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雪の恋人 年下の男性視点 - (2010/03/28 (日) 20:33:39) の1つ前との変更点

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作者:Elika あ、雪……。 そっか、もうそんな時期か。 そうだよな。最近寒いもんな。 別に悪いイメージはないけど、寒いのは苦手だな。  「ふぅ……先輩……今日は会えなかったな……」 今日みたいな雪の日は、先輩に会いたかったな。 きっときれいなんだろうなー……あの黒髪、雪で飾りつけしたらさ。 立ち止まって空を仰いで、目をつぶって先輩の顔を思い浮かべる。 年上──っていっても、5つ上ってだけだけど、たまに年下に見えなくもないくらいに。 先輩はなにかと、愛らしい。  「へへっ……」 うっわ俺、なに考えてんだろ!? しっかりしろ俺ーーー!! ……先輩は、俺のことどう思ってるんだろう。  「年下じゃ……やっぱ無理だよな……」 やっぱ俺って小心者だよな、と自嘲しながら帰り道を急ぐ。  「あれ?」 降り始めた雪の中、俺が今一番会いたい人がぽつんと立っていた。 え、えっと────…… な、泣いてる?! なんで?!なんで先輩が泣いてんの?! しかも俺の部屋の前で!!? いや……事情はどうだっていい、なんとかしなきゃってうわぁあ! 小さく震えた小さな先輩が、俺の腕の中に飛び込んできた。 冷たい髪、冷たい手……先輩、ずっと待っててくれたんだ。 俺を……頼って……?  「ああ、よしよし……どうしたの?」 俺の口から、おおよそ普段の俺からは想像できない様な優しい音がこぼれた。  「うん、うん」 子供みたいに泣きじゃくる先輩の頭を、自然となでていた。 この世で一番大事なものを、この世で一番大切にするみたいに。 俺、こんなに優しくなれるんだ。先輩が、俺を優しくしてくれるんだ。  「いいよ。楽になるまでこうしてるから、好きなだけ泣いたら?」 寒空の下、戸惑いが一つ消えた。 もしかしたら、今なら言えるかもしれないな。 あなたが、大好きです、ってさ。

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