修羅場詰め合わせ4点セット 王子と姫 女『クリスチャン、私の王子様。どうか今こそ、その心を決めてちょうだい』 男『エレーヌ、私の姫君。どうか、その刃を置いてくれ』 女『この刃は私の想い、私の気持ち。私は空を舞う枯葉を捕まえようと手を伸ばし、それだけをやっきになって。 そして今、やっと、心の終着点を見つけたの』 男『婚約者である君をないがしろにした私が悪かった。しかし聞いてくれエレーヌ!私にはもう彼女しかいない……』 女『私もそうよ。あなたしかいないわ……クリス』 男『やめてくれ、お願いだ……エレーヌ!』 王子と姫 別ver 女『はじめは男の子を産め、次も男の子、多すぎてもよくない、姫も産め。馬鹿馬鹿しい、私は鶏かなにか?』 男『母上に言われたのかい』 女『ええ、お母様の口の止まらないことと言ったら!1にお作法2にお作法、何も欠けてなくたって粗探しをはじめるんだから。 国の宝を生むんだからって、口すっぱく。あなたの身分を知ってから、そればかりよ』 男『でも、君がそれを気にする必要はないと思うけどね』 女『どうして?』 男『だって君は平民の娘で、僕も求婚する気が無いからさ』 夫と妻 女『あら――あなた』 男『あら、はないだろう。亭主の帰りに』 女『ごめんなさい、だって突然でしたから。お帰りなさいませ』 男『ただいま。あら……の後の空白に君は誰の名を乗せるつもりだったんだい』 女『あら、何を言っているのか分かりませんわ』 男『私も知らないさ、でも今からわかるだろうね。 だってほら、そこに、逃げ遅れて、窓の格子に引っかかったままの間男が一人いるじゃないか』 夫と妻 別ver 女『お帰りなさい』 男『げ――ただいま』 女『……そんなに驚かなくたって。お茶漬け作るつもりだけど、あなたも食べる?』 男『ああ、いいよ。外で食べ……今夜は接待でね、それで、外で食べて来たんだ』 女『接待だったの、大変だったわね。それで、あなたの背広に香水の匂いがついているのね』 男『うん、そう、そう!銀座のクラブでね。帰りの電車も混んでいてね、そこでついたのかもしれないけど……ハ、ハハハ……』