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発声練習 - (2010/07/27 (火) 16:05:47) のソース

**発声練習


セリフを録る前などにご利用ください。

***発声練習「腹式呼吸」

おなかを膨らませて声を出す練習です。

 1.おなかに手をあて、鼻から息を吸いおなかがふくらむのを確認
 2.口から息を吐き出し、おなかがへこむのを確認

※このとき、息をすべて出し切ると自然と息が入ってくると思います。
さて、次は実際に声を出してみましょう。

 1.先ほどと同じようにおなかに手をあて、鼻から息を吸い
 2.「あーーーー」と声を出しながらおなかがへこむのを確認

※おなかに力が入りまくってガチガチなのはNG。
おなかを風船のようにやわらかく使って声を出すように心がけましょう。


***滑舌練習「あめんぼの歌(北原白秋)」

あめんぼ赤いな あいうえお 
浮き雲(も)に 小えびも泳いでる 

柿の木栗の木 かきくけこ 
きつつきコツコツ 枯れケヤキ 

ささげに巣をかけ さしすせそ 
その魚(うお) 浅瀬で刺しました 

立ちましょラッパで たちつてと 
トテトテ立ったと 飛び立った 

なめくじノロノロ なにぬねの 
納戸にぬめって 何ねばる 

鳩ぽっぽホロホロ はひふへほ 
日向のお部屋にゃ 笛を吹く 

まいまいねじ巻き まみむめも 
梅の実落ちても 見もしまい 

焼き栗 ゆで栗 やいゆえよ 
やまたに火のつく 宵の家 

雷鳥 寒かろ らりるれろ 
れんげが咲いたら るりの鳥 

わいわい わっしょい わいうえを 
植木屋井戸がえ お祭りだ 

※ポイント
これは早口で言うのが目的ではありません。
滑舌よく発声しましょう。
「がぎぐげご」の音は「鼻濁音」で発声するように心がけましょう。
(鼻濁音:「が」ではなく「んが」と発声する)
自分が苦手な部分がわかったら、そこを重点的に練習するのも効果的です。

***外郎売り
拙者(せっしゃ)親方(おやかた)と申す(もうす)は、お立会い(おたちあい)の中(うち)に、御存じ(ごぞんじ)のお方(かた)もござりましょうが、お江戸(えど)を発(た)って二十里上方(にじゅうりかみがた)、相州小田原一色町(そうしゅうおだわらいっしきまち)をお過(す)ぎなされて、青物町(あおものちょう)を登り(のぼり)へおいでなさるれば、欄干橋虎屋藤衛門(らんかんばしとらやとうえもん)只今(ただいま)は剃髪(ていはつ)致(いた)して、円斉(えんさい)となのりまする。元朝(がんちょう)より大晦日(おおつごもり)まで、お手に入(い)れまする此(こ)の薬(くすり)は、昔 (むかし)ちんの国の唐人(とうじん)、外郎(ういろう)という人、わが朝(ちょう)へ来(きた)り、帝(みかど)へ参内(さんだい)の折(おり)から、この薬を深く寵(こ)め置き、用(もち)ゆる時は一粒(いちりゅう)ずつ、冠(かんむり)のすき間より取り出(いだ)す。依(よ)ってその名を帝よりとうちんこうと賜(たま)わる。即(すなわ)ち文字(もんじ)には「頂(いただ)き、透(す)く、香(にお)い」とかいて「とうちんこう」と申す。只今(ただいま)はこの薬、殊(こと)の外(ほか)世上(せじょう)に弘(ひろ)まり、方々(ほうぼう)に似看板(にせかんばん)を出(いだ)し、イヤ、小田原(おだわら)の、灰俵(はいだわら)の、さん俵(だわら)の、炭俵(すみだわら)のと色々に申せども、平仮名をもって「ういろう」と記(しる)せしは親方円斉ばかり。もしやお立会(たちあい)の中(うち)に熱海(あたみ)か塔(とう)の沢(さわ)へ湯治(とうじ)にお出(い)でなさるか、叉(また)は伊勢三宮 (いせさんぐう)の折(おり)からは、必ず門違い(かどちがい)なされまするな。お登りならば右の方(かた)、お下りなれば左側、八方が八つ棟(むね)、表(おもて)が三つ棟玉堂造り(ぎょくどうづくり)、破風(はふ)には菊に桐(きり)のとうの御紋(ごもん)を御赦免(ごしゃめん)あって、系図正しき薬でござる。

イヤ最前(さいぜん)より家名(かめい)の自慢(じまん)ばかり申しても、御存じない方(かた)には、正身(しょうしん)の胡椒(こしょう)の丸呑(まるのみ)、白河夜船(しらかわよふね)、さらば一粒(いちりゅう)食べかけて、その気味合(きみあい)をお目にかけましょう。先(ま) づこの薬をかように一粒(いちりゅう)舌の上にのせまして、腹内(ふくない)へ納(おさ)めますると、イヤどうも云(い)えぬは、胃(い)、心(しん)、肺(はい)、肝(かん)がすこやかになりて、薫風(くんぷう)咽(のんど)より来(きた)り、口中(こうちゅう)微涼(びりょう)を生(しょう)ずるが如 (ごと)し。魚鳥(ぎょちょう)、茸(きのこ)、麺類(めんるい)の食合(くいあ)わせ、其(そ)の他(ほか)、万病(まんびょう)速効(そっこう)あること神(かみ)の如(ごと)し、さて、この薬、第一の奇妙には、舌のまわることが、銭ゴマがはだしで逃げる。ひょっと舌がまわり出すと、矢も楯もたまらぬじゃ。

そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。アワヤ咽(のんど)、さたらな舌に、カ牙(け)サ歯音(しおん)、ハマの二つは唇(しん)の軽重(けいちょう)、開口(かいごう)さわやかに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、盆まめ、盆米、盆ごぼう、摘蓼(つみたで)、摘豆(つみまめ)、つみ山椒(さんしょう)、書写山(しょしゃざん)の社僧正(しゃそうじょう)、粉米(こごめ)のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米の小生(こなま)がみ、繻子(しゅす)ひじゅす、繻子、繻珍(しゅちん)、親も嘉兵衛(かへい)、子も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、ふる栗の木の古切口(ふるきりくち)。雨合羽(あまがっぱ)か、番合羽(ばんがっぱ)か、貴様(きさま)のきゃはんも皮脚絆(かわぎゃはん)、我等(われら)がきゃはんも皮脚絆、しっかわ袴(はかま)のしっぽころびを、三針(みはり)はりなかにちょと縫(ぬ)うて、ぬうてちょとぶんだせ、かわら撫子(なでしこ)、野石竹(のぜきちく)。のら如来(にょらい)、のら如来、三(み)のら如来に六(む)のら如来。一寸先 (ちょとさき)のお小仏(こぼとけ)におけつまずきやるな、細溝(ほそみぞ)にどじょにょろり。京(きょう)のなま鱈(だら)奈良なま学鰹(まながつお)、ちょと四、五貫目(かんめ)、お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶立ちょ、青竹茶筅(あおだけちゃせん)でお茶ちゃっと立ちゃ。

来るわ来るわ何が来る、高野(こうや)の山のおこけら小僧(こぞう)。狸(たぬき)百匹、箸(はし)百膳(ひゃくぜん)、天目(てんもく)百杯、棒八百本。武具、馬具、ぶぐ、ばぐ、三(み)ぶぐばぐ、合わせて武具、馬具、六(む)ぶぐばぐ、菊、栗、きく、くり、三菊栗、合わせて菊、栗、六菊栗、麦、ごみ、むぎ、ごみ、三麦ごみ、合わせてむぎ、ごみ、六麦ごみ。あの長押(なげ)しの長薙刀(ながなぎなた)は誰(た)が長薙刀ぞ。向(むこ) うの胡麻(ごま)がらは、えのごまがらか、真(ま)ごまがらか、あれこそほんの真胡麻殻。がらぴいがらぴい風車(かざぐるま)、おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師(こぼうし)、ゆんべもこぼして又こぼした。たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁だこ、落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬものは、五徳(ごとく)、鉄きゅう、かな熊(くま)童子(どうじ)に、石熊(いしくま)、石持(いしもち)、虎熊(とらくま)、虎きす、中(なか)にも、東寺(とうじ)の羅生門(らしょうもん)には、茨木童子(いばらぎどうじ)がうで栗(くり)五合(ごんごう)つかんでおむしやる、かの頼光(らいこう)のひざもと去(さ)らず。

鮒(ふな)、きんかん、椎茸(しいたけ)、定(さだ)めて後段(ごだん)な、そば切(ぎ)り、そうめん、うどんか、愚鈍(ぐどん)な小新発知(こしんぼち)、小棚(こだな)の、小下(こした)の、小桶(こおけ)に、こ味噌(みそ)が、こ有(あ)るぞ、小杓子(こしゃくし)、こ持って、こすくって、こよこせ、おっと合点(がてん)だ、心得(こころえ)たんぼの川崎、神奈川、程ヶ谷(ほどがや)、戸塚(とづか)は、走って行けば、やいとを摺 (す)りむく、三里(さんり)ばかりか、藤沢、平塚(ひらつか)、大磯(おおいそ)がしや、小磯(こいそ)の宿(やど)を七つ起きして、早天早々、相州小田原とうちん香、隠れござらぬ貴賎郡衆(きせんぐんしゅ)の花のお江戸の花ういろう、あれあの花を見てお心(こころ)をおやわらぎやという。産子(うぶこ)、這子(はうこ)に至(いた)るまで、この外郎の御評判(ごひょうばん)、御存(ごぞん)じないとは申されまいまいつぶり、角(つの)出(だ)せ、棒 (ぼう)出せ、ぼうぼうまゆに、臼(うす)、杵(きね)、すりばち、ばちばちぐわらぐわらと、羽目(はめ)を施(はづ)して今日(こんにち)お出(い)でのいずれも様(さま)に、上(あ)げねばならぬ、売らねばならぬと、息(いき)せい引っぱり、東方世界の薬の元〆(もとじめ)、薬師如来(やくしにょらい)も照覧(しょうらん)あれと、ホホ敬(うやま)って、ういろうは、いらっしゃりませぬか。