*WineでPcFiler(rupfiler) 何かと話題のWineでRuputerのPcFilerを動かしてみた。 (「Ruputer Pc Filer」を以下「rupfiler」と呼ぶ) 結論を先に言えば、「rupfilerはWineで利用できる」 ただ、やはりちょっとクセがあるようだ。 そこで導入の際の手順や注意点やらをまとめておく。 導入環境: ・Ubuntu Linux 8.10 (JP-REMIX) ・Wine 1.1.8 ・HDD40GB ・通信ポート:COM1 wine_version.jpg 要旨: |rupfilerのVer|wineの動作設定|動作|同期|備考| |v1.02(Pro付属)|windowsXP|OK|NG|「パソコン上でエラーが発生しました」| |v1.02(Pro付属)|windows95|OK|OK|上のエラーを回避| |v1.10(+upall130)|windowsXP|OK|OK|特になし| |v1.10(+upall130)|windows95|OK|OK|特になし| |v2.52(+rupV21)|windowsXP|OK|OK|RupShell.exeの起動が必要&br()ファイル転送の問題から非推奨| |v2.52(+rupV21)|windows95|OK|OK|上と同じく| ・Pro付属の rupfiler v1.02 でもwin95設定なら同期OK(アップデート不要?) ・v2系のrupfilerではなく、v1系をあえて使うべし ・ドラッグ&ドロップやコピー&ペーストによるファイル転送は不可(?) ・ファイル転送手順:同期完了->cache弄る->F5で更新->同期上書き終了 ***RupFilerのインストール 今回は直接付属CDからではなく、そのCDのバックアップからインストールした。 ・インストーラ起動 wine_rupfiler_01.jpg あっけなく起動。 ・インストール完了 wine_rupfiler_02.jpg あっけなく完了。 とくに注意点もない。Windowsでインストールするのと変わらない。 ***Wine側の設定とrupfilerの動作 Wineは起動するアプリケーションごとにWindowsのバージョンを指定できる。 wine_rupfiler_04.jpg (Windowsで言うところの「互換性」のようなものだろう) ・WindowsXPの設定の場合 とりあえず、WindowsXPの設定にしてみる。 wine_rupfiler_xx.jpg そして、rupfiler(v1.02)を起動してみると、起動はした。 しかし、同期中に.. wine_rupfiler_03.jpg 有名(?)な「パソコン上でエラーが発生しました」が出る。 最近Ruputerを手に入れた人がよく困るエラーとして知られている、例のアレだ。 この辺りは実際のWindowsXPの場合の動作と変わらないだろう。 ・Windows95の設定の場合 そこで、Wine側でrupfilerをwindows95モードで起動する設定に変えてみる。 wine_rupfiler_05.jpg それから再度rupfilerを起動すると...? wine_rupfiler_06.jpg 見事、同期に成功! wine_rupfiler_07.jpg rupfilerは Ubuntu Linux 上の Wine で動作する。 少なくとも編集者の環境では、 Wineで動作設定をWindows95にしておけば、 最も古いバージョンである、rupfiler v1.02でも同期できた。 また、この他、upall130適用後のv1.10とrupV21適用後のv2.52でも動作・同期を確認した。 v1.02以外であれば、windowsXPの設定でも同期できた。 ただし、次の項の理由から、v2系は使わないほうが良い。 ***ファイル転送の問題 編集者が試した限りでは、 ・ファイルをLinux側からドラッグ&ドロップでrupfilerに渡す動作 ・ファイルをLinux側からコピー&ペーストでrupfilerに渡す動作 を行うことができなかった。 では、Ruputerにファイルを転送するためには、 どうやってrupfilerにファイルを渡せばよいのだろう? 以下、RupTEST.txtというファイルを送ってみるという形で手順を一つまとめておく ・1:Ruputerとrupfilerを同期させる ドッキングステーションに乗せたままの状態。rupfilerも動作中のままで。 ・2:転送したいファイルをrupfilerのcache/下に放り込む wine_rupfiler_08.jpg Program Files/Ruputer/pcfiler/にcacheというフォルダがある。 v1系のrupfilerはファイル転送の際に次のような動作をしている。 1:Ruputerからファイルを転送してcache/下にバックアップを作る 2:そのcache/にRuputerに送りたいファイルを追加する 3:同期終了時にそれをRuputerに上書きする この動作を利用してファイルをrupfilerにファイルを渡すのだ。 ・3:rupfiler側でF5キーを押して「最新の状態に更新」する wine_rupfiler_09.jpg 企みどおり、rupfiler側にRupTEST.txtが現れた。 ・4:rupfiler終了->上書きして転送 当然、rupfilerの終了メニューでは上書きして転送を選ぶ。 wine_rupfiler_10.jpg すると、このようにRuputer側にファイルを送ることができた。 以上、rupfilerにファイルを送り、Ruputerに転送できた。 しかし、ここで紹介した方法はv1系の動作を利用しているので、 動作が異なるv2系のrupfilerでは使用することができない。 Linux+Wineで利用する際には、あえてv1系を使ったほうが良いということらしい。 なお、cache/下にファイルを放り込むのは、あくまで同期中でなければならない。 同期前にcache/下にファイルを追加しておくと、それは自動的に削除されてしまう。 その点注意。 ***その他の問題点 Wine上のrupfilerで確認した不具合(?)を挙げておく。 ・更新日時が文字化ける wine_rupfiler_11.jpg メニューなどは大丈夫なのになぜかここだけ。 ・まれに謎のファイルが転送される wine_rupfiler_12.jpg cache/下に追加した覚えのないファイルが転送されることがあった。 どういう条件で起こるのかはまだ分からない。 ただ、発生頻度は低いようだ。気にするほどでもない..か? ・インストーラの斜体日本語が化ける なぜか斜体は化ける。 ***総括 Linuxでも、Wineを介することで、rupfilerを利用することができる。 「rupfilerはVISTAで動くか?」「7で動くか?」などという心配にウンザリな方は、 Linux + Wineな環境に乗り換えてみるのも良いかもしれない。 もちろん自己責任で。 -----