<p>《薔薇国志》<br> <br> <br> ――おやおや、よく斯様な所に来られましたな。<br> 此処は実と虚が入り混じる場所、時間が意味を成さない地点。<br> その前に?………ふむ、お前は誰だ、と。<br> いやいや、これは失敬――私は此処の案内人、もしくは門番、または渡し守。<br> 早い話が暇人ですな。はっはっは。<br> おぉ、人の話の途中で振り向くとは忙しないお人だ。<br> しかし、しかし、振り向かれようと、歩こうと、走ろうと、出られませぬぞ。<br> 此処は気紛れな空間、出ようと思っても出れず、出たくない時には放り出される。<br> ………まぁ。繋がる世界の幾人かのお嬢様方は、進退自由で騒がしい事この上ないのですが。<br> ――おや、落ち着かれましたか。<br> 私が言ったとおり、出られないでしょう?<br> その時が来るまで、宜しければ、どうでしょう――違う世界を覗くのは。<br> 今、見られるのは………ふむ、七体の少女達が支え合い傷つけ合う物語などはどうです?<br> はは………お気に召しませんか。<br> では、此方の物語はいかがですかな。<br> 他の大方の世界では―恐らく、貴方の世界でも―『三国志』と呼ばれる時代。<br> しかし、此方の世界では………どうやら、様子が違うようですな。<br> 興るのは三国か、四国か、はたまた五国か。<br> この時点では判別付きませ故、物語の異分子である彼女達に肖って、こう名付けましょうか。<br> <br> ――――『薔薇国志』、と。<br> <br> ………『曖昧』ですか。いやはや、是は手厳しい。<br> ですがこの物語、紡がれるのは是からですので、浅学な道化に先がわかる訳もなく。<br> ――おぉ、どうやら『異分子』達が動きだす様ですぞ。<br> ささ、紅茶と茶菓子をご用意致しますので、共に眺めようではないですか。<br> <br> <br> <a href= "http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/3441.html">第一章 ―少年は少女と出会い、契約を行う―</a><br> <br> <a href= "http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/3442.html">第一章之間<br></a><br> <a href= "http://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/3460.html">第一章 第二節 ―少女は拳を唸らせ 少年は胸を高鳴らせる―<br></a><br> 第一章之間乃二<br> <br> <br> <br> (このお話は、「三国志」(PS2)を舞台にしたプレリプレイ―仮想戦記です。<br> なのですが、三国志に触れた事がない方にも読んで頂けるよう、努力いたします。<br> ………まぁ、書いているナマモノ自体がど素人なので、自然に安易な文章になるかと思われますが。<br> なお、架空戦記につき、史実とは違った流れになると思われますが、<br> 三国志をお知りの方はそう言う処も楽しんで頂けると幸いです)</p>