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    <title>見ろ！　爆発寸前だ！！　小説置き場</title>
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    <description>見ろ！　爆発寸前だ！！　小説置き場</description>

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    <title>非モテ青春パンク</title>
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      銀杏boyzとガガガＳＰの話。 

基本的に、失恋や片思いを歌い上げている歌が多いこの２組。 
正直な話、両方聴けば、それだけで思春期は完成してしまう。 
それくらい完成されていると思う。 

銀杏の場合、そもそもの話はゴイステ時代に遡る。 
高校２年の時「童貞ソー・ヤング」を初めて聞いたのが始まり。 
次いで「若者たち」。これも良かった。 
銀杏への移行後も、「夢で逢えたら」「もしも君が泣くならば」など、名曲は多い。 
歌詞がある程度卑猥なことは否定しない。 
でも、所詮、思春期に考えてることなんてそんなもの。 
その辺をパンクロックに乗せてストレートに歌い上げる。 
聞いてみれば分かるが、聞き苦しさがない。 
猥雑な歌詞が、すんなり受け入れられてしまうリズム感がある。 
メロディーラインに気を配って聞くと、パンクロックの中では比較的上品な部類だ。 

一方でガガガは、お世辞にも上品とは言えないヴォーカルと曲調。 
その中で、歌詞で身体的なつながりを求めている箇所はほとんどない。 
「卒業」「京子ちゃん」「はじめて君としゃべった」「祭の準備」辺りを聴けばそれは分かる。 
極めてプラトニックな感情を表現している。 
濡れ場が一切ない恋愛小説のように、あの子と一緒にいたい、あの子と話せるだけで幸せ、
あの子が生きていればそれでいいという思いがあふれ出している。 

銀杏は下品にして、上品。 
ガガガは上品にして、下品。 
この場合、下品は決してネガティブな意味ではない。 

学校で片思いの人の前にいる時はガガガ。 
家で一人でいる時は銀杏。 
てな感じだろうか。 

当然の話として、人間、プラトニックだけでは持たない訳で。 
片思いしている時、抱きたいという欲求は常につきまとう。 
しかし、他方ではやっぱり心のつながりも欲しくなる。 
楽しく話がしたい、あの人の笑顔が見たい。 
そんな欲望も尽きることはない。 

