ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki内検索 / 「K∞Lジュン ~違うんです~」で検索した結果

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  • ギャグ
    上にいくほど新しく掲載された作品です。 相関図ジェネレータで遊ぼう! 姓名判断ジェネレータで遊ぼう! biero 【雨の歌声】 一日遅れの雛祭り コタツでアリス~桜田家丸見えスペシャル~ 【お酒と、僕と、愉快な仲間たち】 この町大好き! 狂った果実  酔いどれ真紅地獄変 biero えすキャラ! bieroかも 『乙女達の初体験!?』 みんなで体育祭 ジュンとふたり ジュン尾行作戦 はた迷惑な人たち 相容れないものたちの喜劇 『オーベルのOPを見て思いついた』 偽のバレンタイン JUNと乙女の笑い道 穴子神信者 (他キャラ) C∞Lジュン 暗躍組織 『言葉』遊び 強烈な罰ゲーム2nd-屈辱の長距離通勤電車の旅 (他キャラ) 金ちゃん銀ちゃん 姉モノ biero ~七夕特別企画、皆の夢を勝手にかなえちゃおう~ しりとり勝負 『笑ってはいけないアリスゲーム』 一部お下品系あり お姉さまと本能...
  • ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki - 翠星石短編28
    翠ちゃんの一レス短編保守 ~保守します~ 翠「ジュン!しゃーねーですから、この心が広い翠星石が保守してやるですぅ。地面にデコくっつけて平伏して感謝しやがれですぅ。 ・・・ふぇっ?宣伝荒らしがあったから今は要らない、ですか?・・・・・・くすん・・・・・・。 ・・・・・・な、何勝手に翠星石の頭を撫でてるですか!?え?べ、別に翠星石はおめーの為に保守しようとしたわけじゃ・・・あうぅ・・・その、もっと撫でやがれですぅ・・・///」  ⊂⊃  o  o  。 翠「はうぅ・・・ジュン・・・///(妄想中)」 ジ「はいはい妄想乙」 翠「!!!見てるじゃねぇですぅこのチビ助平っ!(///」 ジ「妄想石は華麗にスルー、そして保守」 翠「(´・ω・`)」 翠ちゃんの一レス短編保守 ~ツンデレです~ 翠「ジ...
  • ずっと傍らに…激闘編 第十八章~翠星石side~
    ──となりで顔を強張らせてるジュン。 目の前で座ってる人の視線が気になるんですかぁ? 快速と違って座席の向きが90度違いますからね。 …でも翠星石とのりがお前を挟んで座ってるだけでもまだマシでしょうに! そんなジュンも、今日で壁をひとつ乗り越えましたね。 ひとつどころじゃないかもしれないです…。 だって、学校よりも人が多い街に出ることが出来たんですからね。 別に今だって怖がることなんてないんですよ。 ABCの邪魔さえ入らなければ── やっぱり、こいつらを倒すまでは学校復帰は厳しいですかねぇ。 翠星石も連休明けから安心して学校生活を送れるか心配になってきたです…。 あと、ケーキ屋でジュンが言ってましたが、 誰にも出掛けたことを連絡しなかったことで水銀燈に怒られたんですね。 まぁそういう意味では水銀燈の気持ちは分からんでもないです。 家から忽然と姿を消したとなれば、誰だって心配しま...
  • ジュンと水銀燈が同居しているようです。
    ジュンと水銀燈が同居しているようです。 J「おい水銀燈。いい加減起きろよ」 水「(うるさいわねぇ………少し驚かしてやろうかしら)」 J「水銀燈遅刻s」 銀「私に触れるなっ!」 J「す、水銀燈?」 銀「朝からごちゃごちゃと五月蝿いわねぇ………ジャンクにするわよ?」 J「………ごめん」 銀「えっ?あっ、分かればいいのよぉ」 銀「(なんでそんな悲しそうな顔するのよぉ。いつもみたいに怒ればいいのにぃ………)」 J「じゃあ………先に学校行ってるから………」 銀「ちょ、ちょっとj」 バタン。 銀「………なによぉ。これじゃあ私が悪者じゃなぁい。ジュンのばかぁ………グスグス」   ジュンが水銀燈に謝るようです コンコン。 銀「誰ぇ?」 J「僕だ。入ってもいいか?」 銀「………好きにしなさぁい。」 銀「(今朝の事謝らないといけないわねぇ………)」 J「じゃあ入るぞ」 ガチャ。 銀「今朝はg」 J「今...
  • ずっと傍らに…激闘編 第二十一章~翠星石side~
    ──朝。 父「おはよう」 銀「…」 水銀燈が街へ行った日の翌日あたりから不機嫌ですぅ。 銀「あぁもう五月蝿い」 父「何だと!?」 水銀燈に限ってそんなこと有り得ない、ってな発言ばかり繰り返してるです…。 心配で蒼星石と少しリビングの外の廊下で話し合いました…。 翠「蒼星石…」 蒼「…ん?」 翠「水銀燈の奴、またAの親に圧力掛けられてるんですかね」 蒼「多分ね。街でAが翠星石に負けてから親に縋ったんじゃない?   “もっと翠星石の関係者を苛めてくれ”なんてことをお願いしてるかも」 翠「…」 ~~~~~ 今日はジュンと距離を置くために、 蒼星石や巴とは別登校。 つまり、ジュンの家に行かずに直接学校に行ったです。 ジュンからのメールは昨日のあれからずっと放置。 同じく電話も放置。 翠星石のありがたみを思い知れです! ──とは言うものの、ジュンが私を相手にしなくなったら…。 あ...
  • ずっと傍らに…激闘編 第二十二章~翠星石side~
    ──チュンチュン、チュンチュン… 翠「…ふぁぁ…」 朝を迎えました。 ジュンの部屋に朝の光が差し込んできています。 ジ「Zzz…」 …ジュンの奴ぅ~…。 あのあと、変なタイミングで寝返ったから、 思いっきり舌を噛んじまったじゃねぇですかっ! 翠「…」 ちょっとほっぺに…ってしてやろうと思っただけですのに…。 翠「…」 それに、昨日転んだところもまたズキズキ痛むです…。 ジュンの家のお風呂で膝が浴槽のお湯に入らないようにするのも苦労しましたし、 しかも…こういうタイプの擦り傷って…まぁこれは小さい方だと思うんですが、 痕が残るんですよね…。 …最悪ですぅ。 蒼「…ん…んぁ…もうそんな時間?」 翠「とっとと家に帰るですよ」 ~~~~~ 家に帰って、さっさとシャワーを浴びました。 寝てる間、ひたすらに暑かったですからね…。 あぁ…膝にしみるです…。 それから今日の学校...
