<p>大人な保守を致すわよっ<br> <br> 「―――――――――――ふぅ…………」<br> 「―数年ぶりの喫煙ですか、槐先生?」<br> 「む……――草笛先生か。なに、禁煙する理由も薄れてきたのでな」<br> 「煙草なんて百害あって一利なし、吸わないに越した事はないですよ?」<br> 「……何度聞かされた事か。しかしまぁ、偶にはよかろう」<br> 「『偶に』の意味がわかりません。―薄れてきた『理由』って?」<br> 「…………アレも、私以外からの愛を知る様になってきたからな」<br> 「『アレ』…薔薇水晶ちゃん、…しかいませんね。―嫌われてもよいと?」<br> 「違うな。…今はまだ、アレの心のウェイトでは私もそこそこに重きを受けているだろう。多分」<br> 「微妙に自信がなさそうな。……それで?」<br> 「自分から作っているのさ。…ウェイトが軽くなった時のいい訳を」<br> 「………駄目な大人ですね」<br> 「駄目だから、大人なのさ。――そう言えば、君も吸っていたのではないか?」<br> <br> 「誰の所為だと思ってるんですか」<br> 「……………ふむ。……そうだったのか」<br> <br> 「子どもでしたから。きつかったんですよ、初っ端からホープって」<br> 「最初はマイセンとか……いや、真似していたのなら、そうなるか」<br> 「えぇ。他の子が吸ってたピアニシモとかルーシアには目もくれず、です」<br> 「………悪い事をした、か?」<br> 「御冗談を。私がしたかったから、そうしたんです」<br> 「………君は、根の部分では随分と真っ当な大人になったものだな」<br> 「茎の部分で曲がってると言いたそうですね。―構いやしませんが」<br> 「くく……本当に、真っ当で真っすぐ…だな。―……風も強くなってきた。下に降りよう」<br> 「火、ちゃんと消してくださいね?――…くすぶると、いい事はありませんから」<br> <br> (詰め込み過ぎた。いろいろ…orz)</p> <p> </p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p><br> 蕩ける保守を致すわよぅ3<br> <br> 「はぅ~やっぱりおコタに蜜柑は最高ねぇ」<br> 「いや、幾らなんでも早すぎるだろ…嫌いじゃないけどさ」<br> 「でもでも、気温も大分下がってきたし、うかうかしてると凍死しちゃうわよぅ?」<br> 「北海道でもあるまいし、してたまるか!」<br> 「それに、冷えは女性の大敵なのよ!肩凝りや便秘症も酷くなっちゃうし」<br> 「人の話を聞け…。まぁ、それはお気の毒さまだけど…」<br> 「あ、でも、お姉ちゃんは賢いから、ちゃんと温かい格好をしてるのよ、ほら?」<br> 「……うん、わかったから、誇らしげに上着をめくってババシャツを見せるな」<br> 「上だけじゃなくて下も……――」<br> 「だぁぁ、毛糸かなんだかしらんがズボンを降ろそうとするなぁ!」<br> 「えぇぇ、ちゃんと温かいだけじゃなくて可愛いのにぃ」<br> 「そーいう問題じゃありません。………はぁ……姉ちゃんと話してると、どっと疲れる」<br> 「それじゃあ、はいっ。疲れた時には甘い物がいいのよぅ―あーん」<br> 「――ん。もぐもぐ。……………いや、もう、いいけど………食べちゃったし」<br> 「あむあむ。―美味しくなかった?」<br> 「いや、ちょっと酸っぱかったけど、美味かったよ」<br> 「んー、じゃあ、――甘ぁい食べ方、しましょうか?」<br> 「え?………え、え、そ、それは幾らなんでも、その、姉と弟だし、って言うか―!」<br> 「確か練乳とかトッピングチョコがあったはずだから、たっぷり塗って…どうしたの?」<br> 「………別に。とっとと取りに行けばいいだろ」<br> 「あぅぅ、なんだか冷たいぃ。―お姉ちゃん、ちょっと行ってくるね」<br> 「―はぁ…、何考えてるんだ、僕は。…変に熱くなっちゃったから、炬燵の電源落としとこう…」<br> 「―えへへぇ、おまたせぇ。バニラビーンズもあったわよぅ」<br> 「蜜柑に合うか…?―と、炬燵、切ったからな」<br> 「えぇ!?お姉ちゃん、凍えちゃうわよぅ。――あ、そうだっ」<br> 「だから、いちいち大袈裟―って、こら、ひっつくな!?」<br> 「―んぅ、こうやって、くっついていればポカポカよぅ―ね?」<br> 「…………ったく、さっさと、弟離れしろよ。――人の事は、言えないけどさ……」</p> <p> </p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p><br> 甘ぁい保守を致すわぁ<br> <br> 「また、こんな所に上がってきて…好きだな、屋上」<br> 「はぁい、こんにちはぁ。―窮屈な場所で、唯一羽を休める場所だものぉ」<br> 「窮屈、ね。そう言う奴って、そもそも学校に来ないのも多いんだけどな」<br> 「あら、勘違いしないで。此処は嫌いじゃないわぁ―ただ、時々…」<br> 「―窮屈に感じるっ…て?