だから、この２バンドの曲を聴けば、大体片思いのことは分かる。 
ような気がする。 

最近、この２組の曲を、理詰めで聴けるようになったのが怖い。 
率直に心が動かなくなった。 
高校の時はあんなに悲しかったのに、大学の時は素直に感動したのに。 
こんな風に理屈で考えられる    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/54.html">
    <title>こころひとつ　２－１１</title>
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    <description>
      　六時まではまだ間があったので、オーウェルは部屋に戻った。ラムザたちは部屋にはおらず、彼は一人ベッドに身を沈め、シミだらけの天井を見つめた。
　サマンサを呼び出して、今言えることを洗いざらい話してしまうことで何が変わるのかは、まだ彼にも分からない。自分が再び、「愛」というものを直視できるとは思えない。しかし、けじめだけはつけなくてはならない。彼は、自分にそう課している。そうしなければ、何が何だか分からない。自分が自分でなくなってしまう。
　支離滅裂な思考の中で、オーウェルはまどろんでしまったらしく、醒めた時には、時刻は五時五十分を回っていた。
　宿の前に出ると、そこにはもうサマンサが待っていた。律儀な彼女らしく、十分前には既に到着していたようだった。
「あ、オーウェルさん。す、すいません。早く来すぎちゃいました……」
　おどおどして、すぐに謝るサマンサの性格にも、オーウェルはもう、いらつくことはない。付いてくるように促し、歩き出した。
「あ、あの、エリーから話を聞いて、それで、私舞い上がっちゃって……その……」
　オーウェルは、サマンサの相変わらずの話し方を耳では聞いていながらも、頭では別なことを考えていた。思わず彼女を抱きしめてしまった時の感触は、まだ腕の中にはっきりと残っている。それを確かめるように、自分の腕を見つめ、サマンサの顔と見比べた。
「お前に、言っておくことがある」
　オーウェルは立ち止まり、サマンサの目をはっきりと見据えた。
「前にお前が聞いた、『脱走』云々のことだ」
　そこまで言って、オーウェルはまた歩き出した。サマンサの純粋な目を見つめたまま話すことは、彼には出来なかった。
「……アカデミーに入る前、オレには、将来を誓った女がいた」
　女、という語に反応したのか、横を歩くサマンサの足がはたと止まる。
「聞きたくないのなら、続きは止めておく」
　サマンサはすぐにかぶりを振った。オーウェルは本当に、サマンサが嫌がるのであれば止めるつもりだったが、安心したような表情で話を続けた。
　淡々と、しかし確実に感情をこめた口調で話すオーウェルと、それに耳を傾けるサマンサ。没頭する二人には、周囲を埋め尽くすスラムの喧噪も、別世界のことだった。
　オーウェルには昔、将来を誓い合った女性がいた。名前は、彼自身にも思い出せない。思い出    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/53.html">
    <title>こころひとつ　２－１０</title>
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    <description>
      　オーウェルは、この話をまとめることに、義務感のようなものを感じていた。一行の財布役を担っているという責任感もあるが、それ以上に彼の脳裏には、サマンサの涙がこびりついて離れなかった。彼女に重荷を背負わせることに、抵抗を感じ始めている彼がそこにはいた。
「ガフガリオンだって……？」
　翌朝、その名前に真っ先に反応を示したのは、ラムザだった。その反応でオーウェルや他の一行も、男の正体に思い当たった。
「ガフ・ガフガリオン。平民出で、東天騎士団の分隊長にまでなったが、戦い方や征服の仕方があまりに残忍すぎて、戦後すぐ、騎士団を追放された男」
　バグシーが補足して説明するまでもなく、彼らは男の評判を思い出していた。
「アンタ、そんな危険人物と約束してきたの！？」
「騒ぐな、男女。別に、雇われるつもりがなければ、行かなけりゃいいんだよ」
　とは言え、彼らに残された選択肢はあまりに少ない。働く場所などそう簡単に見つかる訳もなく、いくらベオルブ家が多少のお目こぼしをしていたとしても、そういつまでも放っておいてはくれない。それに、真実を探す「旅」を、彼らはしなくてはならない。それには、傭兵という職業はうってつけだ。
「アンタはどう？　サマンサ」
「わ、私は、その、あの」
「ラムザ、お前が決めろ」
　ラムザに現実を知らしめる、などという大それたことを考えたわけではなかったが、このような決断はリーダーの資質を測る上で重要なことだと、オーウェルは考えている。仲間の意志を汲むことも大切だが、時にはそれを押し切って、決断しなければならないこともある。目の前の男に付いていくことの是非を、オーウェルは見極めようとしていた。
「お前がリーダーだ、決めるのはお前だ」
　自分はリーダーの器ではないと、オーウェルは思っている。エリーたちはオーウェルの資質を充分に認めているのだが、そうではないことは、彼自身がよく知っている。旅を続けるためには、リーダーが要る。頭を失った集団は、生きては行けない。ラムザには、何処か人を惹きつけるカリスマ性のようなものはある。しかし、まだ決断力は充分ではない。自分の決断で仲間を引っ張っていく勇気が、彼には必要だ。
「ちょ、ちょっと、ラムザ一人に決めさせるなんて、そんな……」
　エリーがそこまで言ったところで、サマンサが彼女を制した。右手の人差し指を    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/52.html">