  • ずっと傍らに…激闘編 第二十章~翠星石side~
    GWも終わり、 今日から学校です。 巴「おはよ~」 翠「おはようです」 蒼「おはよー」 …戦いの日々の始まりです…。 巴「おはよう御座います」 母「おはよう。3人とも、頑張ってね!」 …ABCとイヤでも顔を合わせなければならない日々が始まるです。 翠「それじゃ、行ってくるです」 蒼「行ってきまーす」 母「行ってらっしゃい」 …改めて気を引き締め直し、家を出発しました。 ──さて。 ABCの言う事を少しでも信じた私が馬鹿でした…。 そろそろ徹底して叩き潰さないと、ジュンは永遠に苛められるままです…。 ついこの間、ABCを追い掛けて家に帰った時に、ばらしーたちが言ってたです。 ----- 薔「ジュンが熊みたいな人に撮られてたよ」 金「デジカメで」 翠「デジカメは分かりますが…熊?」 雪「眉毛がありませんでしたの…」 薔「それで、頭がつるっつるの人!」 ----- 翠「…...
  • ある暑い日のこと
        「突然ですがババ抜き大会を始めます。」 じりじり。 夏の日差しが照りつけるのに逆らって冷房をガンガン効かせている僕の家。 真紅が紅茶を飲み干して、かろん、とコップの中の氷を鳴らす。 雛苺と金糸雀は寝ていた。おでこが、眩しい。 その隣で翠星石と蒼星石は眠った二人をいじって遊んでいる。 どこかほのぼのとした、初夏の休日のことだった。 何と言うか、この空気の中でそんな発言をした水銀燈が少し変人に思えたのは気のせいじゃないと思う。 「……いやだよ、めんどくさい。」 だって暑いし、暑いし、暑いから。 汗が吹き出る暑さじゃなくて、空気で感じる暑さなのだ。 ……自分で言っててよく分からなくなってきた。 「そーですよぉ、こんな日はのんびりまったり過ごすのが一番ですぅ。」 その通りだ翠星石。 「僕はいいけど、トランプよりスポーツがいいなぁ……」 雛苺の頬をぷにぷにとつつきながら蒼星石が言った。 翠...
  • ~チビ蒼星石とチビ翠星石~第4部、休日編
    ~プロローグ~ 物語は突然はじまるものだ。いや、正確には無駄なところを省いているからそう思えるだけかもしれない。 だが、私、桜田ジュンの物語は人為的に唐突にはじまったものだ。 ~チビ蒼星石とチビ翠星石~ 本当にすべては突然だ。 両親が帰ってきたと思ったら次の日には外国へ旅たった。蒼星石と翠星石の双子をおいて・・・。 姉は合宿でいなくなり、両親が予約をとっていた温泉にいき、その後、真紅と水銀燈に双子のことを言ったことにより未来は見えてきたが・・。 このあとは、どうなるのだろうか・・・・。 ~チビ蒼星石とチビ翠星石~目的は遊園地・・・No1 金曜日 ~桜田家~ 蒼星石「ジュンくん。明日はがっこう、休みだよね?」 ジュン「うん。そうだけど・・・どうかしたのか?」 蒼星石「明日さ、遊園地につれてってほしいんだけど・・・。だめ?」 ジュン「別にいいけどさ・・・あいつらもか?」 そういってジュ...
  • 『薔薇HiME』第2話
    翌日、約束どおりジュンは巴に連れられ学校への道を歩くことになった。 「有璃珠学園ってどんな学校?」 沈黙を避けようと、早々にジュンがそんな疑問を話題にする。 「中高一貫の共学で…あの、普通は進学のときにしか編入はないところなんだけど…」 後半を言い辛そうにする巴に、ジュンが笑いながら気にしないよう言った。 「ん…そう…話を戻すね。 ……そうだなぁ、学園の真ん中に、"nのフィールド"って湖があるのが、やっぱり一番特徴かなぁ」 「"nのフィールド"?変な名前の湖…」 「うん、わたしもそう思う」 ジュンが洩らした感想に、巴が笑いながら相づちを打つ。 「でね、その湖にはいろんな言い伝えがあるんだけど… …まぁそれに準えた学園行事が多いし、追々知ることになると思うよ」 他にも巴はいくつか学園の話をしたが、「敷地がやたらと広い」「学食は豪...
  • 一日目
    「おはよう、二人とも」 「おはようですぅ。今日もお前はチビですねぇ。」 「ちょっと翠星石…。自分の彼氏にその言い方は…。あ、ジュン君おはよう。」 いつもと同じ、ある水曜日の朝。 もう点滅しはじめている信号。傍らには花屋。そんな景色。 また3人で登校するようになって、もう一月くらいたつのかな。 ジュン君と翠星石が付き合い始めてから僕も遠慮してたけど… ちょっと前、また3人で通わないか、ってジュン君から誘われたんだ。 その二人だけど、翠星石もあんな事言っておきながらジュン君にベタベタなんだよね…。ほら。 「♪♪」 「ちょ、朝から腕組むなよ。」 「いいじゃないですかぁ♪恋人同士なのですよ?」 翠星石とジュン君が腕を組んで。僕がジュン君の横について。 日差しは、僕の側から降り注ぐ。でも、むしろ暗さを感じる。 二人に少し相槌を打ちながら、歩いていた。 ボーっとしていたからかもしれない。 ...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.3
      『ひょひょいの憑依っ!』Act.3 朝方のゴタゴタから心機一転、ジュンは梱包されていた品々の荷ほどきを始めました。 こういう事は、先延ばしにすると絶対に片づかないもの。 研修が始まれば、尚のこと、時間は割きづらくなるでしょう。 独り暮らしの荷物など、それほど多くありませんから、ここは一念発起のしどころです。 「いいか、邪魔すんなよ。ドジなお前が手を出すと、余計に散らかしかねないからな」 『ふーんだ! こっちからお断りかしら』 釘を刺すジュンの身体から、金糸雀はするすると抜け出して、アカンベーをしました。 ちょっと幼さを残す仕種は微笑ましいのですが―― (なんと言っても、天下無敵の自爆霊だもんなぁ) 触らぬカナに祟りなし。素晴らしい格言です。 やれやれ……と頭を掻きながら、服や食器などの日用品から開梱し始めます。 殆どの服は冬物で、夏服は6月のボーナスをもらったら、買い揃える...
