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甘い保守シリーズ12 - (2008/05/10 (土) 12:28:50) の編集履歴(バックアップ)


夢見る保守を致しますわ

「――と、言う訳で。斯様な夢を昨夜、見たのです」

「ま、まぁ………ちょっとだけ、不気味ねぇ。で、でーも、それだけよぉ」
「水銀燈、語尾が震えてるかしら。――何が意味があるのかも………?」
「あぁぁぁあ、あるわけねぇですぅ!夢なんて記憶の寄せ集めにしかすぎねぇですよ、チビカナ!」
「その手の話、苦手だもんねぇ、翠星石。ボクは―不謹慎だけど―小説のネタにできそうかなぁって」
「たしかにそうぞうりょくをかきたてられるかもしれないのだわ」
「うゅ、真紅、袖を引っ張られちゃうと伸びちゃうからメなのよ」
「雛苺、意外に冷静………。ばらしーは、ちょびっと苦手。あぁ、この妄想力が恨めしい………!」

「――なぁ、その夢だけどさ」
「はい、どうされましたか?」
「夢の舞台――寂れた洋館が不気味って訳じゃないんだよな?」
「それも一因かと思いますが、どちらかというと――
 出てくる人物の方にワタクシは不気味さを感じましたわ」
「ヒナはお友達になりたいなぁって思ったの」
「まぁ、雛姉様は………。――貴方様はどう思われましたか?」
「んー………『納得いかない』」
「………は?えと、それはどういう………?」
「出てきた人物って、女の子なんだよな?」
「ええ、二人――双子の様な………。微笑みの表情で立っているだけなのに、何所か空恐ろしい」
「………うん。で、なんだっけか。雰囲気的には」
「がらんどうの容れ物、その可憐さは何所か歪な――まさに、西洋人形が命を吹き込まれた様」
「やっぱり、その感想に納得いかない」
「何故!?」





夢見る保守を致すですぅ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→翠ルート)

「――おい、翠星石、翠星石ってば」
「あぅぅ………えぅぅ………やぁですぅ、やぁ………zzz」
「………ごくり。翠星石、可愛い………」
「――えーと、蒼星石さん?」
「………冗談だよ、冗談。とりあえず、――起きて、翠星石」
「むにゃ………ぅー………?――ふぁ、しょーしぇいせき、おはよーですぅ」
「………くっ、なんて破壊力!食べちゃいたい………っ!」
「『食べちゃいたい』じゃありません。ったく………翠星石、寝ぼけてないで覚醒しろ」
「んぁ………なんで、ちびにんげんがいるですかぁ………?」
「それは此処が学園だからです。――ほらよ、ハンカチ」
「とりあえず、うけとりますがぁ………――って、ちちちび人間、何乙女の寝顔見てやがるですか!?」
「見られたくないなら学校で寝るな。………ところで、何か夢でも見てたのか?」
「しゅ、春眠暁を覚えず、ですぅ………」
「なんでお前は理系の癖にそういう格言はさらっと出てくるんだ」
「おじいさんの影響だと思うよ。――で、翠星石、さっきの話だけど」
「夢、ですか。そうですね、よく覚えてねぇですけど見てたような気がするですぅ」
「んー………で、どんな内容だった?」

「えーと………たけのこがびっしり生えてる村を何度も行ったり来たり。
 で、その次は、きのこが一面に生えまくった山を昇ったり降りたり………。
 覚えている最後は、茶色い泥でコーティングされてる様な竹藪を突っ走ってたですよ。
 それだけですのに………なぜか、とっても切なかったですぅ」

「………あぁ、なるほど。確かに、ダイエット中の翠星石には切ないかもね」
「体の一部がな。――ほら、購買行くぞ」
「はぇ?――って、さり気にばらすなです、そうせいせ――(ぐぅ」
「夢に見るまで我慢するなってば。さっさと涎拭いて、購買にお菓子買いに行くぞ」
「………へ?――うぁぁぁぁ、見るなです、見るなですぅぅぅ!?(ごしごし」




夢見る保守を致すわぁ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→銀ルート)

「ほら、今日、雪華綺晶が変な事言ってたじゃなぁい?」
『………あぁ、見た夢が不気味だったって言ってたな』
「でぇ、ちょっと思い出しちゃったって言うか、気になったと言うかぁ」
『わからないでもないけどな。それで?』
「『それで』………って、つれないわねぇ」
『あのな。今何時だと思ってやがる!?』
「26時よぉ。所謂、丑三つ時」
『芸能人かなんかかお前は。――んな時間に電話してくるなよなぁ』
「なによぉ、起きてたんだからいいじゃなぁい」
『じゃあ今から寝る。お休み』
「え、え、え?ね、ねぇ、ちょっとくらいお話しましょうよぉ………」
『………ちょっと待ってろ』(プツっ………ツーツー)