    <title>こころひとつ　２－９</title>
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      　スラムの酒場は相変わらず薄汚れており、滅入ったオーウェルをうんざりさせたが、酒が入ればそんなことはどうでも良くなってしまうことは、彼には分かっていた。
「今日は、お連れさんはいないんで？」
　マスターは最初そのような軽口を叩いたが、オーウェルに一睨みされ、すぐに口をつぐんだ。
　安宿の窓から見下ろすよりも、もっと生々しく、真に迫る人間ドラマが、酒場では展開されていた。オーウェルもすぐに、そのドラマの登場人物の一人となった。その中の一人、上流階級にも下流階級にも、もちろん中流にも属さないような異彩を放つ男が、しばらくオーウェルの様子を窺っていたが、すぐに近寄ってきた。
「昨日も来てたな、小僧」
　男は特徴のある訛りを持っており、東方の人間であろうことがオーウェルにもすぐに分かった。
「何の用だ……？」
「まあそう警戒するな、小僧。お前なンかに興味はない。しかし、昨日お前が連れていた女が気になる。あれは、オレの記憶が正しければ、フリードベルグ家のご令嬢、サマンサ・フリードベルグじゃねえのか？　ン？　どうなンだ？」
　酔っているくせによく動く口だ、と、オーウェルは少し感心した。
「昔から、金になりそうなことには、鼻が効くタチでな」
「だったらどうなんだ？　誘拐でもするか？」
　気圧されてはいけないと、オーウェルは虚勢を張った。本当は彼も、少しだけびびっている。世慣れているとは言っても、まだ十六歳。百戦錬磨の軍人から見れば、駆け出しのヒヨッコに過ぎない。物腰や身なりから、目の前の男が単なるチンピラや軍人もどきではなく、幾度となく死線をくぐり抜けてきたことが分かる。相手の強さに対して敏感になれるのも、生き残る上では大切なことで、彼はそのことをよく知っている。
「そンなことはしねえよ。ただ、おかしいと思ってな。確かサマンサ・フリードベルグは今、王立アカデミーで士官候補生をやってるはずなンだがな。あの、ベオルブ家のご令息、ラムザ・ベオルブとかと同期でな」
　オーウェルはとっさに、拳に力をこめた。北天騎士団の放った刺客ならば、差し違えてでも倒さなければならない。それが実際にできるかどうかは別にして。
「敵わンのが分かってンなら、バカなマネは止めるンだな、小僧。何もお前たちを取って食おうって言ってンじゃねえ。むしろオレは、お前たちを助けてやろうってンだ」    </description>
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    <title>こころひとつ　２－８</title>
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    <description>
      　生活の糧をいかにして得るか。まずはそのことが、一行に課せられた当面の課題となった。しかし、北天騎士団の影響下にあるこの町では、表だった仕事はできない。オーウェルたちはともかく、ラムザやサマンサは、見る人が見ればすぐに素性が知れてしまう。脱走した士官候補生だということが露見すれば、北天騎士団を束ねるあのベオルブ家が、彼らを放っておくわけがない。特にダイスダークなどは、躍起になってラムザを連れ戻そうとするだろう。北天騎士団の支配地域は思いのほか広く、王都ルザリアなどに出ても、それは同じことである。
「八方塞がりだな」
　オーウェルの言葉が、一行の全てを表していた。こういう状況下においては、「真っ当な」貴族として育ってきた経験はマイナスにしかならない。自分が、何か策を考えねばならないと、オーウェルは決心していた。
　夜半、各人が部屋に戻った後、オーウェルは一人、窓の外に広がるスラムの景色を見下ろしていた。昨日は、ラムザに気を遣い、彼には一人部屋をあてがっていたが、路銀を節約するため、男性陣は全員一つの部屋に入り直した。心労のためか、オーウェルを除く三人は、死んだように眠りに就いていた。オーウェルは彼らとは逆で、気がかりなことがあると眠れなくなる。その点、彼は極めて神経質だった。安心できる状況であれば、誰よりも早く眠りに就くのだが、少しでも気になることがあれば、彼はこのように何時間でも起きているか、さもなければ飲みに出かけてしまう。そのような彼の繊細さは、まだ、一行の誰も知らない。
　スラムの町では、今夜も、不毛な乱痴気騒ぎが繰り広げられていた。戦争の終結により職を失った元軍人、不景気のために職にありつけない若者、コールガールに身をやつすほかなかった女たち。彼らが展開するドラマは、壁一つを隔てた安宿の窓から見下ろしていると、まるで舞台で芝居が演じられているようにも見える。どの人間の背景にもドラマがあり、そこにはその人にしか持ち得ない真実がある。百人いれば百通りの真実がある。
　オーウェルの耳に、不意に、廊下を歩く衣ずれの音が届いた。気にしていなければ聞き漏らしてしまうような、ごくわずかな音。その音の正体に思いを巡らせている内に、オーウェルはもう、部屋のドアを開け、廊下に飛び出していた。
「何処行く気だ？　お嬢様」
　背後から声をかけられたことによほど驚いたの    </description>
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    <title>コラム・エッセイ</title>
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      -[[コロッケパン&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/48.html]]
非エロ、コメディータッチ、全年齢対象

