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    <title>見ろ！　爆発寸前だ！！　小説置き場</title>
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    <description>見ろ！　爆発寸前だ！！　小説置き場</description>

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    <title>コラム・エッセイ</title>
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      -[[コロッケパン&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/48.html]]
非エロ、コメディータッチ、全年齢対象

-[[「遠く遠く」という曲&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/49.html]]
音楽批評、全年齢対象

-[[非モテ青春パンク&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/55.html]]
音楽批評、高校生以上推奨    </description>
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    <title>非モテ青春パンク</title>
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      銀杏boyzとガガガＳＰの話。 

基本的に、失恋や片思いを歌い上げている歌が多いこの２組。 
正直な話、両方聴けば、それだけで思春期は完成してしまう。 
それくらい完成されていると思う。 

銀杏の場合、そもそもの話はゴイステ時代に遡る。 
高校２年の時「童貞ソー・ヤング」を初めて聞いたのが始まり。 
次いで「若者たち」。これも良かった。 
銀杏への移行後も、「夢で逢えたら」「もしも君が泣くならば」など、名曲は多い。 
歌詞がある程度卑猥なことは否定しない。 
でも、所詮、思春期に考えてることなんてそんなもの。 
その辺をパンクロックに乗せてストレートに歌い上げる。 
聞いてみれば分かるが、聞き苦しさがない。 
猥雑な歌詞が、すんなり受け入れられてしまうリズム感がある。 
メロディーラインに気を配って聞くと、パンクロックの中では比較的上品な部類だ。 

一方でガガガは、お世辞にも上品とは言えないヴォーカルと曲調。 
その中で、歌詞で身体的なつながりを求めている箇所はほとんどない。 
「卒業」「京子ちゃん」「はじめて君としゃべった」「祭の準備」辺りを聴けばそれは分かる。 
極めてプラトニックな感情を表現している。 
濡れ場が一切ない恋愛小説のように、あの子と一緒にいたい、あの子と話せるだけで幸せ、
あの子が生きていればそれでいいという思いがあふれ出している。 

銀杏は下品にして、上品。 
ガガガは上品にして、下品。 
この場合、下品は決してネガティブな意味ではない。 

学校で片思いの人の前にいる時はガガガ。 
家で一人でいる時は銀杏。 
てな感じだろうか。 

当然の話として、人間、プラトニックだけでは持たない訳で。 
片思いしている時、抱きたいという欲求は常につきまとう。 
しかし、他方ではやっぱり心のつながりも欲しくなる。 
楽しく話がしたい、あの人の笑顔が見たい。 
そんな欲望も尽きることはない。 

だから、この２バンドの曲を聴けば、大体片思いのことは分かる。 
ような気がする。 

最近、この２組の曲を、理詰めで聴けるようになったのが怖い。 
率直に心が動かなくなった。 
高校の時はあんなに悲しかったのに、大学の時は素直に感動したのに。 
こんな風に理屈で考えられるようになった。 
自分が腐っていくような、そんな感じがする。     </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/20.html">
    <title>ＦＦＴ二次創作</title>
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      -[[こころひとつ&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/21.html]]
ジャンル：汎用恋愛　年齢：全年齢対象　特記事項なし
ぶっきらぼうな男モンクと気弱なお嬢様育ちの女白魔道士を中心に、「真実を探す旅」を汎用視点から見たお話    </description>
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    <title>オリジナル短編</title>
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      -[[夕映えの再会&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/40.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし

-[[星と煙草&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/42.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし

-[[To the sun&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/43.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし

-[[線香花火&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/44.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし

-[[a game under the sun&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/45.html]]
ジャンル：スポーツ小説（野球）、現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし

-[[rainy&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/46.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし

-[[月が欠けた夜に&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/47.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、やや暗め    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/15.html">
    <title>オリジナル中編</title>
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      -[[Slip my memory&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/14.html]]【完結】
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象　特記事項なし
卒業を控えた男子高校生の、秋の日に芽生えた片思いとそれを諦めるまでの物語

-[[白い時の中で&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/16.html]]【完結】
ジャンル：現代（やや近未来）恋愛　年齢：全年齢対象　特記事項なし
核戦争で破壊されてしまった世界で、普通の大学生カップルが最期の時までを過ごす物語

