ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki内検索 / 「夏バテの日」で検索した結果

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  • ちょっと暑い、夏の日。
    「暇ですぅ・・・」 第一声がこれでいいのかとは思うが、どうしようもない。 だって暇なんだもん。 今日の夜には花火大会もある。 なのに・・・ 「めっさ暇ですぅ・・・」 エアコンの効いた部屋。 外からはワシワシ、ミンミン蝉の声。 ふとケータイに目をやる、 着信もメールもない。 年頃の乙女がこんなんでいいのか? 「はふー・・暇ですぅ・・・」 せっかく買った奇麗な翠の浴衣も、出番があるとは思えない。 「誰か拉致られろですぅ・・」 かたっぱしから友人に電話してみる。 Trrrr・・・・Trrrrr・・・Trrrr・・・・ 「もしもしぃ~?どうしたのぉ?」 「今日の夜暇ですかぁ?」  ってこいつが暇なわけはなく、 「何言ってんのよぉ、今日は花火大会よぉ? 暇なわけないじゃなぁい。おばかさ~ん」 「いっぺんこの世から乳酸菌を消し去ってほしいですか?」 「フフフ、とにかく私はだ...
  • その他
    上にいくほど、最近に掲載された作品です。   Dolls House 或る夏の嵐の日に 朝顔 『ひゃくものがたりどる』 薔薇族 ~ローゼンメイデンが普通の女の子だったら~テーマ統一オムニバス作品集 元旦とお鍋と 【少女たちの夢を星に託して】 ドキドキしちゃう けもみみ☆もーど! 名前のない話 「K」の正体とは!? みどりいろのかのじょ 【戦闘妖精natukaze】 僕たちはアリスだった かゆうまメイデン トリック・スターず 微妙な長さのss ある日のできごと 【怪盗乙女、ローゼンメイデン】 湾岸 Maiden Midnight 【決闘のアリス】 もしローゼンメイデンのポジションが逆だったら R ずっと、ずっと、昔のお話 薔薇乙女湯煙みちのく一人旅 《SUMMER》 薔薇色の日々 ~ローゼンメイデンが普通の女の子だったら~2周年記念作品集 ローゼン・エキデン 薔薇乙女たちがロックマン2...
  • 『有栖川荘にいらっしゃい』
     ~連続スレタイ短編~ 『有栖川荘にいらっしゃい』 これは大学進学を機に、独り暮らしを始めた翠星石の日記っぽいお話。 有栖川荘というアパートを舞台に繰り広げられる人間模様を、 連続テレビ小説みたいなふいんきで描いていきます。  ・出逢いと別れ 編  ・動きだす日常 編  ・今そこにある未来 編  ・春の日の憂鬱 編  ・心をかさねて 編  ・想いの果てに 編
  • 頑張ればらしー
    頑張ればらしー 「うんっと……えっとぉ…今月は、貯金が……6千円だ…えへっ」 冷たく凍える氷雨が細い霧のように降り注ぐ真夜中。 言葉すら喋れない幼い子供が病院の前に捨てられていた。 「…これで5万円…貯金できたよ……私、偉い…」 その捨て子は薔薇水晶と名づけられ、施設へと預けられた。 ほどなくして彼女は小学校へと通うが、親のいない彼女は格好の標的とされ 、イジメの毎日を過ごしていた。 下駄箱から靴が消える。給食のオカズに消しゴムが入れられる。遠足などは いつもみんなと離れて一人でおにぎりを食べていた。 無視には慣れたはずの薔薇水晶だが、不意にとめどなく涙が溢れてくる日が ある。それは自分の誕生日だった。 いつ?どこで?私は生まれたの?当たり前の事すら解らない。 施設で祝ってもらう誕生日パーティー。 彼女にとって...
  • 真紅
    上にいくほど、最近に掲載された作品です。 ふとましんく biero ナ!イ!チ!チ!Dreams 前編 後編 ほっしゅほしゅ しんくとじゅん~真紅とジュンの出会う縁~ 前編 後編 何時も偉そうな貴方 サンタが行く! 真紅はジュンの嫁 ラジオ きみは誰? 乳 くんくんゼミ 高校講座 『ずっと一緒にいてくれますか』 【    】 『少女の恋の物語』 真紅の最も騒がしい1日 やくそく 誘惑 CLUB~n field~ NG-omizu 飴と鞭 NG-biero 君と僕の日常~君の笑顔が見たいから~ 日曜日の朝 さよなら…大好きな人… ばっちゃのねこ 冬空に咲く花 Winter Kiss 「貴方に贈る」 地獄マッサージ The hellish hellfire 「仕様人とお嬢様」 【赤い糸~魔法の指~】 姉妹関係 前とは違うかたちで 紅い雨 楽園 バーのある風景 更衣室の中心で変身した下僕 饐え...
  • nothing or all?
    私は誰かと遊びたい 私は誰かと遊べない 小さい頃から人見知り 中々友達作れない そんな私のお父様 私を認めて下さった 髪は銀色 目は紅い それでも私は愛された 私が高校入る前 急死なさったお父様 大好きだったお父様 一人になった私には 働かずとも生きられる 大きな遺産が遺された     その後雇った執事さん 裁縫上手なその人の 笑顔はとても優しくて どうしてだろう いつの日か 私もつられて笑ってた 学校行ってもただ孤独 私の居場所は私だけ 未だに話す人もなく 喧騒の中でただ独り 今日も空気に溶けている 息をするのも苦しくて 必死に自分を押し殺す 私を見てよ 認めてよ 口に出せたら楽なのに     家路について一時間 私を迎える執事さん あなたの笑顔に癒されて 私はすぐに生き返る 笑顔もすぐに思い出す あなたの作った服を着て...
