***サムデイ・グッバイ 作者:ちゃま ◆A3zAmH5eqc 女性パート 数年ぶりにあったあなたは、あの頃よりも大人びて、少し残念だと思いました。あの頃は歳のわりには大人びて、そういうところに惹かれてたところもあったのだけれど、それはただ背伸びしてただけなんだって気付きました。 ずっと上ばかり見て、足元を見ずに転ぶ。周りから見れば不器用な生き方なのかもしれないけれど、そんなところもよかったなぁ、なんて。 私は明日結婚します。隣りに居るのがあなたじゃない、というのは少し寂しい気もします。そんなこと言うと旦那は怒るかな? それとも悲しむかな? あなたは喜ぶ? って、そんなこと言っても仕方ないかな。 私は幸せになります。多分、それがあなたも望むことなんでしょ。分かるよ。また会った時に惚気話でもしてやりたいな。愚痴になっちゃったらゴメンね。 あの日、あの時にバイバイを言わなきゃならないんだよね? 私は言いたくないんだけど。あなたは絶対言うんだよね。何時か私の事もひとひらの記憶になっちゃうんだろうね。それは仕方ないってことは分かってる。悲しいけど、ね。 だけど、私は忘れません。あなたがあの日にバイバイしちゃって振り返らなくなっても、私はずっとずっと振り返ります。あの頃を思い出して悲しくなっちゃうかもしれないけど、許してね。 男性パート 夢だと思った。結婚式場以外では会うことはないだろうと思っていたのに。 小説や漫画のように物事が進んでいくような人生には期待していなかった。だからあなたから結婚式の招待状を貰って、そこで友人代表としてスピーチすることも、考えても見ないことだった。 ついさっきまで何を言おうか、全くアイディアは出てこなかった。優等生見たく当たり障りのないスピーチでもいいのだろうけど、何となくそれじゃ面白くない。 いや、面白くないというのは少し言葉が違う。今日、あなたと会って、その隣りに居るのが自分ではなく、他の人だということに、寂しさを覚えて、あの頃には戻れないんだなと思った。 だから、今度のスピーチはあの日に別れを告げるために、言いたいと思う。 幸せになってください。世界で一番、幸せになってください。何時か、また会うときがあれば、惚気話でもしてください。それで俺は幸せです。 あなたには届かないかもしれない。だけど俺はあなたの幸せを祈り続けます。ずっと。ずっと。ずっと あとがき 朗読用を一本書いてみました。男性パート、女性パートどちらもクロスオーバーしていますので、 どちらにも目を通していただけると幸いです。 意味不明なのは、ご勘弁くださいorz