  • 【お酒と河川敷と、お嬢様】
    「ジュン様は奥手すぎるのですっ! 大体ですね……」   さて、隣でやたら僕に絡んでくるこのお方の対処に、僕はほとほと困り 果てて居るのだった。どうしようかなあ……普段おしとやかでも、ひとっ てやっぱり変わるんだなあ……  かと言ってこのまま放置していく訳にもいかないし。一度腹を決めたのだ、 とことんまで付き合おうではないか。   僕の隣で、最早顔も真っ赤にしながら話し続けているのは雪華綺晶。この 辺りじゃ有名なお屋敷に住んでいるお嬢様である。夕暮れ時の光が、彼女の 顔をより一層赤く照らしているように見えた。 「あ、また無くなりましたわね……ジュン様、そちらの袋をおとり下さいますか」 「はいよ」   がちゃん、と音が重く響くほど中身の詰まった袋を、彼女に渡す。 「ゴミを持ち帰るのは、ひととしてのマナーですわ」   ...
  • *中盤戦
       「はぁ……頬を真っ紅に染めながらソファで横になるカナも雛ちゃんも超絶可愛いわ……」 「落ち着け」  二人仲良く抱き合って寝ている雛苺と金糸雀を見ながら、虚ろな眼でみつさんは呟いている。槐さんが嗜めてくれなかったらどこへ向かっちゃうかわかったもんじゃない。 「まあ……うん。なんかこう、娘を見守る親、という気持ちとしてはわかるかもしれない。姪っ子ではあるが、うちの薔薇水晶も雪華綺晶も、寝顔は本当にかわいいものだ」  言いながら、槐さんは壮絶の渦中を見やって、どこか諦めた表情をしている。なんかあったんですか? 「……私でも引かないところは引かないよ!」 「あらあらばらしーちゃん(唐揚の皿を完食)、私も姉として(カルボナーラの皿を完食)挑まれたなら白黒つけずには(シーザーサラダの皿を完食)(姉ちゃんが五目チャーハンを追加)いられませんわよ?(完食)」  家の中に嵐が居る。食...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.6
      『ひょひょいの憑依っ!』Act.6 「あーん、もうっ。カナ、独りぼっちで寂しかったんだからぁ。  ジュンったら、どこ行ってたかしら~」 帰宅早々、熱烈歓迎。 甘えた声色に相反して、金糸雀の腕は、容赦なくジュンの頸を絞めます。 猫のように、頬をスリスリしてくる仕種は『可愛いな』と想わせるのですが、 これではまるで、アナコンダに締め上げられるカピバラ状態。 喜びの抱擁が、悲しみの法要になってしまいます。 無防備に押し当てられる、彼女の柔らかな胸の感触を名残惜しく思いつつ、 ジュンはこみあげてくる鼻血を、理性でググッと我慢するのでした。 「ちょっと、外でメシ食ってきただけだって。  お前に作ってもらおうと思ってたけど、ちっとも風呂から出てこないから」 真紅のところに行ったことは、伏せておくのが吉でしょう。 とかく人間関係には、ヒミツがつきもの。 それがあるから、この世は歪みながら...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第四話
    第四話 全く、チビチビにまで心配かけるなんて、長女失格ですね。 ま、まァその、ほら、アレですよアレ。 翠星石は水銀燈とかきらきーのコトなんかちぃとも心配してないんですよ。 ジュン? あんなチビ人間は最初っから思慮の度外視です。 せっかくだから晩ご飯は豪勢にしてやりましたけど。 ふん、コレでジュンもちょっとは翠星石のありがたみを知ればいいんです。 そ、そりゃあ少しは蒼星石にも手伝ってもらいましたけどね。 この寮で翠星石の料理の腕に着いて行けるのは、蒼星石を置いて他にはおらんです。 あー! チビ人間のクセして、また水銀燈とイチャイチャしてるですぅ! んー、もー、なんか腹が立つです。 なんだってジュンは水銀燈とかきらきーばっかり心配するですか! 翠星石もこんなに悩んでるですから、ちょっとくらいこっちも見るべきですよ。 べ、別に翠星石はジュンに心配してほしいワケじゃないです。 ただ、み、皆の前...
  • 薔薇水晶ってこうですかわかりません
            みんなおいてけぼり、投げっぱなしの1レス小話集 『薔薇水晶ってこうですかわかりません』 ※あらすじ:薔薇水晶の退屈しのぎにジュンがつきあうよ #1 「こーどもー、こーどもー、たーっぷりー、こーどもー」 「関わりあいになりたくなくて、眼帯側の死角からこっそり逃れようとする僕です」 「あ、ジュンだ。気づいてたけど」 「ああン」 「退屈です。しのいでください」 「のっけから日本語崩壊してるなあ。いいよ、なんかして遊ぶか?」 「ヒント:1行目」 「なんで帰ろうとするかなー。むー。って口で言う。むー」 「お前は性的いたずらのことしか頭にないのか」 「ジュン酷いよ。私純愛派なのに。コウノトリだって信じてるのに」 「信じてる子は信じてるって言わない」 「……意地悪しないで。遊んで」 「セクハラしなければ普通に遊ぶぞ。で、何する?」 「コウノトリの...
  • 【夢の続き】~ドール~
     桜が、散ろうとしていた。待ち望んでいた筈の春は、あっという間にその終わりを見せよう としている。川沿いの桜並木から、零れ落ちていく花びら。それらが、水面にひたり。水の 流れに沿っている。落ちた花びらは、抗えず。ただ、流されていくだけ。  こんな風景を見て。私の心の内には、何の波も立っていない。感傷、寂しさ、あるいは哀し み……という名前の、『何か』。そういうものは、少なくとも私には必要の無いこと。  涙は流さず。少しの喜びと、楽しみがあれば。それだけで、良いのだから。  私は、十分に哀しんだ。  だからもう、いいと思う。  ちりん、と。首元から聴こえる金音。紫の紐に通された、ふたつの銀の輪。  ぎゅっと、握り締める。  光が眩しい。眼を細めて、私は。自分の先を、ただぼんやりと見つめている、だけ。   ―――――――――――  夢を、見ていた。私は春の桜並木の下を、ひ...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.7
    『ひょひょいの憑依っ!』Act.7 大笑いしている水銀燈は放っておいて、めぐは再び、襟元を広げました。 そして、ふくよかな双丘の上端を指さしながら、ジュンに語りかけたのです。 「ほら、ここ。私の左胸に、黒い痣があるでしょ」 「なるほど……勾玉というか、人魂みたいなカタチの痣がありますね、確かに」 確認を済ませたジュンは、気恥ずかしさから、すぐに目を逸らしました。 ジロジロ見て、懲りずに水銀燈のまさかりチョップを食らうのも馬鹿げています。 めぐの方も、水銀燈の手前とあってか、すぐに襟を閉じました。 「つまり、水銀燈さんは禍魂っていう存在で、柿崎さんに取り憑いてるってワケか」 「うん。きっと……これは報いなのよ。命を粗末にした、傲慢に対する罰ね」 つ――と、めぐは悲しげな眼差しを空に向けましたが、すぐに表情を切り替え、 顎のラインをするりと指でなぞりつつ、ジュンを見つめました。 ...