  • 翠星石
    上にいくほど、最近に掲載された作品です。 冬の魔法 ですぅたちの夜 不思議の国のデスゥ もし『ですぅ』が無かったら 翠星石とペプシソ 傍に居る  (NG→sinineta guroino) ツンデレ道 素直になりたい 時代劇だよ 翠星石 【翠・どりぃむ】 灯台の下 あの日に時を戻して LUNA SEA 100万ドルの夜景よりもきれいな場所で ちょっと暑い、夏の日。 『春よ、来い』 「シャーロック・翠星石」 台風とバリケード 幼馴染みはおてんば姫 ジャイアニズム  『粉雪のドレス~聖夜の奇跡~』 ドッペルゲンガー 幼馴染 リップクリーム あなたを感じていたい 桜田ジュンの心霊体験 『織姫と彦星じゃないけれど』 翠星石が怒った日 翠星石が変わった日 「暗殺部隊-Rose Knight-」 妄想グリーン ある暑い日のこと 『また逢えたらいいね』 NGワード:SHININETA but JUN...
  • 第一話
    今日も私は彼の部屋の前で一人座って、 雛「ねえ、JUM…今日はね…」 一人話している。 雛「それでね、翠星石ったらひどいのよ…」 彼からの返事はない… 雛「水銀燈と薔薇水晶がね…」 どうしてこうなっちゃったんだろう… だってもっと小さな頃は… 『ふたりのやくそく』 「はーい!それじゃあみんな自由にお遊びしてねー!」 (はーーーい!!) 雛「ふんふ~ん♪」 J 「ねえ、雛苺?なにかいてるの?」 雛「あっ!JUM!ヒナはね、おひめさまの絵をかいてるの!」 J 「へー。かわいいね」 雛「でしょ?ピンクのおようふくきて、おっきなリボンもつけるの!」 J 「まるでほんとうのおひめさまみたいだよ!ぼくもいっしょにかいてもいい?」 雛「もちろんなの!JUMもいっしょにおえかきするの!」 雛「うわー!JUMっておえかきじょうずなのね!」 J 「へへ…そうかな?」 雛...
  • 蒼星石
    上に行くほど最近に掲載された作品です。 「蒼空のシュヴァリエ」 sinineta guroino 【繋いだ手と手】 世界に一つの幸せ 【ゆめみごこち】 男だと思ってた 雪の日の暖かな出来事 「聖なる夜の陰陽」 星に御願い Mid Night! 神様の助け方 暖かい日差し 春の日の夢 夏休みと海 メールパニック 『友情』についての考察 『夏の幻影、青春の反映』 止まらない世界 ある三日間。と、もう一日 『普通の女の子と普通の男の子とフィクション的表現誇張の割合』 『幼馴染』 かわりにくちづけ 今日は姉妹揃って豆まきするようです 幸せな時間 「オニンギョウサン」 君は僕のナイト 蒼星石の作戦 色褪せた世界で 蒼星石の独白 猫と猫みたいな子 「帰り道、長い道、君と眺めた道。」 midnight express ずっと一緒に スレ Noir Cerisierより。 『 秋の夜長の酔っ払い(×2...
  • *エピローグ
       「うん」  闘志むき出しのふたりへ。  僕はもう、限界です。(脳内ウィキペディア)先生、もういいですよね? 「座ろうか」  つかつかと歩み寄る。 「「邪魔しないで!」」  ああ、そういう。 「す わ ろ う か、」  片方ずつ順番に、首根っこを。 「酒の席で、」  思い切り、掴む。 「暴れるとは何事だああああ!!」 ――― 「あー、爆発しちゃったねえ」 「やはりのりさんの弟はかく在るべき、というところでしょうか」 「ええ? ちょっとしたものですよぅ、この位なら」 「……」 「……」 ―――  …………  ……  んん…… 「朝ですよおめーらぁ! しゃっきり起きやがるです!」  おおう、……頭痛い……叫ばないでくれ…… 「酒が貴方を裏切ったんじゃない?」 「馬鹿言うな。酒が僕を裏切る筈が無い」 「重症ね……ああ、蒼星石。紅茶はあるか...
  • 「雨 -Rain-」
    「雨 -Rain-」 雨はキライ・・・ 私を憂鬱な気分にさせるから・・・ 雨はキライ・・・ ガラス越しに見る町並みを滲ませてくれるから・・・ 雨はキライ・・・ あの日、私から大切なあの娘を奪ったから・・・・・・ 交差点で私をかばって散ったあの子・・・ 白いカサと、真っ赤な薔薇を雨のアスファルトに残したあの子・・・ でも、今は違う・・・・・ 大切なあの人が居てくれるから・・・・・ 「おーい、真紅何してるんだー!!講義に遅れるぞー」 私があの娘を失って絶望に襲われたとき助けてくれたあの人・・・ そして今という時を一緒に歩んでくれてる人・・・・・ だからもう、今日で最後にしよう・・・ もう、あの人が居るんだから・・・ そして、私は今まで机...