-[[リクエスト&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/37.html]]【完結】　[[番外編&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/38.html]]
ジャンル：現代恋愛　年齢：全年齢対象、特記事項なし
成人式で５年ぶりに出会った中学生時代のカップルが、往時との違いを感じつつも、惹かれ合っていく物語

-[[秋まつり&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/39.html]]【完結】
ジャンル：現代恋愛、ファンタジー要素含　年齢：全年齢対象、特記事項なし
地元の秋祭りに出向いた大学生。そこで出会った浴衣の少女との実ることのない淡い恋愛の物語    </description>
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    <title>こころひとつ　２－８</title>
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    <description>
      　生活の糧をいかにして得るか。まずはそのことが、一行に課せられた当面の課題となった。しかし、北天騎士団の影響下にあるこの町では、表だった仕事はできない。オーウェルたちはともかく、ラムザやサマンサは、見る人が見ればすぐに素性が知れてしまう。脱走した士官候補生だということが露見すれば、北天騎士団を束ねるあのベオルブ家が、彼らを放っておくわけがない。特にダイスダークなどは、躍起になってラムザを連れ戻そうとするだろう。北天騎士団の支配地域は思いのほか広く、王都ルザリアなどに出ても、それは同じことである。
「八方塞がりだな」
　オーウェルの言葉が、一行の全てを表していた。こういう状況下においては、「真っ当な」貴族として育ってきた経験はマイナスにしかならない。自分が、何か策を考えねばならないと、オーウェルは決心していた。
　夜半、各人が部屋に戻った後、オーウェルは一人、窓の外に広がるスラムの景色を見下ろしていた。昨日は、ラムザに気を遣い、彼には一人部屋をあてがっていたが、路銀を節約するため、男性陣は全員一つの部屋に入り直した。心労のためか、オーウェルを除く三人は、死んだように眠りに就いていた。オーウェルは彼らとは逆で、気がかりなことがあると眠れなくなる。その点、彼は極めて神経質だった。安心できる状況であれば、誰よりも早く眠りに就くのだが、少しでも気になることがあれば、彼はこのように何時間でも起きているか、さもなければ飲みに出かけてしまう。そのような彼の繊細さは、まだ、一行の誰も知らない。
　スラムの町では、今夜も、不毛な乱痴気騒ぎが繰り広げられていた。戦争の終結により職を失った元軍人、不景気のために職にありつけない若者、コールガールに身をやつすほかなかった女たち。彼らが展開するドラマは、壁一つを隔てた安宿の窓から見下ろしていると、まるで舞台で芝居が演じられているようにも見える。どの人間の背景にもドラマがあり、そこにはその人にしか持ち得ない真実がある。百人いれば百通りの真実がある。
　オーウェルの耳に、不意に、廊下を歩く衣ずれの音が届いた。気にしていなければ聞き漏らしてしまうような、ごくわずかな音。その音の正体に思いを巡らせている内に、オーウェルはもう、部屋のドアを開け、廊下に飛び出していた。
「何処行く気だ？　お嬢様」
　背後から声をかけられたことによほど驚いたのか、サマンサは飛び退くように振り向いた。