  • ずっと傍らに…激闘編 第十九章~翠星石side~
    翠「~♪」 すこやかに~のびやかに~♪ 今日もちゃんとお花に水をやるですよ~♪ いやぁ…見事なまでに青空が広がってるですぅ。 絶好の行楽日和…って言っても、今年はどこにも行けないんですが… まぁジュンとは街へ出掛けたんですけどね~♪ それだけでも良しとしますか。 …邪魔が入った? あぁ、そんなもん知らねぇです。 ヒッキーと外で遊べること自体奇跡だったわけですし、 駅弁食べながらのんびり過ごすことも出来ましたし、 色々と服も買えましたし、 アクセサリーも買えましたし、 ケーキ屋にも行けましたし── このキャミワンピースも、ジュンはさっさと気づいてくれるですかねぇ~。 『(あっ!その服、こないだ買ったやつだろ?  やっぱお前が着ると可愛く見えるよなぁ~…)』 …きゃはっ! 顔がにやけてくるですw だっ…誰にも見られてないですよね? …って、みんな家の中でゴロゴロしてやがるですか!...
  • ジュンと薔薇水晶のデート
    ~日曜日:コンビニ前~ ジュン「ごめんごめん、待ったか?」 薔薇水晶「・・・ううん・・・そんな事無い・・・たった3時間だけだから・・・」 ジュ「普通、帰るだろ!?よくそんなに待てたな!」 薔「・・・大丈夫だよ・・・この前・・ここのコンビニ開くまで8時間・・・待ってたことあるから・・・」 ジュ「待ちすぎだろ!?って言うかコンビニは24時間開いてるだろ!?」 薔「・・・ちょ~・・・うける~・・・」 ジュ「何がだ!?・・・まぁ、いいや。腹減ったから、マック行こうぜ」 ~マック店内~ 雪華綺晶「いらっしゃいませ。何になさいますか?」 薔「あ・・・お姉ちゃん・・・」 雪「あら、ばらしーちゃん」 ジュ「よう、雪華綺晶」 雪「あら、ジュン様も。 デートですか?」 ジュ「まぁな」 薔「・・・お姉ちゃん・・・ここで何してるの・・・?」 雪「見てのとおり、アル...
  • ちょっと暑い、夏の日。
    「暇ですぅ・・・」 第一声がこれでいいのかとは思うが、どうしようもない。 だって暇なんだもん。 今日の夜には花火大会もある。 なのに・・・ 「めっさ暇ですぅ・・・」 エアコンの効いた部屋。 外からはワシワシ、ミンミン蝉の声。 ふとケータイに目をやる、 着信もメールもない。 年頃の乙女がこんなんでいいのか? 「はふー・・暇ですぅ・・・」 せっかく買った奇麗な翠の浴衣も、出番があるとは思えない。 「誰か拉致られろですぅ・・」 かたっぱしから友人に電話してみる。 Trrrr・・・・Trrrrr・・・Trrrr・・・・ 「もしもしぃ~?どうしたのぉ?」 「今日の夜暇ですかぁ?」  ってこいつが暇なわけはなく、 「何言ってんのよぉ、今日は花火大会よぉ? 暇なわけないじゃなぁい。おばかさ~ん」 「いっぺんこの世から乳酸菌を消し去ってほしいですか?」 「フフフ、とにかく私はだ...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第七話
    第七話 や、いままでも何度か見てきた部屋ではあるけどさ。 相変わらず広いっていうか、場違いっていうか意味なしっていうか。 ここまでダメ押し的な部屋を見せつけられると、正直言って唖然とするほかやることがないなァ。 これはこれで3日くらいは住んでみたいなァとか思うんだけどね? んー、そんなに保つのかどうかも正直あやしいけど。 いやほら、高嶺の花に憧れるっていうか、そういうキモチ。 たしかに手が届く場所にあるんだけど、こう、伸ばしたくない領域なワケで。 今日これからここで寝るんだなーって思うと、僕としては怖気がする。 だってさ、人が住むような空間じゃないよ、ここ。 「───ここで寝るしかないよなァ」 うん、それしかない。 これでも最善は尽くしたんだけどね。 ソファーで寝るとか、水銀燈の甘い誘惑にノるとか、なんかそーいう善後策。 いくらなんでも、客人にそんな待遇はどうかっていう見事なま...
  • テレパシー
    好きだ! ラッシュにはまだ間がある朝の電車は、立っている乗客を数人数えられる程度に空いていた。 桜田ジュンは吊り革につかまり、愛を叫び続けていた。 目の前に座っている銀髪の女性はうんざりして彼を盗み見る。 ジュンが好きだと叫んでいる相手は、銀髪の女性の右隣に座って文庫本を読んでいる女性だ。 好きだ! 彼女が不意に文庫本から顔を上げた。びっくりして怪訝そうに辺りを見回している。 その動きに、つい顔を向けてしまったジュンと視線がぶつかった。見つめ合う形になっても、ジュンの心の中で「好きだ!」と言葉がもれていた。 彼女の顔が真っ赤になる。慌てて顔を伏せ、読書に戻ったが、明らかに文字を追っていない。 彼女は電車を降りる直前に顔を上げ、ジュンをしばらく見つめてから降りた。 ジュンもその駅で降りた。それに気付いて彼女はジュンをホー...
  • 【明け空のノート】
        ひとつの始まりがあれば、必ず終わりがある。  けれど。  ひとつの終わりの後に、新しい始まりがあるとは限らない。  とても空気がつめたいな、と思う。つめたい空気はとてもきれいで、私はとてもすきだ。そりゃあ、長い間外に出ていれば耳が痛くなってしまうときもあるけれど、両の手に吐き出す息は、いつだってあたたかい。  森に雨が降ったあと、急にこんな、冬のようにつめたくなる日がある。  今の季節はよくわからなくて、きっと森の外に出れば……何かしらの花が咲いているのならば、今の時期がどのようなものか、知ることができるかもしれなかった。  けれど、ここは森の中。ずっと続く晴れの日もなく、いつまでも降り続く雨もない。昨日あがった雨、そして現れたお日さまは、新しい始まりを示すものなのだろうか?  さあ。冷えた空気を吸い込みすぎて、胸の中までつめたくなってしまわないように――もう家に入...
