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アキ - (2010/03/10 (水) 10:52:58) の最新版との変更点

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アキ 私M01『時折、自分が舞台の上に乗った役者なのではないかと錯覚する。     舞台に乗った役者のように、自分がその役を演じているだけで、     現実の自分の人生が他の所にあるのではないかと、そんな錯覚をする。     人は自分ひとりの人生しか実感する事はできない。     ならば、他者でさえも、自分の人生に介入しているだけの舞台装置。     本当は他者の人生などはなく、世界は自分ひとりが生きているのではないか……     幼稚でどうしようもない、そんな錯覚をする。     今こうして考えている事も、現在進行形で、人生の一部になっていく。     そんな当たり前の事をふと気づく。続いて、妙な焦りが押し寄せる。     誰しもが生きて、その人生を歩んでいる、その現実を時折……いや、頻繁に、忘れるのだ』 私M02『……長く、夢想をしてしまった。     せっかくだ、先ほどの錯覚に合わせて、W5H1に乗っ取り、状況説明してみる事にする。     場所は病棟、季節は冬、時間は夜9時。私は男、今年で18になる。     どうしてここにいるか?それは……』  (病室の戸が開く) 彼01「坂田、来ていたのか」 私01「やあ、今着いた所だ」 彼02「嘘こけ、鼻が赤いぞ」 私02「うん、実は随分前に着いた」 彼03「廊下にずっとか。入れば良かったのに……入る間を逃したか?」 私03「……うん、逃した」 彼04「そうか……悪かったな」 私M03『彼は、私の横に腰を降ろした。     彼が、その寒さに、うひゃあとのけぞらない事が、少し腹立たしかった。     外から勇んだ格好の私とは違い、彼はシャツの袖もまくりあげた軽装なのにもかかわらずだ。     冷えたモルタル床は腰までじんと冷える』 彼05「何を見ているんだ」 私05「いや、別に」 彼06「また変な事を考えていたんだろう」 私06「どうして?」 彼07「頬がにやけている」 私07「嘘だろう」 彼08「嘘さ、でもぎくっとしただろう。この空想癖」 私M04『彼はごくいつものように、笑えない冗談を交えた。     それは私の不安をより強めるのに十分だった。     彼が私を部屋に誘い入れず、こうして横で雑談をしている、何か機を待っているのだ。     部屋に入れぬまま、こうして窓のない廊下で夢想していた私と同じように。     機を待つついでに、さきほどの続きをしよう。登場人物の紹介だ。     彼は田嶋、私の同級生。     まだ登場していない、この部屋の内にいる彼女はアキ、私と彼の一つ下の幼馴染。     私と彼は彼女に惹かれ、無邪気な彼女は、そのどちらもを慕っていた。     数日前にその陳腐な恋愛劇は決して……それきりだ。そういえば、彼と会ったのもそれきりだった』 私08「ひさしぶり、だな」 彼09「……ああ」 私09「生返事だな。俺達、二週間は会ってないんだぜ?」 彼10「一ヶ月だ」 私10「……一ヶ月か?」 彼11「一ヶ月だ」 私11「どちらにしたって、隣人同士が全く顔を合わさない年月には長い時間じゃないか」 彼12「……そうだな」 私12「どこに行っていたんだ?最近、ずっと暗かったから心配していた」 彼13「暗いって、俺が?」 私13「いや、家の明かりが」 彼14「……お前は本当に無神経だな。    いや、違う。これはいつもの、無神経に見せかけた誘導尋問なんだろう、審問官さん」 私14「そんなことは……いや、無神経に感じたなら謝るが……」 彼15「ははは……。まあ、坂田に会わないようにしていた理由は、なんとなくわかるだろう?」 私15「……まあ」 彼16「海さ。海に行っていたんだ」 私16「冬に?」 彼17「恋人は冬に海に行く、百年前からの定説に沿ってみたんだ」 私17「そんな定説があるのか?」 彼18「浄瑠璃でもそういう話があるだろう、最後は海に……」 私18「それは身投げだろう。……いや、待て。恋人? 田嶋お前、アキを連れていったのか」 彼19「……ああ」 私19「……それで、この事態か」 彼20「ああ……親父さんに、こってりしぼられた」 私20「親父さんに、じゃないだろう。アキはどうした。体調は?大丈夫なのか?」 彼21「……なんとか」 私21「そうか」 彼22「……坂田にも、怒られるかと思った」 私22「……怒ってはいる。馬鹿だとも思っている。ここが病院でなければ殴ってもいる」 彼23「怖いな」 私24「それくらいのことをしたんだお前は!