「甘い保守シリーズ5」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

甘い保守シリーズ5 - (2007/10/29 (月) 02:08:36) のソース

<p>熱い保守を致そう<br>
<br>
「………………………ふむ」<br>
「――結菱先生?何読んでるんです…って、手紙ですか?」<br>
「あぁ、読者からの声を少しな…」<br>
「………ファンレターって言いませんか?」<br>
「その言い方は照れる。それに、『声』の方が趣があるではないか」<br>
「そんなもんですか。―どんな事が書いてあるんです?」<br>
「是には『激励』が綴られているな。―『声』と一口に言っても、様々なモノがある」<br>
「僕はそういうの書いた事がないんでよくわかりませんけど…激励だけでもないんですね」<br>
「勿論だ。『称賛』『雑言』『叱咤』…それらが一つの時もあれば、混ざっているものもある」<br>
「ふーん…でも、叱咤とかは…なんか怖いですね」<br>
「だが、少なくとも、それを書き、送る…という行為をしているのだ。私の作品の為に」<br>
「厭じゃないって事ですか?」<br>
「大事な原動力ではある。―そうだな、特に初めての作品に送られたモノはすぐに思い出せる」<br>
「処女作ってヤツですか」<br>
「そうだ。……小さな雑誌に投稿した、短い短編だったな」<br>
「へぇ…どんな感想だったんです?」<br>
「拙い文章ゆえ、『叱咤』が多かった。しかし、私にとって、何事も得がたい『共感』も頂いた」<br>
「『共感』…ですか」<br>
「うむ―今書いているモノは当時の作品とは毛色が違うが…私はソレを求め続けているのだろう」<br>
「………なんか…ちょっと格好いいですね。―なんてタイトルだったんです?僕も読んで―」<br>
「『胸威の大冒険―乳が好きだと叫び隊』」<br>
「……………は?」<br>
「熱い、熱すぎる漢達の苦悩と挫折と煩悩を綴った男汁溢るるショートストーリー」<br>
「……………どんな感想―具体的に、どんなんだったんですか?」<br>
「『よくやった』『ほんとに変態だな』『この変態紳士め』などなど」<br>
「……………返せ。僕の感動を返せ―!!」<br>
<br>
「…ふむ、行ってしまったか。―初めて書いたモノなど、おいそれと教えられる訳がないではないか」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr>
<p> </p>
<p><br>
ハロウィンな保守を致―すなの ―しますわ<br>
<br>
「お腹空いたな…。―と、雛苺、お前もハロウィンになんかするのか?」<br>
「うゅ?あ、こんにちはなのー!―そうなのよ、とりーとおあとりーとー♪」<br>
「……既にお菓子しか眼中にないな」<br>
「えへへ~。うにゅ~の他にも、うにぃ~やうにゃ~、うにょ~も欲しいのっ」<br>
「えーと……順に、苺大福、大福、豆大福、……草大福、か。…は、腹減った…」<br>
「うぃっ」<br>
「―柏葉師兄(すーす)、僕も雛苺語が理解できる様になってきました。―それはともかく」<br>
「すぱにゅ~やにがにゅ~は苦手なの…。うぃ?」<br>
「雛苺は何の恰好をするんだ?」<br>
「ヒナはね、ヒナはね、狐さんの仮装をするのっ」<br>
「狐?……なんか趣旨が違わないか??」<br>
「うゅ?でも、巴が、『雛苺にはけーこくのよーこが似合うわ』って」<br>
「あぁ、玉藻前―『白面金毛九尾の狐』ね。…いや、どっちにしろハロウィンってイメージじゃー」<br>
「『うにゅ~が欲しいんなら、日本のお化けじゃないと』って言われたの」<br>
