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美人8姉妹と僕 - (2007/01/10 (水) 20:33:32) のソース

<p>僕は放課後の学校が好きだ。<br>
誰もいない教室、廊下 全てが静寂に包まれている<br>
そんな校内を歩いたり、教室でぼーっとしたりするのが好きだ たまに勉強したりもする<br>

変な奴って思うだろうけど、好きなんだから仕方がない<br>
そんな中でも、一番好きなのは放課後の屋上<br>
寝転がって、延々と空を雲を見ている<br>
どうでもいいことを思いながら、1人で過ごす時間が好きなんだ<br>

<br>
孤独な時間<br>
大切なモノはいらない<br>
欲しくない<br>
1人でいればそれでいい</p>
<br>
<p>毎日変化のない『今日』をすごす<br>
今日もいつもと同じ『今日』だと思っていた<br>
<br>
流石に六時間目だ。眠気を我慢しながら、ぼんやりと外をながめる<br>

窓側一番後ろの席<br>
目立たない席に目立たない僕が座る。<br>
まったく話さないわけではないが、用がなければわざわざ話しかけないような。そんな存在<br>

まわりとうまく壁を作る<br>
誰と話していようと、僕と相手は別の世界<br>
大切なモノは持たない<br>
持っていなければ、なくすことはない<br>
夢も希望も持たない<br>
持たなければ絶望の淵に落とされることもない<br>
眠気に負け遠のく意識の中そんなことを考えていた<br>
<br>
<br>
………ハッ あの頃の夢で目を覚ます<br>
「いつの間に寝てたんだ…」<br>
教室を見渡すと、もう誰もいない。<br>
時計に目をやると四時四十分…誰もいないはずだ<br>
帰りのHRは四時には終わるからね<br>
さて、今日も屋上に行くか<br>
<br>
この時のこのいつも通りの行動が間違いだった<br>
間違いと言うと語弊があるかも知れないけど、この時からいつもの『今日』は、少しずつ変わってきてたんだと思う…<br>
</p>
<br>
<p>
荷物を鞄に詰め込み、つけっぱなしの教室の電気を消す<br>
えらいなぁ、僕<br>
完璧な自己満足だろと思いながら、屋上へ向かう。<br>
階段をゆっくりと登る<br>
一番上まで到着 少し錆びた扉が音をたてて開く…と同時に風が吹き込んできた。<br>

気持ちいいな<br>
扉を開けるとすぐ横にある梯子を登る<br>
そこが、僕のこの学校で唯一大好きな場所<br>
すぐさま仰向けになって、空を眺める ……夢のことを思い出す<br>

なんで今更?もう、忘れたハズだ。忘れた…忘れた……自分に言い聞かす<br>

………!?<br>
錆びた扉の開く音がする。<br>
めったに屋上に人はこない。それに、こんな時間だ。<br>
普段の僕なら、気にせず雲を眺めているだろう。他人なんて関係ないと<br>

でも、今日は雲を眺めているだけじゃ、夢のことを考えてしまうからと誰が来たんだろうとのぞいてみる<br>

男女の二人組だ<br>
何か話しているが、ここからじゃうまく聞き取れない<br>
<br>
女「………好き」<br>
かろうじでこれだけ聞こえた<br>
男は首を横に振り、申し訳なさそう顔をして、すぐさま屋上からでていった<br>

女もしばらくして、でていこうと扉に近づいてきた時だ<br>
…………マズい<br>
素早く隠れる。目が合った……<br></p>
<br>
<p>なんでこんなことしたんだろう<br>
激しく後悔する僕<br>
絶対何か言われる<br>
………ん?何も言ってこない<br>
目が合ったと思ったのは勘違いか?<br>
安心して、ホッと息を吐いた瞬間<br>
<br>
女「コラー!でてこい!!」<br>
<br>
やっぱり、ダメか<br>
ハァ…今日の僕は変だ なんでこんなことに…<br>
仕方ないから飛び降りる<br>
<br>
<br>
女「………で、どこから見てたの?」<br>
<br>
キッと睨みつけてくる<br>
<br>
僕「最初から最後まで」<br>
<br>
淡々と答える僕<br>
悪かったという態度が一切見えなかったのが気にくわないのかイラっとしたようだ。</p>
<br>
<p>
ハァと溜め息をついたかと思うと、女はいきなり喋りだす<br>

