ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki内検索 / 「―水無月の頃 その3―」で検索した結果

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  • 第三十話 Rozen Maiden
    「超機動戦記ローゼンガンダム 第三十話 Rozen Maiden」     「今日は随分いい天気なのだわ・・・皮肉なものね。」 JUMは真紅に連れられて甲板に来ていた。まだ明朝。太陽の位置は低い。 「ま、座りなさい。」 「ああ、そうするよ。」 JUMが腰を下ろす。真紅はそのJUMの背中にもたれかかって、背中合わせで座った。 「JUM・・・貴方随分大きくなったわね・・・昔はこうして座っても私のほうが大きかったのだわ。」 「う・・・お前よくそんな昔の事覚えてるよなぁ・・・」 幼馴染として生まれ、今日までずっと一緒に育って、生きてきた二人。 「覚えてるわ・・・貴方との事ならなんだって・・・貴方の事で知らない事はないのだわ。」 真紅の金髪がサラサラと風に流される。 「JUM、貴方小さい頃は泣き虫だったわよね・・・ガキ大将によく苛められてたのだわ。」 「あー、そうですね。それでそのガキ大将を思いっ...
  • ―/ライラック6
     暦の上ではもう既に夏は終わっていると言うのに、この暑さは一体何処からやってくる のだろうかと……長月の時期になれば毎年思ったりするのだ。  『月が出ている時間が長いから、長月だ』なんて古文の先生が言ってたっけなあ。名称 暗記なんて所詮こじつけにすぎないものだけれど、この覚え方は結構好きだったりする。 本当に月の出ている時間が長いのかは知らないが、秋は月が綺麗な季節なんてことは周知 の事実だったりするから。  今、壁にかけられたカレンダーは九月の頁になっている。部屋の灯りを消しているので 視認することは出来ない。  ただ、月明かりが。街から少し離れるだけで、こんなにも月のひかりが眩しく感じられ るだなんて、ここにくるまで知らなかった。  月が、こんなに綺麗だなんて。多分、当たり前のことを、僕は知らなかった。  知らないという事実は、……知ることによって覆される。当たり前だ。このふたつは、...
  • 第二十九話 眠れぬ夜
    「超機動戦記ローゼンガンダム 第二十九話 眠れぬ夜」     時間は既に22時を回っていた。JUMはどうにも寝付けずに艦内を歩いていた。 この3日間はひたすらに機械と睨めっこしていた。 損傷した各部を直し、残り5機となった切り札であるローゼンガンダムを最終調整し、 万全の準備を整えてきた。昼過ぎに準備が完了したメイデンは他のレジスタンスの 応援に入り、夕方には全レジスタンスの準備が完了、明日の作戦開始時刻まで ゆっくり休憩となっていたのである。 「喉かわいたな・・・食堂行くか・・・」 JUMが食堂に向かって歩いていく。カツンカツンとJUMの足音だけが廊下に響き渡っていた。 JUMは歩きながら物思いにふける。思えばこの10年は様々なことがあったな、と。 アリスの乱からはじまった動乱。短いながらも、真紅、のりと過ごした学生時代。(梅岡の存在は記憶から 抹消済み)メイデンに入り、今の仲間達との...
  • 『山桜の下で・・・』
    その山桜は一本だけ、周囲の緑に溶け込みながら、ひっそりと咲き誇っていた。 満開の白い花と赤褐色の新芽に染まる枝を、私はただ、茫然と見上げているだけ。 時折、思い出したように花弁が降ってくる。青空との色合いが、とっても良い。 いつもなら、衝動的にスケッチブックを開いて、ペンを走らせているところだ。 でも、今は何も持っていない。持っていたとしても、描く気が湧かなかった。 そのときの私は、小学校低学年くらいの小さな女の子で―― どうしてなのか思い出せないけれど、泣いていた。 『…………』 ふと、誰かが私の名前を呼んだ。男の子と、女の子の声。 二人の声が重なって、なんだか奇妙な余韻を、私の胸に刻みつけた。 だぁれ? 止まっていた私のココロが、静かに動きだす。 身体を揺さぶられる感覚。そして―― 気付けば、レールの継ぎ目を踏む車輪の音が、規則正しく私の耳を叩いていた。 うたた寝してたら...
  • 意識
     ―※―※―※―※―  水銀燈  ―※―※―※―※―    「料理の作り方を教えて頂戴」 真紅にそう声をかけられた時は、正直驚いた。 私は彼女の事を誰より知っている。誰より、彼女との付き合いも長い。 だからこそ、高慢ちきでいけ好かない真紅が、私に料理の作り方を聞いてきたことは意外だった。 一体、この負けず嫌いの真紅は何を考えて私に料理を教わろうと思ったのだろう。 分からない。 それでも…これが彼女をおちょくる最高の機会だという事だけはハッキリと分かった。 理解すると同時に、真紅の耳に顔を近づけ、甘く囁いてあげる。お断り、と。 真紅は怒ったのか、乱暴な手つきで私を払いのけようとしてきた。 相変わらず、手が出るのが早い子。 それでも……昔と比べると、随分と彼女も大人になったようにも感じた。 あの頃、私と真紅が仲の良かった頃、彼女はもっと尖っていたような気がする。 昔から、自分...
