「じゃあな、また明日」 いや、明日ってなんだよ。今日はもう終わってしまったのかよ。終わってなんてねーよ。 ――だって、これから夜が来るじゃないか。 毎日毎日ヤロー4人で不っ細工な顔つき合わせて ポテトチップス食いながら投げやりに話題振って ジャンプ読みながらテキトーに返事して 心底どうでもいい会話で馬鹿笑いして 「俺たちホントに馬鹿だよなー」って 無駄な時間をむさぼって それで、これですか。 部活帰りの中学生。隣の部屋のカップル。笑い声。 宴会してる大学生。くだらないテレビ。笑い声。 犬の遠吠え。子どもの泣き声。声。時計の。バイクの。セミの。ギターの。声。声。声。声が。 誰か、誰かかき消してください。 あなたの声で、かき消してください。 あなたの温もりで、凍えた指先を温めてください。 そしてお願いです。俺の大切な友人たちも、どうか、助けてやってください。