「あ、ぇぅ………切れちゃったぁ………。
 メグも真紅も寝てるだろうしぃ………」

ひゅるるるるる、っばんっばん

「ひゃぅ!?――うぅぅ、お化けなんてなぁいさぁ、お化けなんてうーそさぁ――♪」

trrrrrr,trrrrrr,

「ひゃああ、なによぉ、なんなのよぉ!?――………って、電話ぁ?」(ピッ
『――携帯からだと、金額嵩むだろ』
「………ぁ。で、でもいいのぉ?」
『家電に変えた時点で察しろ。――お前が眠たくなるまで、つきあうよ』
「………うふふ、ありがとぉ………」





夢見る保守を致すのだわ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→紅ルート)

「――あら………意外と面白いじゃない、この本」
「本って言うか、漫画だろ。将棋漫画な筈なんだけど、何故かバトル――」
「先を言わないのでいいのだわ」

「喉渇いてきたなぁ………」
「ポットに紅茶が入っているのだわ。無論、私のも淹れてくれるんでしょう?」
「せめて論じさせろよ………。ったく、僕をなんだと思ってるんだ」
「聞きたい?」
「結構です」

「ちょっとお腹がすいてきたわね」
「………こんな時間に余計なもの食ったら、太るぞ」
「それもそうね。我慢するのだわ」
「この辺が翠星石と違う所なんだろうなぁ」
「あの子だったら、『是くらい大丈夫ですぅ』とか言って――」
「――『大丈夫じゃなかったですぅ』に続きそうだな」
「なんでもいいけど、口真似が全然似てないのだわ」

「なぁ、ところでさ」
「何よ?」
「僕は何時まで起きておけばいいんだ」
「私が今日の雪華綺晶の話を忘れるまで――って、思いださせないで欲しいのだわ!」
「僕の所為かよ!?………おじさんとおばさん、早く出張から帰ってきてくれ………」
「家が隣なんだから我慢なさい――くしゅっ」
「………膝かけでも持ってくるか。深夜はまだ寒いもんな」
「是は花粉症よ。――暖かさは、貴方の背中から貰っているのだわ」

――改題 寒くて熱い保守を致すのだわ





ほのかな保守を致すですぅ

「むぅ………此処の古本屋さんは棚が高すぎですぅ………届かない………」
「ジャンプして取ってみようか、翠星石?」
「確かにお前ぇの方が届きそうですが………スカートなんですから、止めとくですよ」
「それもそうだね。ちょっと店員さんに脚立借りてくるよ――」
「すまねぇですぅ。 ………うーん、でも、背伸びしたら取れそうな………」
「………翠星石?」
「ぬ、く、もう少し、もう少し………!」
「おーい、翠星石ってば――って」
「うーーーーーー――って、きゃ――!?」 ――(ットン)
「………なんとか間に合った。あのなぁ、何をそんなに無理して………」
「あ、どもです――って、ち、チビ餓鬼じゃないですか!?かかかか勝手に触れるなですぅ!」
「そんなに怒るなよ………受け止めてなきゃこけてたんだぞ、お前」
「な、なぁーにを言ってやがるですか!この翠星石に限ってそんなおまぬけな事………!」
「はいはい。――で、上の方にある本取ろうとしてたのか?」
「なんですか、そのてきとーな返事は!?――ま、まぁ、そーですぅ。今、蒼星石が――」
「えーと、どれだ?」
「『好きな人に贈るお菓子の作り方』ってあsdfghjkl!?」
「そういうとこ、お前も女の子だよなぁ。――と、ほらよ」
「す、翠星石はどっからどう見ても立派な淑女ですよ!………って、え?」
「え?じゃなくて。是が欲しかったんじゃないのか?」
「そう、ですけど………。翠星石の後ろに立ちながら、よく届いたですね………」
「背伸びしたけどな」
「………ありがと、ですぅ」
「珍しく素直に――ん、どういたしまして」
「――翠星石、脚立借りてき………ぅわ、こんな所で乙女抱きされてる!?」
「ち、違っ!?蒼星石、誤解ですよ!?」
「そーいや、誰に贈るんだ、是見て作ったの?」
「お前ぇでs――だぁぁぁ、違うです、違うですぅぅぅぅぅ!?」