  • 第一話  『揺れる想い』
    公園の木の下で……ふたり、肩寄せ合って座り込み、夕立を眺めていた。 夏にありがちな、タライをひっくり返した様な集中豪雨。 見上げる暗い空に、雨の降り止む気配はない。 日中の強い日差しに熱せられた地面で砕けた雨の滴でさえ、 靄となって空へ帰ろうとしているのに、二人には帰る術がなかった。 水たまりに落ちる水滴が広げる波紋を、ぼんやりと数えるだけ。 「どうしよう…………これじゃ、おうちに帰れないよぉ」 「心配しなくても、きっと、もうすぐ雨は止む――」 突然、雲間を閃光がのたうち、やや遅れて、轟音が空気を震わせた。 「きゃっ!」 びくりと肩を震わせて、髪を短く切りそろえた女の子が、隣の子の腕にしがみつく。 少女の小さな手に、同じくらい小さな手が、優しく添えられた。 大丈夫。どんな事があっても、守ってあげる。 降りしきる雨の音にかき消されないように、その子は少女の耳元で、そう囁いた。 「い...
  • 第7話 『謁見への道』
    5月とは言え、既に真夏と称しておかしくないほどの蒸し暑い夕方。 肩にカラスを載せた少女が、周囲の通行人の視線も気にせず帰途についていた。 何しろ肩に載せたカラスと何事か会話を交わし、その上では編隊をなしたカラスの群れが、 まるで少女を護衛するかのように旋回しつつ整然と飛行しているのである。 そのカラスの群れの中から一羽、少女のもとへ急降下してくるものがいた。 銀「…男女の二人組みが、私を尾行してる?」 足を停めた少女の前でホバリングしつつカアカアと鳴くカラス。 黒光りするその瞳を見つめつつ、少女はしばし考えた。 銀「どうせ…あの二人ね。そんなに私に付きまといたいのかしら?」 その二人とはもちろん言うまでもない。 ガアガアと騒ぐカラスに、水銀燈は返事をした。 銀「攻撃?…無駄よ。あなた達でもあの女には近づく事すらできなかったでしょう?  ...
  • 第八話 ジュン
      僕に出来ることは何だろう、と思う。   人並みに学校へ行き、人並みに友達を作り、人並みの暮らしを営んできたつもり。   そんな折、僕はあることをきっかけに、学校へ行くことをやめてしまう。所謂登 校拒否とか言うやつだ。 『裁縫が得意だって?』『女の裸を想像しながら、デッサンとか考えるんだろ?』 ――全く以て、馬鹿馬鹿しい理由。だけど、その馬鹿馬鹿しい言葉を投げかけられ て、僕は打ちのめされた。学校の生徒全員に、知られてしまった事実。恥ずかしさ と悔しさで、僕は自分の存在そのものを、消してしまいたかった。   両親は海外へ仕事に出ていてる為に家には居ない。姉と二人暮しをして、今をぼ んやりと生きている。姉には随分心配をかけてしまっているし、そしてそれに対し 申し訳ないとも勿論思っている。   ただ、頭でどんなに『平気だ』と考えても、心が...
  • カムフラージュ 【2】
    てっきり、今日が初対面だとばかり思っていたけれど、彼女は違うと言う。 それは……いつ、どこで? 僕は、何度となく記憶を辿ってみた。 だが、どれだけ脳内検索を繰り返したところで、悉く空振りに終わった。 鳶色のロングヘアー。紺碧の双眸。容姿端麗。 これだけキーワードを並べれば、直撃はせずとも、少しぐらい掠るだろう―― そんな僕の認識は、この会場にあるどんなデザートよりも、甘かったらしい。 眉間に皺を寄せ、ジリジリと回想に耽るも、所詮は悪あがき。 程なく、僕は溜息まじりに両手を肩まで上げて、彼女に掌を見せた。「ごめん。降参だ」  「私のこと、ホントに思い出せないんですか?」  「うん。きみみたいに可愛い女の子を忘れるなんて、考え難いんだけど」 なんて言ってはいるが、あり得ないことでもないと、僕は思っている。 メイク、ヘアスタイル、衣装やアクセサリ、光の加減...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.11
          『ひょひょいの憑依っ!』Act.11 白銀のステージライトを浴びて、ゆるゆると路上に佇む、眼帯娘。 だらりと肩を下げ、今にも大きな欠伸をしそうな、さも怠そうな様子は、 立ちはだかるというより寧ろ、寝惚けてフラフラ彷徨っていた感が強い。 冷えてきた夜風を、緩くウェーブのかかった長い髪に纏わせ、遊ばせて…… 水晶を模した髪飾りが、風に揺れる度に、鋭い煌めきを投げかけてきます。 でも、人畜無害に思えるのは、パッと見の印象だけ。 めぐと水銀燈の位置からでは逆光気味でしたが、夜闇に目が慣れた彼女たちには、 ハッキリと見えていたのです。 眼帯娘の面差し、金色に光る瞳、口の端を吊り上げた冷笑さえも。 「貴女……どっかで見た顔ねぇ」 水銀燈は、一歩、めぐを庇うように脚を踏み出します。 午前一時を回った深夜まで、独りでほっつき歩いている娘―― しかも、出会い頭に妙なコトを口走ったとあれ...
  • ずっと傍らに…激闘編 第二十二章~ジュンside~
    昨日の晩に相次いで来た翠星石と蒼星石。 2人は僕が起きた頃には、既にいなかった。 僕の両隣にあった布団は部屋の隅に畳まれていた。 …この置いて行かれた感は何だろう… ちくしょう…学校に行きてぇ… …あ、そうそう。 翠星石んとこのお母さんが梅岡と直に話した… ってのは昨日一昨日の話だよな。 予定通りなら。 ということは、ABCに対して何らかの措置があるはず…だよな? 登校…できる環境になってほしいな…。 (「キモイ、裁縫ヲタク!」) えっ…。 …誰の声だよ…。 (「だからお前って暗くてキモイ奴だったんだな!w」) くっそ…。 窓閉まってるのに…。 (「お前なんか所詮癌だ。死ね」) 何で布団の中に隠れたくなるんだ…。 (「馬鹿だねぇ。そのまんま女になればいいのにwww」) 震えが止まらない…。 (「脳みそ腐ってるんじゃね?」) (「うわぁ…ヲタク臭せぇ…あっち行け、し...