<br>
女「まったく有り得ないと思わなぁい?こんな可愛い娘をふるなんてぇ バカよバカ………」<br>

<br>
自分のことを可愛いと言ったり、さっきの男の悪口をベラベラと喋っている。<br>

さっきまで、いや、今もまだ好きなんじゃないのか?<br>
そんな男の悪口をよくもまぁ、言えたものだ。<br>
というか、見ず知らずの他人にそんなことを話すものなのか?<br>

話す相手がいれば誰でもいいのか?誰もいなくても独りでしゃべるのか?<br>

<br>
女「そう思うでしょ~?」<br>
<br>
女「ねぇ?」<br>
<br>
相槌を求めてくるので、適当に相槌をうつ<br>
これも、覗き見してた罰だと<br></p>
<br>
<p>
女「……ホントバカよぉ 女を見る…目がッ……ないのよぉ…ウッ」<br>

僕「!?」<br>
<br>
さっきまで、怒ってたかと思うと急に泣きだした。<br>
意味がわからない<br>
とうとうしゃがみ込んでしまった<br>
ハァ やれやれだよ<br>
女「ヒック…好き………好きなのよぉ!」<br>
<br>
いきなり、大声をあげる一体どれくらいたったんだろう?ずっとこの女の傍らに立ち尽くしている<br>

<br>
女「…………」<br>
<br>
僕「泣きやんだ? ハイ、コレ」<br>
<br>
せめてもの償いにハンカチを渡す<br>
高2にもなってハンカチをちゃんともってて良かったと思った<br>

<br>
女「…ありがとう」<br>
<br>
僕「じゃあ、僕行くから」<br></p>
<br>
<p>やっと、帰れる<br>
泣きやんだし、大丈夫だよな<br>
第一、こんな他人と関わりあいになるのは、もうごめんだ<br>

荷物をとって、扉に手をかけた瞬間だった<br>
<br>
女「あなた……名前はぁ?」<br>
<br>
僕「…桜田JUN」<br>
<br>
J「キミは?」<br>
<br>
何故だろう<br>
今考えても不思議だ。何故か自然に聞き返していた<br>
<br>
銀「……水銀燈」<br>
<br>
J「そう じゃぁ」<br>
<br>
そう言って、屋上からでていった<br></p>
<br>
<p>J「ただいま…」<br>
<br>
誰もいないことはわかっているが、小さく呟く。<br>
まず、風呂に湯をはり、テレビをつける。<br>
「7時か…」<br>
<br>
ふと、時計に目をやるとちょうど7時になるところだった。<br>

あの女につきあってたら、こんな時間になってしまった。<br>

そういえば、まともに他人と会話したのは久しぶりだ。<br>
会話といっても、話を聞いていただけだけど<br>
今、考えると可愛い…いや、綺麗だったな<br>
って、僕は何を考えてるんだ<br>
他人と関わるなんて、ごめんだよ<br>
<br>
ハア…<br>
なんか変だ。僕<br></p>
<br>
<p>また始まった今日<br>
いつもと変わらない今日<br>
昨日は、あの女……えと……忘れた<br>
うん、あの女のせいで調子が狂ったが、今日はいつもと変わらない今日のハズ<br>

<br>
<br>
午前中最後の授業、数学<br>
長い…5分ばかし前にチャイムはなったのに、この数学の奴は四時間目と六時間目…つまり、次に授業がないときは必ず延長する。<br>