「お嬢様が一人歩きできるような所じゃないのは、昨日分かったはずだがな」
「ご、ごめんなさい……」
「で、何処に行く気だったんだ？」
　サマンサは俯き、唇を噛みしめて、ローブの裾をきゅっとつかんだ。人には言えないような、強い決心をした時の彼女のする仕草だということが、オーウェルにはようやくわかりつつあった。
「お、お金……」
　オーウェルは最初、彼女が何を言いたいのか要領を得なかったが、一行の路銀が少なくなっているという昼間の話を、彼女が心配しているらしいということだけは分かった。
「金がどうしたんだ？」
「その……少しでも……」
　サマンサが何をしようとしていたのか、オーウェルには分からない。サマンサには悲壮なまでの決意がある。ラムザはともかくとして、他の皆を巻き込んでしまったという自責が、彼女を苦しめていた。その上、生活の糧となる路銀が底をつこうとしているという事実は、彼女をより追い詰める結果となってしまった。
「金って、お前、何するつもりなんだ？」
　サマンサはまた、俯いて唇を噛み、ローブの裾を握りしめた。暗く、悲壮な決意は、他人には到底語れない。しかし、オーウェルはその仕草で、彼女が何をしようとしているのか、思い至ってしまう。
「……女を、売り物にする気じゃねえだろうな？」
　嘘が吐けないのは、誠実なお嬢様育ちがなせる業か。俯いた姿勢のまま、サマンサはビクンと身体をこわばらせた。下を向くフードから垣間見えた目は、奇しくも、オーウェルを養ってくれた母が、子どもたちには言えない「仕事」に出る時と、同じ色をしていた。次の瞬間、オーウェルはもう、彼女の胸ぐらをつかんでいた。
「てめえ！　そんなこと絶対許さねえぞ！」
「だって……だって、他にどうすればいいんですか！　みなさんを巻き込んで……これからどうすればいいのかも分からなくて、それで、私、どうしたら……」
　女を売るとは言っても、具体的に何をするのかまでは決めていなかったらしく、サマンサは一人、混乱していた。思えば、彼女の身辺には変化が多すぎた。昨日、飲みに出かけるなどという、普段の彼女とはおよそかけ離れた行動に出たのも、そのような混乱によるものだったと考えれば、つじつまがあう。
貴族という自分が信じてきた寄る辺は、彼女の中で見る影もなく汚れてしまった。平民は貴族を憎んでおり、貴族もまた、平民はどうでも良いものと蔑んでいる。分かり合いたいと希求しながら、自らの手でその平民を殺してしまった。気持ちの違いこそあれそれは、アルガスやザルバッグが選択した行為と同じだった。真実は彼女の中で、どんどん霞がかっていく。そして今、自分がどちらに進んで良いのかさえ、分からない。
「分からないんです……本当に……」
　もうそれ以上は、涙で言葉にならない。オーウェルにとっても、もうそれ以上、聞く理由はなかった。無意識の内にオーウェルは、彼女の細い身体を抱きすくめていた。
「もう、何も言うな……」
　ありきたりの言葉しかかけてやれない自分が嫌になったが、それでも彼女の身体を離そうとする気は、起こらなかった。自分が「責任を取れる」のか、この後彼女に何をしてやれるのか、そんなことは何も見えなかったが、今はただこうするしかなかった。こうすることでしか、彼女の悲壮な決意を受け止めることができなかった。
　卑怯とは分かっていながら、オーウェルはすぐにエリーを呼び、サマンサの身柄を彼女に預けた。エリーは、サマンサの様子が尋常でないことには何となく気付いていたらしく、何も言わずにサマンサの肩を抱き、部屋に連れ帰った。オーウェルは、そのまま部屋に戻る気にはなれず、また飲みに出かけることにした。