  • 【ゆめの、あとさき】
     カタン、カタン――。電車は、揺れる。なんとなく、外を覗いてみた。  見慣れぬ、景色。しかしその色が、僕が本来もち得ない筈の郷愁の念を抱かせるような 気がした。長く都会に暮らしていると、こういった田舎風の情景に心惹かれる様になる― ―というのも、あながち否定出来ないのかもしれない。  周りを見れば、車内には殆どひとが居ない。殆ど貸切状態だった。ゆらぎを見せる電車 の中で、僕は何だか眠くなってくる。――このまま、眠ってしまっても、良いだろうか?  そうして、僕は夢を見る。僕の故郷と呼べる場所はそこそこ都会で、そこから出たこと など今まで一度も無かったように思う。そう、今こうやって、そんな場所に向かおうとす るまでは。  夢を見終わった後の記憶は、いつだって曖昧だ。だから、今願ってみよう。どうか、夢 を見るならば。いつか忘れてしまうようなものであっても――きっと優しいものであるよ うに、...
  • 最終話  『Good-bye My Loneliness』
    1日が10日になり、1ヶ月が経ち、いつの間にか4年という歳月が過ぎて―― 翠星石の居ない日々が、当たり前の日常となりつつあった。 祖父母や、巴や水銀燈や、かつての級友たち…… 双子の妹として、誰よりも長い時間を一緒に過ごしてきた蒼星石ですらも、 彼女の存在を、だんだんと遠く感じ始めていた。 ――薄情だろうか。 そう。とても、酷薄なことかも知れない。 ただ会えないというだけで、どんどん記憶の片隅に追いやってしまうのだから。 でも……それは、ある意味、仕方のないこと。 生きている者たちをマラソン選手に喩えるならば、 翠星石はもう、道端で旗を振って声援を送る観客の一人に過ぎない。 それぞれのゴールを目指して走り続けなければならない選手たちは、 いつまでも、たった一人の観客を憶えてなどいられないのだ。 それほどまでに、現代社会は目まぐるしく、忙しない。 高校卒業。大学入試、入学。成人式。...
  • 【夕暮れと夜のノート】
        また、雨が降るのかしら。  しばらく晴れていた天気の合間に挟まるような雨が、昨日は降り続いていた。  そして明け方にはそれもやんで、今のところは空はまだ泣いていない。ただ、それが近付いている気配だけがする。  そうなると、もう森の中へは入れない。きっといつもの夕暮れと違い、森はその表情を変えてしまうだろうから。中に入れば、迷ってしまう。森の奥へ、誘われてしまうかもしれない。  ずきん、と、右腕が痛む。  それはそれで、と考えなくもないが、やはり怖い。自分の領域から出るのは、恐ろしいことだ。   「紅茶でも、淹れようかしらね」  珍しく、自分で淹れてみようという気になる。  立ち上がる。静かなこの部屋で、椅子から立ち上がるだけのカタンという音が、やけによく響いた。  それに加えて、あの娘が寝室に繋がるドアを開けた音も。 「真紅……紅茶の時間? 私が準備するわぁ」 「水...
  • カムフラージュ 【3】
    寄り添いながら、パーティー会場を出て、エレベーターに向かう。 覚束ない足取りの彼女を支えているため、どうしても身体が密着しがちになる。 鼻先を、コロンの甘い薫りにくすぐられて、僕はクシャミをひとつ放った。  「普段から、あんまり飲まない方なのかい?」  「……んふぅ。実は、そうなんでぇ~すぅ」  「だったら、やっぱり、やめておこうか」  「うぅん。構いませんよぉ。今夜は、めいっぱい飲みた~い気分ですからぁ」 とても愉しいから、メチャクチャに酔ってしまいたいの。 じっくり噛みしめるように呟いて、彼女は白い腕を、僕の腰に絡みつかせた。  「連れていって。ね? もう少し、楽しくお喋りしましょぉ」  「――しょうがない娘だな。ま、誘ったのは僕だし、トコトン付き合うよ」 からっぽのエレベーターに乗り込んで、上へのボタンを押す。 僕らの目当ては、ホテルの...
  • 第8話 『こんふぇっしょん!』
     「ようこそお越しくださいました。ささ、こちらです」 ばっちりセ●ムしてます的な電動扉の向こうに入り込んだアリスこと雪華綺晶を迎えたのは、 上品そうな初老の女性だった。  「本日はお嬢様の為にわざわざご足労を頂き、誠にありがとうございます。お礼を申し上げます」 雪「は、はい…」 先を歩く老婆と共に、敷地の向こうに見える邸宅を目指す雪華綺晶。 なんだか、方便を使ってこの優しそうなお婆さんを騙したのが心苦しくなってしまった彼女である。  「私めは当家の家事手伝いをさせて頂いております、コリンヌ・フォッセーと申します」 雪「あ、私は雪華綺晶ですわ」 コ「雪華綺晶さま。差し支えなければお聞きしたいのですが、お嬢様とはどうしたきっかけでお友達になられたのでしょうか」 雪「お昼をご一緒したんですの」 コ「そうでございましたか…」 そうこう話している...