  • 薔薇乙女遊戯王
    金糸雀はとても可愛い奴だ。 金糸雀「パンサーウォリアー、アックス・レイダー、ベビードラゴンを生け贄に、      ギルフォード・ザ・ライトニングを召喚かしら! ジュンの場にいる      モンスターを一掃して、攻げk」 ジュン「はいはい魔法の筒魔法の筒。金糸雀のライフに2800が直撃、僕の勝ち」 金糸雀「(´・ω・`)」 金糸雀「う~ん、カナが劣勢かしら……じゃあカードを一枚伏せて、      スケープ・ゴートを発動! 羊トークンを出してターンエンドかしら!」 ジュン「僕のターンでカナの場の羊トークン2体を生け贄に、ラヴァ・ゴーレムを     特殊召喚。そして拷問車輪を発動しラヴァ・ゴーレムをロック。     更に最終突撃命令を発動して、羊トークンを攻撃表示に強制変更だ。     暗黒界の狂王ブロンを召喚し、攻撃。金糸雀に戦闘ダメージを与えたので、     手札から暗黒界の武神ゴルドを...
  • 三日目
    それぞれが違和感を抱えながら迎えた金曜日の朝。 夜に降られた雨に濡れているアスファルト。定休日の花屋。そんな景色。 「おはよう、翠星石。今日も一人か。」 「…」 「なぁ、蒼星石にちゃんと謝ってくれたか?」 「…ですか」 「何だ?どうしたんだ?」 何かが、翠星石の中で吹っ切れた。 「ジュンは…ジュンは、こーんなに元気のない翠星石よりも、蒼星石のことのほうが気になるのですか?」 皆から、物腰の柔らかい蒼星石からさえ「鈍感」と称される彼には、全く意味深な言葉だった。 「…は?何言ってるんだ?昨日から…お前何か変だぞ?」 「全く…ジュンはとっくの昔に気づいてると思っていましたけど…やっぱりお前は翠星石も驚くほどのニブチン野郎なのです!」 「だから…いったい何が」 「蒼星石もお前のことが好きなのです!」 ジュンは混乱していた。 単なる幼馴染、家も近く、小学校のころから一緒で。 そして今は、自分...
  • 巴メイデン471~480
    471 巴「さてと、そろそろこたつしまおうかな…」 雛「えぇー、やーなの!ヒナはまだまだおこたで寝たいのよ」 巴「もう…風邪ひくからダメって言ってるでしょう?」 雛「ひかないもん!おこたで眠るとすっごく気持ちいいのー」 巴「風邪ひいたら、辛いのは雛苺なのよ」 雛「だいじょーぶだもん。それに寝ちゃったら、ジュンが部屋まで運んでくれるし…」 巴「え?そうなの?」 雛「そうなの、ヒナのこと抱っこしてお布団までつれてってくれるのよ!」 巴「へぇ……桜田くん……そうなんだ……」 ~~次の日~~ 巴「……」ヘクシュン! ジ「あー、柏葉、昨日こたつで寝てたろ?風邪ひいちゃって……あはは、柏葉でもそんなことあるんだなー」 巴「ギロッ」 ジ「え……な、なんか怒ってる?」 472 巴「お昼……」  「……面倒くさいな」  「……お昼ご飯く...
  •  『ひょひょいの憑依っ!』Act.5
     『ひょひょいの憑依っ!』Act.5 夕闇が迫る下町の風景は、どうして、奇妙な胸騒ぎを運んでくるのでしょう? どこからか漂ってくる、夕飯の匂い。お風呂で遊ぶ子供の、はしゃぎ声。 車のエンジン音と、クラクション。遠く聞こえる電車の警笛。その他、様々な雑音―― 闇が世界を塗りつぶしていく中、人影の群は黒い川となって、足早に流れてゆきます。 毎日、繰り返される平穏な日常の、何の変哲もないワンシーン。 なのに、ジュンはそれらを見る度に、家路を急ぎたい衝動に駆られるのでした。 黄昏時は、逢魔が刻。 そんな迷信じみた畏れが、連綿と魂に受け継がれているのかも知れません。 ――などと、しっとりとした雰囲気に包まれながら、ジュンは、ある場所を目指していました。 それは……ズバリ、近所の銭湯です。 タオルやボディソープ、シャンプーなど、入浴に必要な物はバッグに詰めて、背負っています。 にしても、自宅...
  • =さらば!我が愛しき日々よ=第七話
    見つめ合ったまま静かに時が過ぎていた。 そんな静寂を破ったのはリビングから騒音で起きて来た真紅だった。 『ガチャ』 真「うるさいわね。ジュン、何を騒いで・・・。その娘は誰?」 後半は凄みの聞いた声で僕に聞いてくる真紅。 ジ「え、だ、誰って・・・僕が知るわけ無いだろ!」 雪「初めまして。私は雪華結晶。薔薇乙女の7女ですわ。」 背後からいきなり声がしたので、僕は跳ね上がった。 真「7女?7女は薔薇水晶じゃなくて?」 雪華結晶は雷に打たれたような驚いた顔をして、 雪「えっ・・・、そ、そんな・・・。ひどいですわ・・・、私を、私を忘れるなんて・・・」 両手で顔を覆い泣き出してしまった。 そんなことを尻目に、 ジ「また増えるのかよ。」 と、発言したのが悪かったらしく、 雪「そんな・・・ジュン様まで・・・、ひどいですわ・・・、あんまりですわ・・・。」 雪華結晶は顔を上げて...
  • 二日目
    いつも通り5時に起きた僕は、やっぱり少し姉さんの事が心配だった。 でも… 制服に袖を通して、僕は部屋の戸を開ける。 姉さんが、泣き疲れて眠っていた。 朝ごはんに魚を焼いて、ラップをかけておく。 庭の野菜を使って、お弁当も作った。 丹精こめて育てた野菜を刈り取ると、姉さんはいつも悲しそうな目をして。 でも、僕の作ったお弁当は、いつも嬉しそうに食べてくれたんだ。 姉さんは、一度眠ってしまうとそう簡単には起きない。 そんなことを知っているから、最後の優しさとして、僕は姉さんを部屋まで運んだ。 そっと抱き上げたとき、姉さんの口から零れた言葉。 「蒼星石…行くなですぅ…」 寝言だ。わかりきっている。今頃翠星石は夢の中にいるんだから。 自分自身が、昨日あんなことを言ってきた妹に抱えあげられているだなんて思ってないんだろうね。 でも、涙のあとが、その頬にはっきり見えたんだ。 ベッドに横たえら...