なぜそう飄々としているんだ!    アキの身体のことはわかってるだろう!恋人なら自分の命とはかりにかけても気にかけてやれ!」 彼24「……すまん」 私25「俺に謝ってどうする、アキに謝れ」 彼25「……謝った。でも、謝るなって言うんだ。    私が行きたいとねだったのが悪いんだから、謝ることじゃないって言うんだ、アキは……」 私M05『知っている。あれは夕刻だったか、私はドアの前で彼女の声を聞いた。悲痛な声を聞いた。     彼女の父親の怒鳴り声も聞いた。彼の声は、一度だって聞こえなかった。     彼はじっと黙って、それを受けていた』 彼26「5歳の頃……坂田さんと行った海が見たいって言ったんだ。坂田、覚えているか」 私26「そんなこと、あったか」 私M06『あった。自転車で、彼女を後ろに乗せて。     夕日が綺麗だからとひっぱっていって、帰ったのは夜も真っ暗。     べそをかく彼女、両親にもこっぴどく叱られた』 彼27「……アキの望みをかなえてもやりたかった。だが、俺は……嫉妬したんだ。    自分勝手な裁量で、アキも、アキの家族もふりまわした。俺は最低だ、最低なんだ」 私27「田嶋」 彼28「なあ坂田、俺はアキが愛しい。だが……俺は、アキは、お前が好きなんじゃないかと思う」 私28「何を馬鹿な」 彼29「聞いてくれ坂田。アキと喋るといつもお前の話だ。坂田さんとどうした、こうした……そんな話ばかりなんだ」 私M07『私だってそうだ。話すたびに、田嶋さんとどうした、こうした……。     しかし、それはアキの交友関係が、私と田嶋、そしてアキの家族で回っているからだ。     アキは満足に学校にも通えていない』 彼30「お前は俺に怒ってくれた、それはお前が誠実だからだ。    誠実に、アキのことを考えていてくれるからだ。    俺は……俺はアキに、何も言えなかった……。坂田に嫉妬したのだと、言えなかった」 私29「田嶋」 彼31「教えてくれ坂田。あの時アキは……本当に、俺を好きだと言ったのか?    違うんじゃないのか? 本当は……坂田を好きだと伝えたんじゃないのか。    そして、知れず身を引いてくれたんじゃないのか……?」 私M08『――私は震えた。     時折、自分が舞台の上に乗った役者なのではないかと錯覚する。     他者でさえも、自分の人生に介入しているだけの舞台装置。     そんな錯覚が……現実になろうとしている。     彼は本来強い人間だ。不安に駆られ、ひどく不安定になっているだけで……     彼の友人である私は、「そうじゃない」と発するか、「そんな馬鹿を言うなら」と怒るか。     または黙って横にいる。そんな役割を彼に求められているのだ。     それがわかっているのに、私は震える。今、もし、違う返答を返したら、舞台は……     現在進行形で進む人生は、形を変えるんじゃないのか?     彼は弱りきっている、彼女も不安がっているだろう。私が彼らに一言発するだけでいいのだ』 彼32「なあ、坂田……」 私30「田嶋、アキは」 彼33「……アキは?」 私31「アキは、どちらも好きだと言ったんだ。どちらも、大切だと言ったんだ」 彼34「そうか……そうか、アキらしいな」 私M09『私は決して嘘はついていない。     ……そしてその後に、でも田嶋さんが好きだと、彼女はそう続けたのだ。     私の恋は、一月と二週間前のあの時に潰えた。』 彼35「坂田、アキについていてやれ。起きて顔を見たら、安心するだろう」 私32「どこ行くんだ」 彼36「……少し寝る。実は昨日から休んでないんだ」 私33「ついていてやらないのか」 彼37「坂田がいるじゃないか」 私34「……わかった。だが、朝になったら交代しろよ」 彼38「助かるよ。……それじゃあ、おやすみ」 私35「おやすみ」 私M10『簡単に、この劇の顛末を話そう。アキは……彼女は、その二年後、若い命を終わらせた。     元々、20まで持てばいいほうだと聞かされていた。最後は、穏やかだった。     彼は、その日以来、私達の前に顔を見せなかった。葬儀にすら、顔を出さなかった。     私は、一人でいる。あの日の、あの高揚感がべたりと身体を離れない。     いや、それは恐怖と呼んでいいものなのかもしれない。     私は今でも内に秘め、舞台の上に乗った役者のような、現実実のない人生を過ごしている』 私M11『そういえば、私は今だ、前と同じ場所に住んでいる。彼も、家を引き払いはしなかったようだ。     あれから、もう十年になる。家に帰るたびに、無人の暗い家が亡霊のように私を見下ろしているのにも、だいぶ慣れた』  (玄関のチャイムが鳴る) 私36「はい」 私37「……久しぶり、だな。十年ぶりだ」 彼39「十二年ぶりだ」 私38「……十二年ぶりか?」 彼40「十二年ぶりだ。この空想癖」 私M12『彼はそうやっていつのものように、笑えない冗談を言った』