  • ずっと傍らに…激闘編 第二十二章~翠星石side~
    ──チュンチュン、チュンチュン… 翠「…ふぁぁ…」 朝を迎えました。 ジュンの部屋に朝の光が差し込んできています。 ジ「Zzz…」 …ジュンの奴ぅ~…。 あのあと、変なタイミングで寝返ったから、 思いっきり舌を噛んじまったじゃねぇですかっ! 翠「…」 ちょっとほっぺに…ってしてやろうと思っただけですのに…。 翠「…」 それに、昨日転んだところもまたズキズキ痛むです…。 ジュンの家のお風呂で膝が浴槽のお湯に入らないようにするのも苦労しましたし、 しかも…こういうタイプの擦り傷って…まぁこれは小さい方だと思うんですが、 痕が残るんですよね…。 …最悪ですぅ。 蒼「…ん…んぁ…もうそんな時間?」 翠「とっとと家に帰るですよ」 ~~~~~ 家に帰って、さっさとシャワーを浴びました。 寝てる間、ひたすらに暑かったですからね…。 あぁ…膝にしみるです…。 それから今日の学校...
  • 【愛か】【夢か】
    「おかえりなさい」 夜更けの非常識な来客を、凪いだ海のように穏やかな声が出迎えてくれた。 僕の前に佇む君に、あどけない少女の面影は、もうない。 けれど、満面に浮かぶのは、あの頃と何ひとつ変わらぬ夏日のように眩しい笑顔で。 「疲れたでしょう? さあ、入って身体を休めるかしら」 そんなにも屈託なく笑えるのは、なぜ? 君が見せる優しさは、少なからず、僕を困惑させた。 ――どうして? 僕のわななく唇は、そんな短語さえも、きちんと紡がない。 でも、君は分かってくれた。 そして、躊躇う僕の手を握って、呆気ないほど簡単に答えをくれた。 「あなたを想い続けることが、カナにとっての夢だから」 なんで詰らないんだ? 罵倒してくれないんだ? 僕は君に、それだけのことをした。殴られようが刺されようが、文句も言えない仕打ちを。 ここに生き恥を曝...
  • 巴メイデン491~500
    491 巴「抑圧された性的欲求が性犯罪を引き起こすということはありうることだと思うの」 ジ「わかるけどいきなりなにお前」 巴「ほら見て、今日の新聞」 ジ「ん~?なになに、警察官猥褻行為…最近こんな記事に事欠かないな」 巴「警察官でさえ、ストレスの多い現代社会ではその欲求を誤った形で発散させてしまうことがある…   これはたいへんなことよ」 ジ「うーん、でもまぁしょせんは人の子だし」 巴「ええ、つまり、誰もが性犯罪を衝動的にしてしまう可能性があるということ」 ジ「まぁそうかもだけどさ、なんでそんな話するんだよ」 巴「ある日鬱屈した桜田くんが急にそんなことをしたらと思うと……心配で……」 ジ「大きなお世話だ!しないよそんなこと!」 巴「みんな普段はそう言うわ。……桜田くん、小学校の頃スカートめくりはしたことある?」 ジ「……ない」 巴「そうだと思った。流行して...
  • 薔薇乙女家族
          「起きなさぁい」 布団を被って横たわる僕の耳をくすぐるかの様な声。陳腐な表現だが、鈴を鳴らすかのようなその声は何回聞いても心地よい。その声で僕の為に詩を歌ってくれたら、例え云十年と時を跨いでもその都度惚れ直すに違いない。 「まぁだ寝ているつもりぃ?」 体が揺すられる。彼女の綺麗な指を布団越しに感じられる。 彼女を知らない人間は、とにかく「冷たい」という印象を抱く。それは、彼女が自分自身を守る為に周囲にその手を以て刃を向けていたという事もあり、余計に拍車をかけていた。彼女はとにかく、近寄るものを「敵」の如く扱った。 しかし、その刃の様に冷たい手は僕に対しては暖かく、柔らかかった。この手の温もりは、おそらく僕しか知らないだろうと自負している。 「いい加減に起きなさぁい!」 ガバッと音がしたと思ったら、体を包んでいた温もりがあっという間に寒気に変わった。布団を...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§3
    ――――――――――――――――――――  夢を、見ているのだと思った。だってこれは――何度も見てきた、光景だっ たから。  ここに居る時の私は、自分の意思で動いているようでありがなら。その実、 もう既に『何かに囚われた』動きしか出来ない。  眼の前には、私がずっと好きだった……彼の姿。『今』の私は、彼の部屋の 中に居る。幼馴染の関係を続けてきて、いつも二人一緒であること自体が自然 だった。  そんな彼が。瑣末な問題(あくまでそれは、私から見ての意見として)により、 学校へ来なくなってしまった中学生時代。私も随分と拒絶されていたけれど、 彼が学校へ通えるようになった直前の時期などは、家に上がれるようになって いた。 「ねぇ、ジュン」 「――なに」 初めはドア越しに、そしてその内部屋に入り。眼は合わせていないけれど、今 私達は、同じ空間を共有している。  あなたが来ない学校は、何...
  • 第十九話  『きっと忘れない』
    射し込む朝日を瞼に浴びせられて、蒼星石を包んでいた眠りの膜は、穏やかに取り払われた。 なんだか無理のある姿勢で寝ていたらしく、身体が疲労を訴えている。 ベッドが、いつもより手狭な気がした。それに、とても温かい。 まるで……もう一人、収まっているみたい。 もう一人? 朦朧とする頭にポッと浮かんだ取り留めない感想を、胸裡で反芻する。 ――なんとなく、ぽかぽか陽気の縁側に布団を敷いて昼寝した、子供の頃が思い出された。 あの時、背中に感じた姉の温もりと、今の温かさは、どこか似ている。 ココロのどこかで、まだ、翠星石を求め続けている証なのだろう。 (夢でもいい。姉さんに逢えるなら) もう少し、夢に浸ろう。蒼星石は目を閉じたまま、もそりと寝返りを打ち、朝日に背を向けた。 途端、そよ……と、微風に頬をくすぐられた。 それは一定の間隔で、蒼星石の細かな産毛を揺らしていく。 次第に、こそばゆさが募っ...