「それならそれで、もっと雛苺に似合うような―座敷童子とか雪ん子とか…」<br>
「狐さんのお耳と尻尾をつけるの、とってもふわふわで気持ちいいのよ?」<br>
「師兄、それが見たかっただけだな…。お、沢山どら焼きがあるじゃないか」<br>
「そう言えば、雪華綺晶もヒナと同じで、日本のお化けさんなのよ」<br>
「へぇ、あいつなら、そのまんまだけど、雪女とか似合いそうだな。―もぐもぐ」<br>
「……………イ、…………………マ…………………まい……………………………マイ―」<br>
「違うのよ、雪華綺晶は――って、だ、駄目なの、それは雪華綺晶の―!?」<br>
「……………まい、………………くまい…………………ななま………………ハチマイ―」<br>
「――!?……後ろから、役になり切っている雪華綺晶さんの息遣いが聞こえるんだが」<br>
「凄いの、普段の格好なのにとっても怖いの。………ご愁傷様なの」<br>
「……きゅうぅぅぅまいぃぃぃ、………一枚、いちまぁぁぁいぃぃ、足りませんわぁぁぁぁぁ…………」<br>
「―サッー!!買ってきます!ダッシュで!だからそんな呪わないでー!?」<br>
<br>
「―――補足しておきますと、皿屋敷の主人公・お菊から、白菊を連想して、ですわ」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr>
<p> </p>
<p><br>
ハロウィンな保守を致―すですぅ ―すんだよ<br>
<br>
「……怖い、雪華綺晶が怖い、皿屋敷が怖い、どら焼きが怖い…」<br>
「……………どら焼き食べたいですか?」<br>
「……………『饅頭怖い』か。よく知ってるな」<br>
「伊達におじじ達と暮らしてねぇですよ。それはともかく。ドレスの作り方を教えやがれですぅ」<br>
「はぁ、ドレス?―なんでまた」<br>
「雪華綺晶達と同じく、翠星石も仮装するからに決まってますぅ」<br>
「そう言えば、真紅が『みんな』って言ってたな。―にしても、ドレス着てるモンスター…?」<br>
「花の妖精ですぅ。ヨーロッパ系の伝説には大抵いやがるですよ」<br>
「モンスター……。いや、もういいや。―えーと、悪戯レプラコーンとか意地悪ピクシーとか」<br>
「ふ・ら・わ・-・ふぇ・あ・り・ー!…ったく、ぶん殴るですよ」<br>
「……暴力ゴブリン―っごふぅ!?」<br>
「――ぶん殴ったですよ」<br>
「―あはは、今のは君が悪いね。珍しく」<br>
「僕も少しだけそう思ってたり。珍しく」<br>
「お前ぇら…人を何だと思って………」<br>
「ぶん殴らないなら言ってやるけど。―蒼星石も仮装するんだよな?」<br>
「ぶん殴られるから言わない方がいいよ。―ん、翠星石と同じで、妖精だよ」<br>
「おめぇらぁぁ……!―まったく…特に蒼星石、お前ぇの危機を未然に防いでやったと言うに…」<br>
「未然に?―どういう事だ?」<br>
「こいつ、最初は吸血鬼やるつもりだったのですよ」<br>
「まぁ、結局、結菱先生と翠星石に止められたんだけどね」<br>
「…話が見えないな。真紅や水銀燈と被るからか?でも、あいつらは―」<br>
「それもあるですが…。―蒼星石、吸血鬼のロールプレイ、スタートですぅ」<br>
「―『さぁ、お嬢様。ボクに蕩ける悪戯をされたくないならば、甘美な果実を差し出すんだ』」<br>
「………!―切れるような流し目、真っ赤な唇をなぞる舌、誘う手つき指つき……」<br>
「わかったですか?―ぜってぇ、下級生の娘っ子どもがトリックの大連呼ですよ…」<br>
「あぁ……男の僕ですら、こう、なんか、乙女的な胸の高鳴りが……」<br>
「――二人とも。褒めてるつもりか知らないけど、すっごく酷い事言ってるんだからね…(るー」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr>
