good,boy A:捨て猫を貰いに来た佐藤さん B:犬猫保護センターの職員 ◆受付 A_01「すいませーん」 B_01「はいはいー! ちょっとそこで待っててくださーい」 A_02「……」 B_02「どうもどうも、お待たしてすみませんねえ。どんなご用件でしょ?」 A_03「今日の午後ってお願いしてた、佐藤なんですけど」 B_03「サトウさんね……サトウ、サトウ……ああ、引き受け希望の方ね! どうぞどうぞ、こちらです!」 ◆センター (SE:ワンワン、ニャー) A_04「うわあ……」 B_04「ごめんごめん、ちょっと臭うでしょー? 掃除してるんだけど、どうしてもねえ」 A_05「別に平気ですけど……多いですね」 B_05「多い多い。うちはこれでも小さい施設なんだけどねー…… あ、佐藤さんは猫ちゃんの希望だったよね。 佐藤さんは猫をはじめて飼うそうだから、まずは仔猫か、人になれてる若い猫が無難かねえ。 お手入れの面では、短毛種のメスの子がおすすめですが、佐藤さんからご希望は……佐藤さん?」 A_06「……あ、すいません。この犬、首の所、どうしたんですか?」 B_06「ああ、そのワンちゃんね。多分、人間に追い掛け回されてるうちに、引っ掛けて怪我したんですよ」 A_07「だから、毛が?」 B_07「そうそう、そこだけ刈って処置したから」 A_08「それで他の犬と別にしてるんですね」 B_08「あーっと…………その犬、結構年なんですよね」 A_09「そうですか、寿命が」 B_09「……いえ、寿命はあと5年は大丈夫ですね」 A_10「え?」 B_10「いえいえ! さあ、佐藤さん、いきましょう、こっちです」 A_11「……」 B_11「……ほら、そのワンちゃん、怯えてるでしょ? もう駄目なんだよ。もうどうしたって、他の人間は信用できないんです」 A_12「そうなんですか」 B_12「ささ、いきましょ、佐藤さん!」 A_13「はい。……飼い主、見つかるといいですね」 B_13「そうですねー」