授業を聞いてるわけじゃないが、むしろ、聞いてないからこそ延長されるのはつらい。そんなことをボーと考えていたら<br>

数「よし、最後の問題だ。……ぢゃぁ、桜田」<br>
ボーっとしているのが、わかったのか指された。<br>
J「……29」<br>
<br>
数「…正解だ」<br>
少し気に入らない様子だったが、どうでもいい。<br>
授業が終わり、先生が教室からでたと同時に女の人が入ってきた。<br>

…昨日の女だ<br></p>
<br>
<p>
教室の中をキョロキョロ見渡している。僕を見つけるとこちらに歩いてくる。<br>

<br>
銀「桜田JUN君よね?ハィ、ハンカチよぉ 昨日は、ありがとねぇ」<br>

<br>
J「あぁ、わざわざスイマセン」<br>
<br>
銀「二年生だったとはねぇ すこぉし、探しちゃったわぁ それにしても、スゴいじゃなぁい あの問題…去年、私はてこずったのよぉ」<br>

<br>
ということは、この人は三年生だったのか<br>
<br>
J「はぁ…ありがとうございます」とりあえず、言葉を返す。<br>

とりあえず、用事も終わったんだから早く帰って欲しい。<br>

この女……先輩がどうこうというより、周りの視線が気になる。<br>

明らかに、こっちを見ているのだ。<br>
<br>
先輩は、さっきから何か話しているが、急に話をやめた。<br>

僕があまり乗り気じゃないの悟ったんだろう。<br>
<br>
銀「ん~…、じゃあ、私は帰るわぁ あっ!昨日のことは誰にも言っちゃダメよぉ」<br>

<br>
そう言って、教室から出ていった。</p>
<br>
<p>
すると、こっちの視線を向けていた奴等が集まってくる。<br>

<br>
「なんで水銀燈先輩と話してるの?」<br>
「桜田君…まさか、付き合ってんの?」「どうゆう関係?」<br>

あれこれ質問してきた。<br>
どうやら、あの先輩はとても人気があるらしい。<br>
適当に答えると、みんな去っていく。<br>
<br>
うっとしい…<br>
<br>
J「ん?…まだ、何か質問があるの?」<br>
みんないなくなったと思ったら、まだ一人、女の子が立っていた。確か、翠星石さんだ<br>
</p>
<br>
<p>
翠「あの…お姉ちゃんとは、どういう関係なのですか?」<br>

<br>
J「…聞いてなかったの?」<br>
<br>
同じことを何度も説明することは、無駄なんだ。無駄無駄<br>

まぁ、仕方ないから同じことを話す。<br>
<br>
翠「そうですか… ありがとうです」<br>
<br>
そう言うと、戻っていった。……お姉ちゃんって言ってなかったか?姉妹なのか?<br>

まぁ、どうでもいいか<br>
<br>
<br>
今日は、屋上にいかなかった。<br>
何故だろう。<br>
変な気分だ。<br>
久しぶりの人との会話が楽しく思えた。<br></p>
<br>
<p>僕の変わらないハズの今日が少しずつ変わってきた<br>
あれ以来、校内ですれ違う度に、あの先輩は声をかけてくるようになった。あいさつだけだったり、一方的に先輩が話したりするが<br>

僕は、それに適当な相槌をうつ<br>
それに、翠星石さんもたまに話しかけてくるようになった。どうやら、あの先輩は自分の家で僕の話をするようだ。<br>

この会話を心のどこかで楽しみにしている僕がいると気付いたのは、もう少し後のことだった<br>

<br>
<br>
並木道を通り、急斜面の坂を登った先にある高台の上に建つ高校<br>

そこが、僕の通う高校<br>
綺麗な外観だが、その歴史は相当長いらしい<br>
<br>
「……きいてるのか?」<br>
<br>
聞いてない。僕の学校のことを考えてたからね<br>
さて……話を少し戻そうか。今から五分くらい前、僕が教室に入ると、僕の席付近に2人の男子が立っていた。<br>

