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甘い保守シリーズ6 - (2008/05/15 (木) 19:50:10) のソース

<p>51:大人な保守を致すわよっ<br /><br />
「―――――――――――ふぅ…………」<br />
「―数年ぶりの喫煙ですか、槐先生?」<br />
「む……――草笛先生か。なに、禁煙する理由も薄れてきたのでな」<br />
「煙草なんて百害あって一利なし、吸わないに越した事はないですよ?」<br />
「……何度聞かされた事か。しかしまぁ、偶にはよかろう」<br />
「『偶に』の意味がわかりません。―薄れてきた『理由』って?」<br />
「…………アレも、私以外からの愛を知る様になってきたからな」<br />
「『アレ』…薔薇水晶ちゃん、…しかいませんね。―嫌われてもよいと?」<br />
「違うな。…今はまだ、アレの心のウェイトでは私もそこそこに重きを受けているだろう。多分」<br />
「微妙に自信がなさそうな。……それで?」<br />
「自分から作っているのさ。…ウェイトが軽くなった時のいい訳を」<br />
「………駄目な大人ですね」<br />
「駄目だから、大人なのさ。――そう言えば、君も吸っていたのではないか?」<br /><br />
「誰の所為だと思ってるんですか」<br />
「……………ふむ。……そうだったのか」<br /><br />
「子どもでしたから。きつかったんですよ、初っ端からホープって」<br />
「最初はマイセンとか……いや、真似していたのなら、そうなるか」<br />
「えぇ。他の子が吸ってたピアニシモとかルーシアには目もくれず、です」<br />
「………悪い事をした、か?」<br />
「御冗談を。私がしたかったから、そうしたんです」<br />
「………君は、根の部分では随分と真っ当な大人になったものだな」<br />
「茎の部分で曲がってると言いたそうですね。―構いやしませんが」<br />
「くく……本当に、真っ当で真っすぐ…だな。―……風も強くなってきた。下に降りよう」<br />
「火、ちゃんと消してくださいね?――…くすぶると、いい事はありませんから」<br /><br />
(詰め込み過ぎた。いろいろ…orz)</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<p><br />
52:蕩ける保守を致すわよぅ3<br /><br />
「はぅ~やっぱりおコタに蜜柑は最高ねぇ」<br />
「いや、幾らなんでも早すぎるだろ…嫌いじゃないけどさ」<br />
「でもでも、気温も大分下がってきたし、うかうかしてると凍死しちゃうわよぅ?」<br />
「北海道でもあるまいし、してたまるか!」<br />
「それに、冷えは女性の大敵なのよ!肩凝りや便秘症も酷くなっちゃうし」<br />
「人の話を聞け…。まぁ、それはお気の毒さまだけど…」<br />
「あ、でも、お姉ちゃんは賢いから、ちゃんと温かい格好をしてるのよ、ほら?」<br />
「……うん、わかったから、誇らしげに上着をめくってババシャツを見せるな」<br />
「上だけじゃなくて下も……――」<br />
「だぁぁ、毛糸かなんだかしらんがズボンを降ろそうとするなぁ!」<br />
「えぇぇ、ちゃんと温かいだけじゃなくて可愛いのにぃ」<br />
「そーいう問題じゃありません。………はぁ……姉ちゃんと話してると、どっと疲れる」<br />
「それじゃあ、はいっ。疲れた時には甘い物がいいのよぅ―あーん」<br />
「――ん。もぐもぐ。……………いや、もう、いいけど………食べちゃったし」<br />
「あむあむ。―美味しくなかった?」<br />
「いや、ちょっと酸っぱかったけど、美味かったよ」<br />
「んー、じゃあ、――甘ぁい食べ方、しましょうか?」<br />
「え?………え、え、そ、それは幾らなんでも、その、姉と弟だし、って言うか―!」<br />
「確か練乳とかトッピングチョコがあったはずだから、たっぷり塗って…どうしたの?」<br />
「………別に。とっとと取りに行けばいいだろ」<br />