[[前&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/35.html]]　　　　[[次&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/52.html]]    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/54.html">
    <title>こころひとつ　２－１１</title>
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    <description>
      　六時まではまだ間があったので、オーウェルは部屋に戻った。ラムザたちは部屋にはおらず、彼は一人ベッドに身を沈め、シミだらけの天井を見つめた。
　サマンサを呼び出して、今言えることを洗いざらい話してしまうことで何が変わるのかは、まだ彼にも分からない。自分が再び、「愛」というものを直視できるとは思えない。しかし、けじめだけはつけなくてはならない。彼は、自分にそう課している。そうしなければ、何が何だか分からない。自分が自分でなくなってしまう。
　支離滅裂な思考の中で、オーウェルはまどろんでしまったらしく、醒めた時には、時刻は五時五十分を回っていた。
　宿の前に出ると、そこにはもうサマンサが待っていた。律儀な彼女らしく、十分前には既に到着していたようだった。
「あ、オーウェルさん。す、すいません。早く来すぎちゃいました……」
　おどおどして、すぐに謝るサマンサの性格にも、オーウェルはもう、いらつくことはない。付いてくるように促し、歩き出した。
「あ、あの、エリーから話を聞いて、それで、私舞い上がっちゃって……その……」
　オーウェルは、サマンサの相変わらずの話し方を耳では聞いていながらも、頭では別なことを考えていた。思わず彼女を抱きしめてしまった時の感触は、まだ腕の中にはっきりと残っている。それを確かめるように、自分の腕を見つめ、サマンサの顔と見比べた。
「お前に、言っておくことがある」
　オーウェルは立ち止まり、サマンサの目をはっきりと見据えた。
「前にお前が聞いた、『脱走』云々のことだ」
　そこまで言って、オーウェルはまた歩き出した。サマンサの純粋な目を見つめたまま話すことは、彼には出来なかった。
「……アカデミーに入る前、オレには、将来を誓った女がいた」
　女、という語に反応したのか、横を歩くサマンサの足がはたと止まる。
「聞きたくないのなら、続きは止めておく」
　サマンサはすぐにかぶりを振った。オーウェルは本当に、サマンサが嫌がるのであれば止めるつもりだったが、安心したような表情で話を続けた。
　淡々と、しかし確実に感情をこめた口調で話すオーウェルと、それに耳を傾けるサマンサ。没頭する二人には、周囲を埋め尽くすスラムの喧噪も、別世界のことだった。
　オーウェルには昔、将来を誓い合った女性がいた。名前は、彼自身にも思い出せない。思い出したくないのではなく、本当に思い出せないのだ。オーウェルにとって彼女は「お前」であって、それ以上の称号は不要だった。
　「お前」とオーウェルは、共に貧しい下級貴族ながらも、生活の中にそれなりの幸せを見出し、二人の時間を紡いでいた。家も隣同士で、付き合いは家族ぐるみ。何処までもありふれた、幼なじみだった。将来は揃ってアカデミーに通い、やがては北天騎士団に所属する戦士と白魔道士の夫婦になる―そんな夢を語り合った日もあった。
　破局は、思いもよらない所から訪れた。「お前」の父親が、戦争終結間際になって脱走。彼らもまた幼なじみだった父親同士が、捕まえる側と捕まえられる側に回った。隠れた場所を聞き出すために、「お前」は母親や弟たち共々、連行された。
　サマンサは、恐怖のあまり、そこから逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。しかし、オーウェルの言葉の端々に宿る確かな決意が、彼女にそれを許さない。
「その人たちは、どうなったんですか？」
　彼女は自然と、話の続きを促していた。
「前に、オーウェルさん、言ってましたよね？『かつての仲間に追いまくられて、見せしめのような公開処刑だ。残った家族は後ろ指差されて、死ぬしかない』って。やっぱり、そうなったんですか？」
　オーウェルの足が止まった。その反応を見て、サマンサは瞬時に確信する。ここに、オーウェルの闇がある、と。
「普通は、そうなる」
　何かを言い淀んでいるらしく、言葉少なに言い切るオーウェル。彼にはまだ、ここでサマンサが先を聞くのを拒否すれば止められるのだ、という甘えがある。
「そうならなかったんですか？」
　サマンサは既に覚悟を決めていた。何があろうと、この話を最後まで聞ききり、全てを飲み込もうと誓っていた。オーウェルは振り返り、サマンサの目を再び見据えた。