  • 水銀燈の野望 烈風伝
    時は戦国の世―― 備前国に、幼くして両親を失った八人の姉妹が居た。 やがて美しく育った姉妹たちは「薔薇乙女」と呼ばれ、近隣諸国の評判となる。 だが、姉妹たちの長女・水銀燈には野望があった。 いつの日か兵を率いて京に上り、天下を手中にするというとてつもない野望が―― http //rozeen.rdy.jp/up/vipww25686.jpg この長編は、PCゲーム『信長の野望 烈風伝』において薔薇乙女たちを新武将として参加させ、実際にプレイをしながら書いていくものです。 誰も知らない人物が出てきたり、史実と食い違っていたりということが頻出するかと思いますが、面白く読んでいただけたら幸いです。     序章 <第一部> 備前統一編 播磨侵攻編 美作攻略編 上洛編 大和攻防編 三好追討編 陰謀錯綜編 石山戦争編 四面楚歌編 紀州雷動編 幕府滅亡編 決別編 <第二部> 血戦前夜...
  • 巴メイデン512~520
    512 斉藤さん「じゃーん!今日はスカートはいてみました!」 巴「スカートでこの私に勝てると思……!?」 ジ「おお!?」 斉藤さん「ふっふっふ…どうですか隊長!」 巴「これはまさか禁断の…」 ジ「黒タイツ……っ!」 巴「似合ってる……そしてきっと私にはあまり似合わない…!」 斉藤さん「けっこうあったかいんだよねこれ」 ジ「へーえ」 巴「…桜田くん、騙されたらダメ」 ジ「柏葉?」 巴「あんなの、ただの布だよ。足に自信がないから誤魔化してるだけよ」 ジ「……そうかぁ?」 斉藤さん「さっすが!(ビッ 柏葉さん、ジュンくんは黒タイツの魅力がわかってるみたいだよ?」 巴「そ、それでも、桜田くんは私の足のほうが好きだもの…」 斉藤さん「そんなことないよね?」 巴「そうだよね?」 ジ「うーん…僕は……」 巴「桜田くん…」 斉藤さん「ジュンくん!」 ジ「僕...
  • 巴短編12
    「離れても、傍にいるよ」 寂しくなるねと言った私に、その言葉を添えて、貴方はプレゼントをくれた。 貴方をデフォルメした、ぬいぐるみ。 徹夜で拵えたのだろう。ちょっと縫い目が粗い。 私は、アナタを胸にきつく抱きながら、貴方の乗る飛行機を見送った。 どこまでも高い蒼穹に消えてしまう前に、私の視界は滲んでしまったけれど。 それから毎週、貴方は留学先で買い求めた絵ハガキで、便りをくれた。 風習の違いに戸惑う様子や、言葉の壁に苦しめられていること、等々・・・ 行の間、字の傾きから、貴方の苦悩が偲ばれて、私は落ち着かなかったものよ。 そんな夜には、返事の手紙を書いた後、アナタを抱いて眠ったわ。 せめて、遠い異郷の貴方に、安らかな時間が訪れますようにと祈りを込めて。 三ヶ月が経ち、貴方からの便りは隔週になった。 半年が過ぎて、それは一...
  • 薔薇水晶
    上にいくほど、最近に掲載された作品です。 【乙女の涙を拭えるもの】 『カムフラージュ』 『誰より好きなのに』 不思議な電話 いつだって二人は幸せ Summer names illusion-Rozenkristall- 頑張ればらしー それは抱き枕との日常のカケラ。Ⅰ ばらしぃとジュンの愛の【長編】保守劇場 『好きな子にいじわるしちゃう心理』 涙の味 -ハチミツレモンキャンディ- ○○記念日 学園一の乙女の座 二人っきりの暗闇で biero よい聖夜を 「ご飯はちゃんと食べましょう」 スマイル一番イイ♀ 薔薇vs翠 寂しがり屋で照れ屋で泣き虫で uninhabited station (注:他作品キャラあり) 薔薇水晶先輩 [Theinnocent] *このSSには暴力シーン、グロテスクな表現が含まれています、苦手な方はご遠慮ください。 突然ですがクイズです 10年前の約束 呼び方 『き...
  • ミーディアム達
    上にいくほど最近に掲載された作品です。 『煩悶する少年少女のための四重奏曲』 ベジータベータ ジュンとベジータ カラー めぐ 【みっちゃんの野望 覇王伝】 時計仕掛けのオジジ 【冬の】【ひまわり】 『星合にて』 《L étudiant étranger est Beauté Endormie》 オディール×ジュン 『うそつき老人』 帰り着いた先には 姉さんへ 《JUN days》 とある少女の日記 めぐ 【夢と初恋と素敵な人形】 みっちゃん がんばれ働く社会人 【ある日の幕間】 鬼教師桜田潤の苦難 神業級の職人 『古ぼけた雑貨店』 あの世に嫌われている方々のお話 original ローゼンラジオ 『家政婦 募集中』 ピエロ 僕が彼に惹かれた理由 幸せですか ミーディアムス ~JUMの苦悩~ 病室のひだまり これはジュンが初めて双子の家に遊びに行った時のこと… 『褪めた恋より 熱い恋』...