とりあえず、無視して席に座り、教科書を机の中に詰め込んでいると、<br>

<br>
「桜田… お前に頼みがあるんだ」<br>
<br>
M字ハゲのほうが、話しかけてきた<br>
<br>
J「人にものを頼むより前に、自分の名前を名乗るのが礼儀じゃないの?」<br>

<br>
僕がそう言うと、M字ハゲはベジータ、もう1人は、笹塚と言うらしい。<br>

ちなみに、2人とも同じクラスらしい<br>
記憶にないな<br></p>
<br>
<p>J「で、頼みって?」<br>
<br>
笹塚君とM字が顔を見合わせ、M字が頷くと、M字が話し始めた。<br>

<br>
べ「実は、俺たち銀嬢が好きなんだ」<br>
<br>
J「誰だ?」<br>
<br>
べ「だから、お前がよく話している三年の水銀燈様だ」<br>
<br>
三年…あぁ、あの先輩か<br>
M字の話によると、あの先輩と翠星石さんを含めた美人八人姉妹がこの学校にはいるらしい。<br>

で、M字達は長女の水銀燈先輩が好きで仲良くなりたいとのことだ。<br>
</p>
<br>
<p>J「つまり、紹介してくれと?」<br>
<br>
べ「あぁ」<br>
<br>
めんどくさい<br>
人と人の間を取り持つなんて、めんどくさすぎる<br>
<br>
J「悪いけど、無理 僕も仲良いわけじゃないから」<br>
<br>
丁寧に断ったのに、M字は食い下がる<br>
うぜぇ<br>
<br>
べ「そこをなんとか お願いだ!ほら、笹塚」<br>
<br>
笹「僕からも、お願いだよ」<br>
<br>
笹塚君には悪いけどやっぱり<br>
<br>
J「ごめん。無理」<br>
<br>
冷たく言う放つが<br>
<br>
べ「じゃぁ、お前について回るぞ それで、お前が銀嬢と話してる時に<br>

J「勝手にしろ!」<br>
キレ気味に言い放ち、僕は教室から出ていった。<br>
まだ、1時間目も始まってないのにどうするかな…<br>
M字のいる教室に戻る気はしない<br>
保健室………屋上でサボろう</p>
<br>
<p>階段を登り、屋上のドアをあける。<br>
相変わらずの音だ<br>
いつもの場所でいつものように寝転ぶ<br>
<br>
いや、正しくはいつものように寝転ぼうとしただ<br>
…先客がいた<br>
女の子だ<br>
<br>
いつも放課後しかこないから知らなかった…授業時間の間はこの娘が使ってるのかぁ…<br>

幸いむこうはこちらに気付いていない<br>
気づかれる前に、そ~っと梯子を降りようとした瞬間、その女の子は寝返りをうち、僕と目が合う</p>
<br>
<p>一瞬の沈黙の後<br>
<br>
「……JUN?」<br>
<br>
と、女の子が言う。!?<br>
なんで、この娘は僕の名前を?<br>
<br>
「…JUNでしょ?違う?」<br>
<br>
いや、まぁ、そうだけど……誰だ!?とりあえず<br>
<br>
J「…誰ですか?」<br>
<br>
「…私は、薔薇水晶…… 銀ちゃんと翠ちゃんに話聞いた…」<br>

<br>
先輩と翠星石さんに、それにこの珍しい名前……美人八姉妹の1人か<br>

M字が熱弁してたように、この娘も可愛かった<br>
<br>
薔「……銀ちゃんの話聞いて…興味でた。……待ってた」<br>

<br>
独特な喋り方だが、不快感はない。<br>
詳しい話を聞くと、先輩の話で僕に興味がでたので、一週間前からずっと屋上で待ってたらしい。<br>
</p>
<br>
<p>
先輩と会ったのが屋上だから、きっと屋上にまた来ると推理したらしい<br>