<p> </p>
<p><br>
乙女な保守を致しましょう<br>
<br>
「―あ、柿崎センセ、少し相談があるですが…」<br>
「なぁに、翠星石?―それと、そんなに畏まらなくてもいいわよ」<br>
「そぉよぉ、元生徒が教育実習で出戻ってきたんだしぃ、ねぇ、めぐ?」<br>
「なんですか、Hg。もっと敬いなさい」<br>
「わ、私にだけは相変わらず冷たいわねぇ…しかも、また時代遅れなネタを…」<br>
「貴女に学がないだけで、普遍的な略称よ。―ま、いいわ、翠星石ちゃん?」<br>
「……みずかねの略称は普通、ぱっと出てこねぇと思いますが。えと、ですねー」<br>
「その言い方もわからないと思う。ん、話して頂戴な―」<br>
<br>
「ん……?あ、翠星石と水銀燈、……柿崎先生発見。おーい―」<br>
「―抗コリン剤や制酸剤…風邪薬・胃腸薬を飲んだのなら……」<br>
「―乳酸菌よぉ、乳酸菌っ」<br>
「―ジフェニールメタン系は痛いんですよねぇ…でも、アントラキノン系は…」<br>
「―にゅ・う・さ・ん・き・んっ」<br>
「―やかましい、80。あ、でも、プロバイオティクスとプレバイオティクスはいいかも…」<br>
「―胸辺りに手ぇ持ってくんじゃねぇですよ、水銀燈。…バイオジェニクスですか」<br>
「………太陽の子?―じゃなくて、翠星石!お前、なんか病気なのか!?」<br>
「そーですよ、ものすっごい苦しい―」<br>
「――!?そ、そんなに重いモノだったら保健体育の先生に話してないで病院に行かないと!」<br>
「やですよ、グリセリン渡されるのが………って、聞いてるんじゃないですよチビ人間んんっ!」<br>
「ぐはぁっ!?―いてて……あ………行っちゃった……あてっ」<br>
「―今のは君が悪いかな。追いかけて、『話の内容はわからなかった』って謝ってあげなさい」<br>
「先生までこづかなくても…。―え、と…行ってきます」<br>
<br>
「――ねぇ、めぐ。結局、翠星石は何に悩んでたのぉ?」<br>
「………わかってなかったの?乳酸菌勧めてたじゃない」<br>
「万能薬だものぉっ」<br>
「胸を張るな、鬱陶しいから。―現実的な乙女の悩みよ。ほら、あの子が嫌がってたピンクの小粒」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr>
<p> </p>
<p><br>
ハロウィンな保守を致―すかしら ―す…<br>
<br>
「真紅に水銀燈、雛苺に雪華綺晶、翠星石に蒼星石…ときたら、やっぱり金糸雀と薔薇水晶もー」<br>
「――!い、いい所にいるかしら!ちょっと―」<br>
「―匿って……!迅速に的確に完璧に……!」<br>
「へ?…金糸雀、薔薇水晶……?何をそんなに焦ってんだ?」<br>
「あぁぁぁ、来る来るもう来るすぐに来る……っ」<br>
「ば、薔薇水晶、背中に隠れるかしら!か、カナは貴女の前で隠れるからっ」<br>
「うん、わかった……!―――動いちゃ、駄目……」<br>
「いや、そう言われても……。前からは見えないけど、横からは丸見えなんじゃないか?」<br>
「大丈夫かしら。―あの二人は、多分ぱっと見て違う所に探しに行く筈だから」<br>
「……私もそう思う。……肉食獣の狩りの基本………」<br>
「『あの二人』?よくわかんな…………ぁー、いや。………動くなよ、二人とも」<br>
「――君!そこの君!こっちにカナと―」<br>
「―ばらしーが来なかったか!?」<br>
「……草笛先生も槐先生も目が座ってるんですけど。どうしたんですか…?」<br>
「どーしたもこーしたも!せっっっかく、カナとばらしーちゃんのお披露目会をしようと言うのにっ」<br>
