<p> ある日、一人で散歩してたときの事だ。人通りの少ない小道で、カウボーイハットを被った紙芝居屋のオヤジが蹲って苦しんでた。<br /> 近所で野垂れ死にされるのも嫌なので介抱したら、えらく感謝された。おまけに別れ際、3つの願いが叶うアイテムをくれたし。<br /> 昔話じゃあるまいし、もの凄く胡散臭いんだけど・・・物は試しだ。騙されたと思って一つ願ってみようか。<br /><br /> 翌日、願いが叶っていた。僕は一夜にして身長2mの大男に変わってた。<br /> 学校に行くとクラス全員が僕を見上げて驚嘆の声をあげた。付いた綽名が桜田ファミリア。世界遺産じゃないっつーの。<br /> だけど実にいい気分だ。僕はその晩、二つ目の願いをした。<br /> <br /> 更に翌日、願いが叶っていた。僕のド近眼は見事に治ってた。これで鬱陶しいメガネともオサラバできる。<br /> 学校に行くと、なんか周囲の視線が刺さってきて痛かった。綽名がドーピングコンソメ桜田に変わった。なんだっつーの。<br /> 女子からは今まで向けられた覚えのない熱っぽい眼差し-<br /> 男子からは、やっぱり今まで向けられた経験のない妬ましげな白眼-<br /> なんか居心地が悪くて落ち着かない。僕はその晩、三つ目の願いをした。<br /><br /> もいっちょ翌日、願いが叶っていた。ぼやける視界。低い目線。すっかり元通りの僕が居た。<br /> 学校に行くと誰もが僕の急変に驚き、それと同時に安堵してる様子だった。呼び方も、ただの桜田に戻った。<br /> やっぱり僕は今のままがいいのかな?自分じゃあまり気に入ってないんだけど・・・。<br /> <br /> HR前の数分、隣の席の真紅が僕を見て柔らかく笑った。<br /> 「たった二日で元に戻ってしまったのね。残念かしら?」<br /> 「安心してるよ。あのままだったら僕の頭がおかしくなってたかもしれないし」<br /> 「そうね。変化が必ずしも良い事とは限らないものね」<br /> 「真紅はどうなんだよ。僕が元に戻ったのが残念か?」<br /> 「・・・いいえ。貴方には悪いのだけれど、これで良かったと思っているわ。こうして同じ目線で話が出来るもの。<br /> それに・・・・・・誰かに取られる心配をしなくて済むし」<br /> 「え?今なんて-」<br /> <br /> 聞き返した僕の声は、教室のドアが開かれる音に掻き消された。もう先生が来ちゃったか。<br /> まあ取り敢えず・・・僕は今のままで良いみたいだ。<br /> 僕はその晩、ゆっくり大人になっていこうと考えながら眠りに就いた。何故だか紙芝居屋のオヤジの夢を見た。</p> <p><br /></p> <hr /><br /> オリゼー「む?ここは…」<br /> クリソゲノム「ローゼンの女の子スレだな」<br /> オリゼー「おいおい、それじゃ僕達スレチじゃないか」<br /> ???「そんな事ないよ」<br /> クリソゲノム「ん、君は?」<br /> 乳酸菌「やあ!僕乳酸菌。実はこのスレでも活躍してるのさ」<br /> オリゼー「はー、やるね。で、これからでうするの?」<br /> 乳酸菌「…考えてなかった」<br /> クリソゲノム「おいお~い」<br /> トリコイデス「おや、どうしたんだい君達?」<br /> オリゼー「あ、黒カビだ。てか君達凄い数だね」<br /> トリコイデス「ああ。本来この中は醸しにくいのだが、長らく放置されていたおかげで見事に醸しまくれたよ」<br /> クリソゲノム「ところでココは何処だい?」<br /> 乳酸菌「ヤクルトの中。…て、あれ?御主人様?」<br /> オリゼー「綺麗な人だなー。誰?」<br /> 乳酸菌「僕達を有名にしてくれた人なんだ!それにしても御主人様、こっちを睨んで何を…はっ!まさか!」<br /> クリソゲノム「飲む気だな」<br /> 乳酸菌「だ、駄目だ御主人様!このヤクルトはもう…!」<br /> トリコイデス「よし、もうひと働きするか…醸すぞ皆~!」<br /> 乳酸菌「御主人様~!!」<br /> オリゼー「あーかわいそうに」<br /> トリコイデス「終わったな…」<br /> 5分後…<br /> 銀「はうぅ!?」<br /><br /> うん、なんか血迷った。寝るか。