<br>
薔「エヘヘ…スゴいでしょ?」<br>
あぁ、スゴいよ<br>
一週間も一週間も1日中屋上にいたってことは、その間ずっと欠席ってことだろ?<br>

大丈夫なのか?と聞いてみると<br>
<br>
薔「…大丈夫 ………ちゃんと美術はでた…」<br>
<br>
何が大丈夫なんだ?<br>
ただ、この短い間でわかったことがある。<br>
この娘は絶対天然だ<br></p>
<br>
<p>薔「……ここ…座る」<br>
<br>
そう言って、彼女は自分のすぐ横のスペースをポンポンたたいている<br>

彼女のオーラ、雰囲気に圧され、言われるがままに彼女の隣に座ると、彼女は何故僕に興味がわいたかを話し出した。<br>

ともつもなく長い(途中脱線したため)話だったけど、要約すると、先輩に興味を示さなかった初めての男だかららしい。<br>

全てを話し終わると、彼女は携帯を取り出した</p>
<br>
<p>薔「……ん!」<br>
<br>
J「何?」<br>
<br>
薔「アドレス交換……」<br>
<br>
J「僕、携帯持ってないんだ」<br>
嘘だけど、これ以上かかわり合いになるのはごめんだ<br>
<br>
薔「…嘘 ……えぃ」<br>
<br>
いきなり、飛びかかってきた。<br>
抵抗する僕を無視して、携帯を僕のポケットから奪い取る<br>

<br>
薔「…あった」<br>
<br>
勝手にアドレスを交換して、満面の笑みで帰っていった<br>
なんだったんだ…?ん?<br>
アドレスと一緒にプロフィールが載っていた<br>
年下じゃないか…<br>
JUNって…<br></p>
<br>
<p>~その日の夜 美人8姉妹宅リビング~<br>
薔「……カチカチカチ」<br>
<br>
銀「あ~ら 何をしてるのぉ?」<br>
<br>
薔「……メール」<br>
<br>
翠「薔薇水晶がメールなんて珍しいですぅ 誰としてるですか?」<br>

<br>
銀「教えるのだわぁ」<br>
<br>
薔「…JUN…///」<br>
<br>
銀・翠「なっ!アド教えなさい/ですぅ」<br>
<br>
薔「……自分で……聞け…」<br>
<br></p>
<p>
あれから、薔薇水晶さんから頻繁にメールが来るようになった<br>

無視するのは悪いので返信を返す律儀な僕<br>
まぁ、今回の話には関係ないけど<br>
<br>
えと、ここからが今回のお話<br>
<br>
…最近、困ったことがある。<br>
正直、あの時の二の舞は勘弁だ<br>
だけど、人と話すのが楽しいと思えてきた。<br>
そんなことを俯いて考えていると、急に人影ができた。<br>
誰だろうと思い顔をあげる 翠星石さんだ<br>
<br>
翠「JUN…あの……えと、その………ですね」<br>
<br>
……知り合いになってから、いや、クラスメートだったのだから前から知り合いだが…まぁ、翠星石さんと話すようになってからわかったことがある。<br>

M字曰わく、翠星石さんは、口が悪い。もし、翠星石さんが可愛くなかったら友達がいなかっただろうなと言ってた<br>

だけど、僕が思うには、翠星石さんは、素直に自分の気持ちを言えないだけなんだと思う<br>

だから、遠まわしに言う。悪口を混ぜながら<br>
あと、翠星石さんは意外に人見知りと言うか恥ずかしがり屋というか…まぁ、こうしてどもってるときは大抵お願いがあるときだ<br>

<br>
J「翠星石さん? どうしたの?」<br>
<br>
翠「えと…アドレスを……『翠星石ぃ 古典の教科書返してよ』<br>

<br>
翠星石さんの言葉を遮って誰かが近寄ってくる<br></p>
<br>
<p>
翠星石さんの言葉を遮って近寄ってきた人は、ジャージ姿だった。これから体育なのか、終わったのか ショートカットに中性的な顔立ち、一瞬、男の子と見間違いそうな容姿だ<br>

