『薔薇乙女昔話』<br> <br> 昔々あるところに梅岡という男がおったそうな…<br> ある日梅岡が川に洗濯へ行くと、川上から大きな桃が流れてきた…<br> 梅「うほっ、うんまそうな桃…」<br> その見事な桃に欲情した梅岡は川にダイブして桃を引き上げた<br> 梅「はぁ…はぁ…もうたまらん!!」<br> 梅岡が桃に襲いかからんとしたその時…『ガッ!』<br> 梅「はうあっ!!」バタン<br> 梅岡は後ろから殴られ倒れたそうな…後ろには村一番の美人と評判の巴というおなごが立っておった<br> 巴「ったく…昼間から目の毒だわ…あら?なんて美味しそうな桃なの。お昼も近いし雛苺に食べさせてあげよっと♪」<br> 巴は梅岡から桃を奪うと家に持って帰ったそうな<br> 雛「おかえりなのトゥモエ~…あれ?うわぁぁ~!おっきな桃なの~♪」<br> 巴が家に帰ると妹の雛苺は桃を見てはしゃいだんじゃと<br> 巴「うふふ、川で拾ったのよ。今斬るからね…」<br> 巴は妖しく笑うと家の隅から日本刀を取り出し桃を一刀両断した…<br> するとどうしたことか桃の中から若い少年が顔を青くして飛び出してきたそうな…<br> 少年「こ…殺す気かああああああぁぁ!?」<br> 巴と雛苺はたいそう驚いたそうな…しばらくして落ち着いた後巴は少年に聞いてみた…<br> 巴「あなた…誰?」<br> <br> 少年「わからないんだ…目が覚めたらいきなり目の前に日本刀が…」<br> 少年は自分が何者かさっぱりわからんかったそうな…<br> 雛「じゃあ桃から生まれたから…あなたはジュンなの~♪」<br> ジ「すいません…桃全く関係ないんすけど…」<br> それからしばらくジュンは巴の家で暮らしたそうな…じゃがその当時村にはよく鬼ヶ島に住む鬼が攻めいって村人はたいそう困っていたそうな<br> そんなある日、<br> ジ「巴、雛苺!僕は鬼退治に行く!!」<br> ジュンがそう言い出したんじゃ<br> 2人は最初は反対したがジュンの熱意に負け泣く泣く送り出すことにしたそうな…<br> 巴「ジュン君…吉備団子は売り切れてたから鈴カステラと午後ティーとヤクルトと卵焼きよ…あと私の日本刀も持っていって。」<br> 雛「ジュン…あいとあいとー!!」<br> ジ「2人とも…お世話になりました。行ってくる!!」<br> ジュンは勇ましく叫ぶと一路鬼ヶ島に向かって歩き出した…<br> <br> しばらく行くと一匹の犬がよってきた<br> 犬「そこのお前…その紅茶をくれたらお前を下僕にしてやるのだわ。」<br> ジュンは抵抗したんじゃが犬の長い金色の髪の毛でしばかれ無理やり奪われたそうな…紅茶を飲み終わると犬は言った<br> 犬「ふぅ…ありがとう、私は真紅、誇り高い将軍家に仕えた犬の末裔なのだわ。」<br> <br> 成り行きでしかたなくジュンは真紅を連れ進んだ…すると今度は見事なキジが現れたそうな<br> キジ「はぁい、貴方…ヤクルト持ってるわねぇ?それをくれたらご褒美にイイコトしてあげるわぁ…」<br> ジュンは拒否したんじゃがさっきみたく無理やり奪われたそうな<br> キジ「ぷはぁ、やっぱ乳酸菌は最高ねぇ…ありがとぅ、私は水銀燈。お礼に貴方のお供になってあげるわぁ。」<br> ジュンは真紅と水銀燈を連れて更に歩いた…すると今度は猿が現れた<br> 猿「おめぇが持ってる鈴カステラをよこしやがれですぅ。そしたらしゃーねぇから一緒にいてやるです…べ、別におめぇに気があるとかいうんじゃねぇですよ?」<br> ジュンはもう抵抗するのも疲れて素直に鈴カステラをあげたそうな<br> 猿「はぁ、美味しかったですぅ…し、しゃーねぇから翠星石が一生面倒みてやるです///」<br> 猿らしく顔を赤く染めた翠星石をお供に加え更に歩くと今度はカッパが倒れとったそうな<br> ジ「だ…大丈夫か?」<br> カッパ「うぅ~…お腹がすいて動けないかしら~。」<br> ジュンは残った卵焼きを差し出すとカッパは凄い勢いでがっついたそうな<br> カッパ「ぷはぁ…生き返ったかしら~♪やっぱカッパには卵焼きは欠かせないかしら~♪<br> 私はカッパ界1の策士金糸雀!特別に貴方たちの見方になってあげるのかしら♪」<br> <br> こうしてジュンは犬、キジ、猿、カッパをお供に一路鬼ヶ島を目指した…<br> 鬼ヶ島には恐ろしい鬼たちがいるだけでなく村から奪われた財宝や…城主の娘である蒼星石姫さままで捕らえられとったんじゃと…<br> そして長い旅の果て…ジュンはとうとう鬼ヶ島の近くまで来たんじゃ<br> ジ「あの海に見える島が鬼ヶ島か…」<br> 紅「でも…どうやって近付くの?私たちには船がないのだわ。」<br> 翠「みんなでこのカッパに乗ってくのはどうですぅ?」<br> 金「なんてこと言うかしら!?カナはお凸のお皿に塩がついたら干からびちゃうかしら!!」<br> 銀「あらぁ…あれは…」<br> ふと見ると1人の若い漁師が立派な船を漕ぎ出そうとしとった<br> 笹「ふふ…20年ローンで買ったこの漁船『歩背異丼号』…今日が初めての船出だ…ってうわ!なんだあんたら!?」<br> ジュンたちは男から船を奪うと一路鬼ヶ島に向かったそうな…<br> 笹「あああああぁ!!僕のぽせいどんがああああぁぁぁ~!!」<br> しばらくしてジュンたちはやっとこさ鬼ヶ島に降り立った…するとどこからかわらわらと鬼たちが出てきたんじゃと<br> ベ「ふん…ここに攻め入るとは愚かな奴らだ、いっちょ遊んでやろう!!」<br> M字ハゲの鬼たちが一斉にジュンたちに飛びかかってきたんじゃて<br>