特例会見の背景ポイント
- 中国は天安門事件で対中制裁に晒されていたが、天皇陛下訪中により緩和された
- 今回も五輪前後のチベット弾圧への非難に重ねてウイグル虐殺やスペイン国家法廷による起訴などの重なりもあり、天皇陛下との会見は中国の国際印象を挽回できる好機
- 会見で天皇陛下への態度で 中国<日本<アメリカ という印象作り
- 習近平の本国での序列はNo.6といわれ、次の主席になる為の実績作りとして中国国内の政争にも利用された
- 1ヶ月ルールを作ったのは95年の自社さ政権で、当時のさきがけ幹事が鳩山由紀夫
- 02年には小泉総理の天皇の和歌引用を民主党議員が天皇の政治利用と批判
- 特例会見前の11/11にも皇太子と習近平の妻・彭麗媛が非公式に面会
- 06、07、今回、と重ねるごとに人数を増し小沢訪中団が拡大してきた
- 特例会見の後、例年どおり6時間以上の長時間の皇室重要神事「賢所御神楽の儀」が行われた 1ヶ月ルール抜きに考えてもこの日は祭事への影響や天皇陛下の心身への負担が配慮されるべき
- 天皇陛下の体調は無視した小沢一郎は1年前、インド首相との会談を「体調不良」とドタキャンし翌日は選挙運動で青森へ、さらに取材には「からだが悪い時、それでも新聞社に出ていくか?」と逆ギレ
時系列
1992年
天皇陛下は天安門事件から3年後の平成4(1992)年10月、中国を訪問。
中国が西側諸国から厳しく批判されている時期で、当時の宮沢内閣が多くの国民の反対を押し切って、半ば強引に推し進めたものだった。
天皇ご訪中が結果的に、西側諸国による対中制裁の緩和につながり、政治利用されたことは、当時の中国外相の回顧録などで明らかになっている。
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【主張】天皇と中国副主席 禍根残す強引な会見設定
政府は、中国の習近平国家副主席が14日来日し、15日に天皇陛下と会見すると発表した。
中国側の会見申し入れは通常の手続きを踏まず、鳩山由紀夫首相の指示で会見を実現させるよう宮内庁に要請したことも明らかにされた。政治的利用ともいえ、将来に禍根を残しかねない。
陛下と外国要人との会見は、1カ月前までに文書で正式申請するのがルールである。だが、中国側の申請が来日までに1カ月を切った11月下旬だったため、外務省はいったん、陛下との会見は認められないと伝えた。これが主権国家として当然の対応だった。
ところが、中国側が納得せず、「習副主席訪日の成否がかかっている」として、なおも陛下との会見を要求した。民主党の小沢一郎幹事長が鳩山首相に会見の実現を働きかけ、首相が平野博文官房長官に会見を実現できないかの検討を指示したという。
中国の要求の理不尽さは、言うに及ばないが、これを取り次いだ小沢氏や鳩山首相の対応も極めて問題である。
このルールは、多忙な陛下のご日程の調整をスムーズに行うためのものだ。これまで、在京大使が緊急離日する際に特例の会見が行われた以外、ルールは厳格に守られてきた。習氏は胡錦濤国家主席の有力後継候補といわれるが、それは特例の理由にならない。
天皇は憲法上、日本国と日本国民統合の象徴とされる。時の政権による政治利用は、厳に慎まねばならない。だが、今回設定される陛下と中国副主席の会見は中国でも一方的に宣伝されかねず、政治的に利用されている。
陛下は天安門事件から3年後の平成4(1992)年10月、中国を訪問された。中国が西側諸国から厳しく批判されている時期で、当時の宮沢内閣が多くの国民の反対を押し切って、半ば強引に推し進めたものだった。
天皇ご訪中が結果的に、西側諸国による対中制裁の緩和につながり、政治利用されたことは、当時の中国外相の回顧録などで明らかになっている。