  • 第2話 カウンセラー
    A>僕はもう生きていくのが嫌になりました。学校に行くたび痣を付けられ クラスの女の子からは汚いものを見るような目で見られます 毎日家でゲームやアニメの日々、僕には妹がいます 妹はスポーツ万能で成績も悪くない 親には妹と比べられるばかりの日々 妹が友達を呼ぶときは僕は家から追い出されます 僕の存在する理由がもう見つからないんです もう、死にたいです ………なるほど カタカタカタ… <確かにあなたのお話を聞く限り今の生活はあなたにとって辛いものばかりでしょう  けど、あなたは本当に存在するための理由を見つけられないんですか?  答えは見つけられないんじゃなくて、あなたが見つけようとしないだけでは ないのですか? 人間は誰でも弱さを持っています。だから自分より弱い人間を苛めたくなるのです ここでいう弱さとは肉体的なものではありません。心の問題で...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§プロローグ
     日常。それは、少しずつうつろいで、形を残さないもの。毎朝起きて、そし て大学へ行き。何の変哲も無い日々を、私は過ごしている。  変哲が無い、と言うと。如何にもつまらなそうな感じがするのだけれど、別 段そうは思っていない。変化が無いというのは、それだけで素晴らしいこと。 友達が居ない訳では無い――むしろ、親友と呼べるような存在も居て。私は楽 しくやっているのだ。  そう、そうやって。日常の幕間は、流れていく。  今日の講義は午後からだったから、大学へ行くまでかなり余裕があった。二 度寝に対する誘惑は、確かに少しはあったけれど。こういうところで生活のリ ズムを崩してしまうのも勿体無い話。現にリズムを崩しに崩して、普段の講義 を受けることができず。たまに出されるレポートの存在に気づかない輩だって いる。  まあ、もっとも。そんな友人に泣きつかれる前に、色々と世話を焼いてしま う私も。随分と...
  • 巴メイデン471~480
    471 巴「さてと、そろそろこたつしまおうかな…」 雛「えぇー、やーなの!ヒナはまだまだおこたで寝たいのよ」 巴「もう…風邪ひくからダメって言ってるでしょう?」 雛「ひかないもん!おこたで眠るとすっごく気持ちいいのー」 巴「風邪ひいたら、辛いのは雛苺なのよ」 雛「だいじょーぶだもん。それに寝ちゃったら、ジュンが部屋まで運んでくれるし…」 巴「え?そうなの?」 雛「そうなの、ヒナのこと抱っこしてお布団までつれてってくれるのよ!」 巴「へぇ……桜田くん……そうなんだ……」 ~~次の日~~ 巴「……」ヘクシュン! ジ「あー、柏葉、昨日こたつで寝てたろ?風邪ひいちゃって……あはは、柏葉でもそんなことあるんだなー」 巴「ギロッ」 ジ「え……な、なんか怒ってる?」 472 巴「お昼……」  「……面倒くさいな」  「……お昼ご飯く...
  • 【ゆめうつつ】~トロイメント~§3
    ――――――――――――――――――――  夢を、見ているのだと思った。だってこれは――何度も見てきた、光景だっ たから。  ここに居る時の私は、自分の意思で動いているようでありがなら。その実、 もう既に『何かに囚われた』動きしか出来ない。  眼の前には、私がずっと好きだった……彼の姿。『今』の私は、彼の部屋の 中に居る。幼馴染の関係を続けてきて、いつも二人一緒であること自体が自然 だった。  そんな彼が。瑣末な問題(あくまでそれは、私から見ての意見として)により、 学校へ来なくなってしまった中学生時代。私も随分と拒絶されていたけれど、 彼が学校へ通えるようになった直前の時期などは、家に上がれるようになって いた。 「ねぇ、ジュン」 「――なに」 初めはドア越しに、そしてその内部屋に入り。眼は合わせていないけれど、今 私達は、同じ空間を共有している。  あなたが来ない学校は、何...
  • 水銀燈
    上にいくほど、新しく掲載された作品です。 『飛べない翼』 -Mid(k)night 3rd- Dornroeschen 冬の窓 クリスマス中止のお知らせ エキセントリック童話『マッチ売りの少女』 水銀燈のファーストキス じはんきめーでん orikyara注意 nothing or all? biero注意 『歪みの国の少女』 ~繋げる希望~ 私とあなたとこれから biero注意 孤独と自分とそれから shinineta guroino注意 CHOCOLAT DAYS -Mid(k)night 2nd- もしもジュンが紳士な召使だったら  水銀燈Ver いやな夢 -Mid(K)night- 『水銀燈の逆襲』 『メイメイ飼育日記』 What is your justice? 「アンニュイな日」 鳥取砂丘にて しゅいぎんとー ジュンと水銀燈が同居しているようです。 Please,stay by ...
  • 四日目―始まりの景色
    昨日はあれから、大変だったな。 結局姉さんがジュン君を泊めちゃったんだ。 「お前は蒼星石と一つのベッドで寝てろですぅ♪邪魔するほど翠星石は野暮じゃないですよ♪」 とか言っちゃって。 結局、ジュン君はリビングで寝たんだけどね。 はぁ…ちょっと残念かな…って!僕は何を考えてるんだ! いや、でも、ジュン君と一緒に寝たかったけど、そういうのにはまだ早くて…!つまり僕は…ああっ! こほん。 今日はバスケの大会の日。 僕ら3人は、みんなで朝早く家を出た。 姉さんの、初めての手作りのお弁当を持って。 「♪♪」 僕らの先を歩く翠星石。 素直じゃなくて、でも強くて真っ直ぐな、僕の姉さん。 新しいところに進むときは、いつも手を引いてくれた。 「翠星石!車来てる!」 慌てて翠星石の腕を引くジュン君。 僕の愛する人。この一言に尽きるんだと思う。 「あ、ありがとですぅ…」 ああ、二人して見つめあったりな...
