巴「あれ、桜田君」
ジ「なんだ柏葉か。こんな場所でどうした?」
巴「桜田君こそ…でもこっちの方面って事は…」
ジ「金糸雀の家、か。いやな、学校でほら、お金の事とかお金の事とかお金の事とか大変だとか言ってたから…まあせめてものって事で姉ちゃんが作ったクッキーをと思ってな」
巴「私もね、何回か電話でみつさんの愚痴とか聞いてたから…何かしたくて」
ジ「金糸雀だって同じ高校生だし、遊びたいよなぁ」
巴「…家ね、空き部屋が出来たの」
ジ「うん?」
巴「だからその、一時的にでも居候みたいな事とかどうかなって」
ジ「あー、なる程。まあみっちゃんさんもいい年だしな。自立しなきゃダメだよな」
巴「うん…だから一応聞いてみようって思ってたんだけど」
ジ「よし、じゃあちょっと行ってみるか」
金「はーい、どちら様かしら~って、あら二人してどうしたかしら?」
ジ「えっと…まず、これ。おすそ分けみたいな」
巴「ちょっと作り過ぎちゃって。良かったら食べてみて」
金「ありがとうかしらー!!」
巴「でね…その、今私の家に空き部屋が出来たの。金糸雀ちゃん色々大変だって言ってたでしょ?だから、少しの間、家に来てみない?」
金「え?お泊まりの遊びのお誘いかしら?」
巴「似てるかもだけど、一週間とかそれ位でもいいし…」
金「それだと家事が出来ないかしら」
ジ「でもさ、ほら、みっちゃんさんももう大人だし、そろそろ自分でさ…」
金「今みっちゃんね、新しい仕事があって大変かしら。だからそんなみっちゃんを支えるのがカナの役目よ。そりゃ、合間に服の買いあさりが入るのが玉に傷でも、それ位がみっちゃんらしくていいかしら♪」
巴「そう…」
金「あ!そろそろみっちゃん帰ってくるかしら!仕事モードのみっちゃんはいっぱい食べるから助かったわ。ありがとう二人とも!じゃあまた明日かしらー!!」
バタン
ジ「…なんと言うか、楽しそうだったな。そういや学校でも笑ってたっけ…」
巴「うん…今思うと電話の声もそんな気がしてきた」
ジ「人の世話を楽しむとは…うーん、ご苦労様なこった」
巴「心配いらなかったね。じゃあ帰ろうか桜田君」
ジ「おー、そうだな」
巴「…せっかくだから、桜田君空き部屋使ってみる?」
ジ「何ィ!?わっ!ぎゃー!!」
巴「ああ、桜田君がマンションの階段をピタゴラスイッチ並のクオリティで転がって落ちていく…!」
ジ「んな説明いらんから助けろおおぉぉ…」
【でも】【愛していて】