「あぅぅ、なんだか冷たいぃ。―お姉ちゃん、ちょっと行ってくるね」<br />
「―はぁ…、何考えてるんだ、僕は。…変に熱くなっちゃったから、炬燵の電源落としとこう…」<br />
「―えへへぇ、おまたせぇ。バニラビーンズもあったわよぅ」<br />
「蜜柑に合うか…?―と、炬燵、切ったからな」<br />
「えぇ!?お姉ちゃん、凍えちゃうわよぅ。――あ、そうだっ」<br />
「だから、いちいち大袈裟―って、こら、ひっつくな!?」<br />
「―んぅ、こうやって、くっついていればポカポカよぅ―ね?」<br />
「…………ったく、さっさと、弟離れしろよ。――人の事は、言えないけどさ……」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<p><br />
53:甘ぁい保守を致すわぁ<br /><br />
「また、こんな所に上がってきて…好きだな、屋上」<br />
「はぁい、こんにちはぁ。―窮屈な場所で、唯一羽を休める場所だものぉ」<br />
「窮屈、ね。そう言う奴って、そもそも学校に来ないのも多いんだけどな」<br />
「あら、勘違いしないで。此処は嫌いじゃないわぁ―ただ、時々…」<br />
「―窮屈に感じるっ…て?なんだか、鳥みたいだな、お前。学校は鳥籠ってか」<br />
「ふふ、言いえて妙ねぇ―此処にいると、本当に自分に羽みたいなのがある様に感じるのよぉ」<br />
「……そーゆー事言うと、二度と此処に来させないぞ」<br />
「あん、飛び降りるとかそういう話じゃないわよぉ。ただ、なんとなくの…空想ね」<br />
「一応……隣にいておくぞ。―羽、ねぇ…」<br />
「いいわよぉ、ずっとでも。―そ、羽」<br />
「―水銀燈には、羽ってより翼の方が似合う気がするけどな」<br />
「……………ふぅん、自分でもそっちの方がしっくりくる気がするわぁ」<br />
「――――綺麗、かもな」<br />
「………翼のある私が?―ふふ、ありがとぉ。だけど、私が空想している羽…翼は、真っ黒よぉ」<br />
「真黒な、翼……」<br />
「そう、ただただ、黒い黒い翼。―可笑しいわよねぇ…普通、翼って言ったら白なのに」<br />
「可笑しい…筈なんだけどな。―僕が想像したのも、黒い翼だった」<br />
「……そ、奇遇ね。でも、それなら、普通は感想も『不気味』とか『怖い』とかにならないのぉ?」<br />
「うん……――綺麗だと、思った」<br />
「………………。――さっき、『学校が鳥籠』って言ってたわよねぇ?」<br />
「え?―あぁ、うん。お前が鳥なら…って」<br />
「私もそう思ってたけど、少し違うみたいねぇ」<br />
「……?なにがどう、違うんだ?」<br />
「鳥籠は学校じゃないみたい。――だって、私を此処に閉じ込めているのは―あなただもの…(ちゅ」<br />
「ん……――――そのつもりはないけど、お返ししたら、もっと閉じ込める事になるのかな?」<br />
「ふふ、窮屈なのも嫌いじゃないわ。―だから、鳥籠の鳥に……餌を頂戴な。あ・な・た」<br /><br /><br />
【そっと】【寄りかかる】<a href="http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=3229&amp;file=%E6%B0%B4%E9%8A%80%E7%87%8801.jpg">&gt;&gt;55氏によるイメージ</a><br />
―僕が想像したのも、黒い翼だった。</p>
<p> </p>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<p><br />
54:乙女な保守を致すかしら<br /><br />
「―はっ、はっ、はっ…………!」<br />
「―くっそ、寝坊し過ぎた!急げ急げ急げ………!」<br />
「―拙いわ、もう時間が―――!?」<br />
「―なんとか間に合―――――!?」<br />
―――どっし~んっ☆―――<br />
「……あいたた……-ご、ごめんなさい!―って……」<br />
「……痛ぅ……あ………、いや、その、こっちも急いでたから……」<br />
