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生徒会SS - (2014/02/01 (土) 16:11:20) の編集履歴(バックアップ)


【雨竜院夕立プロローグSS】


 春の夜はまだ冬のように寒い。しかし、夕立はその寒さが好きだった。
 風の音も、皮膚感覚も、何一つ現実世界と変わらない。しかしここは電脳世界であり、現実での自分の肉体は恐らく昏睡状態にあるのだろう。

 宵闇の中で敵も無しに夕立は構え、空手の型稽古を始めた。拳足が風を切る感覚も、体の内側で昂ぶる熱も、現実と同じだ。熱の篭った体の表面を冷たい空気が撫でて行く。

 砂利の鳴る音、破裂音、轟音。
 何度か目の正拳突きが放たれる。その威力は軌道上の空気の塊を砲弾のように弾き、遠当てでも十分な殺傷力を持っている。

(この拳を、人に撃ち込むのか……)

 夕立は考えた。彼の流派では顔面を打ち合うこともあるが、本気で相手を打ったことは無い。殺してしまうからだ。しかし、今回は殺すつもりで打たねばならない。何しろ戦争なのだ。

(嗚呼……嗚呼……)

 ハルマゲドンなど、戦闘破壊学園など、過去の話のはずだった。先輩になるはずだった人を、級友になるかもしれなかった者を、生き残るために殺さねばならない。負けた側は全滅。話に聞く過去のハルマゲドンよりも更に苛烈な条件。

(糞っ……!) 

 迷いを吐き出すように放った下段蹴りは地面を深く削いだ。
 番長グループのメンバーはまだ分からないが、雨竜院家の者がいたら……。考えても仕方ないとわかっているがやめられなかった。雨竜院家の娘には括約筋の緩い者が多い。きっと相見えた時には恐怖であれこれ漏らしているだろう。震える武傘を払い、拳を撃ち込む。出来るのか。

 型稽古を終え、タオルで汗を拭きながらもそんなことを考え続けていた。

(雨竜院家の人がこの世界に来てないことを祈るくらいしかないか……)

 彼の期待は裏切られる。

(姉さんが一緒に来なかったのがせめてもの救いかな)

 彼には双子の姉がいた。名を朝立という。共に希望崎への入学が決まっていて、DNGにも参加するはずだったのだが、当日風邪を引いたのだ。今となっては幸運と言うほか無い。

(姉さん、俺……必ず帰るよ……)

 夜空を見上げ、そう誓った時だった。

「うっ……これは」

 突然に股間が疼き、勃起していた。

「お、俺……姉さんのことを思い出しただけで……そんな」

 夕立は精通を迎えた小6の春から、男性器に異常な興味を持つ朝立により毎朝毎晩手と口で搾られていた。
彼には自慰の経験さえ無く、性と言えば姉による愛撫以外知らない。だから朝立から条件反射的に勃起するのもあり得なくは無いのだが、彼にとってそれは姉への冒涜だった。朝立も基本的には優しい姉で、夕立はそんな姉を多少神聖視する程度にシスコンだったから。

「う、おおおっ……何だこれ?
 まさか、誰かの魔人能力? いや……」

 更に股間から快楽の奔流が生じ、海綿体へは血液が流れ込み、道着に染みが出来始める。失禁では無い。

「これは、姉さんの……姉さんのテクだっ!
 ああ、姉さん!!」

 姉の名を呼びながら、夕立は膝立ちで上体を大きく後ろに反りビクビクと痙攣しながら精を放った。



 月明かりの差し込む部屋で、朝立はベッドの上の弟を見下ろしていた。特に股間、彼の体と同様に力無く横たわる逸物に慈雨のような優しい眼差しを向けている。
 電脳世界に意識を囚われ、目覚めない弟。従姉も同じような状態になっていたが、やはり一番心配なのは最愛の弟だった。
 体位の入れ替え、清拭やオムツ交換も進んでやっているが、それだけでなく意識があった時と同様に「抜いて」やることにしたのだ。

「一緒に行ってあげられなくてごめんね、夕ちゃん。
 姉ちゃんに出来るのは『これ』くらいだけど……必ず、帰ってきてね」

 朝立の瞳から溢れた涙の雨が夕立の股間へと降り注ぐ。
 この姉弟が現実で再び会えるのか、それは誰にもわからない。 

To be contined.


李奏子イメージソング「瀬海星伏計画」


せいふくするネ

お慕い申しているアル
ご恩に報いていくアル
会長の野望の為に力を蓄えてくアル(てくアル)

満漢全席も 清濁も呑み干して
この手と口を汚すこと 厭わず邁進するネ

麻婆豆腐残さず飲んだら
今日も明日も止めどなく
互いの魔人能力を 組み合わせて
この地上の一切合財 会長のものになるヨロシ
貴方丿為丿此丿命 リ・ソース
その夢に捧げるヨ

部員を求め西東
新世代求めニュージェネ
電脳世界の境目 私は超えてゆくアル(ゆくアル)

四川伝来の 辛さは旨味となりて
血となり肉となる 命の営みするヨ

厨房に立つ 強い背中に
王者の器感じるヨ
この地上で最強の武力 野望のために生み出して 私はそれを支えるヨ リ・ソース
世もいつか動き出す

天上天下全ての争い
あなたのもとで 世は事もなし
世界平和もすぐそこヨ ああ すぐそこヨ
この宇宙の森羅万象 中華に貴方座す者ヨ
貴方丿為丿此ノ命 リ・ソース
その夢に捧げるヨ

せかいせいふく(アル!)