今回、鳩山内閣がルールを無視してまで中国の要求を受け入れたことは、中国側に「日本には無理を言えば通る」とのメッセージを与え、今後の対中交渉で足元を見透かされる恐れがある。露骨な「二元外交」も問題だ。鳩山内閣には再考を求めたい。
特例会見、中国では「次の最高指導者」周知の意図
2009年12月15日(火)21:57
中国の習近平国家副主席は15日、特例的に天皇陛下と会見し、胡錦濤国家主席(共産党総書記)の最有力後継候補として経歴に箔をつけた。
「皇室の政治利用」を巡る日本の騒動をよそに、中国は会見の「成功」をアピール、鳩山政権下で対日関係の強化を図る構えだ。
習氏は15日の会見で、緊張した表情で天皇陛下と握手。長身の習氏は、少し頭を下げて手を差し伸べ、あいさつを交わした。宮内庁によると、習氏は、会見が実現した経緯について直接の言及はしなかったが、「わざわざ機会を作っていただいたことに深く感謝します」と述べた。中国の環境問題なども話題となった。
中国が会見に強くこだわったのは、次世代リーダーの習氏を「最高指導者級」として処遇するよう求めたからだ。そこには、日本に習氏を印象付ける思惑以上に、中国国内で「次の最高指導者」としての地位を周知させる、内政上の宣伝意図があった。
中国は、日本の皇室の「政治的価値」を熟知している。銭其チン元外相は回顧録で、1989年の天安門事件後に中国が国際社会で孤立する中、92年の天皇陛下訪中が「対中制裁打破に積極的な効果をもたらした」と振り返り、西側諸国の包囲網を破る突破口となったと総括する。
習氏の妻で人民解放軍の人気歌手、彭麗媛さんが11月に東京・学習院大で公演した際にも、皇太子さまが私的に会場を訪れて鑑賞し、言葉を交わされたという。中国にとって、天皇陛下との外交は「政治」そのものであり、中国は今回、様々な手を打って準備した。
中国外務省の姜瑜・副報道局長は15日の定例記者会見で、「現在のところ、習副主席の訪問は非常に順調に進んでおり、日本も周到な手配をしてくれた」と評価した。
ただ、皇室相手の外交は、一歩間違うと、日本の国民感情を決定的に悪化させるリスクを伴う。98年に訪日した江沢民国家主席(当時)は、天皇陛下主催の宮中晩さん会で日本の軍国主義を非難して激しい反発を招き、その後の日中関係が冷え込む大きな原因となった。今回も慣例を破る特例会見となったことで、習氏に対して悪印象が残る懸念がある。
鳩山政権は「日中関係の重要性」を理由に、特例的な会見を認めた。中国共産党と鳩山政権との親密度は、今後さらに深まる可能性が高い。ただ、両国の国民同士の冷めた感情を好転させるという、現在の日中関係における大課題の解決という面では、むしろ逆効果となった恐れもある。(東京で、中国総局 関泰晴、国際部 比嘉清太)
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1998年
当時副主席の胡錦濤の訪日時にも天皇陛下が会見
2004年
今上天皇が腫瘍摘出手術を受けてからは健康上の理由からも「1ヶ月ルール」が厳格に適用されるようになった。国の大小や政治的重要性などにかかわらず厳守されてきた。
2008年
小沢一郎インドのシン首相との会談を体調不良を理由にドタキャンし翌日は青森へ選挙詣で「選挙に関する約束ははってでも出ないといけない。衆院選のための日程を最優先するのが野党党首の役目だ」
「からだが悪い時、それでも新聞社に出ていくか?」と記者への“逆質問”まで
10月23日、民主党岡田克也外務大臣は、国会開会式での天皇のおことばについて、「陛下の思いが少しは入った言葉がいただけるような工夫を考えてほしい」と発言したが、政治利用だとして与野党から批判された。
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「ジェノサイド」で起訴 スペイン法廷、江沢民らに通達(※)(修正再掲)