アキ 私M01『時折、自分が舞台の上に乗った役者なのではないかと錯覚する。     舞台に乗った役者のように、自分がその役を演じているだけで、     現実の自分の人生が他の所にあるのではないかと、そんな錯覚をする。     人は自分ひとりの人生しか実感する事はできない。     ならば、他者でさえも、自分の人生に介入しているだけの舞台装置。     本当は他者の人生などはなく、世界は自分ひとりが生きているのではないか……     幼稚でどうしようもない、そんな錯覚をする。     今こうして考えている事も、現在進行形で、人生の一部になっていく。     そんな当たり前の事をふと気づく。続いて、妙な焦りが押し寄せる。     誰しもが生きて、その人生を歩んでいる、その現実を時折……いや、頻繁に、忘れるのだ』 私M02『……長く、夢想をしてしまった。     せっかくだ、先ほどの錯覚に合わせて、W5H1に乗っ取り、状況説明してみる事にする。     場所は病棟、季節は冬、時間は夜9時。私は男、今年で18になる。     どうしてここにいるか?それは……』  (病室の戸が開く) 彼01「坂田、来ていたのか」 私01「やあ、今着いた所だ」 彼02「嘘こけ、鼻が赤いぞ」 私02「うん、実は随分前に着いた」 彼03「廊下にずっとか。入れば良かったのに……入る間を逃したか?」 私03「……うん、逃した」 彼04「そうか……悪かったな」 私M03『彼は、私の横に腰を降ろした。     彼が、その寒さに、うひゃあとのけぞらない事が、少し腹立たしかった。     外から勇んだ格好の私とは違い、彼はシャツの袖もまくりあげた軽装なのにもかかわらずだ。     冷えたモルタル床は腰までじんと冷える』 彼05「何を見ているんだ」 私05「いや、別に」 彼06「また変な事を考えていたんだろう」 私06「どうして?」 彼07「頬がにやけている」 私07「嘘だろう」 彼08「嘘さ、でもぎくっとしただろう。この空想癖」 私M04『彼はごくいつものように、笑えない冗談を交えた。     それは私の不安をより強めるのに十分だった。     彼が私を部屋に誘い入れず、こうして横で雑談をしている、何か機を待っているのだ。     部屋に入れぬまま、こうして窓のない廊下で夢想していた私と同じように。     機を待つついでに、さきほどの続きをしよう。登場人物の紹介だ。     彼は田嶋、私の同級生。     まだ登場していない、この部屋の内にいる彼女はアキ、私と彼の一つ下の幼馴染。     私と彼は彼女に惹かれ、無邪気な彼女は、そのどちらもを慕っていた。     数日前にその陳腐な恋愛劇は決して……それきりだ。そういえば、彼と会ったのもそれきりだった』 私08「ひさしぶり、だな」 彼09「……ああ」 私09「生返事だな。俺達、二週間は会ってないんだぜ?」 彼10「一ヶ月だ」 私10「……一ヶ月か?」 彼11「一ヶ月だ」 私11「どちらにしたって、隣人同士が全く顔を合わさない年月には長い時間じゃないか」 彼12「……そうだな」 私12「どこに行っていたんだ?最近、ずっと暗かったから心配していた」 彼13「暗いって、俺が?」 私13「いや、家の明かりが」 彼14「……お前は本当に無神経だな。    いや、違う。これはいつもの、無神経に見せかけた誘導尋問なんだろう、審問官さん」 私14「そんなことは……いや、無神経に感じたなら謝るが……」 彼15「ははは……。まあ、坂田に会わないようにしていた理由は、なんとなくわかるだろう?」 私15「……まあ」 彼16「海さ。海に行っていたんだ」 私16「冬に?」 彼17「恋人は冬に海に行く、百年前からの定説に沿ってみたんだ」 私17「そんな定説があるのか?」 彼18「浄瑠璃でもそういう話があるだろう、最後は海に……」 私18「それは身投げだろう。……いや、待て。恋人? 田嶋お前、アキを連れていったのか」 彼19「……ああ」 私19「……それで、この事態か」 彼20「ああ……親父さんに、こってりしぼられた」 私20「親父さんに、じゃないだろう。アキはどうした。体調は?大丈夫なのか?」 彼21「……なんとか」 私21「そうか」 彼22「……坂田にも、怒られるかと思った」 私22「……怒ってはいる。馬鹿だとも思っている。ここが病院でなければ殴ってもいる」 彼23「怖いな」 私24「それくらいのことをしたんだお前は!なぜそう飄々としているんだ!    アキの身体のことはわかってるだろう!恋人なら自分の命とはかりにかけても気にかけてやれ!」 彼24「……すまん」 私25「俺に謝ってどうする、アキに謝れ」 彼25「……謝った。