「―とと、それじゃ、早く行きましょう!」<br />
「え?あ、うん、そうだな………?」――――<br />
「――――って言う事があってですね」<br />
「あっはっは、どっちかがパンを咥えてたら面白かったわね」<br />
「いや、そんなベタな。―あ、でも、…草笛先生。今日、転校生が来るとか言う話は?」<br />
「それはそれでベタな展開ねぇ。残念ながら、そーいう話は聞いてないわよ」<br />
「そうなんですか?スカーフのラインが同学年で、知らない娘だったから、てっきり…」<br />
「――ふぅむ。どんな娘だったの?センセに言ってみ?」<br />
「髪が…肩くらいの長さで、ちょっとだけ癖っ毛でくるんって」<br />
「セミロングでカールしてたっぽかったと」<br />
「はい。なんか…落ち着いてるのに子どもッぽいって言うか、ちっさいのに大人っぽいって言うか」<br />
「うぅん、微妙な言い方だね。ま、褒めてるんだろうけど」<br />
「茶化さないで下さいよ。―また、会えるかなぁ…」<br />
「君がそんな事言うなんて、珍しいねぇ。―ん、誰かノックしてる?」<br />
「あぃ――失礼するかしら。みっちゃん、ちょっとお願いが…あら?」<br />
「―と、金糸雀か。……なんか、髪がえらい事になってるぞ…」<br />
「うぐ…朝にセットしてる暇がなくて、ぱっとしたんだけど…やっぱり一人じゃ上手くできなくて…」<br />
「あはは、夜更かしした所為で起きれなかったもんねぇ。―でも、偶には素のままでいいかも、ね?」<br />
「うぅぅ…いつものでないと落ち着かないわ。―あ、それと。今朝はごめんなさいだったのかしら」<br />
「あ、いや、別に…………え?え、え、えぇぇぇぇぇぇ!?」<br />
「――『乙女』は化粧一つで『化ける』からねぇ。髪型一つで、印象だって変えれるわよ。あっはっは」<br /><br /><br /><a href="http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=3229&amp;file=%E9%87%91%E7%B3%B8%E9%9B%8001.jpg">
緊急投下スレ&gt;&gt;252氏によるイメージ</a></p>
<hr /><p><br /><br /><br /><br />
55:お勉強な保守を致す…<br /><br />
「では、前回の小テストの結果を返しますね。満点は真紅ちゃんと…あら、薔薇水晶ちゃんもね」<br /><br />
「えへへ。ブイ」<br />
「真紅はともかく…薔薇水晶、お前、歴史―暗記モノは弱かったんじゃなかったっけ?」<br />
「うん、苦手。でも、対策を見つけた」<br />
「対策…ねぇ。出来ごとの『意義』を考えるとか、人物の思惑を計るとか?」<br />
「うぅん、そーゆー難しい事じゃない。とっても簡単」<br />
「語呂合わせとかか?いや、それも結局暗記か…」<br />
「正解はぁ、――『それに興味を持つ』事」<br />
「………至極まっとうな答えだな。ちょっと驚いた」<br />
「ふふん、ばらしーは賢いのだー」<br />
「まぁ、実際、満点だしな。―因みに、興味を持つって、どうやって?」<br />
「私の場合、漫画とか」<br />
「……うん、納得した。僕もちっちゃい頃は図書館でよく読んでたけど…」<br />
「ゲームとか、アニメとか」<br />
「あぁわかったから。―でも、意外だな。そういう歴史物って難しいイメージがあるんだけど」<br />
「―私も、そう思っていたのだわ」<br />
「真紅?……なんか、妙に疲れてないか?」<br />
「へろー。ど?聖徳太子の漫画、面白かった?」<br />
「疲れて…と言われれば、そうね。―面白かったけど…ちょっと…是は…」<br />
「………?お前が今更、あぁいう歴史学習漫画読まなくても…」<br />
「…………………はい、読んでみなさい」<br />
「あ、あぁ。――――――――……………………えーと」<br />
「確かに話的には凄く面白いんだけど……厩戸皇子(聖徳太子)が同性愛者に描かれてるのよ…」<br />
「是は…確かに僕もどうかと思う…。いや、面白そうではあるけど…」<br />