　「お前」とその家族が許されることは、結局なかった。彼女らは本当に、脱走した父親の行き先を知らなかったのだが、騎士団上層部はそれを、「尋問に当たったオーウェルの父親の追及が甘く、嘘を吐いて言い逃れようとしている」と決めつけた。因みにオーウェルの父親は、この際の「失敗」により、年齢に似つかわしくないほどの最前線に転属させられている。そこで彼は命を落とすことになる。
「アイツの家族は、一応『貴族』ではあったから、拷問はされないことになっていた。建前上はな」
　実際の所、昼夜を分かたぬ尋問は、拷問も同じだった。同じ下級貴族仲間であったオーウェルの父親を尋問官から外した上層部は、新たに平民の兵卒を配置した。下級貴族であれ貴族は貴族、と憎しみを向ける平民の兵卒たちにとって、「お前」とその家族は良い対象になった。それでも、彼女らは口を割らなかった。いや、割らなかったのではない。本当に知らなかったのだ。
「普通なら、ここまで行ったら終わりだ。家族は釈放されて家に戻るが、村八分で一生を終える。でも、ここでもそうはならなかった」
　一向に口を割らない家族に、上層部は英断を下した。公開処刑。脱走兵本人にではない。その家族に対して、である。
　決断の理由は、二つあった。一つは、脱走した父親を炙り出すための最後の手段。家族が殺されるとなれば、さすがに出てくるだろう、と。もう一つは、民衆への見せしめである。「いかに戦争末期で戦局不利な状況であっても、脱走を企てれば、たとえ貴族であってもこうなるのだ」。脱走が頻発する状況に置いては、騎士団の狙いはむしろ後者にあった。
　オーウェルは、ある日の散歩中、偶然撒かれていたビラで、この事実を知った。
　木の柵が張られた小さな広場に、彼は駆けつけた。その真ん中に、「お前」と母親、弟たちがひきずり出されてきた。
　名前を呼ぶことは、許されなかった。彼にできたのは、夢中で人波をかき分け、最前列で柵にしがみつくまでだった。柵にしがみついたオーウェルに気が付いたのか、「お前」は彼の方に目を向けた。しかし、彼女の目はもう、オーウェルに助けを求めることさえできなくなっていた。彼女とその家族が家から連行された時、オーウェルは、彼女の助けを呼ぶ声が聞こえたような気がしていたが、そんな気配すら微塵も感じられなくなっていた。
　執行役となった兵士が、一通りの口上を述べた後、並んで座らされた家族の首に、一斉に剣が振り下ろされた。処刑の中で最も苦しい「火刑」に処されなかったのは、騎士団が貴族層に対して向けたわずかな配慮だったのかも知れないが、死という事実には何の変わりもなかった。
「話すつもりはなかった」
　オーウェルのその言葉でようやく、サマンサは一連の話が終わったことに気付いた。
「でも、お前にだけは話しておかなければならなかった」
　お前にだけは。その特別扱いの意味をつかみかねて、サマンサは疑問の目を向けた。無論、期待していることはあったが、その通りであるかどうかの確信が欲しかった。
「オレは、アイツを見殺しにした。守ってやれなかった。一生守ると誓ったのに」
　サマンサは固唾を呑んで、オーウェルの一言一句を噛みしめるように聞いている。
「オレは、怖いんだ。お前を守ってやるって誓っても、もしかしたら、お前のことを守れなくなってしまう日が来るかも知れない。それが、怖い」
　誓えるものならば、誓いたい。オーウェルは既に、そこまで決意を固めていた。自分はもう、サマンサが好きだ。守ってやりたい。できることなら、思いも受け止めてやりたい。しかし、自らの足でそこまで踏み出す勇気は、まだない。
「だから、もう、オレに何も期待しないでくれ。お前の期待に応えられない自分が、どんどん嫌いになっていくんだ」
　これでいい。お互いの想いが理想の形で成就するなどということは、通常、あり得ないことだ。踵を返して宿に戻ろうとしたオーウェルの上着の裾を、サマンサの細い指がきゅっと握った。
「……やです」
　や、とは何なのか、とオーウェルが考える間もなく、酔った時のように饒舌になったサマンサは、間髪入れずに言葉をつなぐ。
「私は、あなたの側にいる限り、期待してしまうんです。あなたの強さも弱さも、私は知ってしまった。だから、それをもっと知りたい。私に受け止められるものは、もっと受け止めてあげたいって、そう思っちゃうんです」
　ここで、サマンサの手を取り、思い切り抱きしめてあげられれば、オーウェルはどれだけ楽になれただろうか。しかし、彼にはそれができない。一歩を踏み出すのがたまらなく怖いのだ。
　オーウェルは、服の裾に絡まったサマンサの指を、優しくほどいた。そのまま、彼女の方を振り返ることなく、宿に向かって歩を進め始めた。
「待ってます」
　サマンサの声だけは背中に届いていたが、やはり見返すことはない。
「待ってますから。オーウェルさんが怖くなくなるまで、ずっと」
　その淡い願いを拒絶することさえできない自分が、オーウェルはたまらなく情けなかった。

