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カメラの設計者を探してみよう - (2011/12/08 (木) 10:43:11) の編集履歴(バックアップ)


カメラの設計者を探してみよう(2011.12)


古いカメラを使ったり集めたりすると「このカメラやレンズを作ったのは誰だろう?」と疑問がわくことがある。
米谷美久氏(オリンパスペンやOM-1の設計者)のような有名人はいるが、多くのカメラ、レンズ設計者の名前は
歴史の闇の中に消えつつある。そんな技術者を探してみたい人にちょっとしたガイドとなれば幸いである。

カメラ、レンズの設計者を探す方法はいくつかある。


1.「写真工業」誌の目次検索をする

「写真工業」誌は、写真工業出版社が1952年から2008年まで出版していた雑誌である。
この雑誌に当時の新製品の技術解説として設計の中心人物が寄稿していることがよくあった。

「写真工業」誌の目次検索は下記のHP日本カメラ博物館の蔵書検索からできる。


例としてペトリハーフを検索してみよう。

フリーワードに「ペトリハーフ」を入力し、「逐次刊行物」をチェックして「検索開始」ボタンを押す。



いくつか雑誌が表示されるが、「写真工業」誌を選択し、出てきた記事名と著者をチェックする。
「技術資料」と書かれている記事は、開発担当者が書いていることが多い。



ペトリハーフの技術資料は柳沢明氏が執筆していることが分かった。柳沢氏の名前で蔵書検索を行うと
他のペトリのカメラについても10編ほど技術資料を執筆しているので、ペトリの中心的な開発者で
あったことが推察できる。

日本カメラ博物館に行くか、近くの図書館に蔵書があれば記事を読むことができるし、
日本カメラ博物館に頼めば記事の郵送も可能である。(関東以外の方限定、1頁70円+送料)


2.特許、実用新案検索を行う

特許の場合はカメラの機構の一部分について述べられていることが多いので、どのカメラに関係した
ものであるかわからないことが多い。カメラの発売時期やメーカー名で絞り込み、特徴のある機構を
カメラと特許の中から探し出すとよい。

検索は古い特許についてはキーワード検索ができない。特許庁では平成5年が限界であるが、
ULTRA Patentでは昭和40年代の特許まで無料で検索できる(表示は有料)。


昭和40年代以前の特許についてはFI検索を行って地道に探す。
拙稿「Canon 50mm F0.95を計算してみる」を参照のこと。

よく使うFIは G03B19/00(カメラ全般)、G03B7/00(カメラと露出)、G02B9/00(レンズ)等である。

例としてペトリ一眼レフの一軸カムシャフト駆動方式の実用新案(実開昭37-19038)を示す。FI検索で絞り込んだ特許を
1.で見つけた柳沢明氏の名前を頼りに一件一件特許を地道に確認してゆく。