-[[「遠く遠く」という曲&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/49.html]]
音楽批評、全年齢対象

-[[非モテ青春パンク&gt;http://www39.atwiki.jp/sakataninovels/pages/55.html]]
音楽批評、高校生以上推奨    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/49.html">
    <title>「遠く遠く」という曲</title>
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    <description>
      　槇原敬之は反則だ。チートと言い換えてもいい。
　何故あれほど、全年代の男の心を抉ることができるのか。読心能力か何かが備わっている可能性がある。
　「遠く遠く」を最近よく聞く。テレビでも時々出てくるし、トリビュートも多く出ている。
　今自分が暮らしている町に「タワー」があるか、「新幹線」が走っているかは別にしても、おおむね、学生生活を終えて、独り暮らしを始めた男（或いは女の可能性もある）の普遍的な心情を鮮やかに描き出している。
　新入社員のスーツ姿に、思わず吹き出してしまう人も多いだろう。それほど、あの姿に、「七五三」という形容はよく似合う。それでも、ありふれた日々を連綿と紡いでいく内に、やがて身体の一部になっていく。ネクタイも、自分で選べるようになる。
　七五三から脱却できたころ、ふと、思う。
「俺、何やってんのやろ？」　
　そんな時、電話の向こうの声に励まされた人も、数多くいることだろう。その相手は、親かも知れないし、親友かも知れないし、恋人かも知れない。
「帰ってきて、いいんだよ」
　本当は、駄目なのかも知れない。自分で選んだ仕事を放棄して逃げるのは。でも、この一言で、どれだけ救われる人がいるのだろう。
　忙しい日々の中で、自分が自分でいられなくなることが、ままある。自分は自分でいてはいけないのだろうか、という思いにさえ陥る。
　もちろん、変わらなくてはいけないのも確かだ。それまで通りの生き方が通用しない場面にも、数多く直面することだろう。
　それでも、「なくしちゃだめなこと」は、一人一人の中に、必ずある。夢、希望、大切な想い……。そんな大事なものでさえ、埋没してしまいそうになる。
　だから、槇原は言うのだ。
　大事なのは　変わってくこと　変わらずにいること、と。
　この曲を聴くと、とりあえずもうちょいやってみようという気になる。ドーピング効果もある。
　つくづく、槇原敬之はチートだ。    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/48.html">
    <title>コロッケパン</title>
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    <description>
      　私の高校時代の親友に、Ｓという男がいた。今から二年前の夏、バイク事故で命を落としてしまったのだが、これがまたぶっとんだ男であった。
　まず、身長１８６㌢、体重６５㌔という超モデル体型。顔はあの「修二と彰」を足して二で割ったようなイケメン。当然女の子はキャーキャー大騒ぎで、バレンタインの前後など、大変なことになった。本人もその自覚はあったらしく、結構多くの女の子と遊んでいた（らしい）。
　しかしこの男、顔に似合わず下ネタが好きで、しかも、イケメン的な部分で騒がれるよりも、面白いことを言ってウケを取ったりすることに至上の喜びを見いだす、困ったちゃんなのであった。
　さて、私とこの男との間には色々なエピソードがあるのだが、その中で、私がこの男に対して底知れぬ恐怖を抱いたものを紹介する。
　当時、高校三年生だった私は、補習か何かを受講した後、一人で家路につこうとしていた。記憶ではこの日Ｓは、補習を受けずに先に帰っている。
　私は、昇降口まで来たところで、鞄の中に賞味期限の切れたコロッケパンが入っていることを思い出した。きょろきょろしながらゴミ箱を探していると、不意に、Ｓの下足箱のふたが若干開いているのを発見してしまう。私の心に悪魔が訪れた。
「……Ｓ、ウケ、取らしてやるからな」
　そう呟きながら私は、コロッケパンの封を開け、Ｓの上履きの中に中身を入れた。
　翌朝上履きに足をつっこんだＳが、周りで見守る人々に向かって、
「あー、コロッケパンやー。美味しそうやなー……ってコラー！」
　みたいなことを言ってウケを取る場面を想像し、「ああ、オレは何て友達思いなんだろう」などと思いながら、家路についた。
　翌朝、私が学校に来てみると、Ｓはまだ来ておらず、下足箱も私が昨日仕掛けをしたそのままの状態だった。
（Ｓ、腕の見せ所やぞ）
　まるで運動会の代表リレーに出場する息子を励ますような気持ちで、私は先に教室に向かった。
　約十分後、Ｓの足音が廊下から聞こえてきた。私としては、彼が教室に入ってきた時の反応まで想定していた。Ｓは恐らく
「上履きにコロッケパン入ってたんですけど！　もー、誰よー？」
　くらいのことを言うだろうから、私は「もちろんオレでしたー」と行こうと、待ちかまえていたのだ。