  • 巴メイデン521~530
    521 ジ「あー、っていうかもう雛祭りも終わりだなー」 巴「!?」 ジ「ん?」 巴「ドタドタワタワタ」 ジ「柏葉どうした?そんな慌てて…」 巴「ドタドタ」 ジ「??あっちいったりこっちいったり、さっきからなにしてるんだ…?」 巴「は、はやくしまわれないと…行き遅れちゃう……」 ジ「どこに仕舞われる気だ」 522 ジ「……」 巴「……」 ジ「……」 巴「……」 ジ「おい」 巴「…… ジ「なぁ」 巴「……しまわれました」 ジ「僕のベッドにかよ」 巴「……」 ジ「……」 巴「おやすみなさい」 ジ「いやいや」 523 巴「薔薇乙女に負けず私たちがこの先生きのこるには」 斉藤さん「悪評流すとか」 巴「ネガティブキャンペーンは結局自分の首を締めるのよ…それに雛苺の悪いところなんてないし…」 斉藤...
  • ジュンと薔薇水晶のデート
    ~日曜日:コンビニ前~ ジュン「ごめんごめん、待ったか?」 薔薇水晶「・・・ううん・・・そんな事無い・・・たった3時間だけだから・・・」 ジュ「普通、帰るだろ!?よくそんなに待てたな!」 薔「・・・大丈夫だよ・・・この前・・ここのコンビニ開くまで8時間・・・待ってたことあるから・・・」 ジュ「待ちすぎだろ!?って言うかコンビニは24時間開いてるだろ!?」 薔「・・・ちょ~・・・うける~・・・」 ジュ「何がだ!?・・・まぁ、いいや。腹減ったから、マック行こうぜ」 ~マック店内~ 雪華綺晶「いらっしゃいませ。何になさいますか?」 薔「あ・・・お姉ちゃん・・・」 雪「あら、ばらしーちゃん」 ジュ「よう、雪華綺晶」 雪「あら、ジュン様も。 デートですか?」 ジュ「まぁな」 薔「・・・お姉ちゃん・・・ここで何してるの・・・?」 雪「見てのとおり、アル...
  • 大人と子供
    「月が綺麗……」 電話の向こう側で彼女がなにげなく呟いた。 長々と電話をして、ふと会話が途切れる瞬間。 気まずさが出ない程度の短い沈黙を使ってなんてことない事を言 ってきた。 「そうか?」と僕が聞き返すと「そうよ」と一言。 携帯電話を片手に冬のすこし曇った窓を手のひらでクリアにして、 空を見上げてみる。 一点の曇りも無い純白の月が周りの星々をかき消して燦然として いていた。 いつからだろう。 これを綺麗と感じなくなったのは。 小学校の頃はなんにでも興味を持てたのに、今はあらゆる物がく だらない。 星だって、月だって、街のネオンだって、それこそ車のライトだ って。 あらゆる物が素晴らしかった。 でも何故だろう。 今はそうじゃない。 「そうでもないよ」 急に寂しさに苛まれた僕は少しむきになってしま...
  •  『ひょひょいの憑依っ!』Act.5
     『ひょひょいの憑依っ!』Act.5 夕闇が迫る下町の風景は、どうして、奇妙な胸騒ぎを運んでくるのでしょう? どこからか漂ってくる、夕飯の匂い。お風呂で遊ぶ子供の、はしゃぎ声。 車のエンジン音と、クラクション。遠く聞こえる電車の警笛。その他、様々な雑音―― 闇が世界を塗りつぶしていく中、人影の群は黒い川となって、足早に流れてゆきます。 毎日、繰り返される平穏な日常の、何の変哲もないワンシーン。 なのに、ジュンはそれらを見る度に、家路を急ぎたい衝動に駆られるのでした。 黄昏時は、逢魔が刻。 そんな迷信じみた畏れが、連綿と魂に受け継がれているのかも知れません。 ――などと、しっとりとした雰囲気に包まれながら、ジュンは、ある場所を目指していました。 それは……ズバリ、近所の銭湯です。 タオルやボディソープ、シャンプーなど、入浴に必要な物はバッグに詰めて、背負っています。 にしても、自宅...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.6
      『ひょひょいの憑依っ!』Act.6 「あーん、もうっ。カナ、独りぼっちで寂しかったんだからぁ。  ジュンったら、どこ行ってたかしら~」 帰宅早々、熱烈歓迎。 甘えた声色に相反して、金糸雀の腕は、容赦なくジュンの頸を絞めます。 猫のように、頬をスリスリしてくる仕種は『可愛いな』と想わせるのですが、 これではまるで、アナコンダに締め上げられるカピバラ状態。 喜びの抱擁が、悲しみの法要になってしまいます。 無防備に押し当てられる、彼女の柔らかな胸の感触を名残惜しく思いつつ、 ジュンはこみあげてくる鼻血を、理性でググッと我慢するのでした。 「ちょっと、外でメシ食ってきただけだって。  お前に作ってもらおうと思ってたけど、ちっとも風呂から出てこないから」 真紅のところに行ったことは、伏せておくのが吉でしょう。 とかく人間関係には、ヒミツがつきもの。 それがあるから、この世は歪みながら...
