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翠星石の遊戯王OCG講座 ② - (2006/08/03 (木) 20:52:24) のソース

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 遊戯王OCGにおける『デッキ』とは言うまでもなく、モンスター、魔法、罠で構成される40<br>

枚以上のカードの束の事である。<br>
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「どうせ組むんだったら、出来るだけモンスターの種族で統一した方がいいですぅ。特定の<br>

種族をサポートする魔法カードは豊富にありますし」<br>
「そうね……何がいいかしら」<br>
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 真紅は改めて買ってきたカードを一枚一枚確認した。<br>
 パッと見たところ、ドラゴン族のアタッカーの比率が多いようである。魔法カードも汎用性<br>

が高いものが揃っており、それなり以上のデッキは組めそうだ。<br>

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「でも、ただ殴り勝つだけじゃ面白くないのだわ。罠カードを大量に入れて、相手に行動をさ<br>

せずに勝つ、というのはどうかしら」<br>
「別に止めはしませんけどぉ……罠カードの多いデッキってのは、大体ファンデッキですぅ」<br>

「あら、どうして? 罠戦術を駆使して、リシドが城之内を圧倒していたのだわ」<br>

「そりゃアニメの話ですからねぇ……≪人造人間サイコ・ショッカー≫や≪王宮のお触れ≫<br>

全盛の現環境で、罠カードで相手の動きを完全に封殺するなんて夢物語ですぅ」<br>

「……言われてみれば、確かにそうね」<br>
「カウンター罠カードを大量投入したパーミッションデッキってのも確かに存在しますけど、</p>
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この手のデッキは使う者の実力を試す、素人にはお勧め出来ないデッキですぅ。ド素人の</p>
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真紅はそんな冒険しないで、無難にドラゴン族のビートダウンを組んどくですぅ」<br>

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 翠星石の言い方に引っかかるものを感じつつ、真紅はカードの山の中から使えそうな</p>
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カードをドンドン抜き出していった。まずは攻撃力の高いものを選ぶ。<br>

 翠星石に説明されて分かった事だが、デメリット効果なしのバニラモンスターで、★4の最<br>

大攻撃力は1900。ドラゴン族では≪サファイアドラゴン≫がそれに該当する。<br>

 デメリットアタッカーで実戦で使えそうなレベルのモンスターとしては、≪アックス・ドラゴ<br>

ニュート≫や≪スピア・ドラゴン≫辺りがそれに当たるだろう。 <br>

 ドラゴン族は強力な上級モンスターこそ多く存在するが、今一つ優秀な下級モンスターに<br>

乏しい種族である。よって、ドラゴン族のみでは構築に限界が生じてくる。他の種族を交え<br>

ながら、あくまで主軸のみをドラゴン族に絞った柔軟な構築をする必要がある。<br>

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「翠星石、この『LV』がついてるモンスターは何なの? なかなか強そうだけど」<br>

「ああ、それはレベルアップモンスターですぅ」<br>
「レベルアップ?」<br>
「そうですぅ。ある一定の条件を満たせば、上級モンスターを手札またはデッキから特殊召<br>

喚出来るタイプのモンスターの事ですぅ。そのモンスターは≪アームド・ドラゴン≫ですね」<br>

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≪アームド・ドラゴン LV3≫<br>
効果モンスター<br>
星3/風属性/ドラゴン族/攻1200/守 900<br>
自分のターンのスタンバイフェイズ時、表側表示のこのカードを墓地に送る事で<br>

「アームド・ドラゴンLV5」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。<br>

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≪アームド・ドラゴン LV5≫<br>
効果モンスター<br>
星5/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1700<br>
手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、<br>
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスター1体を破壊する。<br>

このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを<br>

墓地に送る事で「アームド・ドラゴンLV7」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。<br>

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≪アームド・ドラゴン LV7≫<br>
効果モンスター<br>
星7/風属性/ドラゴン族/攻2800/守1000<br>
このカードは通常召喚できない。<br>
「アームド・ドラゴンLV5」の効果でのみ特殊召喚できる。<br>

手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、<br>
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスターを全て破壊する。<br>

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≪アームド・ドラゴン LV10≫<br>
星10/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2000<br>
このカードは通常召喚できない。<br>
自分フィールド上に存在する「アームド・ドラゴンLV7」<br>

1体を生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚できる。<br>
手札のカード1枚を墓地に送る事で、<br>
相手フィールド上の表側表示モンスターを全て破壊する。<br>