　しかし、Ｓが教室の扉を開けた瞬間、私は凍り付いた。コロッケパンが    </description>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/47.html">
    <title>月が欠けた夜に</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/47.html</link>
    <description>
      　昔付き合っていた恋人と、本当にもう二度と会えないことを、他人を通じて知った。
　未練がないと言えば嘘になるが、もう一度付き合いたいとか、昔のように笑顔で話したいと思っているわけではない。納得したかどうかはともかく、どんな手を使ってでも別れを防ごうとはできなかったし、しなかった。その選択の結果として今があるのだから、それも仕方がない。
　ところが、二度と会えなくなるとなると、言いようのない寂しさがこみ上げてくる。どうせ会おうと思わなければ会えなかった。だから、そんなことは関係ないはずだ。
　それなのに、彼女の存在というものを二度と認識できないと思うだけで、自分が生きてきた歴史の一部がそのまま何処かへ行ってしまったように思えるのは、何故だろう。事実として在るはずの彼女と過ごした時間が、まるで夢か幻のようになってしまう。
　彼女は別れる時、
「もう、あなたといるのが辛い」
と言った。その言葉は、僕をずっと縛り付けて放さない。
　彼女と別れてから何度、恋愛をしたいと思っただろう。目に映る好みの女性を、好きになろうとする度に彼女の泣き顔が浮かび、言葉が頭を巡った。
　彼女に二度と会えないことで、この言葉は僕の中で、永久に否定されることがなくなった。自分は、一緒にいてくれる女性を辛くする。その認識から、逃れることはできない。
　楽しかった思い出は現実ではなくなり、辛かった思い出だけが永遠に固定される。恋愛の喜びが絵空事となり、苦しさだけがはっきりと姿を現す。
　本当は、会いたい。再び「会いたくない」と言われても構わない。彼女が、少なくとも自分と同じ世界で生きていることさえ認識できれば、それだけでいい。
　でも、今はもう、そんな淡い願いさえ届かなくなった。
　一本ふかした煙草の煙が、明け方の空に溶けていくのを見つめて、僕は泣いた。ただただ泣いた。    </description>
    <dc:date>2009-07-23T22:29:53+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/sakataninovels/pages/46.html">
    <title>rainy</title>
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    <description>
      　雨が嫌いになったのは、いつからだろう。
　昔は、少なくとも自分が室内にいる時の雨は、嫌いではなかった。豪雨や雷といったものがもたらす、一時的な非日常を味わっている時間は、それなりに幸せだった。
　雨が嫌いになったのは、どうしてだろう。
　今思い出しても、胸が締め付けられるような感覚に襲われる時間が、僕にはある。
　
　突発的に降り出した夕立が、窓枠やアスファルトを激しく叩く。目の前にいる人の息づかいさえかき消されてしまいそうな時の中で、僕の腕は、彼女を後ろから強く抱きしめて、放そうとはしなかった。彼女が何を思っているのかも何も、僕には関係なく、ただ今のこの時間を手放したくない一心で、僕は腕に力を込めていた。
「……ごめん。やっぱりオレも、キミが好きや。放したくないよ」
　制服の、無駄に厚いブレザーを通して、彼女の鼓動が僕に伝わる。彼女の、華奢でいて柔らかい身体の運命は、僕の屈強すぎる腕にかかっている。へし折ってしまうことさえ、容易に思えた。暗くなり始めた校舎には今、僕と彼女しかいない。
　本当は、分かっていた。彼女には、僕なんかよりもずっと大切な人がいて、彼女の未来は常にその人と共にあることを。僕に見せた好意が、一時の気の迷いでしかないことを。全てのことから目を逸らして、僕は、腕に込める力を強めた。
「ちょ……痛い……よ」
「あ、ああ、ごめ……」
「でも……緩めないで。このまま」
　言われなくても、放す気も緩める気もなかった。少しでも腕の力を抜くと、この時間が全て、雨と共に流れ出してしまいそうで、ひどく怖い。
「後悔、せえへんの？」
「うん。私は、片瀬くんが好き。片瀬くんと、付き合いたいよ」
「でも、オレと付き合っても、不幸になるよ。だってキミは……」
　僕の良心が、思わず口から零れ出てしまいそうな瞬間、もう彼女の柔らかい唇は、僕の口をふさいでしまっていた。女の子が使う、甘いリップクリームの香りがした。
「私は、幸せになるよ。片瀬くんの腕の中で、幸せになるから」
　僕の良心が、もうそれ以上出なくなってしまったのは、彼女の唇のせいなどではなかった。原因は、彼女が幸せになるのならそれでいい、という、卑怯な現実逃避に他ならなかった。
「ありがとう。一生、キミのこと放さへん。約束するよ」
　彼女を騙したことへの痛みさえ、まだ僕にはな    </description>
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