  • 【ゆきふる、まちで】
    「すっかり浮かれ気分ですねー……」  クリスマスイブの、前日。普段は静かなこの街がにわかに盛り上がって見える のは、きっと気のせいでは無いと思う。  時刻は夕方近く。今年も残り僅かになった師走の大通りには、きらびやかなイ ルミネーションが飾り付けられていた。  家族連れや、恋人たち。幸せそうな雰囲気に包まれている辺りの中、私は独り 呟いていた。 「まあ、イヴ前日に合コンはねーですよ……」  大学の友人からの、お誘い。このままでは、女ばかりの寂しいクリスマスになっ てしまうから――とのことだったけれど。 『クリスマスは、家族と過ごすもんですよ。悪いけどパスするです』  という塩梅で、さっくりと断ってしまった。特に後悔はしていない。  大学生になって、恋人のひとりやふたりは出来るんじゃないか――そう考えた ことがないかと言われれば、嘘になる。実際、私も。私の大事な妹も。男に言い 寄ら...
  • エイプリルフール短編
    四月馬鹿。つまり、エイプリルフール。 僕はこの日が大嫌いだ。 というのも全て、ここ数年のアイツらに原因がある。 本当なら引き篭もってしまいたいけれど……始業式の日でもあるし、僕は仕方なく学校へと向かっていた。 その道中。 「あらぁ?相変わらず冴えない顔で歩いてるわねぇ?」 幼馴染の一人、水銀燈に朝から出くわしてしまった。 「……うるさいな……」 僕は彼女に不機嫌さを隠さない表情でそう告げ、これ以上関わらないように早足で歩く。 背後から「つまんないわねぇ」という声が聞こえてきたが、無視して歩く。 僕と、それから数メートル離れて水銀燈が、通学路を歩く。 嫌な予感が背中からひしひしと伝わってくるのが、何とも最悪な気分だ。 工事中と書かれた看板で封鎖された道を横目に、僕はいつもと同じ通学路を歩く。 途端に、足元が崩れ……僕は...
  • 【空と森のノート】
       「はあ……暇ですねぇ」  誰に語りかけるでもなく、呟いてみる。  気だるい午後――には、まだ早い。今はまだ、お昼前。庭にお水はもうやってしまったし、朝のお仕事は終わってしまった。  気晴らしにスコーンでも焼こうかしら、とも思うのだけれど、妹が出かけているし、それもなんだかやりがいが無い。  妹は森へ木の実を採りにいった。もう暫くすれば、帰ってくるような気もする。  そうすれば、今日の午後は、木の実を使ったタルトでも作ることが出来る――ああ、待ち遠しい。レシピはもう覚えてしまっているから――その内新しいものを思いついたら、またノートに書いておこう。  ちょっと、外へ出てみた。  樹々の隙間から、木漏れ日が私の顔を照らす。今日も、天気が良い。ぽかぽかと暖かいし、やわらかいベッドに潜り込んだら、もういくらでも眠ってしまえそう。  でも、それは駄目。ぐうたら過ごすのは楽には楽...
  • テレパシー
    好きだ! ラッシュにはまだ間がある朝の電車は、立っている乗客を数人数えられる程度に空いていた。 桜田ジュンは吊り革につかまり、愛を叫び続けていた。 目の前に座っている銀髪の女性はうんざりして彼を盗み見る。 ジュンが好きだと叫んでいる相手は、銀髪の女性の右隣に座って文庫本を読んでいる女性だ。 好きだ! 彼女が不意に文庫本から顔を上げた。びっくりして怪訝そうに辺りを見回している。 その動きに、つい顔を向けてしまったジュンと視線がぶつかった。見つめ合う形になっても、ジュンの心の中で「好きだ!」と言葉がもれていた。 彼女の顔が真っ赤になる。慌てて顔を伏せ、読書に戻ったが、明らかに文字を追っていない。 彼女は電車を降りる直前に顔を上げ、ジュンをしばらく見つめてから降りた。 ジュンもその駅で降りた。それに気付いて彼女はジュンをホー...
  • あの世に嫌われているけど何か質問ある?
    あの世に嫌われているけど何か質問ある?(あの世に嫌われている方々のお話) ねえ… 「ん?」 そういえば入院ばかりしているけど、単位は大丈夫なの? 「嫌なことを思い出させるな…ま、とりあえず先に取れるだけ取っておいたから問題ないと思うけど」 そうなんだ 「うん。じゃ、柿崎は?」 私? 私は問題ないよ。大学は今休学してるし 「そうなんだ」 そういえば… 「ん? 今度は何?」 今日新しい人が入院するらしいよ 「この病室に?」 この病室に 「へ~。誰かな?」 ラプラス「私ですよ!」 (゚д゚)「(゚д゚)」 …見なかったことにしようか… 看護婦「あ、ラプラスさん、そんな所にいらっしゃったんですか? ほら、あなたの病室はここじゃあありませんよ」 「…あいつ…初めて見たときにはどっかミステリアスな雰囲気を持ってたけど…」 認識を改めないとね… 「で、新しい...