でも、謝るなって言うんだ。    私が行きたいとねだったのが悪いんだから、謝ることじゃないって言うんだ、アキは……」 私M05『知っている。あれは夕刻だったか、私はドアの前で彼女の声を聞いた。悲痛な声を聞いた。     彼女の父親の怒鳴り声も聞いた。彼の声は、一度だって聞こえなかった。     彼はじっと黙って、それを受けていた』 彼26「5歳の頃……坂田さんと行った海が見たいって言ったんだ。坂田、覚えているか」 私26「そんなこと、あったか」 私M06『あった。自転車で、彼女を後ろに乗せて。     夕日が綺麗だからとひっぱっていって、帰ったのは夜も真っ暗。     べそをかく彼女、両親にもこっぴどく叱られた』 彼27「……アキの望みをかなえてもやりたかった。だが、俺は……嫉妬したんだ。    自分勝手な裁量で、アキも、アキの家族もふりまわした。俺は最低だ、最低なんだ」 私27「田嶋」 彼28「なあ坂田、俺はアキが愛しい。だが……俺は、アキは、お前が好きなんじゃないかと思う」 私28「何を馬鹿な」 彼29「聞いてくれ坂田。アキと喋るといつもお前の話だ。坂田さんとどうした、こうした……そんな話ばかりなんだ」 私M07『私だってそうだ。話すたびに、田嶋さんとどうした、こうした……。     しかし、それはアキの交友関係が、私と田嶋、そしてアキの家族で回っているからだ。     アキは満足に学校にも通えていない』 彼30「お前は俺に怒ってくれた、それはお前が誠実だからだ。    誠実に、アキのことを考えていてくれるからだ。    俺は……俺はアキに、何も言えなかった……。坂田に嫉妬したのだと、言えなかった」 私29「田嶋」 彼31「教えてくれ坂田。あの時アキは……本当に、俺を好きだと言ったのか?    違うんじゃないのか? 本当は……坂田を好きだと伝えたんじゃないのか。    そして、知れず身を引いてくれたんじゃないのか……?」 私M08『――私は震えた。     時折、自分が舞台の上に乗った役者なのではないかと錯覚する。     他者でさえも、自分の人生に介入しているだけの舞台装置。     そんな錯覚が……現実になろうとしている。     彼は本来強い人間だ。不安に駆られ、ひどく不安定になっているだけで……     彼の友人である私は、「そうじゃない」と発するか、「そんな馬鹿を言うなら」と怒るか。     または黙って横にいる。そんな役割を彼に求められているのだ。     それがわかっているのに、私は震える。今、もし、違う返答を返したら、舞台は……     現在進行形で進む人生は、形を変えるんじゃないのか?     彼は弱りきっている、彼女も不安がっているだろう。私が彼らに一言発するだけでいいのだ』 彼32「なあ、坂田……」 私30「田嶋、アキは」 彼33「……アキは?」 私31「アキは、どちらも好きだと言ったんだ。どちらも、大切だと言ったんだ」 彼34「そうか……そうか、アキらしいな」 私M09『私は決して嘘はついていない。     ……そしてその後に、でも田嶋さんが好きだと、彼女はそう続けたのだ。     私の恋は、一月と二週間前のあの時に潰えた。』 彼35「坂田、アキについていてやれ。起きて顔を見たら、安心するだろう」 私32「どこ行くんだ」 彼36「……少し寝る。実は昨日から休んでないんだ」 私33「ついていてやらないのか」 彼37「坂田がいるじゃないか」 私34「……わかった。だが、朝になったら交代しろよ」 彼38「助かるよ。……それじゃあ、おやすみ」 私35「おやすみ」 私M10『簡単に、この劇の顛末を話そう。アキは……彼女は、その二年後、若い命を終わらせた。     元々、20まで持てばいいほうだと聞かされていた。最後は、穏やかだった。     彼は、その日以来、私達の前に顔を見せなかった。葬儀にすら、顔を出さなかった。     私は、一人でいる。あの日の、あの高揚感がべたりと身体を離れない。     いや、それは恐怖と呼んでいいものなのかもしれない。     私は今でも内に秘め、舞台の上に乗った役者のような、現実実のない人生を過ごしている』 私M11『そういえば、私は今だ、前と同じ場所に住んでいる。彼も、家を引き払いはしなかったようだ。     あれから、もう十年になる。家に帰るたびに、無人の暗い家が亡霊のように私を見下ろしているのにも、だいぶ慣れた』  (玄関のチャイムが鳴る) 私36「はい」 私37「……久しぶり、だな。十年ぶりだ」 彼39「十二年ぶりだ」 私38「……十二年ぶりか?」 彼40「十二年ぶりだ。この空想癖」 私M12『彼はそうやっていつのものように、笑えない冗談を言った』

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