  • 第四話 違和感
      さて、これで眼の前にあった脅威は回避出来た。 「真紅、大丈夫かしら……?」 「ん……眠くなって、きたの……だわ」 「そう……あとは"庭師"とジュンに任せて、ゆっくり休むかしら。  ……良い夢を、真紅」   最後の私の言葉に対する彼女の返事は無かった。そして、彼女の頭上に "世界"へ通じる穴が再び開く。 「眠っちゃったね、真紅ちゃん」 「この娘も……相当に強い精神力の持ち主かしら」 私は彼女の左手の薬指につけられている指輪を見る。これが真紅という少女 を縛る呪いの指輪だけど……ひょっとして、彼女を守ろうとする力も働いている?   私は、さっき彼女の指輪から紡ぎだされた糸のことを思う。   しかしながら、とりあえず。あとは中に居るジュン達の頑張り次第だ。出来るだ け最速で片付...
  • 走馬灯~MANY MEMORYS~
    走馬灯~MANY MEMORYS~ 今という時は二度と無い。 一瞬一瞬が過ぎ去っていく。 過去という道を渡って人は未来という道を 馬の如く走りそして命の炎を灯って行く。 これはとある乙女の走り跡と消えてしまった灯りの物語。 私はこう思う。 今という一瞬が早く過ぎないのぉ? だって人生とつまらなぁい。 早く過ぎればいいのにぃ。 だけどねぇ・・そうは思わなかった事が何回もあるのぉ。 いずれもあの人の思い出の灯火ばかりだけどねぇ。 逆に言うとあの人との思い出で過ぎ去って欲しいと思った事は 1つしかないわぁ。ただ1つだけぇ。ちょっと悲しかった出来事。 その時は時がただ流れていくのを残酷に感じたわぁ。 だけどあの人はそれを考えてか手紙を残してくれた。 その手紙は“思い出“になって灯っているわぁ。 そうねぇ・・。ちょっと話してあげるわぁ。 他の思い出の灯火...
  • エピローグ
      …………  目覚めるとそこは、真っ白い空間だった。だけどここは"九秒前の白"では無くて――― 僕が入院していた、病院の一室。 「……ジュン君~!」  目覚めて身体を起こすなり、いきなり抱きつかれる。……またかよ! 「ね、姉ちゃん……暫く身体動かしてないんだから……! ちょっ、痛い痛い!」  僕の抗議も空しく、姉は泣きながら抱きつくのをやめてくれない。―――僕が一応植物状 態みたいな状況に陥ってから、どれ位の時が経っていたのかはすぐにはわからなかったが。  やっぱり心配かけちゃったよな…… 「……ごめん、姉ちゃん。あと……ただいま」 「ひっく、……? ジュン君、ぐすっ、何処か、お出かけしてたのぉ?」 「うーん……ちょっと、夢の中で」 「……ふふっ、おかしなジュン君……」  うん、まあおかしいよなあ。……それにしても。僕が幽霊になる前は、あれほど激しく...
  • 「あなたを呼ぶ」後日談5
    お盆休み、僕は、水銀燈を連れて故郷に帰ってきた。 ジ「や~っと着いた。長かった。」 銀「へぇ、もっと緑溢れるって感じを想像してたんだけど、   そうでもないわねぇ。」 ジ「都市ってわけでもないけど、田舎ってわけでもない。   まぁ、微妙なところだな……。   とりあえず、約束の場所に行こう」 銀「はぁい。あなた。」 そういいながら、彼女は腕を組んでくる。 さすがに、これだけは何時まで経ってもなれない。 ジ「なぁ、腕組むのやめてくれないか? 銀「あらぁ、いいじゃない。恋人同士なんだし。」 ジ「けれど、恥ずかしい……」 銀「もう、いい加減慣れなさいよぉ。」 そういいながら、彼女は放そうとしない。 道の途中で、知り合いとあった。 「よう、お帰り。  ってか、美人な奥さん連れやがって、  うらやましいぞ、この野郎」 水銀燈とは結婚まではいってない。 けれども、水銀燈は嬉しそうに、 銀「妻の水銀燈で...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.13
        『ひょひょいの憑依っ!』Act.13 ――こんなに、広かったんだな。 リビングの真ん中で胡座をかいて、掌の中でアメジストの欠片を転がしながら、 ぐるり見回したジュンは、思いました。 間取りが変わるハズはない。それは解っているのに…… なぜか、この狭い部屋が、茫洋たる空虚な世界に感じられたのです。 一時は、本気で追い祓おうと思った、地縛霊の彼女。 だのに……居なくなった途端、こんなにも大きな喪失感に、翻弄されている。 彼のココロに訪れた変化――それは、ひとつの事実を肯定していました。 はぁ……。 もう何度目か分からない溜息を吐いたジュンの右肩に、とん、と軽い衝撃。 それは、あの人慣れしたカナリアでした。 左肩に止まらなかったのは、彼のケガを気遣ってのこと? それとも、ただ単に、医薬品の臭いを忌避しただけなのか。 後者に違いない。すぐに、その結論に至りました。 意志の疎通...
  • =さらば!我が愛しき日々よ=第十九話
    ジ「はぁ、はぁ、つっ・・・クソ・・・。」  ジュンは走り疲れていた。 ジ「こりゃ早くしないとな・・・。」  ジュンは止まり、自分の足をズボンをめくって見た。  水しぶきで濡れ、解けた包帯からは、階段から落ちた時の青あざがある。 ジ「雨が降っているから、どこかに雨宿りをしているはず・・・。」  ジュンはまた走り出し、心当たりのある所を探す。 ジ(会ったらどう言おう・・・。)  ジュンの頭の中はそれで一杯だった。  なにせ、自分を看病してくれた女の子を泣かせたのだから。 ジ(やっぱり素直にごめん・・・かな。)  そんなことを考えているうちに、もう体力の限界が来た。 ジ「はっ、はっ、ふー、ふー。」  ジュンはひざに手をつき、呼吸を整える。 何せほとんど運動していないのだから、すぐにばてるのは当たり前である。 ジ「ふー・・・ホント、何処にいるんだろう・・・。」  水...