  • 超機動戦記 ローゼンガンダム 第一話 戦いの狼煙
    超機動戦記 ローゼンガンダム 第一話 戦いの狼煙 空気が焼き焦げるような感覚に陥る。周りは真っ赤真っ赤真っ赤。呼吸がしにくい。 「お母様・・・お父様・・・」 その地獄で金色の髪の少女が声を漏らす。しかし、それは無常にも爆音の中にかき消された。 「紅・・・真紅!」 その少女の元に一人の少年が駆けつける。 「JUM・・・お母様が・・・お父様が・・・」 「大丈夫だから・・・行こう!真紅は・・・僕が守るから・・・」 それは、遠い記憶と約束・・・ 「んっ・・・」 暗闇に染まった部屋で金色の長い髪の女性が目を覚ました。 「あの時の・・・夢なのだわ・・・」 女性が額にかいた汗を手でぬぐう。まだ深夜だと言うのに不思議と寝付けそうになかった。 女性・・・真紅は頻繁にこの夢を見ている。その度に起きてしまうのだった。しかし、不思議な事に 真紅にはその夢は悪夢とは思えなかった。 真紅が部屋を出て食堂へ向かう。...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第九話
    第九話 「……………………」 暑い、眠れない。 クーラーは……止まってるのね。 確か、3時間タイマーをかけていたのだったわ。 薄いタオルケットを腕で払いながら、枕もとを探る。 こつ、と指先に当たる固い何か。 豆電球を付けているけど、寝起きだからよく見えないわ。 手のひらで握るように感触を確かめて、ようやくそれが携帯電話だと思いだす。 時間は、ええと。深夜1時半。 いやな時間だわ、早く寝たい。 けど、ノドが渇いてしまった。 本当はこのまま寝てしまいたいけれど、自覚してしまったらそうもいかない。 あんまり動きたくないけど、冷蔵庫まで行って飲み物だけでも。 どうせこの時間なら、誰も起きてはいないだろうし。 お肌にも悪いから、早く済ませて寝てしまおう。 明日は休みだけど、規則正しい生活を送らないと淑女とは言えないわ。 「う……」 何が原因なのか知らないけれど、私は昔から暗い場所が苦...
  • 五話「水銀燈Ⅱ」
    短編「図書館」シリーズ五話「水銀燈Ⅱ」 突然だが、私、真紅は図書委員だ。 元々本が好きで、中一のときに初めて図書委員になり… 気が付けば図書室、そして図書委員の常連となり早3年。 その間に図書室仲間ともいうべく、同じく本の好きな友達連も出来て、 図書館をよく利用する人の顔もかなり覚えた。 これは、そんな私の図書室でのある日の放課後のお話。 当番の日は、普通の掃除は免除になる。しかし代わりに広い図書室の掃除があった。 HR後に、同じ掃除箇所のクラスメイトに当番だから、と声をかけて歩き出す。 図書室にたどり着くと、みっちゃん先生が掃除機や雑巾を出して待っていたが、 金糸雀のクラスはまだHRが終わっていないようで姿が見えなかった。 紅「掃除に来たのだわ」 み「はーい。まだ急がなくてもいいけど…はじめるなら掃除機の前に机の雑巾がけをお願い」 金「遅くなりましたかしら~!」 み「じゃあ、一緒...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第八話
    第八話 思い出した。 今日の夕方、学校から帰ってきたら珍しいお客さんがいたんだった。 黒縁の大きめな眼鏡をかけた、私にとって大切なお客様。 きらきーより先に帰ってきたのはマズかったなと思っていたのに、一瞬で忘れちゃったんだっけ。 うん、本当に大切だからね。 なにせこの寮の人たち、あんまりゲームしないし。 何人かはするけど、そこまでのめりこんでやるってワケでもない。 つまり話題があんまりないから、ちょっと困っていた。 真紅が連れてきたあいつは話がわかるし面白い。 私にとって、あいつは救世主でもある。 そういう意味で、私にとってあいつは大切なお客さまなワケだ。 さっそくこないだ買ってきたゲームを進めると、やっぱり乗ってくれる。 ある程度は進めたから、新規データ作っちゃえ。 普通は他の人のプレイを見ていても大して面白くはないけど、こいつは別。 なんだか見てて面白い。 別にプレイしてる最中に「...
  • s.d.8
    「……」   視界には、やっぱり白い世界が広がっていた。   違うことと言えば、身体が全然動かない、というか酷く痛むことで…… 「白崎さぁん!!」 「? ……」 声が出ないし、まだ眼の焦点が合わない。 誰かが覗き込んでいる。眼鏡が無いと、ちょっと誰だか…… 「白崎さん、良かったぁ……」 泣き声が、聴こえる。――そうか、僕は…… 「馬鹿ぁ! あなたが居なかったら、お店はどうなっちゃうのよぉ!」 ぽかぽかと胸の辺りを叩かれる。 ちょっ、い、痛いです、いたいです! 「す、水銀燈、やめなさい! 死んでしまうのだわ!」 「そうだ、落ち着け水銀燈!」 二人の声に制されて、胸を襲う衝撃が止む。……助かった? 「だって、だってぇ……」 ぐすぐすと泣き止む様子の無い彼女。えっと……声は出るだろう...