【大紀元日本11月26日】スペイン国家法廷はこのほど、中国前国家主席・江沢民を含む中共政権の高官5人に対して、法輪功学習者らが中国で残虐な拷問を受けたことについて「ジェノサイド 」(集団虐殺罪)と「拷問罪」で起訴することを受理した。法廷はすでに被告らに、法輪功迫害に対する質問事項が記された公文書を送付し、6週間以内に返答するよう命じている。
期限内に返答がなければ、国際逮捕状の発行となる。有罪が確定された場合、被告は最低20年の禁固刑となる可能性がある。中国当局は対応を渋っている。中共指導者らが海外の法廷に起訴される「前代未聞」の案件として、中国の指導部を始め、中央各直属機関と民間に大きな衝撃を与えている模様。
中央各直属機関、驚愕の反応
起訴されたのは、江沢民(こう たくみん)前国家主席のほか、法輪功を迫害する専門機関である「610弁公室」のトップ・羅幹(ら かん)、 重慶市委書記で元商務部長・薄熙来(はく きらい)、前北京市委員会書記長・賈慶林(か けいりん)、規律検査部門の責任者・呉官正(ご かんせい)の5人。
スペイン法廷の認定について、本紙記者は中共中央各直属機関に電話で取材した。電話に対応した中央司法部事務室の官員は、重大事件であり、司法部として応えられないと答えた。最高検査院と最高裁判所の官員は、「このような驚愕的なニュースに、コメントができないし、応えられない」と回答した。
外交部スポークスマン事務室の関係者が、「海外で本当に彼らを提訴することができるなんて、思いもよらなかったことだ」と、その場で驚愕の反応を隠せなかった。
外交部欧州局の官員は、すでにこの消息を知っていると認めたが、コメントを控えている。
公安部の高層と親密な関係をもつ北京の情報筋によると、公安部では上層から末端まですでにこの事を知っており、中では痛快なニュースだと拍手する人も少なくない。同情報筋によると、公安部は派閥林立で、江沢民らを恨んでいる者は少なくない。ジェノサイドと判定されたことを内部闘争の武器にして、今後、さらなる劇的な事件を引き起こす可能性があるという。
注目される中国側の今後の対応について、米国在住の人権弁護士・葉寧氏は、「4週間以内に、訴訟に応じるかどうか、非常に大変だが対応しないといけない。いずれの対応をしても、この案件においてすでに負けていると言える」と指摘する。
法輪功事件の重要な転換点
米VOA放送局(ボイス・オブ・アメリカ)中国語ネット21日の報道によると、スペイン国家法廷のイスマエル・モレノ判事は、法輪功学習者が中国で受けた拷問に関する2年間におよぶ調査を終え、中共政権の高官らを起訴する決定を下した。
VOAの取材に、米国中部地区の法輪大法協会主席・楊森氏は、法輪功学習者がスペインで勝利を得たのは、長期的な努力の結果であるとコメントした。「この訴訟事件はすでに2年間に及んだ。原告は、世界各地の法輪功学習者。被告はすべて現職か前任の中国共産党の高官であり、法輪功の迫害に直接責任を負う人たちだ」と話している。
1948年に国連でジェノサイド条約が採択されたが、認定されたケースは意外と少ない。法輪功に「ジェノサイド」罪が適用するというスペイン法廷の判定は、法輪功迫害における重要な転換点を意味する。
人権弁護士:画期的な案例
外国の法廷公訴が中国で執行される可能性について、北京の人権弁護士・唐吉田氏は、「普遍的管轄権」が可能にした今回の起訴は、国境を越えた正義を追求する上で、意義深いとコメントした。
「この裁判は、中国大陸の人に重要なメッセージを与えている。人権侵害を犯した者は、国内法では今のところ処罰されなくても、普遍的管轄権の原則から、必ずその責任が追及されることを、はっきり認識すべきだ。今まで愚かなことをしてきた多くの人は、一日も早く認識を改めなければならない」と唐氏は指摘する。