  • 第五話 魔術師
      "幸福"。……それを追い求めた男の、――昔話。   男は、思索を好む人間だった。哲学の本を貪る様に読んでは、"幸せ"とは、 一体何なのであろうか? ということを考えた。   自分の周りに置かれた環境は特に何の変哲も無く、それなりに幸せといえ ば幸せだったのかもしれなかったが、それを自覚することが出来ず、そして苦 悩した。   辺りを見渡せば、まともな職にもつけず、日々食べるのも困るような貧し さに苦しむ人はあまりにも多すぎた。   世の中すべての人々が、幸せになることを神は許してはくれない。いつし か男は、そんなことを考えるようになる。世界はもっと幸せに満ちてもよいの ではないか? だが、実際にそれが実現されることは無い。それはゆめやまぼ ろしの類だから。   男は勤勉で、しかも普通のひとには無い不思...
  • s.d.3
      「私の名前はめぐ。柿崎めぐ」   そうして、夢の中では聴くことの無かった彼女の声が、僕の中に 響き始めて。それが僕の中にある曖昧な記憶を形にしていく。 「思い出した?」 そうだ。いつも夢で逢っていたというのに、今の今まで僕は気付く ことが無かったのだ。なんとも間抜けな話である。 「ごめん……まだちょっと曖昧だけど、確かに逢ったことがありま   すね」 曖昧。まだ何処か『もや』が頭の中にかかっているような感じだっ たけど。そうだ、確か前に学校で…… 「そう、良かった。白崎君の引き出しは、壊れてないみたいだね」 「引き出し?」 「そう、引き出し。頭の中の何処かにある、記憶をしまっておくた   めの引き出しだよ」   『再会』からすぐ、こんな話を始めてしまう僕等は、少し奇妙な 感じだったかもしれない。   ...
  • 第十話  『こんなにそばに居るのに』
    ひたと正眼に構えられた木刀は、木枯らしに煽られようと、微塵も揺るがない。 巴の真剣な眼差しは、真っ直ぐ前方に向けられていた。 まるで、眼前に敵が立ちはだかっているかの様に、虚空を睨んでいる。 凛とした立ち居振る舞いから放たれる緊張感。 ひしひしと蒼星石の肌を刺激するのは、冷たい風ばかりではないのだろう。 学校で目にする、物静かで淑やかな彼女からは、想像もつかない。 どちらが、柏葉巴という娘の、本当の姿なのだろうか。 社殿の階段に腰を下ろした蒼星石は、膝を抱えて、巴の仕種を眺めていた。 「なんだか……素敵だなぁ」 思わず、心に浮かんだ感想が、言葉に変わっていた。 かっこいいでも、凛々しいでもなく、素敵。 ただ一心に、剣の道に打ち込む巴は、全身から不思議な輝きを放っている。 他人の目を惹きつけてやまない、独特の雰囲気を。 巴が、静から動へと移る。 対峙していた仮想の敵に、猛烈な斬撃を浴...
  • 第四話 共同戦線
    超機動戦記 ローゼンガンダム 第四話 共同戦線 「ふぅ・・・やっぱりティータイムは落ち着くのだわ。」 リュウキュウへの移動中、真紅は食堂で優雅に時間を過ごしていた。 「ほぉんとぉ~。休憩時間ってのはいいわよねぇ。」 同じようにヤクルトを飲みながら水銀燈が言う。他の面々も思い思いの休みを過ごしているようだ。 「うぃ、でもでも、もしかしたらアリスが来るかもなのにどうして休んでいいってJUMは言ってるの?」 雛苺が苺大福・・・通称『うにゅー』を頬張りながらいう。 「食べてから喋りなさい。レディとしては有るまじき行為よ雛苺。」 「このへんは他のレジスタンスが管理してる領域だからよぉ~。まぁ、アリスが興味ない場所 なのかもしれないけどぉ。」 3本目のヤクルトの封を開けながら水銀燈が言う。 「そういう事よ。確かに地球はアリスの支配に置かれてるけど、何も全部が全部そうな訳でもないのだわ。」 「ほえ~。...
  • 第十三話  『痛いくらい君があふれているよ』
    「うーん……どれが良いかなぁ」 ケーキが並ぶウィンドウを覗き込みながら、蒼星石の目は、ココロの動きそのままに彷徨う。 どれもこれも、とっても甘くて美味しそう。 だけど、水銀燈の好意に応えるためにも、翠星石に喜んでもらえるケーキを選びたかった。 「……よし、決めたっ。すみません、これと、これと……これを」 選んだのは、苺のショートケーキ。祖父母には、甘さ控えめなベイクド・チーズケーキを。 それと、絶対に外せないのは、姉妹と亡き両親を繋ぐ、思い出のケーキ。 甘~いマロングラッセをトッピングした、モンブランだった。 (これなら姉さんだって、少しくらい具合が悪くても、食べてくれるよね) そうでなければ、苦心して選んだ意味がない。 一緒に、ケーキを食べて……にこにこ微笑みながら、仲直りがしたいから。 いま、たったひとつ蒼星石が望むことは、それだけだった。 会計を済ませて、ケーキ屋のガラ...