怖い保守を致しましょう(20歳未満の方は見ない方が賢明です)

「時季外れに怪談?――どうでもいいけど、此処は保健室なんだけど」
「いいじゃないのよぉ、どぉせ万年暇な部屋なんだからなぁ」
「………言ってくれるじゃないの」
「ま、まぁまぁ、めぐ先生――」
「――抑えて欲しいのだわ。水銀燈も、場所を借りているんだから、失礼な事を言わない様に」
「貴方達がそう言うんなら従うけどぉ。嘘は言ってないわよ?」
「いや、だから、お前な………」
「もう良いわよ。でも、ほんとになんでこんな時期に?」
「それは………。その、私も水銀燈もその手の話が苦手だから」
「今のうちに強くなっておこうと思ってぇ………」
「あら、殊勝じゃない。――じゃあ、貴方も?」
「あ、いえ、僕は付き添いというか………語り手と言うか」
「ネットばっかりやってるから、そういう話は詳しいものね」
「るさい、真紅………と、言いたい所だけど、強ち否定できない」
「あ、でも、めぐも詳しそうよねぇ」
「どうしてかしら、水銀燈?」
「そぉいう湿っぽい話好きそうだものぉ。それに、髪型とかも純和物の怪談に出てきそうだしぃ」
「………ふーん」
「だから、なんでお前はそう、めぐ先生には突っかかるんだ………」
「甘えてるんだと思うのだけれど………。あの、めぐ先生、余りお気になさらず」
「ありがとう、真紅ちゃん。ぜんっぜん気にしてないわよ?」
「………怖いです、先生」
「貴方までひどいわね。――そうだ、ちょっと耳ふさいどいてくれる?真紅ちゃんも」
「「………?」」
「私はいいのぉ?」
「いいわよ。こほん―― む ら さ き か が み 」
「………へ?――って、あぁぁぁぁぁぁぁ、わ、忘れてたのにぃぃぃ!?」
「「………??」」




ほのかな保守を致しますね

嬉しさも怒りも悲しみも、楽しみも。
貴方には全て頂きました。
嬉しさも怒りも悲しみも、楽しみも。
貴方とは全てを共にしてきました。
嬉しさも怒りも悲しみも、楽しみも。
貴方と全てを分かち合いました。
色々な事があって。
沢山の事を乗り越えて。
――是からも、お願いいたしますね。
「――って言う作文が、家から出て来たですよ」
「お前から蒼星石に、か?」
「翠星石はこんな恥ずかしい文章書かねぇですぅ!」
「それもそうか。じゃあ………ぁー………昔、贈ったものじゃないか?」
「昔?誰が誰に??」
「呼びかけが『貴女』じゃなくて『貴方』だから、まつ先生から柴崎先生に」
「………なるほど。まぁ、納得出来るですね」
「結婚前後に書いたものじゃないかな?そこはかとなく甘ったるいし」
「あ、それはたぶん違うですぅ」
「………なんで?」
「だって、この紙、真新しいですよ。古いのは段々と色がぼけて来るですぅ」
「それもそうだな。………ところで、本日、先生たちは?」
「デートですぅ」
「………あぁ、うん。二人でどっかに出かけたんだな」
「違いますよ、はっきり『デートに行ってくる』って言ってたです」
「………………凄いな」
「何がですか??」
「いや、えーと………相当に毒されてるな、お前………」
「だぁら、何がですかぁ!?」





怖い保守を致すのだわ

「なにか………いきなり水銀燈が震えているのだけれど」
「気にしないで良いわよ――さ、次は誰が話してくれるの?」
「(次?)――んー、じゃあ、真紅。頼めるか?」
「私から?いいけれど………そうね、じゃあ、こんな話を。
 ――ある男性………T氏としましょうか。
 彼は、その日が来るまでごく平凡に暮らしていたのだわ。
 普通に仕事をし、平均的な収入を得、平坦な毎日を過ごしていたの。
 だけど………彼は、出会ってしまったの。
 
 自分と、顔も声も――全てが同じ人物に」

「あぁ、ドッペルゲンガーか」
「『自分と同じ顔の人は三人はいる』とも言うわね」
「………落ちを先に言わないで欲しいのだわ」
「ふふ、無様ねぇ、真紅。そんな話、みんな知ってるわよぉ」
「うぐ………でも、初めて聞いた時は怖かったのだわ!」
「それが無様って言うのよぉ。大体、顔も声も同じ人間なんて、早々――」
「………水銀燈、水銀燈」
「何よぉ、めぐぅ?今、いい所なんだからぁ」
「テレビをぽちっとなっと」(ピッ
― ラクス・クライン、デース ―
「――!!?? ちょ、ちょっと、今の声、私とそっくりぃ!?」
ピッ)「発声の仕方は違うけど、似てるわよね。あーぁ、水銀燈もあと少しで見納めかぁ」
「な、なんで拝んでるのよぉ!?あぅぅぅ………」
「………めぐ先生、何故か時々、水銀燈には凄く意地悪なのだわ」
「いや、今のはやきもちだろ。多分」 





