ソードマスターヒロエ――誤植篇――

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京太郎「もー!なんだよこれ!担当に文句言ってやる!」

京太郎「姉帯さん?酷いじゃないですか!読みましたよ今月号の僕のマンガ」

豊音「え?酷いってストーリーが?」

京太郎「ぐへへ、違いますよ!誤植ですよ、誤植!セリフの文字が間違ってんですよ!」

豊音「えー?ホントにー?どこどこ何ページ目ー?」

京太郎「ヒロエが四天王サイアークに挑む前の会話で『あいつだけは許さへん』って最高にかっこいいセリフが」

ヒロエ『ぱんつだけは…許さへん!』

京太郎「酷いっすよこれ!」

豊音「あ、ほんとだやっちゃった」

京太郎「やっちゃったじゃないですよ!主人公がいきなりノーパン趣味に目覚めたみたいじゃないですか!」

豊音「はーっはっはっは」

京太郎「はっはっはー?なんでご機嫌なんすか!誤植はここだけじゃないんですよ!」

豊音「えーほんとー?どこどこ」

京太郎「主人公が暗い過去を語って『ウチの憎しみは消えないんや』って決意を新たにする超渋いシーンで」

ヒロエ『ウチの肉染みは消えないんや!』

豊音「あ、ほんとだ漢字間違ってる、やっちゃった!」

京太郎「いやだからやっちゃったじゃないですよちょっとー!」

豊音「はっはっは、肉染みってなに?脂汗?はっはっは」

京太郎「はっはっはじゃないですよ、なんでそんなに上機嫌なんすか?」

豊音「実は先日、友だちができたんだよー」

京太郎「あ、ほんとですか、良かったですね」

京太郎「でもこちとら全然良くないんですよ、まだ誤植あるんですよ」

豊音「えー?どこどこー?」

京太郎「ほら、次に現れた四天王サイアークが『お前がヒロエか』って言う超緊迫した場面で」

サイアーク『あなたがヒロエですね!すばらっ!』

豊音「あ、ほんとだ」

京太郎「四文字しか合ってないじゃないですか!」

京太郎「どうして『すばら』なんて口癖が付いてるんですか!もー!」

京太郎「またやっちゃったとか言わないでくださいよ!」

豊音「やっちゃったぜ!」

京太郎「いややっちゃったぜじゃないですよ!何かっこいい言い方してんすか!」

京太郎「誤植はまだまだあるんすよ!」

豊音「えーどこどこー?友だちいない歴0年の私が一体どんな間違いをー?」

京太郎「その次のコマですよ、ヒロエが『ウチがヒロエや!』っていう超クールなシーンが」

ヒロエ『わたしがヒロエです!すばらっ!』

京太郎「なんでサイアークの口癖主人公に移ってんすか!」

豊音「あーほんとだ、間違ってる」

京太郎「間違えすぎですよ!」

豊音「はっはっは、やっちゃったぜ!」

京太郎「かっこよく言わないでください、気に入ったんですかその言い方?」

豊音「気に入ったんだぜ!取っちゃヤダぜ!」

京太郎「取りませんよそんな喋り方!それよりもっとあるんですよ誤植!」

豊音「えーまだあるのー?どのへん何だぜ」

京太郎「どのへん何だぜ?そんな無理に言わなくても、最後ですよ最後のページ!」

京太郎「ヒロエが『ウチの新しい技を見せたる!』っていう超ドキドキのシーンですよ!」

豊音「どれどれ?」

ヒロエ『ウチの新しい脇を見せたる!』

豊音「あーほんとだやっちゃったぜ!」

京太郎「なんですか!新しい脇って!」

豊音「ごめーん友だちのことで頭がいっぱいでーついー」

京太郎「しかももっと酷い誤植が最後のコマにあるんですよ!」

京太郎「ヒロエが炎の剣を構えて『うおおおお!』って突っ込むところですよ!」

豊音「えーそんなセリフ間違えないと思うけどー」

京太郎「間違ってんすよ!」

ヒロエ『まそっぷ』

京太郎「何すかまそっぷって!もう意味わかんないですよ!しかもこのコマについてる煽り文、何すかこれ!」

豊音『友だちができたよー』

京太郎「なに自慢してんすか!」

豊音「やっちゃったぜ!」

京太郎「やっちゃったぜじゃないですよ!煽り文はこれ自慢したくてつい言っちゃっただけでしょう!」

豊音「言っちゃったぜ!」

京太郎「だから言っちゃったぜじゃあーもー何かもー!」

京太郎「やってられないんだぜ!」

豊音「ごめんだぜ!」



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最終更新:2013年10月16日 12:15