「ふふ、そーゆーのだけじゃない。源義経は美少女でー、新撰組はガトツゼェロスターイル」<br />
「何というか…目的―興味を持つ事はいい事なのだけれど――」<br />
「――手段が物凄くピンポイント過ぎて、真似できないよなぁ……」</p>
<p> </p>
<hr /><p><br /><br />
56:せんせいのお時間:4限目(―痛い保守を致すんだよ―)<br /><br />
「えぇい、最近の若造はルナ先生もしらんのか!あの様式美(パターン)を美しいと感じんのか!<br />
『らめぇぇ』や『悔しい…でも(ry』なんぞという―」<br />
「先生、既に数週間前の保守なんて誰も覚えていません」<br />
「それもそうだな。で、今回は――」<br />
「表現しやすいキャラ、しにくいキャラで。何度か雑談所でも話が出ていますが」<br />
「知るかそんなもん」<br />
「み、身も蓋もない……」<br />
「しかしなぁ、個人差があり過ぎる。―まぁ、汎用性と言う意味なら、君は高いだろうが…」<br />
「…ボクですか?」<br />
「うむ。原作だと繊細多感、アニメだと突っ込み役だからな。シリアスもコメディも投影しやすい」<br />
「はぁ…自分ではよく分りませんが…」<br />
「また、露出―出番が多い者は情報が多いだけ、書き易くなるだろう」<br />
「翠星石や真紅、水銀燈とか…ですか?」<br />
「そうだな。―例外的に、雛苺君や金糸雀君は少々辛いか」<br />
「……?どうしてです?雛苺なんて出番も早いし特徴も多いと思うんですが…」<br />
「余りにも幼い。書き手の年齢層はわからんが…原作の彼女の精神年齢と同じ者はそうおらんだろう」<br />
「はぁ、まぁそりゃ。金糸雀も同じく…ですか」<br />
「一人称が多い長編だと、顕著に表れているんではないかな」<br />
「心情が表現しにくい…んですね」<br />
「そう言う事だな。―ただ、多く書かれている者は、それだけネタが被り易い恐怖があるが…」<br />
「ちゃんとまとめられているモノを読みましょう」<br />
「はっはっは。―それと、出番が少ない者でも突出した点があると書かれやすいだろう」<br />
「……空っとぼけましたね。―えーと……草笛先生とか…?」<br />
「その通り。是は是で、それ以外のネタに走りにくい…という難点もあるが」<br />
「あ、翠星石とかもそうですよね。あの子の魅力はツンデレだけじゃないのに……!」<br />
「拳を固めるな。―以上の様に考えると、私の出てくる短編が少ないのも納得出来ると言う訳だ」<br />
「強引な結び…。出てきたとしても、妙な属性つきだったり」(是とか)<br />
「うん。ま、原作でも、『もうろく変態おじじ』なんだけどねー(T△)ノ」</p>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<p>57:乙女な保守を致すのだわ<br /><br />
「……なぁ、真紅。もっかい確認するけど―今日、僕が行こうとしている所、わかってるか?」<br />
「電気屋にレンタルショップ、それから、裁縫の小物店…でしょ」<br />
「うん、ipodのイヤホンと洋画のサントラ、紅の糸が目的なんだけど…」<br />
「―ちゃんと、自分で出歩いて買う様になったのね」<br />
「……うっさい。手にとって見ないと、わからない所もあるからな」<br />
「ふふ、いい子ね」<br />
「ったく、一言多いんだよ。―でも、全くお前の趣味外のものばっかりなんだけど…」<br />
「貴方は繰り言が多いわ。―わかっていて、付いていくと言っているのよ」<br />
「まぁ、そう言うんならいいけど。―後で文句言っても知らないからな」<br /><br />
「ぅ、やっぱりこっちの方がいいかも…あぁ、だけど、高い…!」<br />
「……どれも同じにしか見えないけれど」<br /><br />
「げ…あるにはあったけど…誰かに借りられ中…。はぁぁ……」<br />
「また来ればいいじゃない。レンタルなんて長くても一週間なんだし」<br /><br />
「へぇ…此処は掘り出し物が多いかも。牡丹や深緋もあるのか…買おうかなぁ」<br />