なんだか、鳥みたいだな、お前。学校は鳥籠ってか」<br> 「ふふ、言いえて妙ねぇ―此処にいると、本当に自分に羽みたいなのがある様に感じるのよぉ」<br> 「……そーゆー事言うと、二度と此処に来させないぞ」<br> 「あん、飛び降りるとかそういう話じゃないわよぉ。ただ、なんとなくの…空想ね」<br> 「一応……隣にいておくぞ。―羽、ねぇ…」<br> 「いいわよぉ、ずっとでも。―そ、羽」<br> 「―水銀燈には、羽ってより翼の方が似合う気がするけどな」<br> 「……………ふぅん、自分でもそっちの方がしっくりくる気がするわぁ」<br> 「――――綺麗、かもな」<br> 「………翼のある私が?―ふふ、ありがとぉ。だけど、私が空想している羽…翼は、真っ黒よぉ」<br> 「真黒な、翼……」<br> 「そう、ただただ、黒い黒い翼。―可笑しいわよねぇ…普通、翼って言ったら白なのに」<br> 「可笑しい…筈なんだけどな。―僕が想像したのも、黒い翼だった」<br> 「……そ、奇遇ね。でも、それなら、普通は感想も『不気味』とか『怖い』とかにならないのぉ?」<br> 「うん……――綺麗だと、思った」<br> 「………………。――さっき、『学校が鳥籠』って言ってたわよねぇ?」<br> 「え?―あぁ、うん。お前が鳥なら…って」<br> 「私もそう思ってたけど、少し違うみたいねぇ」<br> 「……?なにがどう、違うんだ?」<br> 「鳥籠は学校じゃないみたい。――だって、私を此処に閉じ込めているのは―あなただもの…(ちゅ」<br> 「ん……――――そのつもりはないけど、お返ししたら、もっと閉じ込める事になるのかな?」<br> 「ふふ、窮屈なのも嫌いじゃないわ。―だから、鳥籠の鳥に……餌を頂戴な。あ・な・た」<br> <br> <br> 【そっと】【寄りかかる】<a href= "http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss?cmd=upload&act=open&pageid=3229&file=%E6%B0%B4%E9%8A%80%E7%87%8801.jpg">>>55氏によるイメージ</a><br> ―僕が想像したのも、黒い翼だった。</p> <p> </p> <p> </p> <hr> <p> </p> <p><br> 乙女な保守を致すかしら<br> <br> 「―はっ、はっ、はっ…………!」<br> 「―くっそ、寝坊し過ぎた!急げ急げ急げ………!」<br> 「―拙いわ、もう時間が―――!?」<br> 「―なんとか間に合―――――!?」<br> ―――どっし~んっ☆―――<br> 「……あいたた……-ご、ごめんなさい!―って……」<br> 「……痛ぅ……あ………、いや、その、こっちも急いでたから……」<br> 「―とと、それじゃ、早く行きましょう!」<br> 「え?あ、うん、そうだな………?」――――<br> 「――――って言う事があってですね」<br> 「あっはっは、どっちかがパンを咥えてたら面白かったわね」<br> 「いや、そんなベタな。―あ、でも、…草笛先生。今日、転校生が来るとか言う話は?」<br> 「それはそれでベタな展開ねぇ。残念ながら、そーいう話は聞いてないわよ」<br> 「そうなんですか?スカーフのラインが同学年で、知らない娘だったから、てっきり…」<br> 「――ふぅむ。どんな娘だったの?センセに言ってみ?」<br> 「髪が…肩くらいの長さで、ちょっとだけ癖っ毛でくるんって」<br> 「セミロングでカールしてたっぽかったと」<br> 「はい。なんか…落ち着いてるのに子どもッぽいって言うか、ちっさいのに大人っぽいって言うか」<br> 「うぅん、微妙な言い方だね。ま、褒めてるんだろうけど」<br> 「茶化さないで下さいよ。―また、会えるかなぁ…」<br> 「君がそんな事言うなんて、珍しいねぇ。―ん、誰かノックしてる?」<br> 「あぃ――失礼するかしら。みっちゃん、ちょっとお願いが…あら?」<br> 「―と、金糸雀か。……なんか、髪がえらい事になってるぞ…」<br> 「うぐ…朝にセットしてる暇がなくて、ぱっとしたんだけど…やっぱり一人じゃ上手くできなくて…」<br> 「あはは、夜更かしした所為で起きれなかったもんねぇ。―でも、偶には素のままでいいかも、ね?」<br> 「うぅぅ…いつものでないと落ち着かないわ。―あ、それと。今朝はごめんなさいだったのかしら」<br> 「あ、いや、別に…………え?え、え、えぇぇぇぇぇぇ!?」<br> 「――『乙女』は化粧一つで『化ける』からねぇ。髪型一つで、印象だって変えれるわよ。あっはっは」<br> <br> <br> 【命短し】【恋せよ乙女】<a href= "http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss?cmd=upload&act=open&pageid=3229&file=%E9%87%91%E7%B3%B8%E9%9B%8001.jpg">>>81氏によるイメージ</a></p>