怖い保守を致すわぁ

「怖くないぃ、怖くないぃ………」
「水銀燈、煩い。――真紅ちゃんが話したんだから、次は貴女が話しなさいな」
「焼餅だろうけど、容赦がないんだよなぁ。まぁ、次の話は頼むよ」
「うぅ、わかったわぁ………んー、あんまり知らないけどぉ………。
 とある田舎町のお話。
 その町には、西欧からの移住者が多く住んでたのよぉ。
 自由の国に来ても、そこは封建的な制度に縛られていたわぁ。
 小さないがみ合いは日常茶飯事、だけど、なんとか人々は平穏に暮らしていたの。
 
 ――町の近くの森から、異形の者………首なし騎士が現れるまでは………」

「………って、貴女も真紅ちゃんの事言えないじゃないの。デュラハンでしょ?」
「あ、めぐ先生、違うと思うのだわ。多分――」
「ぶっぶぅ、先読みは外れよぉ、めぐぅ。格好悪ぅい♪」
「………………」
「す、水銀燈、それ位にした方が………僕もめぐ先生と同じ様に考えたし………」
「このお話に出てくるお化けは―正式名称は不明だけど―『スリーピーホロウ』って言うのよぉ」
「………………ふーん」
「大体、『デュラハン』ってヨーロッパのお化けでしょぉ?
 自由の国―アメリカのお話だって、最初に言ってるじゃないのよぉ」
「………そうなのよね。私も其処で気が付いたんだけど………マイナーなお話だと思うのだわ」
「ぁん、真紅はちょっと黙ってなさぁい。珍しくめぐに『教えて』あげてるんだからぁ♪」
「水銀燈、あんまり調子に乗らない方が………」
「――そう、ありがとう、水銀燈。代わりに、私も一つお話してあげるわ」
「あらぁ、貴女に何が教えられるのぉ、先読み外れのめぐセンセェ?」
「ふふふ、貴女と似たような話なんだけどね。 腹 な し ジ ャ ン ク の お話」
「………………って、めぐぅぅぅぅ!?」
「………なんで水銀燈が泣きそうになってるかわからないけど。まぁ因果応報か」



美味しい保守を致すなの

「今日の晩御飯はお寿司なのー♪」
「ぐる寿司(回転寿司)だけどな」
「いいじゃない。どうせ、高いもの食べても味なんか其れほどわからないんだし」
「さらっと毒を吐くな、毒を」
「トモエ、はい、お茶なの」
「――ありがとう、雛苺。はい、貴方も。おじぼり」
「ん、サンキュ。と、雛苺、どれから食べる?」
「うゅ?うと、うーと………あ、ハンバーグがあるの、それ食べるの♪」
「………なんであるんだ」
「最近の回転寿司じゃ珍しくないよ?――はい、どうぞ」
「わーい♪あむあむもぐもぐっ」
「――柏葉は?僕はとりあえず、赤だしを頼むけど」
「あ、じゃあ私も頼んでもらえる?それと、えと、サーモンを………」
「ん?サーモンなら流れててるじゃないか。是で――」
「トモエは、わさび苦手なの。他にも辛いのも酸っぱいのも苦いのも苦手なの」
「ひ、雛苺!?」
「んじゃあ、赤だし二つとサーモンさび抜きを一つ、と」
「あ、ゃ、苦手ってほどじゃ………!食べようと思えば………!」
「そこまで必死にならんでも」

「あれも美味しいの、是も美味しいの♪」
「ふふ、嬉しそう、雛苺。――でも」
「口元、マヨネーズでぐちゃぐちゃなのはちょっとな。口、閉じてろよ」
「んー………って、二人とも、ヒナを子供扱いしてるの!ひどいの!」
「いや、そんな事は」「うん、決して」
「むぅぅぅ。――あ、そうだ………ね、ね、――苺を、た・べ・て、なの♪」
「な!?ひ、雛苺、そんな淫らな………!で、でも………私のも………食べていいよ………?」
「だからなんで、回転寿司にイチゴケーキと柏餅があるんだ」