「………ごくり。翠星石、可愛い………」
「――えーと、蒼星石さん?」
「………冗談だよ、冗談。とりあえず、――起きて、翠星石」
「むにゃ………ぅー………?――ふぁ、しょーしぇいせき、おはよーですぅ」
「………くっ、なんて破壊力!食べちゃいたい………っ!」
「『食べちゃいたい』じゃありません。ったく………翠星石、寝ぼけてないで覚醒しろ」
「んぁ………なんで、ちびにんげんがいるですかぁ………?」
「それは此処が学園だからです。――ほらよ、ハンカチ」
「とりあえず、うけとりますがぁ………――って、ちちちび人間、何乙女の寝顔見てやがるですか!?」
「見られたくないなら学校で寝るな。………ところで、何か夢でも見てたのか?」
「しゅ、春眠暁を覚えず、ですぅ………」
「なんでお前は理系の癖にそういう格言はさらっと出てくるんだ」
「おじいさんの影響だと思うよ。――で、翠星石、さっきの話だけど」
「夢、ですか。そうですね、よく覚えてねぇですけど見てたような気がするですぅ」
「んー………で、どんな内容だった?」

「えーと………たけのこがびっしり生えてる村を何度も行ったり来たり。
 で、その次は、きのこが一面に生えまくった山を昇ったり降りたり………。
 覚えている最後は、茶色い泥でコーティングされてる様な竹藪を突っ走ってたですよ。
 それだけですのに………なぜか、とっても切なかったですぅ」

「………あぁ、なるほど。確かに、ダイエット中の翠星石には切ないかもね」
「体の一部がな。――ほら、購買行くぞ」
「はぇ?――って、さり気にばらすなです、そうせいせ――(ぐぅ」
「夢に見るまで我慢するなってば。さっさと涎拭いて、購買にお菓子買いに行くぞ」
「………へ?――うぁぁぁぁ、見るなです、見るなですぅぅぅ!?(ごしごし」




夢見る保守を致すわぁ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→銀ルート)

「ほら、今日、雪華綺晶が変な事言ってたじゃなぁい?」
『………あぁ、見た夢が不気味だったって言ってたな』
「でぇ、ちょっと思い出しちゃったって言うか、気になったと言うかぁ」
『わからないでもないけどな。それで?』
「『それで』………って、つれないわねぇ」
『あのな。今何時だと思ってやがる!?』
「26時よぉ。所謂、丑三つ時」
『芸能人かなんかかお前は。――んな時間に電話してくるなよなぁ』
「なによぉ、起きてたんだからいいじゃなぁい」
『じゃあ今から寝る。お休み』
「え、え、え?ね、ねぇ、ちょっとくらいお話しましょうよぉ………」
『………ちょっと待ってろ』(プツっ………ツーツー)

「あ、ぇぅ………切れちゃったぁ………。
 メグも真紅も寝てるだろうしぃ………」

ひゅるるるるる、っばんっばん

「ひゃぅ!?――うぅぅ、お化けなんてなぁいさぁ、お化けなんてうーそさぁ――♪」

trrrrrr,trrrrrr,

「ひゃああ、なによぉ、なんなのよぉ!?――………って、電話ぁ?」(ピッ
『――携帯からだと、金額嵩むだろ』
「………ぁ。で、でもいいのぉ?」
『家電に変えた時点で察しろ。――お前が眠たくなるまで、つきあうよ』
「………うふふ、ありがとぉ………」





夢見る保守を致すのだわ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→紅ルート)

「――あら………意外と面白いじゃない、この本」
「本って言うか、漫画だろ。将棋漫画な筈なんだけど、何故かバトル――」
「先を言わないのでいいのだわ」

「喉渇いてきたなぁ………」
「ポットに紅茶が入っているのだわ。無論、私のも淹れてくれるんでしょう?」
「せめて論じさせろよ………。ったく、僕をなんだと思ってるんだ」
「聞きたい?」
「結構です」

「ちょっとお腹がすいてきたわね」
「………こんな時間に余計なもの食ったら、太るぞ」
「それもそうね。我慢するのだわ」
「この辺が翠星石と違う所なんだろうなぁ」
「あの子だったら、『是くらい大丈夫ですぅ』とか言って――」
「――『大丈夫じゃなかったですぅ』に続きそうだな」
「なんでもいいけど、口真似が全然似てないのだわ」

