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~St. Valentine's Day~ - (2006/02/28 (火) 19:13:55) のソース

<p>~St. Valentine's Day~</p>
<p>今日は2月14日のバレンタインデー<br>
男性も女性も自分の好きなへとの一大イベント<br>
この日はクリスマスの次にそんな人達にとっては大事な日なのかもしれない</p>
<p>
JUNはまた今日この日が来てしまったと思っていた。そう、僕はこの日が嫌いだった</p>
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JUNはそんな気分で重い足取りを運び教室へと上がっていった<br>

そして自分の席に着き机の中を確認した<br>
そこには所狭しと箱という箱JUNは大きくため息をつき、その数を確認した<br>

J「(1つ・・2つ・・3つ・・)」<br>
そしてJUNはまたガクリと落ち込んだ。やっぱり予測の数より少ない・・・今年もまたこの前の様になるのかとJUNは不安に身を強張らせた<br>

J「(去年は確か・・・そうだ、真紅と水銀燈がどちらのが豪華との事で喧嘩を初めたんだった・・雛苺は渡す前に無くしてオロオロと泣きそうだったかな・・・薔薇水晶はチョコの形をしたカレールーをくれたんだっけ・・・」<br>

そんな1年前の事を思い出していた。この日は彼女達は普段と全然違い、いつも以上に優しく接してくる。それがとてつもなく怖い<br>

普段優しい蒼星石や巴とかは安心できるが水銀燈・真紅の二人が優しくなると確実に裏があるんじゃないかと思うぐらいの態度の変わり具合だ。猫を何十に被っているんだろうとそんな事を思っていた<br>

多分この3つのチョコは巴・蒼星石・カナリアが入れてくれたんだと思う。あの3人は自分に直接渡そうとはせず、毎年こうやって机の中に入れておいてくれている<br>

J「(あの三人には後でお礼を言っておかないとな・・・)」<br>

そんな事を思っているうちに普段と同じ学校生活が始まった。普段と同じなのは束の間の間であった・・・</p>
<p>昼休みに入り、JUNの嫌な予想は的中をした<br>
水銀燈と真紅はどちらのチョコが大きいかとの事で互いに持っていたチョコを武器に、お互い死闘を始めている<br>

今年事はと雛苺はチョコレートを持っていた。そう、それは過去形。雛苺は僕にくれる前に自分で食べてしまい、おろおろと泣き出しそうになっている<br>

薔薇水晶はと言うと・・・何を勘違いしたのであろうか柏餅を僕にプレゼントしてきた<br>

J「(はぁ・・・今年も滅茶苦茶な一日だよ・・・)」<br>
などと気分を滅入らせていたが一つ重大な事を忘れていた<br>

J「あ、そういえば翠星石からもらってなかったような・・・」<br>

そう思った時には昼休みの終了の時刻を告げるチャイムが鳴り響いていた<br>

授業中、暇であったJUNはもう一度チョコの数を数えていた<br>

J「(これが多分巴・・・こっちのちょっと小さなのは蒼星石・・この何か付属品が着いてそうなのがカナリア・・・ん?」<br>

机の奥には小さなブロックチョコが4つ<br>
J「(なんだこりゃ・・・?)」<br>
どうみてもそれは徳用など沢山入っているブロックチョコが4つ・・・<br>

渡してくれた人数からしてそれは多分翠星石には違いないがあまりにもこれは小馬鹿にしていた<br>

J「(まぁ、何か問題とか起こさないし貰えただけでもいいかな)」<br>

そう思いながらそのブロックチョコを自分のポケットの中に入れた</p>
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そして授業などが全て終わり、またいつもと同じ生活に戻るはずだった<br>

翠星石「ちょっと!JUN!チョコはちゃんと受け取ったですかぁ?」<br>

誰も居ない教室に彼女は声を張り上げJUNに聞いてきた<br>
J「あ~、あのブロックチョコか。まぁありがとよ、あんなもんでも礼ぐらいは言ってやるよ」<br>

一言放ちながらもJUNは翠星石の横を通り過ぎようとしていた<br>

翠星石「そ、それだけなんですかぁ!?」<br>
彼女の声は強く、教室を響かせた<br>
翠星石「そうですか・・・やっぱり翠星石は別に期待も何もしてねぇです・・・っ!」<br>

そう言うと翠星石はJUNを振り返りもせずに走って行った<br>
J「なんだよ・・・全然意味わからないよ・・・」<br>
JUNはそんな事を思いながらも先ほどの彼女の事を思い出した<br>

擦れ違う時には彼女は泣いていた</p>
<p>
自分が何をしたのかも分からなかったが翠星石を探し始めた<br>

探し疲れ、ポケットに入れておいたチョコを食べようとしたときハッとJUNは気づいた<br>

J「僕は本当に馬鹿だ・・・」<br>
そう気づき、JUNはそれを仕舞い直し翠星石を探し続けた<br>
そして屋上に彼女が居た。肩をわなわなとさせながら彼女は泣いている<br>

J「翠星石・・・本当にごめん、僕が馬鹿だった。全然これに気づかなかった」<br>

そう言いながらJUNは翠星石をぎゅっと抱きしめた<br>
翠星石「今年こそはって・・・言葉に出来ないから・・・チョコに託したんですぅ・・・」<br>

そう涙声ながらも彼女は必死に僕に伝えてきた<br>
J「すぐに気づかなくてごめん・・・けど今までもらってきたチョコレートで一番これが好きだ・・」<br>

彼らは夕日に当たりながらも二人の体温を確かに感じながら今日を忘れないようにと思っていた</p>
<p>
そう、そのブロックチョコはアルファベット1文字のチョコ<br>

簡単な文字だけど並べればその人の気持ちを綴っていた<br>
「L」「O」「V」「E」</p>
<p>~END~</p>