[[前&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/53.html]]    </description>
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    <title>こころひとつ　２－１０</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/53.html</link>
    <description>
      　オーウェルは、この話をまとめることに、義務感のようなものを感じていた。一行の財布役を担っているという責任感もあるが、それ以上に彼の脳裏には、サマンサの涙がこびりついて離れなかった。彼女に重荷を背負わせることに、抵抗を感じ始めている彼がそこにはいた。
「ガフガリオンだって……？」
　翌朝、その名前に真っ先に反応を示したのは、ラムザだった。その反応でオーウェルや他の一行も、男の正体に思い当たった。
「ガフ・ガフガリオン。平民出で、東天騎士団の分隊長にまでなったが、戦い方や征服の仕方があまりに残忍すぎて、戦後すぐ、騎士団を追放された男」
　バグシーが補足して説明するまでもなく、彼らは男の評判を思い出していた。
「アンタ、そんな危険人物と約束してきたの！？」
「騒ぐな、男女。別に、雇われるつもりがなければ、行かなけりゃいいんだよ」
　とは言え、彼らに残された選択肢はあまりに少ない。働く場所などそう簡単に見つかる訳もなく、いくらベオルブ家が多少のお目こぼしをしていたとしても、そういつまでも放っておいてはくれない。それに、真実を探す「旅」を、彼らはしなくてはならない。それには、傭兵という職業はうってつけだ。
「アンタはどう？　サマンサ」
「わ、私は、その、あの」
「ラムザ、お前が決めろ」
　ラムザに現実を知らしめる、などという大それたことを考えたわけではなかったが、このような決断はリーダーの資質を測る上で重要なことだと、オーウェルは考えている。仲間の意志を汲むことも大切だが、時にはそれを押し切って、決断しなければならないこともある。目の前の男に付いていくことの是非を、オーウェルは見極めようとしていた。
「お前がリーダーだ、決めるのはお前だ」
　自分はリーダーの器ではないと、オーウェルは思っている。エリーたちはオーウェルの資質を充分に認めているのだが、そうではないことは、彼自身がよく知っている。旅を続けるためには、リーダーが要る。頭を失った集団は、生きては行けない。ラムザには、何処か人を惹きつけるカリスマ性のようなものはある。しかし、まだ決断力は充分ではない。自分の決断で仲間を引っ張っていく勇気が、彼には必要だ。
「ちょ、ちょっと、ラムザ一人に決めさせるなんて、そんな……」
　エリーがそこまで言ったところで、サマンサが彼女を制した。右手の人差し指を唇に当て、左腕をエリーの胴体に押し当て、動きを止める。いつもの気弱そうな表情はそのままだったが、有無を言わせぬ迫力がある。その迫力に押されたのか、バグシーとブランドルも、何も言わずにオーウェルとラムザを見守っていた。
「僕は……」
　今まで、ラムザが「当然」と思って生きてきた世界は、あの、ジークデン砦で脆くも崩れ去った。今の彼は、自分をどの世界に寄せる訳でもなく、生きている。それを打開し、何らかの寄る辺を作るのは、自分の決断しかない。
「僕は……」