  • 第一話
    今日も私は彼の部屋の前で一人座って、 雛「ねえ、JUM…今日はね…」 一人話している。 雛「それでね、翠星石ったらひどいのよ…」 彼からの返事はない… 雛「水銀燈と薔薇水晶がね…」 どうしてこうなっちゃったんだろう… だってもっと小さな頃は… 『ふたりのやくそく』 「はーい!それじゃあみんな自由にお遊びしてねー!」 (はーーーい!!) 雛「ふんふ~ん♪」 J 「ねえ、雛苺?なにかいてるの?」 雛「あっ!JUM!ヒナはね、おひめさまの絵をかいてるの!」 J 「へー。かわいいね」 雛「でしょ?ピンクのおようふくきて、おっきなリボンもつけるの!」 J 「まるでほんとうのおひめさまみたいだよ!ぼくもいっしょにかいてもいい?」 雛「もちろんなの!JUMもいっしょにおえかきするの!」 雛「うわー!JUMっておえかきじょうずなのね!」 J 「へへ…そうかな?」 雛...
  • ―/ライラック7
     空がまた、新しい色をしていた。僕は心から、その光景を『美しい』と言い切ることが 出来ない。  学校が終わったあと、すぐ寮へ帰るのもなんとなく躊躇われて、僕は一人図書室に残り 本を読んでいた。もし僕が本当に「本の虫」の如く読書が好きで、いつもいつもあの場所 で本を読み続けていたとしても。とても高校在学中の三年程度では読みきれないくらいの 蔵書が、あの空間には収められている。一応漫画なんかも置いてあって。……何故か「三 国志」が全部揃ってるんだよなあ。一応歴史物ということで、娯楽とはまた別な位置づけ が為されているのかもしれない。  歴史、というと。歴史に関する文献は世の中には溢れているのだけれど、『ひとつの出 来事を語る』為に費やされる時間というのは、果たしてどれくらいなのかと。そんなこと を考えたりもする。  時間の流れそのものの感じ方は、恐らく等しいもの。しかし、そこで起こった出来事...
  • s.d.1
      自分の店を持ちたい、というのが夢だった。ただ、それが実現出 来るのは相当自分も熟年に達してからだろうとは思っていたのだが。   自分の将来設計の為に(と言ってもあくまでマイペースで)普通に 働いていたところ、祖父の訃報が耳に入った。   もともと祖父は時計屋を営んでおり、その死をきっかけに店に空 きが出来た。   僕自身は時計を作ることに興味は無かったが、店にはよく遊びに 行っていた。おじいちゃんっ子、と言えばそうだろうか。 『僕もいつかお店を持ちたいんだ。喫茶店なんかいいな』   そうか、頑張れと。祖父は微笑みながら僕を応援してくれた。   哀しみにくれる僕に対し、祖父は遺言状を残していた。自分が死 んだあとは、時計屋の土地と建物を、僕に譲ると。その書状は、今 でも机の引き出しに大事にしまってある。   時計屋を改装して、客が佇めるス...
  • 【たまにはこんな日曜日】
        どうして、こうなるのでしょう。  なんとなくわかってる。わかってるの。  材料よし。  器具よし。  今日は、今日と言う日は、なき言を言っている場合ではないのに。 「……」  今、はじめに考えていたのとは大分違う現実が、広がっている。 【たまにはこんな日曜日】 ―――――  ほんとうに、食べるのがすきだね。  何気ない一言だった。それを聞いたのは、駅前のラーメン大食い一番勝負の看板のかけられた店を瞬殺した直後のこと。あの店長さん、本当に眼をまるくしてた。比喩じゃなく、驚くとそうなるんだ、なんて思ったりしていた。 「……きっと食べるのがすきなら、作る方もいけるんじゃないかな」  正直、あんまり考えたことがなかった。そう言われてみれば、私の眼の前には『食の道』が果てなく続かんとばかりに、気付けば食べ物がある。  ただ、それはひとえに、自分の生活が恵ま...
  • 『いつわり』
      鏡に映る、若い娘。 ――それは、私。他の誰でもない、自分自身。 湯上がりの、薄桃色に染まった肌から幽かに立ちのぼる淡い色香は、 いくらも保たずに、濡れたままの洗い髪へと溶けてゆく。 なにも……変わらない。変わってなどいない。 瑞々しく細い喉、胸元を点々と飾るホクロ、薄蒼く血管の浮いた白い肌。 全ては、いつもどおりの、見慣れた景色。 「ステキな身体……私のカラダ……」 鏡の中の自分に見とれながら、そんな戯れ言を、口にしてみた。 夢の中で、いつも逢う彼女が、熱っぽい吐息と共に囁く言葉を。 だけど、彼女の姿は、ハッキリと思い出せない。 白いモヤモヤしたイメージしか、残っていない。 ここ最近、毎晩のように、同じ夢を見ているというのに。 そのくせ、彼女の声だけ、不思議と明瞭に憶えているのは、何故? 実際に、鼓膜が震わされた感覚が、刻み込まれているのは、何故? 「どうして、あんなワケの...
  • 過去ログ7
    4月7日分までのは過去ログとして別のページへ移動させました。-- 名無しさん (2006-04-08 00 04 16) お疲れさんです -- 名無しさん (2006-04-08 00 05 28) 土曜だね・・・・ -- 名無しさん (2006-04-08 17 57 30) 今まで金曜だと思ってたありがとう、目が覚めた -- 名無しさん (2006-04-08 18 16 23) ちょwwwwwwww -- 名無しさん (2006-04-08 20 05 23) どんな生活してんだw -- 名無しさん (2006-04-08 20 48 45) 大学生はこんなもんだと思うww -- 名無しさん (2006-04-08 21 27 48) 今起きた俺ガイルまあ土曜はこんなもんさ -- 名無しさん (2006-04-08 21 38 54) や...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§4
    §4 ―――――――――  『トロイメント』は、相変らず私以外に客が居ない。  毎週決まった曜日と時間帯にここへ訪れる私は、もはや常連になっていると 言って何の差支えも無いと思う。今日はアッサムティーを注文して。多めのミル クを入れてから口をつける。 「それにしても。本当にお客が少ないのね、ここは」  たまに声に出てしまうのも失礼なのかもしれなかったのだが、どうにも事実な ので致し方ないと思う。  白崎さんとも大分親しくなり、私は大概のひとに接するときと同じような口調 で彼と話をするようになっていた。それに対する彼の話し方と言えば、相変らず なのだった。 「火曜は日が悪いようですね、真紅さん。まあもともとこの店は。  よく来て頂ける常連さんによって成り立っているようなものですから」 『例えば、あなたのような』。そんなことを話す彼の表情はいつも通り穏やかだ。 「ここは、ずっ...
