|LEFT:100|LEFT:200|c |きみの髪、さらさらしてて好きだよ。うふふ。&br()そう言って、髪に涼海はそっと顔を近づけて、ほんの一瞬、口付ける。&br()「……寒くないの?」&br()「紫歩ちゃんが選んだコート、あったかいから大丈夫」&br()「それにしても変な話ね。大学生の方が高校生より早く出るなんて」&br()「バイトだからね、仕方ない。ちゅんちゅん」&br()「行ってらっしゃい」&br()「ん、行ってきます」&br()涼海が紫歩の唇に、ちゅっと音を鳴らして、玄関に素早く顔を向けるとドアを開けて出て行った。&br()朝六時。この季節、ようやく日が昇り始めるか、どうか。そんな時間。|||| ||||| |||||