「『赤』系統一つとっても、こんなにあるのね。―コキヒなんて、誰もわからないと思うけど」<br /><br />
「――結局、色々買ったみたいね。何か持ちましょうか?」<br />
「あのなぁ…一応、男なんだからそんな事させられないって」<br />
「そ。別に私は気にしないけれど」<br />
「僕が気にする。―でも、なぁ。……やっぱり、つまんなかっただろ…?」<br />
「ふぅ……まだ気にしていたのね。―素敵な時間だったわよ」<br />
「そう言ってくれるのは嬉しいけどさ。お前は何にも買ってないし…それに―」<br />
「だけど、色んな表情の貴方を一人占め出来た。―それが、私にとっては素敵なモノ」<br />
「それに………――え?」<br />
「――なんでもないわ。ただ、少し疲れたから、紅茶でも飲みに行きましょう。ね?」</p>
<hr /><p><br /><br />
58: 乙女な保守を致すなの<br /><br />
「えへへぇ、見て見てっ、今日はちょっと違った格好なの♪」<br />
「へぇ…って、こりゃまた…違ったって言うか服に着られてるって言うか…」<br />
「………それだけ?」<br />
「………OK、柏葉師兄。まずは竹刀を袋に戻してくれ」<br />
「貴方が悪い。―こんなに、普段と違って、こう背伸びした感じの雛苺を見て、それだけなんて…」<br />
「うゆぅ…巴も言ってる事、あんまり変わんないの……」<br />
「……いや、それで止めといてくれ」<br />
「――リクエストされてるから。蛹から蝶に変わる様に、初めは着なれない格好だけど、段々と―」<br />
「頼むから止めれ。柏葉もお前の事になると、草笛先生とあんまり変わらなくなるなぁ…」<br />
「えへへ、ちょっと恥ずかしいけど、でも、嬉しいのよ?」<br />
「……そか。しかしまぁ…スーツなんてよく持ってたな」<br />
「巴に借りたのよ。……うに、ちょっとお胸が苦しいの」<br />
「………いや、ほら、成長期なんだから、是からまだまだ大きくなるって!」<br />
「必死のフォローが腹立たしいのだけれど。―大体、それは草笛先生からの借り物よ」<br />
「あぁ、なるほど。柏葉にも採寸が合わないと思ったんだ」<br />
「袖がぶかぶかなのよ。―ね、ね、それで?それでっ?」<br />
「―髪だって、普段のロールしたものを少し降ろしているんだから…なにかあるよね?」<br />
「あぁ、うん、まぁ……可愛いけどさ」<br />
「うゅ~、違うのっ違うのよっ!」<br />
「ち、違うって言われたって、僕的には――」<br />
「最大の賛辞だよね。素直に感想を言うのって。―だけど……」<br />
「あぁもぉ、そんなに頬を膨らませるなって!―…柏葉、『だけど』…?」<br />
「―雛苺も、私達と同年代なんだから、『可愛い』ばかりは不満を持つわよ」<br />
「え……?―――あ…………そう言う事か」<br />
「ヒナだって『淑女』なのよ。そりゃ、御飯事もお絵描きもうにゅーも大好きだけど…」<br />
「あー、もぅ、機嫌直してくれ。訂正するから―その………綺麗、だかr――」<br />
「うゆ、ほんとっほんとっ?―えへへへぇ、ありがとなのぉっ♪」<br />
「わ、抱きついてくるなっ。―ストレートにそう言ってほしいなら、まずはリボンを外せよな…」<br />
「ふふ、満更でもなさそうだけど?―良かったね、雛苺…」<br /><br /><a href="http://rozen-thread.org/34X8eoLSf1Ekdl0TC4Zxq2uNFNF5XaLH23GLa6jnth5YrclkUKCgKbkjuapO3/news4vip-1195142790-41-1">
【早めに】【寝なさい】&gt;&gt;41様によるイメージ<br /></a>―けしからん雛―</p>
<hr /><p> <br /><br />
59:危ない保守を致しますわ<br /><br />
「お肉にお野菜、お魚、お米、果物……後は……」<br />
「いや、スーパーに売ってる物、ほぼ網羅してるんじゃないか…?」<br />
「あら、まだお餅もパンも麺類も籠に入れてませんわよ?」<br />
