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オレがついてるぜ
【お題】主人公の悪友が活躍する台本

主人公:高橋(たかはし)タカ(バカ)
悪友:雁部(がんべ) ガンちゃん
女:藤川(ふじかわ)委員長
※3人は学生の設定。年齢は任せます。


主01「”オレに任せとけ”。彼の口癖はいつもそうだった。
   彼を一言で言うなら ”ガキ大将”。乱暴で、偉そうで、そして少々単純なところもあった」

悪01「なんだよ、”バカ”。こんなとこで」
主02「あ、あのね、相談があるんだけど」
悪02「はァ? 相談? なんでオレがバカの相談なんて聞かなきゃならねーんだよ」
主03「ご、ごめん…でも、他に相談できる人なんて思いつかなくて…ガンちゃん、頼れるし…」
悪03「ハァー…で? なんだよ?」
主04「うん…そ、その…」
女01「コラーーーッ!!」
悪04「ゲッ」

女02「雁部! アンタ、また高橋くんイジめてんじゃないでしょうね!」
悪05「あーぁ、うるせーのが来た…」
女03「なによ」
悪06「なんでもありませーん、いいんちょー」
女04「アンタはもう、昔っから…!
   高橋くん。高橋くんもキッパリ言わないとダメなんだからね?」
主05「う、うん…ありがと、藤川さん…」
悪07「おいコラ」

 (SE:予鈴チャイム)
女05「あっ! プリント届けなくっちゃ…
   雁部、悪いことしたらすぐ分かるんだからねっ!」

主06「はー…」
悪08「ったく、こっちの話も聞かないで…
   おいバカ、お前もなんでお礼言ってんだよ」
主07「…へ? な、なにか言った? ガンちゃん」
悪09「なんだよ、ボーっとして…あ」
主08「え?」
悪10「まさか、お前…委員長のこと好きなの?」
主09「え!」
悪11「そーなんだろ? 赤くなってポーっとして! ははーん、色気づきやがって、チビの癖に」
主10「チ、チビは関係…」
悪12「あのキッツイ女にかー、そーかそーか。ま、トロいお前とじゃお似合いじゃねーの?」
主11「に、似合わないよ! 藤川さん可愛いし、すっごい頭いいし、しっかりしてるし…」
悪13「惚気んなっつの。んで? 相談ってのは、それ?」
主12「そ…そうです…」
悪14「ギャッハッハ!! バッカじゃねーの!! そんなのオレに相談してどうしろってんだよ!!」
主13「うぅ…だ、だって、僕だってどうしていいか…」
悪15「まーそうだな、彼氏でもできればあの女も丸くなんじゃねーの?
   フン、オレに任せとけ、協力してやるよ」
主14「ホント!」
悪16「ああ、バッチリよ」
主15「ありがとー、ガンちゃん!」

主16「彼は、僕からの告白を伝えてくれると言った。
   しかし、一旦心を落ち着けた僕は、彼の真意が、面白がっているだけ、というのが多分だろうと思い至り。
   勝手ながら、二人の会話を物陰で伺っていた」

女06「で?何の話?」
悪17「校舎裏に呼びつけて、他に用なんてないんじゃねーの?」
女07「…果し合いのつもりなら先生呼ぶけど」
悪18「…ホントに色気ねーな、オマエ」
女08「なによ。…さっさと言いなさいよ」
悪19「ヘイヘイ。お前のことが好きなんだって」
女09「は」
悪20「高橋が」
女10「…嫌がらせ?」
悪21「あ?」
女11「嫌がらせでしょ?
   アンタ、いつも高橋くんに突っかかるじゃない。
   私も絡めて嫌がらせしようってこと? 最っ低」
悪22「なんだよ、そりゃ。別に俺、イジメてねーし」
女12「イジメてるでしょ? アンタ、いつもキッツイ言葉で突っかかるじゃない」
悪23「そりゃアイツがトロいからだろ。ボクたち、おトモダチだしー?」
女13「はァ? アンタが高橋くんをパシりに使ってんの、知らないわけじゃないんだからね
   どっちかが一方的にキツくあたる”お友達”なんてある?」
悪24「うっせーな…今こうやってパシられてんだろーが。
   だいたい一方的にキツくあたるって、それオマエのことなんじゃねーの?
   なんでオレにばっかりそうツンケンツンケンするんだよ、いい加減うぜーっての!
   気に食わねーならはっきりそう言えばいいだろ!」
女14「…バカ」
悪25「は」
女15「バカ、ガサツ、ボケ!! 味噌汁被って死ねばいいのに!!」
悪26「なんでだよ 急になに怒ってんだよ!」
女16「知らない!!」(SE:委員長走っていく)
悪27「あ……!」

主17「その翌日。彼は一言だけ、僕に告げた」

悪28「…悪ィ、うまく言えなかった」
主18「い、いいよいいよ!! 僕がちゃんと自分で言えなかったのが悪いんだし…」
悪29「…そうだな、そうだよな! こういうのは第三者が介入しちゃいけねーんだよ。
   お前のせいだぞ! 責任持ってちゃんと自分で告白してこいよ!」
主19「えっ、え~!」
悪30「あァ?」

主20「あの時、彼女は、彼に背を向けて走り去った。
   様子を伺っていた僕だけが、彼女の顔を見ることができた」

主21「ん…でも、恥ずかしいし、やめとく…」
悪31「…おい。じゃあ俺がわざわざ協力してやった意味ねーじゃん」
主22「ご、ごめん…」
悪32「おわびに、日曜に映画おごれ。パーッとうさ晴らさせろ」
主23「えーっ……ガンちゃん、ホラーばっかり見るし、ヤだ……」
悪33「っせーな、口ごたえすんじゃねーよ。”バカ”のくせに」

主24「そう、僕はバカだ。だから、何も知らない。
   数年後、同窓会のハガキと共に、僕は 彼と彼女のその後を伝えられる。
   何も知らない僕は、ハガキに小さく バツを書く」

END

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