　これ以上追いつめるのは酷なようにも思えるが、オーウェルは譲らない。今ここが、自分たちにとってのターニングポイントになることを、はっきりと分かっているからだ。それはラムザや他の仲間たちにとっても同じことで、ラムザが仲間に話を振ったりすることはなかった。
「……集合は今夜八時だ。決心が固まったヤツから、今から言う店に来い。但し、ラムザが来なかったらこの話はナシだ」
　オーウェルは一旦話を止め、判断を各個に任せることにした。
　部屋に戻ろうとしたオーウェルを待っていたのは、エリーから呼び出しだった。
「アンタも、ホンット損な性格よね。憎まれ役ばっかり買って出てさ」
　呼び出されて向かった、宿の裏手にある汚い井戸端は、彼が初めてサマンサに本音を見せた、ガリランドの深夜の井戸端をオーウェルに思い起こさせた。
「当たり前のことだ。別に、憎まれ役を買おうと思った訳じゃない」
「それが損な性格だって、言ってんのよ」
　オーウェルは、憎まれ役を買って出ているのではなく、ただ、皆に好かれ、賞賛され、心を一つにまとめ上げるのが苦手なだけだった。それを避けている内に、いつの間にか憎まれ役になっているのである。
「さっきは、ゴメン。最初は、ラムザ一人に決めさせるなんて―って思ったけど、それが一番良いのよね、やっぱり」
「お前に謝られるとは思わなかった」
「らしくないって言いたいの？ 言っとくけど、私はまだ、サマンサの件は許した訳じゃないからね。アンタも、けじめはつけなさいよ」
　またその話か、とオーウェルは少しうんざりしたが、彼にとってこの話は、もう放置していられるものではなくなっている。勢いとは言え、彼は一度、サマンサを腕の中に抱きしめてしまっている。もう、後戻りはできない。何より、ラムザに大きな決断を強要した彼自身が、逃げる訳にはいかない。
「さっきのやりとりの時、真っ先にアンタの思いを理解したのが誰か分かってる？　私は長い付き合いだけど、すぐには分からなかった。ラムザもバグシーも、ブランドルだってそう。でも、あの子はすぐに分かった。だから、私を止めたのよ」
　オーウェルは俯いて押し黙っていた。言われなくてもそんなことは、彼自身が一番良く知っている。しかし、サマンサが自分に対して注いでくれる想いが、まだ彼には痛かった。
「……脱走に、何かあったの？」
　あの時、サマンサの口から発せられたのと同じ言葉が、エリーの口からこぼれ出た。オーウェルの身体がぴくりと強張る。その反応までもが、あの時と同じだった。
「今は、まだ話せん。悪いな」
「……アンタに謝られるとは思わなかったわ」
　オウム返しのようなやり取りにも、オーウェルが怒り出すことはなかった。普段はのらりくらりと話をかわしているが、核心を突かれるとつい怒ってしまう彼にとっては、珍しいことだった。多くの仲間が変わりつつある中で、オーウェルにもまた、等しく変化が訪れているようだ。
「お前に、頼みたいことがある」
　オーウェルは、逃げるのを止めることにした。自分に課せられているものに直面した結果がどうなるのかは、まだ分からない。それでも、逃げ回るのだけは止めようと、そう決心した。
「アイツに、六時に宿の前で待ってるって伝えてくれ」
「あの子には、言うの？　全部」
　オーウェルは少し逡巡したが、すぐに頷いた。エリーの言う「全部」が何を指すのかまでは、彼には分かっていなかったが、少なくとも、脱走にまつわる話くらいは、洗いざらいぶちまけるつもりでいた。
「分かった。六時でいいのね？」
「頼む」
　オーウェルはそのまま、踵を返して自分の部屋に消えた。見送るエリーの目は、どこか後悔したような色をたたえていたが、彼女もそれ以上何も言わず、オーウェルに背を向けた。