  • L/R.8
        L.―  眼が覚める。  ――此処は、何処だっけ。  ああ。また、眠ってしまったんだ。此処最近は、己の身体が己のものでは無いような気がする。てのひらを開いて、結んで。こうやって感じる何かで、とりあえず僕がまだ生きているという感覚を保つ。  姉さんと、話をしていたんだっけ。――彼の声も、聴こえたような気がしたんだけどなあ。何だか、不思議な感じ。  とりあえず、ベッドから身体を起こす。血を、沢山吐いた筈だったのだけれど。来ているものも、布敷きも、ぼんやりとした暗闇越しからわかる位に真っ白だった。  廊下へ出る。姉さんは、もう帰ってしまったのかな……声が、聴きたいな。  二階の廊下。階段とは反対の突き当たりに、電信が置いてある。新しもの好きの院長が、仕入れてくれたもの。これは僕にとって、とても大切な繋がりだった。  ……?  鳴って、居る。電信が。静かに、音が響く。  ...
  • 第三十話 Rozen Maiden
    「超機動戦記ローゼンガンダム 第三十話 Rozen Maiden」     「今日は随分いい天気なのだわ・・・皮肉なものね。」 JUMは真紅に連れられて甲板に来ていた。まだ明朝。太陽の位置は低い。 「ま、座りなさい。」 「ああ、そうするよ。」 JUMが腰を下ろす。真紅はそのJUMの背中にもたれかかって、背中合わせで座った。 「JUM・・・貴方随分大きくなったわね・・・昔はこうして座っても私のほうが大きかったのだわ。」 「う・・・お前よくそんな昔の事覚えてるよなぁ・・・」 幼馴染として生まれ、今日までずっと一緒に育って、生きてきた二人。 「覚えてるわ・・・貴方との事ならなんだって・・・貴方の事で知らない事はないのだわ。」 真紅の金髪がサラサラと風に流される。 「JUM、貴方小さい頃は泣き虫だったわよね・・・ガキ大将によく苛められてたのだわ。」 「あー、そうですね。それでそのガキ大将を思いっ...
  • 【愛の行く末】第一話
    第一話 薔「映画面白かったね、ジュン」 J「ああ、アニメっていうからてっきり子供向けかと   思ってたけどなかなか良かったな」 僕の名前は桜田ジュン。裁縫が得意なごく普通の高校三年生だ。 隣にいるのは恋人の薔薇水晶。僕たちは付き合い始めてちょうど一ヶ月になる。 今日は薔薇水晶が前から見たいと言っていた映画を見に行った。今はその帰りだ。 薔「それは偏見…アニメ=子供向けって決めつけるのはいくない」 J「でも周りは子供の方が多かったぞ。なんか僕らは浮いてるみたいだったし」 薔「え…じゃあジュンは私とデートしても楽しくなかったの?」 J「え、いっいやそういうわけじゃ…」 薔「ジュンは……ヒック、私といても……グスッ、楽しくないんだあ」 女の涙というものはずるい。それは相手がどれだけ悪くても、それを見せた途端に こっちが悪く思えてしまう。それにここは表通りから外れているとはいえ道のど真ん中だ。...
  • s.d.プロローグ
      冬は全てが眠りにつく季節だという言葉に、僕は賛同の意を示し たい。昨年の冬に、店の常連客から聞いたこと。冬は時間が止まり、 風景がいのちを失い。また来るべき春に向けて、皆眠っているのだ と。   眠りは、時間の停止を表す。そのことを実は、僕はもっと前から 聞かされていたのだけれど。   この地方に雪はあまり降らないけれど、だからこそたまにちらつ く仄かな白は余計な哀愁を際立たせる。雪は静かに舞い落ちると言 うのに、身に吹き付ける風は一体何処からやってくるのだろう―― そんなことを、もう少しでやってくる季節になればいつも考えてい る。   今、季節は秋。冬が全て眠りにつく季節ならば、秋はそこに至る まで、ゆっくりと空ろな夢を見せる時間であると僕は思っている。 周囲が完全に色を失ってしまうまでの幕間。   この季節だけ見せる樹々の黄や紅も、夏よりも...
  • 子供の神様の物語
    ―――― 今ではない昔、ここではない何処かに、 春の神様がいました。 その神様は雛苺といって、絵を描くのがとても好きでした。 雛苺が地面に花の絵を描くと、そこから沢山の花が咲き、 樹に葉っぱの絵を描くと、その樹は沢山の葉をつけ、 空に蝶々や蜜蜂の絵を描けば、お花畑を楽しそうに飛び回りました。 ある日、雛苺はお花畑でお昼寝をしているときに、ふと考えました。 (前の春にわたしが描いたお花や虫達は、どうしていなくなっちゃったんだろう?) 雛苺は生まれたばかりの神様で、春が終わるとすぐに深く眠ってしまいます。 だから、春の次にくる夏、秋、冬の神様の名前も知りませんでしたし、 それらの季節がどんなものかも知りませんでした。 (別の神様がけしちゃったのかな…  お花畑も、森の樹も、こんなに綺麗なのに、消しちゃうなんてかわいそうなの) きっと他の季節の神様達はい...
  • 『薔薇HiME』第1話
    訳あって、ジュンは幼い頃過ごした有璃珠市の知り合いの家に、一人で居候することになった。 知り合いと言っても、その町に住んでいたころのジュンは本当に幼かったので、 はっきり言ってその知り合いのことすらほとんど覚えていないのだが。 「…ここか」 そんな不安を抱えつつも、ジュンは一枚の地図を片手に なんとか知り合いの家に辿り着いたところである。 ゆっくりと手を伸ばし、インターホンのチャイムを鳴らした。 「…はい?」 少し間を置いて、女の子の声で応答があった。 「あの…柏葉さんのお宅ですか……?」 「もしかして…桜田くん?待って、すぐ開けるから」 プツ、とインターホンの通話が切れる音がして、それからすぐにとたとたと駆ける足音が聞こえ。 玄関が開き、中から一人の少女が顔を覗かせた。 彼女は、ジュンがこの地のことでわずかに記憶に残している中で、最も鮮明な人物であった。 ...