<br>
翠「蒼星石ぃ まったく、何の用ですかっ! 良いところだったのに邪魔をしてぇ」<br>

<br>
蒼「だから、僕の教科書返してよ」<br>
<br>
僕…?女の子だよね?<br>
J「えと、翠星石さんの友達?」<br>
<br>
僕がそう言うと、蒼星石さんは僕のことをまじまじと見始め…<br>

<br>
蒼「あぁ、君がJUN君だね?噂はよく聞いてます 僕は蒼星石 翠星石の双子の…『弟ですっ!!』(これ以上ライバルは増やせねぇです)<br>

<br>
今度は、翠星石さんが、蒼星石さんの言葉を遮った<br>
J「えと、聞いてるなら知ってるだろうけど、僕は桜田JUN」<br>

……ちょっと待て<br>
弟?<br>
J「妹の間違いじゃ?」<br></p>
<br>
<p>一瞬、間があく<br>
すると、蒼星石さんが嬉しそうな顔で<br>
<br>
蒼「妹って言った!?ねぇ、妹って言った?」<br>
<br>
J「…うん 違った?」<br>
<br>
蒼「ううん!当たってる!」<br>
<br>
少し興奮気味に話す蒼星石さん<br>
自分のことを初対面で妹とわかる人は少ないらしく、嬉しかったそうだ<br>

喋り終わると、嬉しそうに帰っていく。教科書も返してもらわずに…<br>

<br>
蒼「JUN君か…///」<br></p>
<br>
<p>なんだったんだ…?溜め息をつく僕<br>
<br>
翠「大丈夫ですか?普段は、あんな奴じゃねぇですよ 真面目で良い妹ですぅ」<br>

J「あぁ、うん…そうなんだ そういえば、翠星石さんの用事は?」<br>

<br>
翠「えっ? あぁ………」<br>
言うか言うまいか迷っているようだ<br>
ハァ… こういう時は、いつもの翠星石さんのとは別人のようだ<br>

大きく息を吸い込む翠星石さん<br>
深呼吸?<br>
決心がついたようだ<br>
<br>
翠「J…JUNは、友達がいねぇですから、もちろんメールする相手もいねぇです だから、優しい翠星石がしゃぁねぇからメールの相手をしてやるです」<br>

<br>
そう言うと顔が赤くなる翠星石さん<br>
思わず笑ってしまう僕<br>
<br>
翠「なっ!何笑ってやがるです!! いいから、さっさと携帯だしやがれ!です」<br>

<br>
J「ハイハイ」<br>
<br>
そう言って携帯を取り出す僕<br>
前の僕なら、断った。<br>
僕は変わってきたんだな…<br></p>
<br>
<p>~美人8姉妹宅リビング~<br>
<br>
薔「……カチカチカチ」<br>
<br>
銀「あ~ら、薔薇水晶 もしかして、また、JUNとメールかなのしらぁ?」<br>

<br>
薔「……うん」<br>
<br>
銀「なっ!聞いたぁ?翠星石 また、してる……って、翠星石誰とメールしてるのだわぁ?」<br>

<br>
翠「JUNです」<br>
<br>
銀「なっ!?」<br>
二階から蒼星石が降りてくる。その手には携帯が<br>
<br>
蒼「JUN君って、良い人だよね翠星石」<br>
<br>
銀「……蒼星石?まさかとは思うけどぉ、メールの相手は…」<br>

<br>
蒼「ん?JUN君だよ」<br>
<br>
翠・銀「なっ!?」<br>
翠「いつの間にですぅ」<br>
蒼「放課後にちょっとね」<br>
銀「………私だけぇ」<br>
そんな1日<br>
<br>
続け<br></p>