  • =さらば!我が愛しき日々よ=第十三話
    ジュンは今、絶体絶命のピンチに陥っている。 ジ(穴があったら・・・入りたい・・・)  ジュンは、顔が真っ赤になっていくのを感じた。 雪「ジュン様!これは、男としては正常な証拠ですわ!むしろ、喜ぶべきですわ!」 ジ「できるかー!」  反論するのと正反対に、ジュンの顔は、みるみる赤くなっていく。 銀「ほらぁ、ジュンはやっぱり興奮してたじゃなぁい。」 真「何かの間違いなのだわ!ジュン、どうなの?!」  水銀燈の満足げな声と、真紅のヒスの入った声。 ジ「え、いや、その・・・。」  弁解の猶予はない。体が正直に示しているのだから。 ジュンは、真紅の拳が握られていくのを見て、もう一度あのパンチが飛んでくることを覚悟した。  が、そこにまた、 雪「ジュン様!勝手ながらも、私が処理いたしますわ!」  雪華結晶が現れ、ジュンを押し倒した。 雪華結晶は妙に息が荒かった。  ジュ...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.11
          『ひょひょいの憑依っ!』Act.11 白銀のステージライトを浴びて、ゆるゆると路上に佇む、眼帯娘。 だらりと肩を下げ、今にも大きな欠伸をしそうな、さも怠そうな様子は、 立ちはだかるというより寧ろ、寝惚けてフラフラ彷徨っていた感が強い。 冷えてきた夜風を、緩くウェーブのかかった長い髪に纏わせ、遊ばせて…… 水晶を模した髪飾りが、風に揺れる度に、鋭い煌めきを投げかけてきます。 でも、人畜無害に思えるのは、パッと見の印象だけ。 めぐと水銀燈の位置からでは逆光気味でしたが、夜闇に目が慣れた彼女たちには、 ハッキリと見えていたのです。 眼帯娘の面差し、金色に光る瞳、口の端を吊り上げた冷笑さえも。 「貴女……どっかで見た顔ねぇ」 水銀燈は、一歩、めぐを庇うように脚を踏み出します。 午前一時を回った深夜まで、独りでほっつき歩いている娘―― しかも、出会い頭に妙なコトを口走ったとあれ...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.2
      『ひょひょいの憑依っ!』Act.2 ――チュンチュン……チュン カーテンを取り付けていない窓辺から、朝の光が射し込んできます。 遠くに、早起きなスズメたちの囀りを聞きながら、ジュンは布団の中で身を捩りました。 春は間近と言っても、朝晩はまだまだ冷え込むのです。 「……うぁ~」 もうすぐ会社の新人研修が始まるので、規則正しい生活を習慣づけないと―― そうは思うのですが、4年間の学生生活で、すっかりグータラが染みついてるようです。 結局、ぬくぬくと二度寝モードに入ってしまいました。 すると、その時です。 「一羽でチュン!」 ジュンの耳元で、聞き慣れない声が囁きました。若い女の声です。 寝惚けた頭が、少しだけ目覚めます。 「二羽でチュチュン!!」 小学校に通学する子供たちの騒ぎ声が、近く聞こえるのかも知れません。 うるさいなぁ。人の迷惑も考えろよ。胸の内で、大人げなく悪...
  • *序盤戦
       「大丈夫よ、ジュン。国によって飲酒は16歳から認められるわ」 「もう早く始めましょうよぉ。何か隠し玉でもあるのかしらぁ?」  真紅、ここは日本だ。  あと水銀燈。お前は酒がすきすぎる。ボトル抱えるな。 「いえいえ、本当に無理はなさらぬよう。しかしながら、皆様もう大学生。昨年よりは羽目を多少外したところで、お酒の神様も見逃してくれるでしょう」  白崎さん……無責任なこと言わないでください……  昨年、というのは。丁度僕が独りだけ大学に落っこちたものの、とりもあえず高校は卒業したんだということで、ちまりとお酒なんかも出されたりもしたのだった。  それでもまだ、当時は結構平和的に行われていた筈のそれ――ごめん、ちょっと嘘ついた。  今回は一体どうなってしまうのだろう。  会場となった我が家の居間。妙に広い間取りがこういうときばかりは役に立つ。入ろうと思えば入れる空間。 ...
  • 勝負の始まり
    9月1日晴れ 小、中学生たちは夏休みが空けて、久しぶりの登校日である。 みんな、面倒臭いなーと言いつつも友達と一ヶ月ぶりに会うので、どこか楽しそうだ。 空は晴れ、外も少々賑やかになってきた日和とは裏腹に、 とある家に心が土砂降り状態の一人の青年がいた。 彼の名前は桜田ジュン(24歳)現在無職。 元々は平凡なサラリーマンだったが、就職したての会社が不況により倒産。 ジュンは職を失った。今現在、彼は新しい仕事を探すため就職活動を行っているが、 不況により、ジュンのような平凡な人には仕事すら見つけるのも難しい状況。 さらに追い討ちをかけるように、ジュンの両親も不況で多額の借金をかかえ、 その借金を残して蒸発。 その上、借金返済のため出稼ぎに行っていた姉の桜田のりが、 数週間前から連絡が途絶え、行方不明状態。 ちなみに、その借金額は約800万円。無職の者にとって、 とてもじゃないが返せるような...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』
    『ひょひょいの憑依っ!』 凍てつく冬が、静かに舞台を降りてゆく頃。 それは、春という再生の訪れ。 多くの若者たちが、新しい世界に旅立っていく季節。 彼……桜田ジュンもまた、新たな道に歩を踏み出した若者の一人でした。 「今日から僕は、ここで――」 穏やかに、昼下がりの日射しが降り注ぐ空間。 薄汚れた壁際に、山と積まれた段ボール箱を眺め回して、独りごちる。 大学を卒業したジュンは、首都圏に本社のある企業に、就職が決まっていました。 そこで、これを機に親元を離れ、独り暮らしを始める予定なのです。 彼が借りたのは、都心から電車で30分ほど離れた下町の、ボロアパートでした。 築20年を越える5階建てのコンクリート家屋ですが、立地条件は悪くありません。 勤務先にも、公共の交通手段を用いれば、1時間以内に辿り着けます。 そんなアパートならば、家賃だって安かろう筈もなく―― 最低でも、一ヶ...
  • あなたを感じていたい
    「とにかく、翠星石は僕がいない間に無茶苦茶するなよ。僕がいなくなったとたん にせいせいして、いろいろやんちゃしだすからな……」  ジュンはこれでもかというぐらいに私に釘を差す。 「うるさすぎるです、チビ人間」  本当にうるさい。  そこまで言わなくても分かっているですよ。  ――そんなに……しゃべらなくも……。 「また雛苺にいらないちょっかい掛けるなよ。雛苺から泣きの電話が入るのはうん ざりするのだからな」 「いちいちうるせえですよ!翠星石はそこまでひでえ奴じゃねえです」  ジュンのさらなる言葉に私は顔を膨らませた。 「ははは、本当に翠星石は可愛い奴だな」  そんな私の反応を見て吹き出すジュン。 「ジ、ジュンこそちょっかいかけてるじゃねえですか。だったらこうしてやるです」  私はそう言ってジュンの首元をくすぐる。 「ち、ちょっとやめてくれよ、ははは」 「もっとやってやるですぅ」  ...