「炭水化物は米だけで十分だと思う…。って言うか、もう二籠満杯なんだけど」<br />
「『まだ』二籠なんですのね。まだまだ買いでがありそうですわ♪」<br />
「許容範囲が違い過ぎる…。しかも、是、何日もつんだ?」<br />
「ん…そうですわね…結構保ちますわよ。新鮮なのが一番ですけれど…」<br />
「あ、そっちじゃなくて。この量を何日で消費するのかなぁって。……まさか、今日だけで?」<br />
「し、失礼ですわ!流石にワタクシでもこんなに一遍に食べようとは思いませんわよ」<br />
「そうなのか?いや、普段の雪華綺晶のイメージだと、こうペロリと…」<br />
「……ワタクシのイメージ、一度ちゃんとお伺いしてみたいですわね」<br />
「『俺の胃袋は宇宙だ』とかそんな」<br />
「また微妙な古さのネタを…。―滅多に大きなスーパーには来ませんから、買いだめしていますの」<br />
「とは言え、多すぎる気がするんだけどなぁ…」<br />
「――あら、お菓子や乳製品も新作が豊富ですわ♪」<br />
「多すぎるよなぁ。―ん、あぁ、つい最近、翠星石や水銀燈が泣いてたぞ。色々な意味で」<br />
「あら、どうしてですの?」<br />
「翠曰く『財布は痩せて私は太る』」<br />
「あらあら…まぁ、最近のチョコレート系お菓子は高額化・高カロリー化していますものね」<br />
「銀曰く『乳酸菌のスペースが減ってきてる』」<br />
「其方ですか。黒薔薇様、好きですものねぇ」<br />
「よく腹壊さないもんだ。―で、どっちか入れるのか?」<br />
「勿論、どちらも入れますわ。―さしあたり、乳製品の方を…あら、値引きされてる物が…」<br />
「もう何も言わん…。―期限早いもんなぁ。一週間保たないんじゃないか?」<br />
「モノによりますわ。とりあえず、通常品と値引き品と一つずつ」<br />
「へ?どっちかだけならわかるんだけど…なんで同じものを二つ?」<br />
「味が極微小に違いますもの。期限間近なモノは少し酸味があるんですのよ?」<br />
「いや、えーと……それだけの為に?―愚問だったな。腹、気をつけろよ……」 </p>
<hr /><p> <br />
60:ほのかな保守を致すのだわ</p>
<p>「うぁ……寒い寒いと思っていたら………」<br />
「――あら、初雪。今年は早いわね」<br />
「ちくしょう、そこそこ温かい格好しているから余裕だな」<br />
「冷えは女性の大敵だもの。用心しているのは当然でしょう?」<br />
「―とは言え、早すぎないか?」<br />
「―そうね、記録的、かもしれないわ」<br />
「北海道じゃあるまいし、せめて12月に入ってからにして欲しい…」<br />
「誰に頼んでるのよ。―ねぇ、初雪の別の言い方、知ってる?」<br />
「別の?……いや、思いつかないけど……?」<br />
「英国では、『ヴァージンキッス』って言われてるのよ」<br />
「そりゃまた、風情のあるあだ名だな。でも、なんで?」<br />
「始めて降る雪だもの…一瞬で、儚く切ない――」<br />
「…………………………」<br />
「―頬に軽く触れただけで、消えてしまう。だから――」<br />
「『初めての口付け』…ね。洒落た名前でちょっと抵抗あるけど…綺麗な言い方だな」<br />
「そ、ありがと」<br />
「――『ありがと』?………と、ちょっと動くなよ」<br />
「えぇ、だって、う………――え?」<br />
「『頬に軽く触れて消える』前に――貰うから、な(ちゅ」<br />
「……………………………」<br />
「……澄まし顔で固まるな。照れるから。――だって、の続きは?」<br />
「……いいえ、なんでもないわ。―所で、まだ寒い?」<br />
「そりゃまぁ、別に陽がさした訳でもないし…」<br />
「――そ。じゃあ、私のマフラー、使いなさい。――私は、暖まったから」</p>
<p>(注1:雪が降ったから思いついた訳ではなく、書いた生物の地域が体感的に寒かったから書いた)<br />
(注2:「だって」の続きは「嘘だもの」―そんな言い方はありません。真紅の思い付きです)</p>