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    <title>こころひとつ　２－９</title>
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      　スラムの酒場は相変わらず薄汚れており、滅入ったオーウェルをうんざりさせたが、酒が入ればそんなことはどうでも良くなってしまうことは、彼には分かっていた。
「今日は、お連れさんはいないんで？」
　マスターは最初そのような軽口を叩いたが、オーウェルに一睨みされ、すぐに口をつぐんだ。
　安宿の窓から見下ろすよりも、もっと生々しく、真に迫る人間ドラマが、酒場では展開されていた。オーウェルもすぐに、そのドラマの登場人物の一人となった。その中の一人、上流階級にも下流階級にも、もちろん中流にも属さないような異彩を放つ男が、しばらくオーウェルの様子を窺っていたが、すぐに近寄ってきた。
「昨日も来てたな、小僧」
　男は特徴のある訛りを持っており、東方の人間であろうことがオーウェルにもすぐに分かった。
「何の用だ……？」
「まあそう警戒するな、小僧。お前なンかに興味はない。しかし、昨日お前が連れていた女が気になる。あれは、オレの記憶が正しければ、フリードベルグ家のご令嬢、サマンサ・フリードベルグじゃねえのか？　ン？　どうなンだ？」
　酔っているくせによく動く口だ、と、オーウェルは少し感心した。
「昔から、金になりそうなことには、鼻が効くタチでな」
「だったらどうなんだ？　誘拐でもするか？」
　気圧されてはいけないと、オーウェルは虚勢を張った。本当は彼も、少しだけびびっている。世慣れているとは言っても、まだ十六歳。百戦錬磨の軍人から見れば、駆け出しのヒヨッコに過ぎない。物腰や身なりから、目の前の男が単なるチンピラや軍人もどきではなく、幾度となく死線をくぐり抜けてきたことが分かる。相手の強さに対して敏感になれるのも、生き残る上では大切なことで、彼はそのことをよく知っている。
「そンなことはしねえよ。ただ、おかしいと思ってな。確かサマンサ・フリードベルグは今、王立アカデミーで士官候補生をやってるはずなンだがな。あの、ベオルブ家のご令息、ラムザ・ベオルブとかと同期でな」
　オーウェルはとっさに、拳に力をこめた。北天騎士団の放った刺客ならば、差し違えてでも倒さなければならない。それが実際にできるかどうかは別にして。
「敵わンのが分かってンなら、バカなマネは止めるンだな、小僧。何もお前たちを取って食おうって言ってンじゃねえ。むしろオレは、お前たちを助けてやろうってンだ」
　そういうと男は、オーウェルの隣に腰を下ろし、彼から安酒のグラスをひったくるようにして奪い、一気に飲み干した。
「お前たちが、例の脱走士官候補生なンだろ？　ジークデン砦の話も含めて、この界隈ではお前らはもう有名人だ。行く所も働く所もねえよ」
「そんなことは分かってる」
「まあ、聞け。お前らを捕まえて、イグーロスに連れて行けばそれでオシマイだが、それではオレにうまみがない。あのベオルブ家のことだ。オレを誘拐犯にでも仕立てて、脱走をなかったことにするかも知れン」
　確かに、あのダイスダーグならやりかねない、とオーウェルも思った。「脱走」であれば、恐らく彼やエリー辺りがラムザを「唆した」ものとして処理するのだろうが、誰かに「拐かされた」とした方が、より自然に、ラムザの―ひいてはベオルブ家の立場を守ることができる。
「ラムザってのは甘ちゃんだろ？　オレは、噂と偏った情報でしか聞いてねえが」
　突然の問いにオーウェルは戸惑ったが、別に嘘を吐く理由もないと思い、素直に頷いた。
「オレはそう思う。別に仲間として尊敬できないとか、リーダーとして信用できないとまでは思ってないが、アイツは甘い」
「よく言った、小僧。お前とは気が合いそうだ。お前も、ベオルブ家の長兄と次兄のことは知っているだろう。あの二人は、ラムザが甘ちゃんで、貴族の何たるかを分かっていないことを、苦々しく思ってる。アイツらにとっては、今回の脱走は『良い機会』なンだ。ラムザが自ずと現実を知るためのな。そうでなければ、お前らなンざ、とっくに捕まってる」
　今、自分たちは「現実」を知りつつある。貴族であることを前面に押し出さずに生きていくということの辛さを、少しずつ実感し始めている。それが、ベオルブ家の願いであるとすれば、一つの成功に向かいつつあるのだろう。
「オレは、ベオルブ家から直接話を聞いた訳じゃないが、あの辺の考えは大体そんな所だろう。それで、だ。オレはその策略にまんまと乗ってやって、ラムザ・ベオルブに現実を思い知らせてやろうってンだ」
「どうする気だ？」
「ン？　乗り気になったか、小僧。オレは傭兵をやってるンだが、今は部下が一人しかいない。五十年戦争の余波で、仕事も増えててな。ちょうど人手が欲しかったところだ。お前らならまとめて安く雇えて、オレにもメリットはある。悪い話じゃないと思うンだがな」
　傭兵。各地を旅しながら、騎士団や街の要請などで、戦闘を行う。給与も悪くないと聞く。
「報酬の分け方は？」
　こういう現実的な話になると、オーウェルは俄然強みを発揮する。相手が年嵩の、百戦錬磨の傭兵であっても、物怖じせずに突っ込んだ話ができる。
「今は、経費や宿泊代を引いて、オレが７、もう一人の部下が３でやってるが、お前らが入るなら、オレが５、部下が２、お前らに３ってとこだな」
　譲歩しているように聞こえるが、オーウェルの一行には彼やラムザを筆頭に六人の人間がいる。３といっても、一人分は０．５にしかならない。
「ちょっと、安すぎんじゃねえのか？」
「嫌なら断るこった。別にオレは、絶対にお前らじゃなければ、って訳じゃないンだ」
　確かに、この話のイニシアティブは男の側にある。かと言って、はいそうですか、と軽々に飲める問題でもない。
「仲間に相談する。考えさせてくれ」
「当然だな。オレとしても、意見は一致していてくれないと困る。雇ってほしいのなら、明日の夜八時、全員でここに来い」
「分かった。……アンタ、名前は？」
「ガフガリオン。ガフ・ガフガリオンだ」
　酒場から宿へ戻る道々、オーウェルは男の正体について記憶をたどった。聞いたことのない名前ではない。明らかに五十年戦争上がりの風貌から、その時の英雄かとも思ったが、そうではない。酔った頭では、それ以上の思考は働かなかった。

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