「なぁ、ところでさ」
「何よ?」
「僕は何時まで起きておけばいいんだ」
「私が今日の雪華綺晶の話を忘れるまで――って、思いださせないで欲しいのだわ!」
「僕の所為かよ!?………おじさんとおばさん、早く出張から帰ってきてくれ………」
「家が隣なんだから我慢なさい――くしゅっ」
「………膝かけでも持ってくるか。深夜はまだ寒いもんな」
「是は花粉症よ。――暖かさは、貴方の背中から貰っているのだわ」

――改題 寒くて熱い保守を致すのだわ





ほのかな保守を致すですぅ

「むぅ………此処の古本屋さんは棚が高すぎですぅ………届かない………」
「ジャンプして取ってみようか、翠星石?」
「確かにお前ぇの方が届きそうですが………スカートなんですから、止めとくですよ」
「それもそうだね。ちょっと店員さんに脚立借りてくるよ――」
「すまねぇですぅ。 ………うーん、でも、背伸びしたら取れそうな………」
「………翠星石?」
「ぬ、く、もう少し、もう少し………!」
「おーい、翠星石ってば――って」
「うーーーーーー――って、きゃ――!?」 ――(ットン)
「………なんとか間に合った。あのなぁ、何をそんなに無理して………」
「あ、どもです――って、ち、チビ餓鬼じゃないですか!?かかかか勝手に触れるなですぅ!」
「そんなに怒るなよ………受け止めてなきゃこけてたんだぞ、お前」
「な、なぁーにを言ってやがるですか!この翠星石に限ってそんなおまぬけな事………!」
「はいはい。――で、上の方にある本取ろうとしてたのか?」
「なんですか、そのてきとーな返事は!?――ま、まぁ、そーですぅ。今、蒼星石が――」
「えーと、どれだ?」
「『好きな人に贈るお菓子の作り方』ってあsdfghjkl!?」
「そういうとこ、お前も女の子だよなぁ。――と、ほらよ」
「す、翠星石はどっからどう見ても立派な淑女ですよ!………って、え?」
「え?じゃなくて。是が欲しかったんじゃないのか?」
「そう、ですけど………。翠星石の後ろに立ちながら、よく届いたですね………」
「背伸びしたけどな」
「………ありがと、ですぅ」
「珍しく素直に――ん、どういたしまして」
「――翠星石、脚立借りてき………ぅわ、こんな所で乙女抱きされてる!?」
「ち、違っ!?蒼星石、誤解ですよ!?」
「そーいや、誰に贈るんだ、是見て作ったの?」
「お前ぇでs――だぁぁぁ、違うです、違うですぅぅぅぅぅ!?」







怖い保守を致しましょう(20歳未満の方は見ない方が賢明です)

「時季外れに怪談?――どうでもいいけど、此処は保健室なんだけど」
「いいじゃないのよぉ、どぉせ万年暇な部屋なんだからなぁ」
「………言ってくれるじゃないの」
「ま、まぁまぁ、めぐ先生――」
「――抑えて欲しいのだわ。水銀燈も、場所を借りているんだから、失礼な事を言わない様に」
「貴方達がそう言うんなら従うけどぉ。嘘は言ってないわよ?」
「いや、だから、お前な………」
「もう良いわよ。でも、ほんとになんでこんな時期に?」
「それは………。その、私も水銀燈もその手の話が苦手だから」
「今のうちに強くなっておこうと思ってぇ………」
「あら、殊勝じゃない。――じゃあ、貴方も?」
「あ、いえ、僕は付き添いというか………語り手と言うか」
「ネットばっかりやってるから、そういう話は詳しいものね」
「るさい、真紅………と、言いたい所だけど、強ち否定できない」
「あ、でも、めぐも詳しそうよねぇ」
「どうしてかしら、水銀燈?」
「そぉいう湿っぽい話好きそうだものぉ。それに、髪型とかも純和物の怪談に出てきそうだしぃ」
「………ふーん」
「だから、なんでお前はそう、めぐ先生には突っかかるんだ………」
「甘えてるんだと思うのだけれど………。あの、めぐ先生、余りお気になさらず」
「ありがとう、真紅ちゃん。ぜんっぜん気にしてないわよ?」
「………怖いです、先生」
「貴方までひどいわね。――そうだ、ちょっと耳ふさいどいてくれる?真紅ちゃんも」
「「………?」」
「私はいいのぉ?」
「いいわよ。こほん―― む ら さ き か が み 」
「………へ?――って、あぁぁぁぁぁぁぁ、わ、忘れてたのにぃぃぃ!?」
「「………??」」