「当の本人達がいなくては話にならんではないかっ」<br>
「草笛センセ、唾飛ばさないでください。槐センセ、涙流さないでください…。はぁ……」<br>
「だってだってだって!ハロウィンなんだから、いつもは遠慮してたセクシー系もありなのよ!?」<br>
「両拳握って口の前もっていってぶりっ子しないで下さい。してたんですか、遠慮……」<br>
「それだけではない!親として一線を引いていたケモノ耳などのファンシー系もOKなんだぞ!?」<br>
「何がどうOKなのかわかりませんが、とりあえず、鼻血を拭いてください」<br>
「―と、此処にいないなら、違う場所を探しに行きましょう、槐先輩!」<br>
「―む、そうだな、草笛君。では、アディオスっ」<br>
「わー、こんなハイテンションな槐先生初めて見た…。――行ったぞ、二人とも」<br>
「た、助かったのかしら…。でも、是からどうしよう…」<br>
「……きらきーの所に泊めてもらお。ハロウィン当日まで。金糸雀も一緒」<br>
「逃げ切れる気が全くしないのはなんでだろう…」<br>
「ふ、不吉な事を言わないので欲しいのかしらぁ!」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr>
<p> </p>
<p><br>
楽しい保守を致すんだよ<br>
「カラオケも一杯だったし、ゲームはこんな大人数で出来ないし。しょうがないよね」<br>
「だからって、年頃の女の子が集まって麻雀…もうちょっと何か…」<br>
《真紅&水銀燈ペア》<br>
「河で必要なモノ…筒子系があまり出てないみたいだから、そっちに切り替えようかしら」<br>
「ほーってなぁに?………いつの間にか、私よりわかるようになってるみたいねぇ…くすん」<br>
「(真紅って初心者じゃなかったっけ。…飲み込みが異常に早いのか、負けず嫌いなのか)」<br>
《金糸雀&薔薇水晶ペア》<br>
「……あんたの背中、煤けてるゼ」<br>
「…薔薇水晶、じぃっと牌を見てても、裏側が読める訳ないかしら。よしっと、是で満貫確定っ」<br>
「(竜は分かんないと思う。…ふむ、実際の手は混一色、發・中・ドラ1…ブラフか)」<br>
《蒼星石&翠星石ペア》<br>
「真紅の性格から考えて安手はない…金糸雀はブラフかもしれないから、そんなに気にしなくてもいいか」<br>
「えぇい、こんなのは運と度胸ですぅ!ばぁんと自分の狙った役を追うですよ!」<br>
「(それはカモだ、翠星石。んでも、蒼星石も考え過ぎてボロが出るタイプだよなぁ…)」<br>
《雛苺&雪華綺晶ペア》<br>
「うゅ、また違った絵なの。色とりどりで楽しいの♪」<br>
「あ、あ、雛お姉様、唯一残っていた対子を落とされては…っ。ぁー………」<br>
「(雪華綺晶は普通に打てそうなんだが…雛苺にメインをやらせてると、苦しいだろうなぁ)」<br>
<br>
「よしっ、是で立直なのだわっ!」「うっわ、これ、何面待ちなのぉ…?」<br>
「ざわざわざわ………?」「それ、口で言うモノじゃないかしら。こっちはもう少し…」<br>
「あぁぁぁ、わかんなくなってきた!もう是でいいや!」「って、滅茶苦茶危険牌ですよ!」<br>
「―ほら、雛苺、お前の番だぞ」<br>
「うゅ、取るのよ。―むぅぅ、真っ白さんが二枚目なのぉ!」「え、え、え?あらあらあらぁ…」<br>
「……?どうした?」<br>
「えーと……十三幺九―所謂、国士無双ですわ。しかも、十三竜門ですわねぇ……」<br>
「うゅ?しーさんろんめん??」<br>
「……だ、ダブル役満?金糸雀が發と中を抑えてるのに!?――ぁー……いるよな、こーいう……」<br>
「理論も理屈も計算も通じない人が。うぅ…ボクのちまちました打算を返して……」</p>