  • 第十四話  『君に逢いたくなったら…』
    ぽっかりと抜け落ちた、パズルのピース。 過半数に及ぶ空隙に当てはまるスペアは無く、虚ろな世界が口を広げるのみ。 翠星石の部屋で、蒼星石は虚脱感の促すままに、くたりと寝転がって動かない。 目を閉ざせば、瞼の裏に焼き付いた光景が、色鮮やかに蘇ってきた。   息吹を止めた、姉――   すべすべで温かかった柔肌は、時と共に色を失い、冷たく固まってゆく――   まるで、精巧に作られた蝋人形のよう―― 「……イヤだ…………そばに来てよ、姉さん」 思い出すたび、飽くことなく繰り返される、嗚咽。 蒼星石は頭を抱え、身体を丸めて、溢れ出す涙を流れるに任せた。 それは短く切りそろえた髪を濡らし、姉の匂いが染みついたカーペットに馴染んでゆく。 しゃくりあげる蒼星石を、ふわりと包み込んでくれる、翠星石の残り香。 この部屋には、まだ確かに、姉の面影がひっそりと息づいていた。 それは、悲しみに暮れ...
  • 二日目
    いつも通り5時に起きた僕は、やっぱり少し姉さんの事が心配だった。 でも… 制服に袖を通して、僕は部屋の戸を開ける。 姉さんが、泣き疲れて眠っていた。 朝ごはんに魚を焼いて、ラップをかけておく。 庭の野菜を使って、お弁当も作った。 丹精こめて育てた野菜を刈り取ると、姉さんはいつも悲しそうな目をして。 でも、僕の作ったお弁当は、いつも嬉しそうに食べてくれたんだ。 姉さんは、一度眠ってしまうとそう簡単には起きない。 そんなことを知っているから、最後の優しさとして、僕は姉さんを部屋まで運んだ。 そっと抱き上げたとき、姉さんの口から零れた言葉。 「蒼星石…行くなですぅ…」 寝言だ。わかりきっている。今頃翠星石は夢の中にいるんだから。 自分自身が、昨日あんなことを言ってきた妹に抱えあげられているだなんて思ってないんだろうね。 でも、涙のあとが、その頬にはっきり見えたんだ。 ベッドに横たえら...
  • フラグメント/― 泡沫の夢
     彼の声は遠くなり、そして新しい声が聴こえ始める。  私は夢を見る。遠い昔の、彼女の記憶。 ―――――― 「あ、……ジュン。また頑張ってるのねー」 「え? ……うん。もう少しで出来るかな。全く人遣いが荒いよ」  そんなことを言いながらも、彼はとても嬉しそうだ。  真夜中。此処は、雛苺の家。土曜の夜、次の日の学校は休み。彼はその日、泊りがけで やらなければいけないことがあった。  決して強制された訳ではない。ただ、彼の心が。それを望んだだけのこと。  両親は既に、眠ってしまっている。いくら中学生とはいえ、男子の宿泊を認める辺り、 その辺に疎いところが何とも『らしい』というか……それだけ彼が、信用における人物 あると評価されているということだろうか? 「お姉ちゃんも、ずっとこっちにいればいいのにね」 「そういう訳にもいかないだろうな。それにしても雛苺、向こうのひとってのはあん...
  • s.d.エピローグ
      君が"居なくなって"しまってから、八度目の夏がやってきた。   あの事故後の退院から。僕は相変わらず店を営業している毎日で ある。でも相当体力が落ちていたのか、すぐに疲れてしまってなか なか最初は思い通りにはいかなかった。   そんな僕を支えてくれたのは水銀燈で。夜は週四日だったシフト に更に一日加えるという行動に出た。それによって更に客が増えた というのは、まあしょうがないとして…… 『ここで一杯修行して、私も自分の店を持とうかしらぁ』 などと言っていた彼女。真面目に考えてみても、彼女なら実現出来 そうな感じがする。 『店の名前はどうしようかしらぁ。そうねぇ……』   今年の夏も、暑い。だけどこの公園のベンチの涼やかだけはずっ と変わらず。僕はあいかわらずここで休憩をとっている。   公園の子供たち...
  • 過去ログ8
    4月9日分までのは過去ログとして別のページへ移動させました。-- 名無しさん (2006-04-10 00 00 16) 乙かれ~ -- 名無しさん (2006-04-10 01 36 29) 眠れねーwwwwwwww -- 名無しさん (2006-04-10 03 37 22) しかしずいぶん過疎化したところ見るとそろそろ、新学期・新生活が始まったみたいだなwww -- 名無しさん (2006-04-10 16 34 22) ひまだー -- 名無しさん (2006-04-10 16 37 31) 夜になれば活気づくさ(たぶんwww) -- 名無しさん (2006-04-10 17 29 56) 夜は部活だwwwwwww -- 名無しさん (2006-04-10 17 41 43) 俺夜はバイト -- 名無しさん (2006-04-10 17 5...
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