  • 第十六話  『サヨナラは今もこの胸に居ます』
    どちらかを、選べ―― 右手は、大好きな姉に辿り着くための片道切符。 左手は、頑ななまでに蒼星石を繋ぎ止める、論詰という名の首輪。 本来なら、迷うハズがなかった。蒼星石は、翠星石に会うために、追いかけてきたのだから。 自らの羨望が生み出した、偶像の姉。彼女を選んでしまえば、目的は、ほぼ達成される。 左手を掴んでいる、姿の見えない者の声になど、耳を貸す義理も、謂われもない。 徐に、蒼星石は右手を挙げた。眼前に掲げられた、偶像の手を取るために。 でも――――本当に……これで、良いの? 指が触れる寸前、胸の奥から問いかける声が、蒼星石の腕を止めた。 それっきり、蒼星石の右手は、ビクともしなくなった。明らかな握手の拒絶。 置き去りにされる寂しさ、悲しさ、辛さをイヤと言うほど味わってきたからこそ、 祖父母や親友たちにまで、同じ想いをさせることに、罪悪感を抱いてしまったのだ。 たとえ、それ...
  • 第21話  『瞳閉じて』
    貸し切りの星空の下―― 彼女たちは一糸纏わぬ姿のまま、白く泡立つ波打ち際へと歩きだした。 この幸せな夢が覚めてしまわないように、しっかりと手を繋ぎながら。 ――しかし、波打ち際で……翠星石の足が止まる。 緊張した彼女の横顔に、どうしたのと訊きかけて、蒼星石は思い出した。 ここは普通の海ではない。様々な感情、無数の記憶が溶け込んだ海なのだ。 ただでさえ夜闇に包まれて不気味な水面が、一層、得体の知れない世界に思えた。 「……怖い?」 「怖くないなんて、強がりでも言えねぇです」 「そうだね。解るよ、その気持ち。ボクも、少しだけ怖じ気づいてるから」 なにが起きるか予想ができない事柄ほど、恐怖を煽るものはない。  二葉は言っていた。魂が『記憶の濁流』に洗われることで、記憶は失われるのだと。 それが真実であるなら―― 海に入った途端、彼女たちの記憶も、綺麗サッパリ洗い流されてしまうかも。 そして...
  • 『薔薇HiME』第2話
    翌日、約束どおりジュンは巴に連れられ学校への道を歩くことになった。 「有璃珠学園ってどんな学校?」 沈黙を避けようと、早々にジュンがそんな疑問を話題にする。 「中高一貫の共学で…あの、普通は進学のときにしか編入はないところなんだけど…」 後半を言い辛そうにする巴に、ジュンが笑いながら気にしないよう言った。 「ん…そう…話を戻すね。 ……そうだなぁ、学園の真ん中に、"nのフィールド"って湖があるのが、やっぱり一番特徴かなぁ」 「"nのフィールド"?変な名前の湖…」 「うん、わたしもそう思う」 ジュンが洩らした感想に、巴が笑いながら相づちを打つ。 「でね、その湖にはいろんな言い伝えがあるんだけど… …まぁそれに準えた学園行事が多いし、追々知ることになると思うよ」 他にも巴はいくつか学園の話をしたが、「敷地がやたらと広い」「学食は豪...
  • 過去ログ22
    5月31日分までのは過去ログとして別のページへ移動させました。-- 名無しさん (2006-06-01 09 00 10) 乙寝ぼけて携帯をトイレに落としました現在友達の携帯からカキコ中…………俺にはもうSSはかけない -- 名無しさん (2006-06-01 16 00 08) どんまい・・・新しい携帯を手に入れたらまた書いておくんなまし -- 名無しさん (2006-06-01 16 39 24) よく友達の携帯からこのサイト見れるなwww -- 名無しさん (2006-06-01 17 45 28) 友達もスレ住人さ!ヾ(゚∀゚)ノシ -- 名無しさん (2006-06-01 17 47 56) あるあ・・・・まじかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2006-06-01 17 53 43) こないだVIPPERの友...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§1
     「いらっしゃいませ」 扉を開けると。古びたドアベルの音と共に、まずは来店御挨拶の歓迎であった。 客は私一人だけの様子。外に比べて店内は明るくはなかったが、それほど陰気 という印象は受けない。まず眼についたのは、設けられていたカウンター席。 巷でよく見かけるカフェと言ったら、通常オープンテラスでゆったり過ごせる スペースがあるもの。ここにはそれが無い。看板には『カフェ』と銘打ってあ るものの、この造りはどちらかと言うとバーに近いものを感じさせる。    お世辞にも広いとは言いがたい店内は。アンティーク調、と言えば良いだろ うか。よくよく見ると装飾は結構凝っているようで、店内の隅に置かれている 本棚には洋書らしきものが収められているのが見える。  一応テーブル席もあったけれど、とりあえずはカウンターに落ち着くことに した。 「メニューはこちらになります」 受け取って、軽く眺めてみる。...
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