米国在住の人権弁護士・葉寧氏は、今回の起訴について、「国際公約の規定に従うもので、国家法廷による刑事起訴、罪名はジェノサイドと拷問罪。これらの特徴を考えると、この案例は、マイルストーンの重大事件である」と指摘する。
スペインの司法制度
なぜ、スペイン法廷は中国の指導者に対する訴訟を受理することができるのか。ワシントンポスト24日の記事によると、スペインは、さまざまな国際法規定を取り入れ、「普遍的管轄権」を認めている。つまり、重大な人道犯罪が起こった場合、管轄外である外国人の刑事責任も追及できる。
スペインは普遍的な人権の擁護者として頭角を現している。スペイン法廷がチリの元大統領ピノチェトを告発したのも、この法的枠組みの中で行われた。
国外法廷で裁かれても、中国国内で判決が実行できるかどうかは分からない。しかし、江沢民らがスペインに入国した場合は、即刻逮捕される。また、スペインとの締結国に入国する場合、逮捕・身柄請求を要請できる。
(※)【編集者註】当初「江沢民らに召喚状」としていたが、現在は、法輪功原告の刑事訴訟を、法廷が受理し刑事訴訟審理を起動した段階にある。審理のための答弁書を求める通知書が被告に送達されたということであるので、「江沢民らに通達」と修正する。
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習近平の妻で人民解放軍の人気歌手、彭麗媛が東京・学習院大での中国オペラで「私的に」会場を訪れた皇太子と非公式に面会
「賢所御神楽」
例年12月15日。天照大神(アマテラスオオミカミ)のご神霊を慰め、さらなるご加護を願って祈り捧げる皇室重要神事。
約一千年後の今日も、往事さながらに営まれる賢所御神楽は、およそ次のとおりである。十二月十五日の午後四時、殿内の一切を新調し日陰蔓(ひかげかずら)で飾り尽くされた賢所に神饌が供えられ、掌典長が祝詞を奏上する。そのころ御殿内外の提灯が点され、前庭で特別な勤労奉仕団の人々により約三十分交替で庭燎(にわび)が炊き始められる。夕方5時、黄櫨染の御袍をお召しになった天皇が、掌典長の先導で賢所の内陣へ進み、御玉串を奉って拝礼される。ついで、皇后・皇太子・同妃が、順に殿内で玉串を奉って拝礼され、さらに皇族方、参列者も前庭階下より拝礼する。
そのあと六時から、何と六時間(午前零時ころまで)に及ぶ御神楽が奉奏される。それが行われるのは、賢所の南庭に建つ神楽舎の中であるが、この建物には床も戸もなく、白砂が敷きつめられている。その北側の神前だけ開けて、三方に白黒の班幔(まんまく)を張り廻らす。・・中略・・
この座に列する楽師(宮内庁楽部の楽人)たちは、古くから雅楽を世襲してきた楽家の子孫が多い。全体を指揮し舞いを努める人長のみ、腋の空いた袍の束帯に券纓(けんえい)の冠を被り剣を佩(は)くが、他の楽師は衣冠(束帯の略装)を着用する。神楽歌に伴奏する楽器は、笛・篳篥(ひちりき)・和琴(わごと)と笏拍子(しゃくびょうし)が使われる。
御神楽は天照大神にのみ捧げられるもので、外の者は誰も見ることはできない。とはいえ、ある関係者の公刊記録によれば、およそ次のとおりである。
まず賢所の輪榊(わさかき・枝に白い輪をつけた榊)が、南階の下で掌典長から人長に渡される。つぎに人長が、舎内中央の火燎(ほどころ・庭燎・にわび)の前で楽器の所役を召し出し、才技の試問(本番前のテスト)により神意を伺う。それから序曲の「庭燎」と「阿知女作法(あちめわざ)」があり、ついで手に採物(とりもの・榊など)を持ちながら、「採物」の神楽歌三種(いずれも五七調の古歌)が、本方と未方の掛け合いにより歌い続けられる。そして人長が輪榊を高くかざして「人長舞」を舞うと、第一段階が終わる。
中略
六時間余り、天皇・皇后はじめ各皇族方は、それぞれの御所で静かに神威を仰がれ、「御榊献上」の連絡を受けてから就寝されるという。明治天皇も御製につぎのごとく詠まれている。
すめがみの広葉樹照らす月かげに 神楽の声もすみまさりつゝ