  • 【 2years~薔薇水晶~ 】 【まほろば】
       ――  時間とは、とても不思議なもので。  手に触れることすら出来ないというのに、誰もがしっていて、確かにここにある。  流れるように過ぎていく、と言っても。  私はその感覚に疑いを持つ。だって私達は、その流れるような時間に、ぴったりと挟まっているのだから。  二人の時間が離れていれば。私がどんなにもがいたところで、距離が縮まることもない。  私が望む、夢見るように幸せな、すばらしい場所に、二人が重なることはない―― ――    「二年……ううむ」  打っていたキィの手を休めて、頭を抱える。どんなに小難しい言葉を並べてみたところで、事実ってば本当に変わらないから困るの。  私と彼の年の差は、二年。彼がしんでしまうなんて、そんなとんでもない話にもならない限り、私は彼に追いつくことなど、出来はしない。私と彼では、『居る』場所が違うんだ。  ……だめだめ。そんな弱気にな...
  • 湾岸 "Maiden" Midnight SERIES 1 「悪魔と天使と人間 Part 1」
    その車は、まるでくるおしく、身をよじるように走るという――― 首都高速湾岸線。 神奈川から東京をまたぎ、千葉に至る都市高速であり、制限速度は80km/h。 しかし、深夜にもなれば、スピードの魔力にとりつかれた者たちの、最高速フィールドとなる。 公道OVER300km/h――― 彼らは、それを目指して走り続ける。 自らの全てをなげうって車を改造し、深夜の首都高を暴走し続ける。 それが、いかに非常識であったとしても、いかに反社会的で狂った行為であったとしても……。 湾岸 "Maiden" Midnight SERIES 1 「悪魔と天使と人間 Part 1」 「水温よし、油圧よし、アイドリング安定……、全てよし」 今日も彼は、自慢の愛車とともに、深夜の首都高へと繰り出そうとしていた。 彼の名は桜田...
  • 巴メイデン512~520
    512 斉藤さん「じゃーん!今日はスカートはいてみました!」 巴「スカートでこの私に勝てると思……!?」 ジ「おお!?」 斉藤さん「ふっふっふ…どうですか隊長!」 巴「これはまさか禁断の…」 ジ「黒タイツ……っ!」 巴「似合ってる……そしてきっと私にはあまり似合わない…!」 斉藤さん「けっこうあったかいんだよねこれ」 ジ「へーえ」 巴「…桜田くん、騙されたらダメ」 ジ「柏葉?」 巴「あんなの、ただの布だよ。足に自信がないから誤魔化してるだけよ」 ジ「……そうかぁ?」 斉藤さん「さっすが!(ビッ 柏葉さん、ジュンくんは黒タイツの魅力がわかってるみたいだよ?」 巴「そ、それでも、桜田くんは私の足のほうが好きだもの…」 斉藤さん「そんなことないよね?」 巴「そうだよね?」 ジ「うーん…僕は……」 巴「桜田くん…」 斉藤さん「ジュンくん!」 ジ「僕...
  • 奇しき薔薇寮の乙女 第二話
    第二話 ど、どうしましょう。 男性なんて、ただでさえ怖いのに。 一緒にいることなんて絶対にムリ。 やっとの思いで同じ場所にいられるようにはなったけれど。 話すどころか、目を合わせるのもまだ出来ない。 桜田さんには悪いけど、早く帰ってくれないでしょうか……。 というか、まだいらっしゃるのかしら。 外はもう暗いし、さすがにお帰りになられましたよね。 い、いるかな……。 『帰らなくてもいいのよ』 『なんでだ!』 『今日は部活のみんなとお勉強会するから、今夜はよろしくねぇ~ですって』 ひいいい。 ま、まだいらっしゃいます~。 コレは困りました。 晩御飯が終わったらばらしーちゃんと一緒にゲームする予定でしたのに。 これでは、部屋から出られません……。 でもお腹が、ああ、ぐうぐう言ってます。 やっぱり、ダイエットのつもりでお昼を少なめにしたのがまずかったでしょうか。 でも、まさかこんな...
  • 『ひょひょいの憑依っ!』Act.4
      『ひょひょいの憑依っ!』Act.4 ちゃぶ台に置かれた料理の数々が、ジュンの目を惹きつけます。 驚くべきコトに、それらは全て、金糸雀のお手製と言うではあーりませんか。 玄関を開けたときに、鼻腔をくすぐった美味しそうな匂いは、気のせいではなかったのです。 「ジュンの帰りを待ち侘びながら、あの女が持ってきた食材を使って、  お昼ご飯を作っちゃったかしら~」 金糸雀は、ニコニコと満面の笑みを浮かべながら、幸せそうに話します。 もし、ジュンが帰ってこなかったら、無駄になってしまうと考えなかったのでしょうか。 おっちょこちょいな、彼女のことです。そんな仮定など、していたかどうか……。 「ホントに、お前が作ったのか? 近所の食卓から、かっぱらって来たんじゃあ――」 「むぅ~。侮辱かしら。失礼しちゃうかしらっ!  この部屋から出られないカナが、そんなこと出来っこないじゃない」 「ああ、それ...
  • 『山桜の下で・・・』
    その山桜は一本だけ、周囲の緑に溶け込みながら、ひっそりと咲き誇っていた。 満開の白い花と赤褐色の新芽に染まる枝を、私はただ、茫然と見上げているだけ。 時折、思い出したように花弁が降ってくる。青空との色合いが、とっても良い。 いつもなら、衝動的にスケッチブックを開いて、ペンを走らせているところだ。 でも、今は何も持っていない。持っていたとしても、描く気が湧かなかった。 そのときの私は、小学校低学年くらいの小さな女の子で―― どうしてなのか思い出せないけれど、泣いていた。 『…………』 ふと、誰かが私の名前を呼んだ。男の子と、女の子の声。 二人の声が重なって、なんだか奇妙な余韻を、私の胸に刻みつけた。 だぁれ? 止まっていた私のココロが、静かに動きだす。 身体を揺さぶられる感覚。そして―― 気付けば、レールの継ぎ目を踏む車輪の音が、規則正しく私の耳を叩いていた。 うたた寝してたら...
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