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「レベルアップしたモンスターは★やステータスと一緒に、その効果も強化されて、より強く<br>

なっていくんですぅ」<br>
「このアームド・ドラゴンなら、LV10を狙って成長させていけば、強力な切り札になるのね」<br>

「う~ん……アームド・ドラゴンの場合はちょっと違うですぅ。確かにLV10のアームド・ドラ<br>

ゴンは、LV7みたいに捨てる手札の種類を問わず、ライボルと同様の効果を得られる強力<br>

な効果を持ってるですけど、ステータスがちょっと力不足ですぅ」<br>

「……確かに、考えてみれば★10で3000は少し弱いわね」<br>

「それに無理にLV10を投入すると事故率も上がりますし……レベルアップモンスターに限<br>

らず、召喚規制のあるモンスターは、一度正規の召喚手順を踏まないと蘇生召喚出来ない<br>

っていう弱点もあるんですぅ」<br>
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 モンスターカードの中には、テキストに『このカードは通常召喚できない。~~した場合に<br>

のみ特殊召喚できる』という風に書かれているモンスターがいる。<br>

 こういったカードは、一度正規の召喚手順を踏んで場に召喚しておかないと、墓地に落ち<br>

た後に蘇生系カードによる特殊召喚が出来ないのである。<br>

 それだけでなく、レベルアップモンスターには蘇生制限もかかっており、墓地に落ちると<br>

再利用が難しいのである。<br>
 特に≪アームド・ドラゴン LV10≫など、最上級レベルアップモンスターは序盤に手札<br>

に来ても腐るだけのカードで、手札事故要因になりかねない危険も孕んでいる。<br>

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「アームド・ドラゴンを使うんなら、まずLV3とLV5を2枚ずつ積んで、LV7を1枚だけにする<br>

のが丁度いいですぅ。後はサーチカードやリクルーター等のサポートを充実させて、アーム<br>

ド・ドラゴンの召喚に繋げるのがいいんですぅ。レベルアップモンスターは、カードそれ自体<br>

が召喚サポートカードの役割も果たすから、専用デッキとして組んでいけば、比較的お手軽<br>

に実戦で通用するレベルのデッキを組めるんですぅ」<br>
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 翠星石は、新たに2枚のカードを真紅に見せた。≪アームド・ドラゴン≫を主軸にデッキを<br>

組む時、とても便利な2枚のリクルーターだ。<br>
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≪仮面竜≫<br>
効果モンスター<br>
星3/炎属性/ドラゴン族/攻1400/守1100<br>
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、<br>
デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を<br>

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。<br>
その後デッキをシャッフルする。<br>
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≪ドラゴンフライ≫<br>
効果モンスター<br>
星4/風属性/昆虫族/攻1400/守 900<br>
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、<br>
デッキから攻撃力1500以下の風属性モンスター1体を<br>

自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。<br>

その後デッキをシャッフルする。<br>
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     <br>
「アームド・ドラゴンは全部風属性のドラゴン族ですから、この2枚で呼び寄せる事が出来る<br>

んですぅ。≪仮面竜≫や≪ドラゴンフライ≫の効果で相手ターンに特殊召喚出来れば、次<br>

のターンのスタンバイフェイズにレベルアップ出来るって寸法ですぅ」<br>

「なるほど……そこからLV5やLV7で戦っていくのね」<br>

「LV5は召喚規制がないから、≪強奪≫や≪洗脳―ブレインコントロール≫で相手のモン<br>

スターのコントロールを奪って、普通の★5以上のモンスターと同じように生け贄召喚する<br>

のもアリですぅ。ま、それはケース・バイ・ケースって奴ですぅ」<br>

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 あーだこーだ言いつつも、程なくして真紅のデッキは完成した。<br>

 ≪アームド・ドラゴン≫シリーズを主軸に据えた、ドラゴン族メインのビートダウンデッキで<br>

ある。幸い、真紅のカード資産の中にはどのデッキにも入るであろう魔法・罠カードも揃って<br>

いたので、翠星石が数枚カードをあげた以外は滞りなく構築出来た。<br>

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「じゃあ、早速デュエルしてみるのだわ。翠星石、相手をして頂戴」<br>

「OK、いいですよ。翠星石のフェイバリットデッキはギャンブルバーンデッキですけど、調整<br>

用に普通のデッキも持ってるんですぅ」<br>
「なら決まりね。行くわよ、翠星石!」<br>
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真紅vs翠星石  「デュエル!!」<br></p>